JOE / Ain’t Nothin’ Like Me

01.Get To Know Me feat.Nas
02.If I Was Your Man
03.If I Want Her
04.Where You At feat.Papoose
05.My Love
06.Go Hard
07.Ain’t Nothin’ Like Me feat.Tony YaYo &Young Buck of G-Unit
08.It’s Me
09.Let’s Just Do It feat.Fabolous
10.Feel For You
11.Just Relax feat.Dre
12.Love Is Just A Game
13.You Should Know Me
14.Life Of The Party
15.That’s What I Like

(総評)

コンスタントにアルバムをリリースしてくれているベテランシンガーJoeの6作目となるアルバムがついにリリース!もうデビューが93年ですから、ベテランと呼ぶに相応しい実力も人気も兼ね備えたR&Bシンガーです。まずはR&Bを聞く人ならば、Joeをといえば入門編ともいえるほどベーシックな歌そのものの良さとそのセクシーな歌声で、全てのR&B好きを魅了し続けています。先の2つのアルバムが実はリリース的には不振だったり、R&B好きの中からも賛否両論がでたりというのも、裏腹にJoeへの期待の大きさの現われだったりします。2nd,3rdアルバムと90年代のR&Bの歴史を語る上で外せないその大きな存在感からくるものなのです。
そんなJoeの6作目は、ここ数年のR&Bアルバムの中でも最高傑作に近いほどの、素晴らしい作品です。特にメジャーででたアルバムとしては、ここ数年は、レゲエやスパニッシュ、HIPHOPに押されいろいろなサウンドが先行していて、本来のR&Bのビートへのこだわりや美メロやコーラスの美しさ的なベーシックな魅力という点で水準の高い作品というのがなかなか2000年以降は見れらなかったのですが(インディーズではちらほらありましたが)、ここにきて、本当の意味でのR&Bとして質の高い作品を多く見ることができるようになって、その筆頭としてこのアルバムを上げることができます!
もはや、前作と前々作で、いろいろとサウンド的に挑戦を見せていたのですが、それをうまく消化して、かっこいい曲はHIPHOP的な要素やストリート的な要素を取り入れてかっこよく仕上げて、バラードは一度ベーシックなものへ戻ってしっかりとしたビート作りとサウンドのクオリティー、そしてメロディーメイキングもしっかりと行なって、本来のJoeらしい作品と新しいJoeのかっこよさ!の魅力二面が味わえる傑作に仕上げています。本人もいっている通り少しストリートよりな一面も持ちつつも、しっかりとJoeの歌がどの曲でも立っています!
Joeといえば、バラッディアーというほど、甘くとろける素晴らしいスローバラードが多く、実際2nd,3rdアルバムはR&Bの歴史に名を刻むほどのバラードの名盤となっていますが、ここ2作は様々なジャンルに挑戦していて、それが実を結んでこのアルバムではきちんとR&Bサウンドでありながら、スリリングでかっこいい曲がかなりの数で、入っています!
「Ain’t Nothin’ Like Me」というタイトルもその自身の表れでしょう~!特に、NasとかRapperが入っている曲はHIPHOPに迎合するのではなくて、もっとスムーズに彼らのRapをいかすような、曲調で聞かせてくれています。さらに、クールでかっこいいといえば、なんといっても日本盤でしか聞けない一曲「That’s What I Like」でしょう!この曲は、サウンド的にも和の雰囲気をいれて、荘厳でいながら艶をもったかっこよさを見せてくれる、JoeだからこそできるUPサウンドじゃないかなと思います。 そんな曲がありながらも、やっぱりJoeといえば、バラードということで、single曲でもある「If I Was Your Man」など、スムーズで素敵なバラードもたくさん聞かせてくれています。特に、後半のバラードの構成はとても魅力的で、14曲目「Life Of The Party」では、盟友Joshua Thompsonとタッグを組んで美メロ中の美メロをみせてくれ、その艶やかで魅力的な歌声にうっとりとしてしまいます。それぞれのいいなーと思わせる曲たちが、適度なペースであらわれてくれて、最後まで全く飽きさせずに、最後まできっちりと聞かせてくれます。
今もっとも脂の乗ったJoeというシンガーの勢いを感じさせてくれる2007年を代表する傑作アルバムでしょう。メジャーからはやっぱりこれぐらい水準の高い作品が出てくれないと、さびしくなりますよね!これからの、JOEの、快進撃を期待されてくれます。
オススメ:(14),(15),(2),(4),(5),(8),(9),(12),(13)

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Bear / Bear Necessities

01.Enter Pt.1
02.Alright feat.Lil Mondo
03.Later Night feat.Keak Da Sneak
04.Do Or Die
05.Enter Pt.2
06.Back of The Club feat.IRS & INPIRE
07.Round and Round
08.Beautiful
09.Lace You
10.Miss My Love
11.Missing You
12.Don’t Leave,br
13.My Rose

(総評)

Bearという名前どおりのふくよかな体系のシンガーで、その体に偽りなくパワフルな歌をガツンと聞かせてくれます!HIPHOPサウンドも大胆にそして自然に取り入れながら、しっかりとそのパワフルなバリトンボイスを中心に聞かせて、耳を離しません!彼自身の歌声は力任せなバリトンではなくて、もっとよく調整しながら聞かせてくれるので、美しい極では美しく歌うことが出来てなかなか器用な面も見せてくれて、安心して聞けるシンガーなのです。
特に4曲目「Do Or Die」やるかやられるかっていうすごいタイトルなのですが、そんなタイトルを思わせない美しい曲で、ただのバリトンシンガーじゃないと改めて感じさせてくれます。もちろんバリトンシンガーとしてのストロングボイスの魅力も2曲目「Alright」でしっかりと見せてくれます。さらになんといってもアルバムに多く収録されているHIPHOPサウンドの曲を、かっこいいR&Bのアップソングへとかえるメロディーメイカーとしての魅力もBearのこのアルバムの評価を引き上げています。一発でグッとくるメロディーをしっかり作れるんですから。地味めな曲でも水準以上の魅力的な曲がたくさんつまったアルバムに仕上がっています!後半の11、12、13曲目の個性あるそれぞれの歌が本当に魅力的なアーティストです!今後に期待がかかります!
現状のインディーズシーンは飽和状態になりつつあり、なかなかいいシンガーを探すのも大変になってきていますが、やっぱりジャケ写がいいアーティストはわりとよかったりするのも事実でセンスを感じさせてくれます。
オススメ:(4),(2),(8),(9),(10),(11),(12),(13)

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CUPID / Time For A Change

01.Work
02.Closer
03.Do Yo Dance feat.CRISTAL
04.The Let Out feat.Tay-dizm
05.Cupid Shuffle
06.369 feat.B.O.B
07.Spin The Bottle feat.Shorty Da Kid
08.Someone Like You
09.Say Yes
10.Don’t Love Her To Death
11.Cupid Shot You
12.I Love Me feat.Foxx

(総評)

インディーソウルの雄CUPIDがついにメジャーに殴りこみ!一癖あるアップサウンドをかかせたら右にでるものがいないCUPIDがついに3作目にしてメジャーからのリリースを成し遂げました!ルイジアナを代表するインディーソウルシンガーがついにその実力を認められて、そして、アトランティック・レコードからメジャーデビュー!でも、自由度は減ることはなく、より挑戦的なトラックで、クオリティーはより洗練されてかっこよくなっていっているのです!こういうインディーソウルのときの個性をそのままに出してくれるレーベルに賞賛を送りたくなるし、妥協しないCUPIDのすばらしいサウンドプロダクションも見事です!インディーソウルを愛する人にはうれしい第一歩です!
なんといっても2曲目「Closer」のすばらしさ!これは見事です!2007年最高峰のアップサウンドといっても過言ではないほどに、スリリングでエッジが効いたアップを披露してくれています!思わず体がゆれるのを止めれません!もうkeith sweatの昔を思わせるベタなシンセ使いといい、アップサウンドを魅せるには最高の一曲になっています。8曲目「Someone Like You」で見せるDru Hill, Jodeci直系のシャウター系の直情系のバラッドが本当にたまりません!こういうR&B然としたバラードも歌えるところをビシッと見せてくれています。この8曲目と先ほどの2曲目をプロデュースしたDeWayne Swanというプロデューサーの手腕が光ります。さらに、9曲目「Say Yes」や10曲目「Don’t Love Her To Death」での見事な美しいバラッドでじっくりと聞かせたりもするのですが、それにも増して凄いのが、5曲目、6曲目のありえない曲調!こんなサウンドでR&B作っちゃうとは、この人の才能が怖くなりますね~。本当にこういう面白みのある曲を作らせたら右に出る人いませんよ!そして、後半にまた見えるかっこいいファンキーサウンド11曲目「Cupid Shot You」でかっこいいアップサウンドを歌える強みをこれでもかと見せてくれます、ここ最近ではここまでアップサウンドを見事に歌いこなせるシンガーはいないですね!4曲目はTay-dizmことT-PAINをfeatして、話題性もある盤に仕上げていて、トータルとしていいアルバムになっています!どの曲も特徴があって、聞き飽きることがないアルバムになっています!
泥臭いソウルサウンドから軽快なアップ!さらにはバラードまで見事に歌いこなす、アーティストとしての幅の広さは、他になかなか類をみないアーティストの一人でしょう。シンガーとしての個性の塊って感じがします。本当に個性がころころ変わるので、好きな曲は必ず一つは見つかるはず!一度全部聞いてみてください!
オススメ:(2),(11),(8),(10),(9),(3),(5),(6)

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Shaun Escoffery / Move Into Soul

01.I Heard It Through The Grapevine
02.Aht Uh Mi Hed
03.A Change Is Gonna Come
04.She’s Gone
05.Why Can’t We Live Together
06.Solid Air
07.Blame It On The Sun
08.Who Is He And What Is He To You
09.Hercules
10.Feeling Good

(総評)

エレクトロニックなハウスっぽいソウルサウンドを前作で聞かせて、R&Bよりもハウス界の方でうれたシンガーShaun Escofferyの第二作!これがもう素晴らしいソウルカバーアルバムなのです、適度なエレクトロニックなエッセンスを加えつつ、もともと歌のソウルフルさには定評があっただけに、こういうソウルカバーがとてもあうんですねー!本当に渋いかっこよさをもっています!
この独特の雰囲気をもったアーティストがソウルのカバーをやるっていうだけでも面白みがありますし、さらに実はハウス界に注目されるまでは、その歌声の黒さでソウル界から相当注目を受けたいたシンガーであるので、今回のソウル回帰はうれしい限り!
特にやっぱり1曲目「I Heard It Through The Grapevine」での熱い歌い上げっぷり、さらに3曲目「A Change Gonna Come」の極上カバー!いやーもうハマりすぎでしょう~この声でこのカバーはやりすぎです!素晴らしすぎですね~。4曲目「She’s Gone」の素晴らしいこと!こういうカバーでみせる彼の実力の高さは物凄いですね。 どの曲もソウルフルであるだけでなく、ブルージーで渋いんです!その渋さに完全にノックアウトさせられます。後半のドス黒いファンキーさと渋さをもった味のある曲たちは、ここ最近ではみられないほどのソウルっぷりをみせてくれます。前作のハウスっぽさがどうにも受け入れられなかった人には、Shaun Escofferyをもう一度評価しなおすのにも聞いてほしいですね。誰にでもオススメできる盤ではありませんが、現代に残る数少ない本物のソウルを愛する人には聞いてほしい一品です!これぞソウルです!
オススメ:(1),(3),(4),(6),(8),(9)

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Roi Anthony / The Prelude | THE TRUE SOUL EXPERIENCE

01.the prelude
02.cutiest
03.groove swing
04.brand new
05.shorty
06.caddy (where my baby at)
07.freaky
08.miss you
09.?
10.long way from home remix feat.pallo

(総評)

その盤の値段は数万円とも言われる90年代を代表するレアなグループLe’JetのリードシンガーRoi Anthonyが、2007年ソロで復活を果たしました!はやりそのソウル香るグループの雰囲気をそのままに、力強い歌と果敢にもシーンに挑戦するパワーを見せてくれる一枚です。
最初から、歌力で聞かせるシンプルな構成の歌が目白押しで、ぐいぐいそのパワフルなストロングボイスで聞き手をずぶずぶとその世界に引き釣り込みます!ソウルフルな渋さと、時に甘い大人な歌声を聞かせ、王道ソウルを次々と披露していきます。
圧巻はなんといってもイントロの「the prelude」での劇唱っぷり!そこから一気に甘いスウィートソウルの世界へと引き込む2曲目「cutiest」のメローっぷりたら・・・もう70年代のアーティストを見ているかのごとく、渋さとエロさです。さらに4曲目「Brand New」では、あの「You Make Me Feel Brand New」の見事なサンプリングというか、ラッパーまで招いた今風のカバーを見せてくれるその斬新さも素晴らしい!ここでの声が裏返るかどうかの微妙なラインを歌い上げるRoiの歌いっぷりがR&B好きにはたまらないものがあります!8曲目、9曲目とそのねっちょり具合は深みを増し、ソウルフルで甘い溶け出すほどの歌を聞かせてくれます。
今風のサウンドに挑戦したりと現行シーンへのアピールもして、古い曲調への敬意も忘れずにさすがとしかいいようがない歌をじっくりと聞かせます。たとえLe’Jetをしらなくても、その歌力にほれ込むこと間違いないでしょう。2007年によみがえったリアルソウルシンガーの迫力を体感しましょう。
オススメ:(1),(2),(4),(8),(9)

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