和田昌哉 / Find A Way

(概説)

待望の2枚目となるシングル!素晴らしいソングライティング能力を1stシングルから遺憾なく発揮している実力派のR&Bシンガー和田昌哉!柔らかな歌声と、日本語でのメロディーを作ることにかけての抜き出た才能、さらに見事なフェイクのセンス!どれをとっても、最近の日本人のR&Bアーティストとしては一個抜き出た力と個性を持っています。見た目やスタイルでR&Bを表現するのではなく、純粋に歌い方やメロディーでその息吹を感じさせてくれるのは素晴らしいです。将来的にはUSとかでもやっていけるような力を持っていると感じさせてくれます。1曲目で、素晴らしいメロディーセンスと、フェイクを見せ付けてくれて、2曲目でUPも十分に歌えることも示してくれます。そして、3曲目ではなんとLuther Vandrossのトリビュートをやってくれるのです!これは本当にR&B好きとしては、こういう形でのカバーをやってくれるアーティストがいるとうれしくなりますね。もちろん1stでも、見せてくれたシングルの英語バージョンも今回は収録していて、英語の響きとかもすごい大事にしてて、この辺がとても丁寧にR&Bを聞いて、本当にそういう音楽が好きでリスペクトしているんだと感じさせてくれるアーティストです。彼はあまり日本語の詞をひねらずストレートな表現であらわすので、物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、より感情の動きとかを思い浮かべやすいと思います。僕はそういうところも解りやすくて好きですね。彼の引き出しはまだほとんど見えていないので、これからもいろんな曲を書いてくれそうで、早くアルバムで聞きたいなと期待させてくれる一枚!本当に素敵な曲なので、ぜひ聞いてみてください。

(曲紹介)

01.find a way / produced by Masaya Wada

ゆったりと揺らぐサウンドと浮遊感のある歌声と切ない詞がギュッと胸を締め付ける一曲。彼の独特のちょっと力んだときにビブラートが効く歌声でフェイクしていくのですが、これが切なさを増していきます。HOOKに入ったときに、それを感じることが出来ます。そして、最後にかけて複雑になっていくフェイクの多彩さも彼の魅力です。声がどんどん入り組んでいくのが、たまりません。リリックもストレートな感じで、素直に心に入ってきますよ。

02.someday / produced by Masaya Wada

和田さんは、スウィートな歌声なので、甘いバラードってイメージが強いですが、実は1stシングルから、結構こういう軽快で爽快感溢れるUPビートを展開していっているのが、今までのアーティストよりも、R&Bの展開をよくわかっているんだなと感じさせてくれます。ファルセットで、すっと心地よく聞ける滑らかな歌を聞かせてくれますよ。後半のシャウトも線が細いながらも、インパクトがある見事なシャウトです!UPも、できるのは今後の彼の強みになりますね。

03.a house is not a home / produced by Kiyoshi “KC” Matsuo

Lutherに対するトリビュートでもあるこの一曲は、KCさんがプロデュースを担当。声質的にはLutherとは全然違う和田さんですが、音のなぞり方とかメロディーのとり方とかでLutherの暖かい色合いをうまく引き出しています。よく聞き込んで歌っているなーと・・・KCさんもひさびさにいい仕事してますわ。最後の盛り上がりから、サッと引くような緩急のつけ方なんて、たまらんです。日本人のカバーとしては名カバーに入ること間違いなしな一曲です。

04.find a way (R&B Mix / English Version) / produced by Taishi Fukuyama

必ず収録されているシングル曲のEnglishバージョン!これが本当に素直に聞けてしまうほどビタっとはまっているんですよね。詞もうまくはまるように工夫されていますし。すごいな~。こちらのほうが、サウンド的には静かに展開していきますね。

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久保田利伸 / Club Happiness

(概説)

なんとも久保田らしいシングルが出ました。ちょっとPOPなセンスを織り交ぜつつ、今まで積み上げてきたR&Bや、FUNKの良さを随所に感じさせる一枚!元気がでるような感じで、心に響いてきます。これだけキャリアを重ねて、より濃いブラックな世界を表現できるようになっているのに、こういう以前のままの曲も今までの積み上げたものをプラスαして表現できるなんて、彼のセンスの幅の広さ懐の大きさを改めて感じさせてくれます。ただ、戻るのではなくて、今までのUSで積み上げたものもしっかりと感じ取ることができるのです、おもいっきりフェイクも合いの手も、全部が久保田流であり、R&BしててFUNKNESS!そして、リリックもとてもハッとさせられるような素敵なリリックです。カップリングも、久保田お得意の夏の終わりを感じさせるSummerシリーズの最新作で、切ないけどやさしい一曲です。このハミングする歌い方がたまらないんですよね。最後は、最近のシングルではよく見かける管楽器を使ったバージョンで、ただのインストにならず、語りやコーラスもあったりして、かなりこれだけでも楽しめるつくりになっている、3曲ともが楽しめる一枚です。
来年に予定されているツアーへの期待をいやがおうにも募らせてくれる、素敵な一枚ができました。来月もシングルがでるし、アルバムももうすぐかな?

曲紹介

01.Club Happiness

とても心地よい久保田らしい一曲!爽やかで元気がでるようなこの雰囲気は彼独自のものですね。SweetでFUNKYなTOSHIの曲もいいけど、日本語独自の心地よさを持ったこんな暖かい曲もできるから素晴らしい!でも、完全なPOPSになるのではなくて、どことなくFUNKYなフェイクや合いの手が、ところどころに入ってきて、HOOKでの体が揺れるようなリズミカルなメロディーは、これまで彼が積み上げてきたものを感じます。やっぱりすごいねー。サックスとの一緒にSwingするところなんか、最高!そして、やっぱり最後のフェイクがやっぱり久保田だって安心させてくれますよ。歌詞も、「しあわせとは ふと気づくもの つかむもんじゃない」ってところがすごい説得力がありますね~。そうだよなーと思わせてくれます。

02.Summer Sweet

Summerシリーズとも言うべき、久保田の切ない淡いバラード集の最新版!夏の恋の終わりの切なさをやさしく歌い上げる久保田の言葉にギュッと胸を締め付けられます。ハミングするような歌い方がなんとも心地よいのです。いい曲ですね~。こういう久保田のバラードは大好きです!

03.Club Happiness ~Moogie Woogie Mix~

最近の久保田のシングルには必ずはいっているフルートやサックスなど管楽器だけのバージョン。これが地味にいいんですよねー。これには、さらに久保田の語りや、さりげないコーラスが入っていてアーバンなカッコイイバージョンに仕上がっています!カフェとかでながれてもいいぐらいのかっこよさですよ。まさに久保田流のいかしたOld School Saxophoneでしょう。(リリック参照!)

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DIGITAL BLACK from playa / Memoirs of a R&B Thug

01. Set It Up featuring Static and Jazzy Pha
02. Meet Me
03. Playa Play On featuring Cliental
04. Ain’t Nothing Wrong
05. Ride for Me featuring Playa
06. Halfway
07. Don’t Think They Know featuring Alliyah
08. N Ya Life
09. I’m A G featuring Jazzy Pha
10. Wanna Go Back
11. Messed Around
12. House is Not a Home
13. Fell N Luv
14. Thugging My Way Through Featuring Goodfella
15. Same Thang Yall Do Featuring Native
16. Can’t Turn Back Now

(総評)

今年のキーワードは復活!その復活組の一人がこのDIGITAL BLACK from Playa!名前にもあるとおり、1990年代中盤Dru Hillなどと共にDef JamからデビューしたPlayaのサウンドと要とメインボーカルを務めていたのが彼!だれがなんと言おうとこのアルバム注目は7曲目。Aaliyahの未発表音源が聞けるなんて・・・しかもめちゃくちゃかっこいいんです。近代まれに見るカッコイイR&Bサウンドをきかせてくれます!これだけで絶対買いでしょう!
そのほかの曲もどの曲もサウンドが面白くカッコよくて、いろんなBlackの魅力を引き出しています。そのほとんどのソングライトを担当するBlackのメロディーセンスのよさや、引出しの多さからか、革新的な雰囲気もあって、インディーズらしからぬ、面白みがある作品になっていて、今聞いても全然古臭さを感じないのです。ここまで幅があって面白いアルバムがインディーズできけるなんてうれしいですね。制作年代は、どの曲もばらばらみたいで、昔のR&Bから今風のサウンドまで全てを網羅しているのも、R&Bの流れを見ているようです、よき古き90年代SOULサウンドにも思わずウットリしてしますよ!ホント幅が広いサウンドで、楽しませてくれます!特に7曲目と5曲目でのUPな流れはほほえましくもあります!
彼の歌声は、強烈なバリトンとかじゃないのですが、どこか心に残るような味のある歌声でたまに男臭く吼え上げたり、その力の入れ方がかなり絶妙で、聴いていて、絶妙のタイミングでコブシを回したり、吼え上げたり、フェイクで歌ったり、そのタイミングの良さが、R&Bきいてるなーという気分にさせてくれます!ボーナストラックも入れると17曲と曲数が多いにもかかわらず、音楽的な幅が非常に広いので、かなりじっくりと聞き入りたくなります。後半に行くに従って、凄みを増していく歌もいいし、サウンド的な幅の広さも純粋に曲を楽しませてくれる素晴らしい一枚です!
オススメ:(7),(5),(12),(2),(16),(1),(8),(9)

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ML / I Will the album

01. INTRO
02. TAKE MY TIME feat. Taboo
03. AFTERPLAY
04. MAKE A MOVIE
05. RIDE WIT ME feat. Hypa Hound
06. HARDER feat. Imfa Red
07. WRONG
08. JUST ML
09. BODY ON ME
10. U DON’T HAVE TO CRY feat. Karen Brown
11. I WILL
12. I WILL remix feat. II
13. I WILL jazz mix

(総評)

Marland Williamsこと、MLのデビューアルバム!インディーズでありながらも、日本の大型店でも何件か扱っています。ギターを持ったカッコイイジャケットとは、ちょっと違い中身はもっといろんなサウンドを楽しめる現行R&Bシーンを代表するような完成度の高い楽曲がそろっています!SEXYでメローなサウンドから、思いっきりHIPHOPよりなサウンドでRapperと絡んだり、爽やかなギターサウンドを聞かせたりと、音楽性の幅もあって、一枚を通して楽しめる作品を作り上げているし、それにあわせて、歌い方も絶妙に変えているのが面白い。基本的にはSEXYでねっとりとした声でありながらも、歌にあわせることができる器用さも持っています。でも、やっぱりこの人はSEXYでエロスが詰まった曲が似合います!カッコイイ!バラードでのシャウトがステキなんですよね~。
プロデューサー陣も、Romain Lockettという人が作る曲が、もう最高に切ないバラードばかりでいいんですよ!こういう隠れたプロデューサーを探す楽しみも、インディーソウルはたまりませんね。そうして、後半の3曲はシングル曲とそのリミックスという、メジャーのような感じの曲の並べ方しているのも面白い。やっぱりメジャーシーンを意識しているのかな?それにしても、この絶妙な強さと優しさを兼ね備えたテナーボイスの声の良さと、歌の表現力やセンスのよさはかなりいい線いってると思います。聞けますよー。
このオフィシャルサイトのライブ画像がもうエロ!たまりませんな。D’ANGELOの2ndアルバムの裏ジャケの妖しげな儀式に匹敵するものがあります。おもしろいな~この人。インディーズ心をくすぐる人ですね。
オススメ:(6),(10),(3),(11),(4),(7)

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JAY’ED / Why?

(概説)

ついに、Sphere of Influenceのアルバムでその強烈なインパクトを与えたJAY’EDがシングルをリリースした!DJ YUTAKA、ドーベルマン・インクなどのアルバムでその歌声を耳にした人も多いだろう。彼の歌声はそのインパクトの強さとは反比例に美しく心地よさを聞くものに与えてくれる。まるで聞くものを優しく包み込んでくれるかのような甘く包容力がある歌声で、傍らにそっといながら歌ってくれているようなそんな感覚になります。ただ優しいだけじゃなくて、3曲目のMAXWELLの『LIFETIME』のカバーが証明しているように、もっと自分の芯の強い部分に基づいた優しさなので、内面にもっと激しいものを感じさせます。それを示すように、シャウトやフェイクでは、唸るように搾り出すように力強さを前面に押し出してシャウトをかましています!その辺のバランスも絶妙で、聞いていてどんどん引き込まれていきます。早くアルバム単位で聞きたくなるような一枚です!
3曲どれもが、特徴をもっていて、どの曲も良い曲です。1曲目は彼の包み込むような甘いボーカルを堪能させてくれて、2曲目では軽快な曲のメロディーが彼のメロディーセンスのよさを感じさせます。3曲目でのMaxwellのカバーという彼のもとになった部分と、選曲のよさを見せてくれるのも見事です!この一枚で十分にシーンにJay’edというアーティストをアピールすることが出来ていると思います!
これは今年絶対買っておくべき一枚です!今後の日本のR&Bシーンの中でも重要な一枚になりますよ!

曲紹介

1曲目『Why?』

Sweetでやさしいイントロからゆったりと語りかけるように歌いこんでいくJay’ed、その包み込むような感覚にそっと身を委ねてしまいたくなります。そして、コトバを一つ一つ確かめるようにメロディーに乗せていき、きちんと日本語をR&Bの美しいサウンドにのせていきます。言葉が生命を持っていくように、言霊を詰め込んでいくJay’ED!まさにSOULFULな歌い方だなと感じます。温かみのこもった歌でありながらどこか儚げな雰囲気も持っていて、徐々に熱を帯びていく後半の歌いっぷりが余計に心に響いてきて、見事です!彼の優しい歌い口がよく分かる名曲です。長く聞ける一曲ですよ。
Produce:M.HIROISHI

2曲目『Shining★Star』

2曲目は、1曲目のSweetで儚げいながらも、優しく包み込んでくれる曲だったのですが、この曲では、もっとストレートにSweetな雰囲気を甘いミッドテンポの楽曲を歌いこんでいきます。このミッドテンポのメロディーが一度聞くと癖になるほどに心地よくて、たまらないです!特に日本語のメロディーへの乗せ方が絶妙で、こういう言葉がメロディーにはまった曲っていうのは何度聞いても飽きがきません!水滴の音が織り成すサウンドもたまらないメロウさと心地よさが混ざり合っていて、そこを気持ちよく押し付けるのではなくあくまで傍にそっと寄り添うように歌っていくJay’edの歌い方が気持ちがいいですよ。
Produce:M.HIROISHI

3曲目『Lifetime』

そして最後はなんとあのMAXWELLのカバー!どちらかというと、Babyfaceとか、ストレートでSweetな歌い手さんの影響を感じさせる歌い方でありながら、Maxwellをカバーに選ぶとは、彼の間口の広さを示しています。甘美で可憐なその歌い方はMaxwellのように芯が強く毅然としたうたいっぷりが元になっていて、それをもっと切なく淡い歌い方にしたものなんだと気が付かせてくれます。MaxwellのLifetimeとはまた違う味がある一曲に仕上がっていますよ!
Produce:Takashi Futatsugi

Official Site

https://music.apple.com/jp/album/why-ep/76127262