Raphael Saadiq / The Way I See It

01.Sure Hope You Mean It
02.100 Yard Dash
03.Keep Marchin’
04.Big Easy with Special Guest ‘The Infamous Young Spodie and the ReBirth Brass Band’
05.Just One Kiss feat.Joss Stone
06.Love That Girl
07.Calling
08.Staying In Love
09.Oh Girl
10.Let’s Take A Walk
11.Never Give You Up feat.Stevie Wonder and CJ Hilton
12.Sometimes
13.Oh Girl feat.Jay-Z

(総評)

スモーキーロビンソンを意識したであろうジャケットからして、60年代Motown全盛期を思い起こさせるサウンドが満載の一枚!その当時の雰囲気を持ち込みつつも、決して古さだけを回帰する作品には収まっておらず、今聞いてもどこか新しさも持っているその斬新なサウンドの切り口に圧倒されます。90年代Tony Toni Toneを引っ張ったRaphael Saadiqの天才的な才能を改めて感じさせてくれます。 スローな60年代黄金期のソウルを感じさせるサウンドもありながらFUNKYなRaphael SaadiqらしいFUNKサウンドもあり、アルバム一枚を通してまさに名盤というにふさわしい素晴らしい一枚になっています。今までD’AngeloのBe Hereがソロとしての最高傑作だった彼ですが、アルバム単位ではどうしても実験的な要素が強くばらつきが目立つ作品が多かったのですが(それでも十二分に他の誰にも出せないファンキーさとかっこよさをもっていましたが・・・)、この作品ではその実験的な要素として、60年代のソウルを取り上げつつも本来の彼が持っている資質を十二分に発揮させる方向性のよさと、Raphael Saadiqだからこそ、クールでかっこよく今聞いても古さよりも、斬新さを感じさせるサウンドや歌い方すべてが素晴らしい一枚に仕上がっています。 特に、4曲目「Big Easy with Special Guest ‘The Infamous Young Spodie and the ReBirth Brass Band’」でのFUNKYな歌いっぷりとバックバンドの軽快なサウンドの絶妙なマッチングは思わずその場で小刻みにステップを踏みながら踊りだしたくなるほどです。そしてなんといっても、素晴らしいのが、若手CJとStevie Wonderをハーモニカで迎えた既にクラシックな名曲「Never Give You Up feat.Stevie Wonder and CJ Hilton」です。もうこの曲のメロディーは最強ですね!これ以上に素晴らしい曲は2008年出てこないでしょう。聞いたとたんに狂喜乱舞しそうな勢いで、聞き入ってしまいます。ドラムのタイトなリズムと温かみがあるCJとRaphael Saadiqの歌声、さらにアクセント的に入るStevie Wonderのハーモニカもかっこよく曲を盛り上げます!CJの懐の深みがある愛情あふれる歌いっぷりとRaphaelの繊細で温かみのある歌い方の対比がとてもすばらしくソウルなコーラスワークに圧倒されてます。そのほかの曲も懐かしさだけではない何かを伝えてくれます。温かみだったり、今のサウンドが失いつつある楽曲のよさを改めて感じさせるすばらしい楽曲が並んでいます。Jay-Zも参加した13曲目などで、しっかりシーンへのアピールも忘れず、ただのソウル回帰作品になるわけではなく、すばらしいアルバムを作り上げたRaphael Saadiqは、今後もR&Bをしっかりと歌を基本としたものへと昇華していってくれるでしょう!2008年聞いておかねばならない一枚です!
オススメ:なんていっても(11),(4),(9)ですね。(3),(5),(8)

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Raphael Saadiq / ALL HITS AT THE HOUSE OF BLUES

Disc 1
01.Body Parts
02.Charlie Ray
03.Excuse Me
04.Faithful
05.Ask of You
06.Just Me and You
07.Just A Manfeat.Devin The Dude
08.Copy Cat – Performed by Joi
09.Missing You – Performed by Joi
10.Still A Man – Performed by Tony Toni Tone
11.Lay Your Head On My Pillow – Performed by Tony Toni Tone
12.Whatever You Want – Performed by Tony Toni Tone
13.It Never Rains – Performed by Tony Toni Tone
14.Anniversary – Performed by Tony Toni Tone
15.Let’s Get Down – Performed by Tony Toni Tone
16.Loving You – Performed by Tony Toni Tone
Disc 2
01.Still Ray
02.Blind Man
03.Different Times feat. Ledisi and Goapele
04.Uptown feat.Leslie Wilson
05.You
06.Get Involved
07.Be Here feat. D’Angelo

(概説)

Raphael Saadiqの最新ライブアルバム!彼の所属していたグループTony Toni Toneは、ライブにも定評があるグループでもあり、彼の作る音は、生音感覚が強くフィリー系やRoots、最高のライブ盤を出しているD’Angeloとも交流があることから、昨年出たソロデビューアルバムよりも、実はこちらのライブ盤の方を期待していました。しかも、Tony Toni Tone、Joi、Ledisi、D’angeloなどが参加と聞けば、自ずと期待も高まります!
そして、実際アルバムを聞いてみてやっぱりこの人はライブでこそ栄えるなと思いました。アコースティックライブで、かなりSOULFUL!特に2枚目最後のD’Angeloとの一曲と3曲目Leslie Wilsonとの曲は圧巻・・・の一言。もう、こんなにSOULFULに楽しくノリとフェイクだけでこんなに何分間も続けられるなー・・・もう凄過ぎって感じでした。もちろん、Tony Toni Toneの曲や、Joiがボーカルの曲も素晴らしく、大きな音でかけると本当にライブにいってるようなステキな気分になれるアルバムです。しかも演奏陣がいい感じなんですねー。ラフでいながら、しっかりと抑えるところは抑えている演奏が気持ちいいです。何といっても、Raphael Saadiqが、歌うのですが、ゲストを生かしている絶妙な引きの美学。全面に押し出して歌うタイプじゃなくて、こう全体との調和を取りながら歌っていく様が気持ちがいいですね。そして、バンドと醸し出すSOULな味わい・・・Neo Soulの新しい流れですねー。Acoustic Soulやフィリー系とも違うNew Classic Soulの新しい流れのような感じがします。もう全体が作り出すどす黒い~感覚がたまりません!Tonyies好きよりはSOUL好きに聞いて欲しい一枚ですね。ただ、DISK1よりも圧倒的にDISK2のカッコよさが勝っています!その辺がちょっと変だなーと思ってしまいますが・・・まあ、お勧めするのは、やっぱり、一番の聞き所はDISK2ですね!Ledisiとの一曲「Different Times」, Leslie Wilsonが吼えまくる「Uptown」, D’Angeloの雄たけびが聞ける「Be Here」・・・もうこれに限りますねー。
もちろんDISK1にも、いいところはたくさんあって、Tonyiesでの「Let’s Get Down」なんて、たまりません!Tonyies好きは感涙ですね。
オススメ:DISK1:(2),(4),(5),(8),(7),(9),(10),(11),(12),(13),(14),(15),(16),DISK2:(1),(3),(4),(6)

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Raphael Saadiq / INSTANT VINTAGE

01.DOING What I CAN
02.BODY RARTS
03.BE HERE feat. D’Angelo
04.STILL RAY
05.OPH
06.YOU’RE THE ONE THAT I LIKE
07.EXCUSE ME feat. Angie Stone and Calvin Richardson
08.CHARLIE RAY
09.DIFFERENT TIMES feat. T-BOZ
10.TICK TOCK
11.PEOPLE
12.TEK #1
13.FAITHFUL
14.MAKE MY DAY
15.BLIND MAN
16.Interlude
17.UPTOWN featuring LESLIE WILSON OF NEWBIRTH
19.SKYY、CAN YOU FEEL ME featuring SKYY 20.WHAT?
18.WHAT’S LIFE LIKE

(概説)

ついに、ソロデビューを果たした、天才R&Bアーティスト、ラファエル・サディークのアルバム発売です。やはり、天才はどこか違う・・・そう感じさせた一枚です。D’Angeloの2ndをはじめて聞いた感覚・・・あの感覚に近いのかもしれません。え?なに?これがあのD’Angelo?でも、聞き込むほどに味があり、そこがないなんとも不思議な感覚。あの未知との遭遇がもう一度味わえる、そんなふうに思ってもらうと適切かもしれない。それほど濃い一枚なのだ。どうしても彼を語る上で外せないのが、Tony Toni Toneのメインボーカルであったこと!それは、彼のステータスでもあるし、それでいて今の彼を拘束する枷だったのかもしれない。だからこそ脱退して、Lucy Pearlを組んだんだろうし、さまざまなアーティストのプロデュースを手がけて、それを経てのこのソロデビューだったのだろう。そして、自由に自分のやりたい音楽『Gospel delic』を突き進んだ結果がこの一枚なのである。このSOULというよりもFUNKな世界をどうどうと突き進む様は、すばらしい~。こだわりを感じます。(最初は僕も抵抗を感じました、TONYか、LUCYぽいのかと思ったので。)
アルバム全体としては、彼がやってきた今までのプロデュースの延長線上で、自分というものをプロデュースするにはどうしたらいいだろうか?そう考えながらやってきたのであろう、かなりの作りこまれ具合である。もちろん、今までの彼の曲を知る人の耳は見事にいい意味で裏切られてしまった形になったのだ。Toniesの音を期待した人にはどこか肩透かしを食らっただろうが、今までの彼のプロデューサーとしての業績を見たきた場合、D’Angeloの2ndなど、そのDopeなFunkinessの世界をRaphael Saadiqというアーティストの声や、今までのイメージに照らし合わせて考えて、新たな自分を出したんだろう~。このなんとも深いFunkinessの世界を味わうことで、新しいRaphael Saadiqというアーティストが見つかるだろう。
彼のその声質というのは、Toniesの時代から非常に特徴がある甘いSweetな声をしており、どんなトラックでも、彼の声が入れば独特の世界を持つのである、それほどSweetでありながら、強い声なので、今回のような強烈なトラックがうまく絡み合い素敵なハーモニーを奏でている。暖かい雰囲気に包まれており、心を包んでくれるようなRaphaelの声が気持ちがいいですよ。一度だけじゃなく、十回、百回、千回と聞いてみてください。聞くたびに味やうまみがでてくるそんな深い味わいを持つ一枚ですよ。初心者向きではないが、新たな方向性を開拓したい方や、R&Bが好きな方は絶対にCD棚に収めるべき一枚です。

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