TERRELL / Carlela’s Reign

01. Intro
02. Life
03. Thick Girls
04. My Life
05. Carlela Spoken
06. Finally
07. I Had It Hard
08. Better Than
09. Sunshine
10. Hero
11. Ill Treat You Better
12. It’s You
13. Smooth Groove
14. Getting Over You
15. For the Love of the People
16. Better Than (live)

(総評)

去年のNo.1アーティストTERRELLが今年早くも自身3枚目となるアルバムをリリース!もうすでに円熟味を増してきているボーカルスタイルに、完成度の増した楽曲の数々・・・もう、完璧!としかいいようのない素晴らしいR&Bアルバムを届けてくれました。
その強靭な喉と、抜群の歌唱力で、聞くものを虜にするTERRELL!その魅力をこれでもかと見せ付けてくれます、なんと今回はボイストレーニングでの教え子のIndia Arieとのデュエットまで収録!このTERRELLがIndia Arieのボイストレーナーだっていうんだから、すごいですよね。確かにこんな風に歌を歌えたら最高ですよね!India Arieが師事を仰ぐのも分かる気がします。
そして、このアルバムのタイトルCarlela・・・実はTERRELLの母親の名前なのです、Lela Carterという名前のニックネームだと思うのですが、この死んでしまった母親へのメッセージとも取れる温かみに溢れた楽曲が数多く並んでいます。その思いの強さをその強靭な喉に乗せて歌い上げていくのです・・・!
今作では、どちらかというと、完成度に重きを置いて、前作のような縦横無尽にシャウトしまくるスタイルよりも一歩紳士へと駆け上がったダンディズムとCOOLさを兼ね備えた曲を歌い上げていきます。若干後半アコースティックなサウンドが多めですが、今作でのキーとなっているのが、タイトルにもなっているCarlelaこと亡き母親へのメッセージ性が非常に強い楽曲が多く感情の沸き立つような内面の強さが強烈に光っています。内面を歌い上げる術がかなりうまくなってるなーということをまざまざと感じさせます。また、そういう表現力や歌唱力だけでなく、サウンドプロデュースも自分でこなしている曲が数曲あり、それの水準も恐ろしいほど高く、今後の将来性を期待せずにはいられないのです。
自信でプロデュースをこなしている曲は、いかにもR&B調なサウンドが多く、それ以外にもレゲエを意識して取り入れたり、アルバム全体としてプロデューサーを多く招き入れ、非常に幅のあるつくりになっています!前作のR&Bサウンド一辺倒なつくりもよかったですが、ここでは将来につながる素晴らしいプロダクションを見せています。そして、なんといっても最後の2曲でのライブの収録!これには感動ものでした!いかにこの人のライブがすごいかっていうのがよくわかる、吼えまくりな内容!これは聞くべきでしょう!ぜひとも今作も多くの方に聞いて欲しい一枚です。末永く聞けますよ。
それにしてもジャケ写のSEXYなこと!さすがです!
オススメ:(2),(3),(4),(6),(7),(8),(9),(11),(15),(16)

(曲解説)

01. Intro

女性の軽快な歌声と、エッジの効いたギターサウンドがイントロを盛り上げていき、さらにそれにTERRELLの脳天突撃な魅惑のシャウトが炸裂します。カッコイイイントロです!

02. Life

今回は本当にバックサウンドの水準がすこぶる高い!しっとりとしたサウンドの上を余裕たっぷりに歌い上げていきます。HOOKでも、絶妙なバックトラックとメロディーとフレーズが見事に融合し、これ以上ない印象的なサビに仕上がっています!メロディーを丁寧に歌い上げる声と、自由にうますぎるシャウトの嵐が絡み合っていく最後もかっこよすぎます!

03. Thick Girls feat.Euclid Grey

ちょっとレゲエ風味なボーカルEuclid Greyをゲストに招いた面白い曲!ねっとり絡む低音のギターサウンドがいい具合に古臭さを出していて、癖のあるEuclid Grey(注:元Public AnnouncementのEuclid Grayとは違います。)の湿度の高いレゲエボイスがインパクト強すぎ!曲をガンガンに灼熱に盛り上げていきます。このねっとり絡み合うような歌声とTERRELLのストレートに押し切る歌唱が合わさると熱帯のような湿度の高い熱さを味あわせてくれます。

04. My Life (duet with India Arie)

なんとIndia Arieが参加した一曲です。彼女の持つ独特の雰囲気とはまた違ったR&Bなスタイルをより押し出した歌声が新鮮で、この辺がTERRELLの影響がでているんだなーと感じます。そうしてそんな彼女を包み込むように歌い絡んでいくTERRELL!二人とも感情表現が豊かなアーティストであり、実力者!この二人が絡み合うとここまで完成度の高いバラードに仕上がるのかと感嘆の声しかでてきません・・・でも、この素晴らしいテナーボイス!完全に主役はどちらかわかりますよね?

05. Carlela Spoken

タイトルにもあるこのカルレラは、母親のことです。TERRELLから母親へのメッセージです。なんか切なくなりますね・・・

06. Finally

しっとりと奏でるアコースティックギターが心地よい響き、TERRELLがさっきの母親のメッセージを語った気持ちのまま優しくさらに心地よくHOOKを歌っていく、温かみに溢れた一曲です。最初のこの時点でやられてしまいます。そこから徐々に彼の最大の魅力である脳天直撃なシャウトがこれでもかとかまされていきます!母の最期を歌った感情の高ぶりそのままに・・・短いけど感動的な一曲です。

07. I Had It Hard

ここから、DeepなR&Bサウンドが展開していきます。前作で魅せた強靭な喉と脳天直撃系のシャウトで吼えまくる圧倒的な歌い手の力をここでもいやというほど、見せ付けてくれます!最後にかけて徐々に情熱的に盛り上がっていく、その力強さにうっとりしてしまします!この人の吼えさせたらもう完敗です。

08. Better Than

2作目よりもさらにディープなサウンドがDarkにゆったりとだが!力強く吼えまくるTERRELL!サウンドと歌声の迫力の相乗効果で、圧倒的な一曲へとなり、最高の盛り上がりを見せるてくれます!深いなー、まさにDeepなSOULサウンドですね。HOOKに向けてずんずんと迫り繰るかのような迫力ある歌声に圧倒されてしまいます。でも時にはささやくように歌ったり、歌唱力の凄さも見せ付けています・・・転生してからの歌い上げっぷり!改めてなんて歌うまい人なんだ・・・と感服するばかりです。

09. Sunshine feat.Euclid Grey

レゲエっぽさがかなり増した一曲で、この曲でも先ほどのEuclid Greyが面白い絡み方をしてくれています!吼えまくりな彼の歌声が、いかにも土臭くて、ボブ・マーリーのようなオーソドックスなレゲエサウンドっぽく聞かせながらも、サウンド的には、レゲエとR&Bの中間になるようにしっかりと練られています。Mark KinchenというこのProducerの力が面白いですねー。このレゲエっぽくありながら、しっかりとR&BしているサウンドでTERRELLも心地よく吼えていきます。二人の掛け合いが凄まじいですよー!きっと音はレゲエだけどリズムはR&Bなんだなー。

10. Hero

じんわりとセクシーに歌っていくTERRELL!Sweetな心地よさがある落ち着いて聞ける一曲です。落ち着く~。彼にしては、メロディーよりも、しっとりとした雰囲気を大事にしたような一曲です。しっとりとHeroというタイトルとはまた違った哀愁に溢れた一言一言を丁寧に歌い上げる歌い方が心に染みます!大人な一曲です!

11. Ill Treat You Better

様々なフレーズに挑戦するTERRELLらしい、躍動感溢れる面白いアカペラのフレーズがループする思わず体を動かしてしまうようなInterlude!バックのコーラス隊がアカペラで軽快に盛り上げてくれて、そこをテンポよく声をのせていくTERRELLのボーカルがいい味出してます!気持ちいい~!

12. It’s You

ここでも今までのTERRELLのある意味大げさな歌い方はちょっと抑えて、しっとりと大人な魅力で歌い上げていきます。そして、HOOKの美しいメロディーで一気に引き付けます。アコースティックで音数少ないのも手伝って、こういうオーソドックスなバラードでこそ彼の歌の上手さが引き立ちます。

13. Smooth Groove (Spanish Diva : Demetria McKinney)

ここら辺は前作で見られなかったアコースティックギター満載のバラ-ドが続きます。ここでは、アコースティックの哀愁ある音色に釣られるようにTERRELLもこみ上げるかの如くフェイクしていきます。女性の語りとTERRELLの伸びやかな歌声の対比がなかなか面白いです。

14. Getting Over You

ピアノの音色にのって、ここから一気に吼えていきます!うん、やっぱりTERRELLにはこういうメロディーで歌い上げ系の熱唱を見せてくれるほうが似合っています!絶妙な抑揚や押さえたりフッと息を抜いて聞かせたり、もう全てが上手すぎです。この曲でも、彼の上手さは十分に発揮されていて、非常にうまい!と唸ってしまうような気持ちよい歌声を聞かせています。ただメロディーが単調かな。

15. For the Love of the People

この辺がずっとアコースティック調なのが、個人的にはもう少し!と思ってしまうのですが、そんな想いが分かってか、この曲ではピアノの伴奏にのって、吼えます!ひさびさにおもいっきり吼えてくれます!来ました!って感じできもちよ~く聞き入ることができるのです、やっぱりTERRELLは吼えないとね!そして、この曲の後半からライブバージョンが始まります!女性コーラスをバックに縦横無尽に吼えまくります!そう!ここからがこのアルバムの見所なのです!ライブでのCDの収録では見せない感情のこもった吼えっぷりがやばすぎます!本当に力強くてやられます!圧倒されちゃいますよ

16. Better Than (live) (guest: Joyce Williams)

8曲目のライブバージョン!これがさすがTERRELLといいたくなるほどに圧倒的な迫力を持ったシャウトでライブ会場を包み込んでいくのがバシバシと伝わってきます。これは生でみたらやばいでしょうねー!相方のJoyce Williamsの歌いっぷりも見事すぎで、圧倒されてしまいます。ぜひライブが見てみたいアーティストです!

(Producer)

Serrano Thomas:(1),(6),(7)
Terrell Carter:(2),(5),(12),(13)
Mark Kinchen:(3),(9)
India Arie:(4)
Alonzo Jackson(8)
Milton Thorpe:(10)
Kayla D Parker:(11)
Mike “Lazsion” Shafer:(14)
Twinkie Clark:(15)
Exexutive Produer : Terrell Carter

(LINK)

日本での販売サイトHMVTOWER
http://www.terrellmusic.com/

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