Terrell Phillips / Elements of a Man Vol.1

01.Intro
02.U say
03.Say Yeah
04.Get On The Dance Floor
05.What A Man Wouldn’t Do
06.Radio Interview
07.We Ca Make A Date
08.No One’s Better Than You
09.Lil Bit Of Love
10.Get With You Tonight

(総評)

BlackstreetのTERRELL PHILLIPSが、ついにソロデビュー!これが相当手に入らない、希少盤!ここ最近では、Tony Grand, Gary Jenkins, Marc NelsonとのBlaysの活動が気になるアーティストですが、そんなBlayseの活動を本格化させる前に、なんと自らのアルバムをひっそりとリリース!これが90年代を生き抜いてきた、実力の高さを証明するようなすばらしい盤に仕上がっているのです!10曲と短いならも、今風のアップあり、ミッドテンポな曲があたり、ベテランとは思えない、爽快感あふれる曲、そして、ベタなバラードまで多彩な歌を一枚で聞かせてくれています!
前半のアップもいいのですが、なんといっても、9曲目「Lil Bit Of Love」のシャウトっぷりはBlackstreetを思い起こさせて、たまりません!ちょっと枯れた感じの歌声で吼えるものだから、切なさとともにグッと胸に深くえぐりこんできます!さらに最後の10曲目「Get With You Tonight」でも、しっかりと最後にはシャウトしまくってくれて、Blackstreet随一のシャウターとしての魅力を存分に発揮してくれています。そしてやはり現行のシーンでもしっかりとできるところを前半のアップサウンドで聞かせてくれていて、アルバム一枚として短いので物足りなさも感じますが、短いなりにTERRELL PHILLIPSの魅力が詰まったアルバムに仕上がっています!
これが流通がきちんとのっていないというのは、本当に残念なのですが、今のところ、Disk Unionで在庫があれば買えるかもしれませんが、流通はあまりしていない状態です。ぜひ見つけたら買ってみてください。Marc Nelson, Tony Grantの新譜といい、本当にBlayseの活動が本格的に始まればいいなーと思わせる充実作品をベテラン勢が届けてくれています!
オススメ:(9),(10),(2),(3),(7)

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Cognac / Blast Off

01. Intro
02. Blast Off
03. Teach Me
04. Never Hate
05. Lose Everything
06. Heaven Knows
07. Look So Good feat.Shiloh
08. Stranded Into (The Questions)
09. Stranded
10. I’m Open
11. For The Moment
12. So Necessary
13. Vibe Tonight feat.Farlough aka Pharaoh
14. Outro

(総評)

なんともねちっこい独特な歌い方が特徴的なインディーソウルシンガーCognac(コンウェ?)のデビュー作!CD BABYでのシングルが話題となっていたのですが、ひっそりとオンラインショップでアルバムを売り出していました!なんとも男性アーティストらしかぬその妖艶ともいえる雰囲気が癖になっていくのですが、なんといっても彼の魅力はそのシャウト!もう美しさとか力強さというよりも、そのシャウトという言葉そのままに、自制を失ったような、壮絶ささえ感じるシャウトが、鬼気迫るほどの迫力をもって迫ってきます!力強い歌声と相まって、なかなかいないシンガーとしての魅力に溢れています。
そのお洒落なJazzアレンジな曲でも少しアジアンチックな雰囲気も取り入れつつ、それが余計にセクシーで妖艶な歌を魅力的に聞かせてくれます。特に2曲目「Blast Off」で見せる、ねちっこいぐらいの歌唱方法!その搾り出すようなシャウトにグッと胸を捕まれます!のけぞりそうになるほどです。それに続いての4曲目「Never Hate」では、そのシャウトでどこまでも、苦しげにすがるようにネチッコく歌い上げていきます。他の曲でも、その激しさを増すシャウトが堪能できる曲が多くて、前半はもうその歌唱に聞き入ってしまいます、そして、後半は少しHIPHOP的な要素やレゲエぽい要素も入れつつ、きっちりとどこかレイドバックしたソウルを見せてくれています。どの曲でも、そんな中でも、6曲目「Heaven Knows」のしっとりとしたバラードでの丁寧な歌いっぷりがこのアルバムのキーポイントになっています。最後のHIPHOPトラックの「Vibe Tonight」でのシャウトとサウンドの絶妙な絡みが素敵です!サウンドもどこかJazzやアジアンな要素を入れて新鮮であり、シャウトも激しくて気持ちを持っていかれるなんとも心惑わしてくれる一枚になっています。
本当にココ最近でもオリジナリティー溢れる雰囲気をもったアーティストの登場です。シャウター好きはもちろん、ちょっと型にはまらないR&BやSOULを求めている人にもオススメできるかな。一度聞いてみると面白いですよー!ぜひぜひ!
 オススメ:(2),(4),(5),(6),(10), (11),(13)

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Musiq Soulchild / Luvanmusiq

01. b.u.d.d.y.
02. ms.philadelphia
03. teachme
04. betterman
05. thequestions
06. today
07. makeyouhappy
08. ridiculous
09. millionaire
10. takeyouthere
11. lullaby
12. greatestlove

(総評)

順調にリリースを続け、独特なソウルフルで、アットホームな世界観を作り出すMusiq Soulchild4作目となる作品!フィラデルフィアを代表するアーティストに成長したMusiqだからこそ歌えるソフトで温かみがあるその独自の世界観にぐいぐい引き込まれていきます。多彩な曲を用意しつつも、Musiqというフィルターを通して、ソウルフルで心地よい曲を聞かせてくれています!安定感さえ感じさせるその独自な世界観は磨きがかかり、どんな曲調の曲でも乗りこなしていきます。歌声はスムーズだけど、力強いです!
特に、1曲目「b.u.d.d.y」に代表されるようなちょっとファンキーさと穏やかなソウル心をくすぐるような曲が多く入っていて、特に7曲目「makeyouhappy」で見せるファンキーさは、Musiqだからこそ出せるHIPHOPな雰囲気とクラシカルな雰囲気がうまく融合した、かっこいい曲です!さらに8曲目「ridiculous」では、どこか崩れていくようなメロディー展開と、その難解なHIPHOPサウンドが絶妙な絡み合いを見せてくれています!気持ちがいいSOULFULでハートウォーミングな曲には定評があるMusiqですが、実はこういう今ではなかなか聞かせてくれないミッドテンポでの軽快なアップサウンドでこそ彼の歌声が生きてきます!
一方3曲目「teachme」、6曲目「today」のような胸に沁み入るような美しいメロディーが心地よい曲では、彼が「Love」「Halfcrazy」で見せたようなハートウォーミングな普遍的な美しさみたいなのをバラードで感じさせてくれます!特に後半は、ベーシックなMusiqらしいサウンドと歌が詰まっていて、安心して聞ける安定感のある曲たちが並んでいます!
フィリーと言えば、Musiqという風に、その土地を代表するメジャーアーティストへと育ち、さらにそのサウンドを進めていく、今後も十二分に期待させてくれる一枚です!Musiqが好きな人はもちろんSOULサウンドを聞きたい人は聞きましょう!
オススメ:(2),(1),(3),(6),(7),(8),(11)

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Frank McComb / The Truth Vol.2 aka Motown Sessions

01.More Than Friends
02.Only In My Dreams
03.Golden Lady
04.So Lovely
05.Somebody Like You
06.Tomorrow’s Not Promised
07.Do You Remember
08.Labelled As Love
09.Intimate Times
10.Left Alone
11.Mr.Integrity
12.24/365/10
13.Satan’s Jam
14.Love Is On It’s Way

(総評)

Frank McCombの日本版のMotown時代の音源を取り上げたCDがついにリリース!Stevie Wonderの再来!とざわめきたったあの2ndアルバムの頃の味わいを甦らせたような素晴らしい作品なのです!Motown Sessionというサブタイトルが示すように、あの頃の作品のJam Session形式での録音方法、それによって生み出されるFrank McCombが本来持つグルーブ感が、ビシっと伝わってきます!まさに前半の曲などStevie Wonderかと思わせるほどの上質な時間を堪能させてく、インストなども挟む後半でFrank McCombのオリジナリティーの面白さも感じさせてくれています。そうして、アルバム全体を通して流れる極上なサウンド!これがこのアルバムを1ランク上の音楽へとしてくれています!どの曲も上質でいて、グルーブ感に溢れていて、生演奏がもつ躍動感や、緩急自在な歌いっぷりなど、なかなか最近他のスタジオアルバムでは見られないJam Session的な醍醐味をこれでもかと聞かせてくれます。これがデビュー間もない頃に、やっていたんだから、いかにこの人が実力があったかという証明になるでしょう。1stはもっていないのですが、それも欲しくなりますねー。
どの曲も平均点以上で、特に前半の2曲目「Only In My Dreams」と、3曲目「Golden Lady」は秀逸です!後半になると、全体的な雰囲気を意識した曲調って言うのが増えていくので、それほど突出した曲っていうのはないのですが、全体的にアルバム通して聞ける上質な時間を過ごさせてくれる一枚になっています!どの曲もジャムセッションのような躍動感があって非常に極上な歌を聞かせてくれていて、アレンジが素晴らしくずっと聞いていいられる一枚に仕上がっています。きっと10年20年経ってもいいねーと言える1枚だと思います!末永く聞きたい方は、いつか手に入れてみるといいですよー!
オススメ:(2),(3),(7)

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TERRELL / Plans

01.Plans
02.Baby I Swear
03.Beautiful Girl (Live) feat.SAMMY
04.Das My Girl
05.I Can Be Your Man
06.Heaven
07.Unhappy
08.For You
09.Work It Out
10.I Need Her
11.Black DDiamond feat.Vanessa Bell Armstrong
12.The Way I Love You

(総評)

インディーソウルをここまで押し上げた男!TERRELLの4枚目となる作品が届きました。もうその唯一無二の濃く素晴らしい歌声で、聞くものを昇天させてくれます。今回は内容もさることながら、そのジャケット!筋肉ジャケがR&Bでは定番となっていますが、それの理想系ともいえるほどに、見るものさえも魅了してくれます。そして、内容も黒く濃い熱い作品から、しっとり大人なセクシーさを見せ付けてくれるような作品まで、幅広い曲を聞かせてくれます。
プロデュースは、今作もいろんな方がしていますが、作詞・作曲に関しては、このTERRELLは自身でしていて、その素晴らしい作曲能力を披露してくれています。そんな中から、前作までにはなかったしっとりとした大人な雰囲気をもった曲が多くて、TERRELLの新たな魅力をまた見せてくれています。今までのようなシャウトを聞かせてくれるような、2曲目「Baby I Swear」や、10曲目「I Need Her」などで、シャウト好きの人も魅了しつつ、1曲目「Plans」で見せるようなシットリとした歌声のセクシーさをアピールしたような作品や、大人な一面を見せる「For You」もっと柔らかな今までにないシンプルな楽曲「Unhappy」声の良さだけに頼らずに軽快なアップサウンドで聞かせる4曲目「Das My Girl」など、様々な面を一枚で見せてくれています。ただ、今作は以前の3作品に比べて、どうも楽曲クオリティーというか音質のクオリティーが低いのと、OFFICIALでリリース情報があがらないのが、なんとも不安というか、本人の承諾を得た発売なのかな?と疑ってしまう部分もあるのと、そのOFFICIALのMYSPACEで聴けた、あまりにすごいシャウト系の歌が収録されていないのも、なんとももったいない・・・ある意味次回作を今すぐにでも出して欲しい!と思うようになってはいるのですが。そういう面で、新しいTERRELLの魅力を感じられてよかった反面、よくない面も出てしまった作品だなと思います。
本当に、TERRELLの作品というのは、インディーから出しながらも、歌以外にも音質楽曲ともにメジャークオリティーを誇っていたからこそインディーを代表するアーティストであったのに、とても残念。そういう意味でも、MYSPACEでの曲も含めて、きちんとした形でのリリースを今後されることを望んでいます!
TERRELLなら、もっともっとすげーアルバムが作れるだろう!っていうファンならではの、惜しさみたいのはあるのですが、トータルバランス的に考えて、下手なメジャー作品を凌駕する作品であることは変わりなく、とてもメジャーでは出せない、黒さ濃さみたいなのが、滲み出ている作品になっています!2006年チェックを外してはいけない一品です!オススメ:(2),(10),(12),(8),(1),(4),(6)

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