KeKe Wyatt / Who Knew

01.Who Knew
02.Never Do It Again
03.Without You
04.Daydreaming
05.So Confused
06.Weakest
07.Peace On Earth
08.Got Me One (Good Man)
09,Getting It
10.Never Give Up

(総評)

さまざまな問題を乗り越えながら、ついにリリースされたKeKe Wyattの2nd Album!これが2010年女性アーティストのアルバムとして最高傑作ともいえる充実した作品に仕上がっています。先行シングル「Who Knew」でその歌声の迫力と存在感をこれでもかと見せつけてくれましたが。その先行シングルを裏切らない素晴らしく充実した作品に仕上がっています!1stアルバムの時もAvantとのデュエットで話題をさらいましたが、もっとうまく、情熱的な歌唱ができるようになっていて、今後のシーンを引っ張っていくアーティストの一人であることを、証明してくれています。
ネオソウルやオーガニックなシンガーは最近の女性シンガーの主流ですが、彼女はパワフルな正統派なR&Bシンガーとしての魅力を存分に見せてくれている貴重な存在です。Angie Stone, Kelly Priceぐらいしか最近では思い浮かばないようなタイプのシンガーなので、SOUL SINGERとしての今後も期待したいところですね。
アルバム全体と通して彼女の得意とするオーソドックスなR&Bバラッドが詰まっていて、そのオーソドックスなバラッドの中で見せる見事すぎるシャウトの応酬に聞くものは胸を熱くさせられてしまいます。なんといっても、3曲目「Without You」の最後に見せるシャウトも見事ですし、それ以上にオーソドックスな名バラッド5曲目「So Confused」でのシャウトは、彼女の真骨頂といえるでしょう。この5曲目だけは、絶対に聴いたほうがいいです!
さらには、8曲目「Got Me One」10曲目「Never Give Up」でも、オーソドックスなバラッドをこれでもかとシャウトして聞かせてくれます!ここ最近はこれほど歌える女性シンガーに会ったことがないので、これほどに力強く全うなR&B然として歌声を披露してくれる彼女の実力には、圧巻としかいいようがありません。この以外も、6曲目「Weakest」では正統派R&Bを見事に歌いきり、7曲目「Peace On Earth」ではアコースティックサウンドで彼女の歌のパワフルさに圧巻させられます。「Never Do It Again」では、艶やかに伸びのある歌声を見せたり。4曲目「Daydreaming」ではやさしく歌い上げたりと、1stアルバムでは見せなかった面も存分に感じさせるKeke Wyattの成長を感じさせるアルバムの内容になっています。 あまりにすばらしいバラッドが多くて、前作の彼女が見せるような9曲目「Getting It」のようなHIPHOPトラックが逆に邪魔に感じてしまうほどに完成されたアルバムに仕上がっています。何よりも、彼女にオーソドックスなR&Bを歌わせてシャウトさせると、本当に見事で、低音な歌声もあいまって、非常にかっこいいんですよね。この楽曲たちを聞くだけでも、十分に意味がありますし、それに今回は9曲目以外は、本当にR&Bとしっかり向き合っている楽曲が多くて、どの曲も完成度が高いので、R&Bアルバムとしての完成度の高さに、息を呑んでしまいます。2010年聞き逃した人にはぜひとも聞いてほしい一枚です。オススメ:(5),(3),(1),(4),(6),(7),(8),(10)

続きを読む

CIMBA / Words and Notes

01.MY LIFE feat. SEEDA
02.奇跡 feat. 宏実
03.Neva eva
04.Call feat. NaNa(OH GIRL!)
05.蛍
06.Toy Diamond Ring
07.Seize the Day
08.ゆらゆら
09.Sleepin’
10.果てない夢に君と feat.Sasha
11.Livin’ with the sky feat. KEN-RYW, SI-RUDE
12.FLY GIRL feat. GIPPER, Mr.Low-D, DJ LAW, 柴田知美
13.Sex Dreams
14.何度でも君に恋をする
15.REPLAY ~next lifetime~ feat. Mr. Low-D, DJ LAW
16.Outro ~the sound of love~

(総評)

実力派R&BアーティストCIMBAの2ndフルアルバム。CIMBAといえばかっこいいR&Bを歌うイメージや、HIPHOPトラックと親和性が高かったり、さらには詞の世界観がすばらしいバラッドを歌い上げたりとさまざまな顔を持っているアーティストというイメージが感じがしますが。このアルバムではそのさまざまな面がより磨きがかかったところを見せてくれています。1stのフルアルバムでも、グローバルな視点や愛情の深さを歌い上げるその詞の面白さは特筆に価したのですが、今回はよりその深さが増しています。さらにこれほどにかっこいい楽曲をかっこよくシャープに歌い上げてて、歌もフェイクやシャウトを適度に入れてきて、歌もトラックの面白さも両方感じさせてくれます。そして、バラッドのすばらしさは、昨今の上辺だけの愛情を歌うような楽曲とは違う深いバラッドが多くて、本当に心に染みました。
まず話題となった宏実とのバラッド2曲目「奇跡」でのデュエットとしての完成度の高さがすばらしいかったのですが、二人の言葉の掛け合いが生み出す映し出す心の思いの深さも見事ですね。こういう風に、男女関係なくさまざまなアーティストをfeatしながらも、お互いに味を出し合いながら高めあっていく姿は、うまいなと感じさせます。デュエットは、4曲目「Call feat.NaNa (OH GIRL!)」でのセクシーな歌声の絡み合いも、この曲の二人の複雑な関係の切なさとセクシーさを映し出しいて、本当に聞き応えがあるバラッドになっています。アップサウンドも、1曲目「MY LIFE feat SEEDA」での軽快なアップサウンドと、3曲目「Neva eva」のような疾走感あるデジタルサウンドなど、5曲目「蛍」のようなJazzyな面白いサウンドでもかっこよく纏め上げたり、前作のミニアルバムから唯一収録の15曲目「REPLAY ~next lifetime~ feat. Mr. Low-D, DJ LAW」の純粋なかっこよさなど、プロデューサーのT-SKの力とCIMBAのメロディーセンスの良さをこれでもかと感じさせてくれます。
そしてなんといっても、このアルバムのハイライトとなるのは、6曲目「Toy Diamond Ring」と14曲目「何度でも君に恋をする」でしょう。どちらも本当にすばらしいバラッドで、R&Bとか関係なく心に染み入るバラッドになっています。「Toy Diamond Ring」は子供に向けた親の愛情が深くなっていく情景を見事に歌い上げていて、聞いていて本当に暖かな気持ちにさせてくれます。「何度でも君に恋をする」は、本当にシンプルなまっすぐに愛を賛歌するCIMBAの姿がすばらしいどちらもCIMBAの愛情の深さを感じさせてくれます。
そのほかにもかっこいい楽曲やCIMBAの1stから聞いている人ならばわかっているであろうHIPHOPトラックでかっこよく歌い上げるところなど、さまざまなCIMBAの表情を感じさせてくれます。あえて優劣はつけましたが、どの曲もすばらしい楽曲で何より詞に定評のあるCIMBAの実力を遺憾なく発揮していて、どの曲も心に残る言葉があったり、ストーリーが気になったりと、日本語でR&Bを歌いながら詞でもこれほど面白いと思わせれるアーティストは本当に貴重だと思います。
今これほどに、かっこいい楽曲をよりかっこよく、美しいバラッドを、美しく歌えるという両方をセンスよくできるアーティストは、そうそういません。アップもスローバラッドも、R&Bサウンドとして水準が高くて、アルバムとしてすばらしい完成度をもった一枚になっています!オススメ:(6),(14),(2),(1),(3),(4),(5),(7),(9),(15)

続きを読む

Will / Sextape

01.Sextape(Intro)
02.Sextape
03.On My Way
04.Ain’t Nobody Here
05.Bedroom
06.Taste U (The Yum Songs)
07.Full Coarse Meal
08.Get Ya Freak On feat.Gas
09.Knock It Out the Park
10.Thru the Mattress
11.Sex Conversation
12.Sweat
13.King of the Jungle (Intro)
14.King of the Jungle

(総評)

DAY26のメンバーWillのソロMixtape!Sextapeというセクシャラスなタイトルが示すとおり、セクシーな楽曲が多く、特にタイトル曲である、Sextapeはかなりセクシーな雰囲気の楽曲になっています。Day26では、アップやミッドを重視したつくりですが、ここでは、あくまで個人的に好きだろうR&Bバラッドを中心にじっくりと聞かせてくれます。4曲目「Ain’t Nobody Here」や3曲目「On My Way」,9曲目「Knock It Out the Park」では、歌の実力があるシャウトもところどころで聞かせてくれたり。Keith Sweatの名曲を下敷きにしつつ、ねちっこい歌い方がセクシーな6曲目「Taste U」では、ボコーダーを作ったりと、サウンド的のも、インディーズっぽさを感じさせないつくりなのも、Mixtapeとして完成度が高いです。やわらかい雰囲気が素敵な7曲目「Full Coarse Meal」癖になるような妖艶な雰囲気の10曲目「Thru the Mattress」など、ほかにもいい曲が結構入っています。Mixtapeなので、最後煩雑になっていたりはしますが、かなりの完成度を誇っています。

KG / Songs of love

01.どんなに離れても with AZU
02.By your side
03.いとしすぎて with Tiara
04.誰よりも with 菅原紗由理
05.No, No, No
06.きっと、ずっと with MAY’S
07.Where is the love with Sowelu
08.Story
09.君に言えなかった想い with May J.
10.また出逢えたなら… with HanaH
11.You’ll be alright
12.そのままで良いから
13.intro to Song of love
14.Song of love with 中嶋ユキノ

(総評)

デュエットソングが好調なKGのフルアルバムが遂に発売になりました。そのソウルフルな歌声を存分に生かして、ポップな曲調からファンキーな楽曲まで幅広く歌い上げていきます。これまでの活動もあり聞きやすいポップな曲調が多いですが、単にポップな曲調と単純に言えないところが、さすがKGという感じがします。さらにデュエットシンガーそれぞれの良さをよくわかっている楽曲と歌を用意していて、それぞれがお互いを高めあうような楽曲ばかりです。特に1曲目「どんなに離れていても with AZU」でのAZUの切なげだけどかっこよい歌いっぷりとKGとの掛け合いは見事です。
そして、ソロ曲として注目も高い4曲目「No, No, No」は古くからKGを知るファンにはうれしくなるようなファンキーな楽曲です。こういう楽曲でこそKGのソウルフルな歌声の良さがでてきています。最後にかけてシャウトやフェイクは素晴らしい! 他にもソロ曲「By Your Side」などじっくり聞きたくなるような曲もありますが、やっぱりデュエット曲はいい曲が多くて、4曲目「誰よりも with 菅原紗由理」の美しい旋律と迫るような切ない雰囲気の中でお互いを引き合うように歌い上げていて、デュエットソングとして完成度が高い曲になっています。 Soweluとのソウルカバー「Where is the Love with Sowelu」も、彼のルーツを知る上でも重要な作品です。オススメ:(1),(4),(5),(7),(10),(14),(2)

続きを読む

Charlie Wilson / Just Charlie

01.My Girl is a Dime
02.You Are
03.I Wanna Be Your Man
04.Never Got Enough
05.Once and Forever
06.Life of the Party
07.I Can’t Let Go
08.Crying For You
09.Where Would I Be
10.Lotto

(総評)

Charili Wilsonの2010年発売の作。円熟の域に達しているボーカルスタイルと常に新しいものを取り入れていく挑戦的な姿勢で常にR&Bシーンの中心で居続けるベテランシンガーです。そんなCharlie Wilsonの最新作では、スローからアップまで幅広く聞かせてくれる充実の一作になっています。
まずはシングル曲「You Are」で見せる見事なシャウトっぷりと壮大で美しきメロディーにはうっとりと聞きほれてしまう名曲になっています!最後の体が揺さぶられるような見事なシャウターとしての本領発揮した見事な歌いっぷりに目を閉じて聞き入ってしまいますよ。さらに1曲目「My Girl is a Dime」でも、癖になるようなフレーズを繰り返していきその中で達人の域に達しているフェイクやシャウトで思う存分に歌い上げてくれます。
シャウトは、他でも6曲目「Life of The Party」,9曲目「Where Would I Be」などで10曲目「Lotto」も後半に聞かせてくれていて、かっこよくまとめ上げています。シャウトの迫力という点では、Charlie Wilson以上の存在というのはいないかもしれませんね。そして、よりかっこよいメロディーでまとめ上げているのが、7曲目「Crying For You」ですね、この曲のメロディーラインはかなりCharlie Wilsonの歌声の迫力を、直で伝えてきます! そのほかにも、エッジが効いたアップサンド「Never Got Enough」、落ち着いあ雰囲気が心地よい「Once and Forever」、Fantasiaを招いたクラシカルな雰囲気を醸し出した「I Wanna Be Your Man」などいろんな曲調を聞かせてくれます。 とびぬけた一曲は「You Are」ぐらいですが、どの曲もCharlie Wilsonの魅力を感じさせてくれるので、地力の違いを存分に感じさせてアルバムになっています。