真之介 / Your Place

(概説)

Nao’ymtさんのWit’企画Christmas Gift第二段は、関西のR&BデュオTwiceの元リードボーカルである真之介がソロで送る、男の切ないほどの後悔の思いと一途な想いを歌い上げる麗しいバラード「Your Place」!男性ボーカルと絡んだのは、STY以来となるWit企画ですが、やっぱりこういうやわらかくて艶っぽい中に芯があるような歌声が、Nao’ymtさんの楽曲には映えますね。
真之介の強弱と緩急とをうまく使い分け、語りかけるようなセクシーなボーカルワークも見事で、じんわりじんわりと心に響くように聞かせるこの曲の雰囲気にとてもピッタリとはまっています。最初の緩やかな歌のどことなく思い返すような切ない歌い方から、徐々に感情を込めて最後にかけ、声を重ね厚みを増していくボーカルワークに釘付けにされます。サビでの美しいメロディーとそれを支える音数はそう多くないトラックのさりげないカッコよさが、たまりませんね。そして最後にどんどん転調していくのが、カッコよすぎます!さりげないフェイクと相まって、どんどんと聞き手を圧倒していきます。名曲ですね!
歌詞も、やっぱり、「We Can’t Back」と対になっているので、本当に切ないほどの想いをその美しいメロディーに乗せて聞かせてくれます。二人のためのクリスマス・・・そんな幸せをもう一度再確認させてくれるような一曲です。今年の聖夜の一瞬にこんな昔の恋人への想いを思い出してもいいかもしれませんね。
Nao’ymtさんは本当にその人のボーカルの良さを引き出すのがうまく、そして、それに答えるシンガーたちの水準の高さに毎回驚かされます。今後の真之介さんの活動にも注目ですね。

真之介Offiical
Naoymt Official

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和田昌哉 / New Beginning

01.Magnetic
02.Turn The Page
03.Goodbye
04.Hand In Hand
05.Down With U
06.The Way U Make Me Feel (Part II)
07.Because Of You
08.Back To You
09.No One’s Gonna Love You
10.They Say
11.Get Here
12.Find A Way (Album Mix)
13.Anytime
14.Hand In Hand (Eye To Eye)

(総評)

Masaya Wada名義で、HI-Dや数々のアーティストに楽曲提供してきたプロデューサーでもある和田昌哉さんが、ついに1stアルバムをリリース!彼は、プロデューサーであると同時に、シンガーにボーカルを教えているボーカルトレーナーでもあるので、その歌は折り紙付きなのです!そして、このアルバムでは、そのとても高い伸びやかな歌声で、彼らしい様々な楽曲を見せてくれます、R&B色が強い曲だったり、全編英語詞の曲や、とてもHappyになれる楽曲まで、R&Bというところに、こだわりは魅せつつも、プロデューサーらしい自分の良さを魅せてくれる一枚に仕上がっています。プロデューサーとしてだけでなく他の人にプロデュースを任せてシンガーに徹した一面も見せてくれたりと、アーティスト”和田昌哉”の名刺代わりの素晴らしい一枚に仕上がっています。
特に1曲目3曲目で魅せてくれるミッドで明るい曲調では、彼の歌声の爽やかさも合わさって、とても心に残る愛の美しさと寂しさをうまく表現している言葉が心にしみてきます・・・。とても、表現力がある歌い方なのですが、とても素直に声が出ていて、本当に歌のうまさにびっくりしてしまいます。そして、無理せずに見せてくれるミッド~アップテンポな楽曲で見せるビートにさらりのせた歌い方にはビックリさせられます。さらに、英語詞をこれほどすんなりと作り上げ歌いこなし、そうでありながらも、4曲目「Hand In Hand」のようなとても素晴らしい日本語詞を書き綴ったりと、全部が自然にやってのけているのが、和田さんのポテンシャルの高さを物語っています。時たま見せてくれるフェイクというか、面白いフレーズも印象的だし、フェイクも多彩でやっぱりSelf Produceで素晴らしいProducerであることを示すだけでなく、シンガーとしても素晴らしいところをこのアルバムで示してくれています。
アルバムトータルとして和田さんの表現力の豊かさをこれでもかと感じさせてくれます。全体的にほんわかとした優しい雰囲気を持たせているのも、和田昌哉さんの雰囲気がそうさせているのかなと感じます。R&BのProducerという先入観を持たずに聞くと、改めて詞と歌のメロディーの良さを改めて感じさせてく、それでいて英語詞の曲を通して洋楽へと通じる自然なR&Bとしての楽曲のよさも感じさせてくれます。是非聞いてみてください。
オススメ:(3),(1),(2),(4),(6),(9),(10),(12)

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Wallace Smith / The Chronicles of Wallace Smith

01. YOU
02. Man That I Am
03. Lonely
04. My Everything
05. Cold World
06. Brand New
07. I Live To Worship You
08. Shattered Soul
09. Heaven
10. Rest
11. Love Again
12. Something’s Missing
13. Love
14. Show Me The Way
15. Help Me
16. The River
17. Am I Just God
18. My Desire
19. WHY
20. Free

(総評)

ロスのゴスペルシンガーWallace Smithのデビューアルバム!聞けばわかりますが、1曲目のボイスジェネレータと古いシンセサイザーの絶妙のマッチングにやられます!この電子音を絶妙に使いかげたサウンドには、現行のR&Bシーンでも十分に通じるキャッチ-さと、どこか懐かしい90年代R&Bの良質な匂いがしてきます。特に前半の出来の素晴らしさが特筆モノ!1曲目の「YOU」のクラシカルともいえるそのサウンドの音色!そして、Wallace Smithの心地よくも突き抜けるテナーボイスが素晴らしい!そして2曲目「Man That I Am」での軽快なメロディーのやられて、そして4曲目「My Everything」の最初の突き抜けるようなイントロでノックアウトです。その後も、同じようなテンションを保ちつつ、ずっと素適な温かみのある曲を披露していきます。20曲と長いので、同じような曲というのもあるのですが、それでも、飽きがこない曲単体としての完成度の高い作品を披露してくれます。本当に20曲もありながら、捨て曲が一切無いという完成度の高さを誇ります。しかもそれがセルフプロデュースというのだから、驚きです。確かに似た雰囲気の曲は多数あるのですが、似ていてもどちらも素適と思えるほどに完成度が高くて、ずっとゆったりと聞き進んでいってしまいます。しかもゴスペルっぽくないそのサウンドの緻密さにも、驚愕してしまいます。一本筋の入った得意の曲調をベースにしながらも、様々な楽器やフレーズのアレンジによって、どの曲も面白く気持ちよく聞かせてくれています!
ちょっと他のゴスペル作品と違うのが、神への感謝についてさほど述べないことなのです、ジーザスとかそういうことはあまり出てこないのですよね。それはより身近なことについてリリックを書くことでより身近に感じさせようと努力していることが、かえってゴスペル好きだけじゃない、R&Bが大好きな人にも訴えかけるのです。素適なサウンドとリリックで迫ってきます。その力強い歌声と魅力的なメロディーどこかやわらかく心地よいサウンド全てにおいて完成度が高い一枚に仕上がっています!隠れた名盤でしょう。ただ、やっぱり20曲は長すぎかな(笑)上にあげたFEWに比べても後半の起伏がないのは、ちょっと残念ですね。でも、曲同士の起伏がないだけで、後半もいい曲が入っていて、素晴らしいアルバムには間違いありません!オススメ:(2),(1),(4),(3),(6),(12),(15),(17),(18),(19)

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G-WILL / A Blessing On The Shelf

01. Leave Right Now
02. Feelin’ You
03. Freaky Side
04. See You Happy
05. Big Daddy
06. Rub You Up
07. Should I Go
08. Tomorrow09. Sippin’ On a Forty
10. I Received Him
11. Open Your Heart
12. When Was the Last Time
13. Yo Mom
14. Don’t Hold Back
15. Come On Now Baby
 (総評)

Gregory WillisことベテランシンガーのG-WILLのソロアルバムがリリース!そのソウルフルな歌声と、ピアノや打ち込みを主体としたサウンドが心地よく響き渡る傑作インディーソウルアルバム!アルバム全体を通して、さまざまな楽曲があり、要所要所に素敵なバラードやかっこいい曲があって、アルバム全体としての完成度はすこぶる高いです!
特筆すべきははやり、そのソウルフルな歌声、一曲目のはじめから一気にもってかれてしまいます。これほど気持ちよく伸びやかに歌われたら、もう耳を傾けるしかできません!その中でも彼の歌のよさがでているのが、1、2曲目の美しいバラードと5曲目のパワフルでキャッチーな一曲と、6曲目のようなギターを使ったフェイクが見事な曲!などなど、つぶよりな曲がごろごろとでてきて、この人の歌だけでない、作曲能力やメロディーメイカーとしてのすごさも感じることができます!一度聞いたら忘れないフレーズをサビで繰り返すことで盛り上がりを見せる曲が多く、キャッチーでいてソウルフルで、聞きやすいんだけど、深いよさがある曲へと仕上がっています!
実は、88年のRay,Goodman&Brownの「Mood For Lovin」というアルバムで参加していたシンガーらしいのですが、そんな予備知識がなくともこのシンガーがすごいことは聞けば一目瞭然ですね。ぜひ手にしてみてください!今年はずせないシンガーの一人ですよ!
オススメ:(1),(2),(3),(5),(6),(9),(13),(14)

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Khalil / Tease U Please U

01.We Kicked It
02.On The Road
03.Get That
04.Tease U Please U
05.Are You Ready
06.How Would You Like It
07.Take My Time
08.Where You Are
09.Definition Of A Love
10.Picture This
11.Like This
12.I’ll Give All My Love To You

(総評)

魅惑のバリトンボイスを持つ男Khalilのデビューアルバム!バリトン特有の重みがあるというよりも、その歌い方に特徴があって、独特の泣き節を見事に聞かせてくれるアーティストです。この独特なシャウトや、重みのある歌声がどんどん癖になっていきます。ただのバリトンボイスよりも、感情豊かで密度の濃い歌声なのです。アルバム全体としては、インディーズらしいちょっとチープなアップもありつつも、バラードが中心であり、バラードの時には泣き節を聞かせて、どんどん聞き手を引き込んでいきます!特に4曲目「Tease U Please U」では、じっくりと歌いこむことで、Khalilの濃厚な歌声の良さがよく出ています!そして、7曲目「Take My Time」でみせるギターとのコラボレーションはなかなかのものです。もっとギターが激しくてもよかったけどね。でも、なかなかバラードで、まったりとした歌いっぷりは、末永く聞けそうな素敵なアルバムです。こういうバリトンボイスはなかなか出てこないので、このアルバムのようにアップから、スローまでじっくり歌ってくれるとうれしいですね!
ただ、中盤以降少し濃さが薄れてしまうところと、メロディーなどはいいので、気にならない人は気にならないかもしれないのですが、彼の声に濃さやパワフルさに対して、サウンドの厚みがどうしても薄く感じてしまうのがちょっと残念なところです。あと、もう少しドラマチックな展開をするバラードとかが聞けたら名盤になっていましたね~!
オススメ:(4),(1),(2),(5),(7),(11)

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