Wallace Smith / The Chronicles of Wallace Smith

01. YOU
02. Man That I Am
03. Lonely
04. My Everything
05. Cold World
06. Brand New
07. I Live To Worship You
08. Shattered Soul
09. Heaven
10. Rest
11. Love Again
12. Something’s Missing
13. Love
14. Show Me The Way
15. Help Me
16. The River
17. Am I Just God
18. My Desire
19. WHY
20. Free

(総評)

ロスのゴスペルシンガーWallace Smithのデビューアルバム!聞けばわかりますが、1曲目のボイスジェネレータと古いシンセサイザーの絶妙のマッチングにやられます!この電子音を絶妙に使いかげたサウンドには、現行のR&Bシーンでも十分に通じるキャッチ-さと、どこか懐かしい90年代R&Bの良質な匂いがしてきます。特に前半の出来の素晴らしさが特筆モノ!1曲目の「YOU」のクラシカルともいえるそのサウンドの音色!そして、Wallace Smithの心地よくも突き抜けるテナーボイスが素晴らしい!そして2曲目「Man That I Am」での軽快なメロディーのやられて、そして4曲目「My Everything」の最初の突き抜けるようなイントロでノックアウトです。その後も、同じようなテンションを保ちつつ、ずっと素適な温かみのある曲を披露していきます。20曲と長いので、同じような曲というのもあるのですが、それでも、飽きがこない曲単体としての完成度の高い作品を披露してくれます。本当に20曲もありながら、捨て曲が一切無いという完成度の高さを誇ります。しかもそれがセルフプロデュースというのだから、驚きです。確かに似た雰囲気の曲は多数あるのですが、似ていてもどちらも素適と思えるほどに完成度が高くて、ずっとゆったりと聞き進んでいってしまいます。しかもゴスペルっぽくないそのサウンドの緻密さにも、驚愕してしまいます。一本筋の入った得意の曲調をベースにしながらも、様々な楽器やフレーズのアレンジによって、どの曲も面白く気持ちよく聞かせてくれています!
ちょっと他のゴスペル作品と違うのが、神への感謝についてさほど述べないことなのです、ジーザスとかそういうことはあまり出てこないのですよね。それはより身近なことについてリリックを書くことでより身近に感じさせようと努力していることが、かえってゴスペル好きだけじゃない、R&Bが大好きな人にも訴えかけるのです。素適なサウンドとリリックで迫ってきます。その力強い歌声と魅力的なメロディーどこかやわらかく心地よいサウンド全てにおいて完成度が高い一枚に仕上がっています!隠れた名盤でしょう。ただ、やっぱり20曲は長すぎかな(笑)上にあげたFEWに比べても後半の起伏がないのは、ちょっと残念ですね。でも、曲同士の起伏がないだけで、後半もいい曲が入っていて、素晴らしいアルバムには間違いありません!オススメ:(2),(1),(4),(3),(6),(12),(15),(17),(18),(19)

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