JAVIER / JAVIER

01.Crazy
02.Beautiful U R
03.Song For Your Tears
04.Slow Motion
05.Hey Little Sister
06.Biggest Mistake
07.Interlude #1
08.If I Never Get To Heaven
09.Can’t Have My Heart
10.She Spoke To Me
11.In Your Hands
12.She’ll Never Know
13.Interlude#2
14.October Sky

(概説)

今年も天才が一人現われました。まさに突然に現われた新人アーティストボストン出身の25歳、Javier(ハビエールとよむらしい・・・) のデビュー・アルバム。その歌の歌唱法そのほかサウンド全てにおいて度肝を抜かされました。単純なボーカルアルバムではなく、楽曲的にもR&BやFUNKやラテン、R&B、SOULなど様々な要素を取り入れそのエッセンスをJAVIERというフィルターを通して、純度の高い曲たちを、詰め込んだアルバムにしています。基本的には、Donny Hathaway、Marvin Gaye、Stevie Wonderなどの70年代ニュー・ソウルに影響を色濃く残しながらも、彼自身が今まで聞いてきた音をうまく混ぜ合わせたようなSOULな味わいなR&B。彼自身ボーカリストとしての能力は素晴らしく、後述するとおりだが、演奏家としての能力も高く、Guter(5)(8)(11), Piano(3),Bruches(8)などさまざまな楽器を手にして今回の楽曲でも参加しています。マルチプレーヤーという言葉が合う人です。しかもソングライティングはしてないじゃん?と思われるのですが、そこは新人らしからぬ考えで、あくまで今回はJAVIERというアーティストを知って欲しかったので、ソングライティングはしなかった。ボーカリストとしてのJAVIERが存分に楽しめる内容になっています。そして、いまどきR&Bのメインストリート物としては、珍しくRapを排除!まさに歌一点で勝負しています!そのおかげか、ある意味興味深いアルバムに仕上がっており、何度聞いても飽きが来ない作品にしあがっています。
彼の歌声は、艶やかで、優しさに溢れ、なんとも美しい・・・そして、歌唱法もどこか爽やかな風を誘うような歌い方をするのですが、ちゃんと芯があって、心地よく聞くことが出来ます。ちょうど若い頃のスティービーワンダーや、個人的には、このマルチでいて、自分の歌声の特質をよくわかっていて、それを歌い方にまで反映させている点では、天才Rashaan Pattersonに共通するものを感じます。めちゃくちゃ盛り上がったり特長的な楽曲があるというわけではないのですが、Javier独特のボーカルスタイルをとことん聞かせてくれる本当にいいアルバムです!プロデュースにはBrandy、B2Kを手掛けたUnderdog、Christina Aguilera、N’SyncでおなじみSyndicated Rhythmら大物が参加していますがあまりそれは気にならないほど、彼のボーカリストとしての能力が高い!そしてゲストとしてThe Rootsの?uestlove(5)、Roy Hargrove(14)が参加しているのが、注目です。CDはCD EXTRAで、JAVIERのシングルカットされた『Crazy』のPVが見れますよ。大推薦盤!
オススメ:(1),(5),(6),(10),(12)

続きを読む

CALVIN RICHARDSON / 2:35PM

01.Keep On Pushin’
02.Falling Out
03.I’ve Got To Move
04.I’m Worthy
05.More Than A Woman
06.Not Like This
07.She’s Got The Love
08.You Got Me High – (featuring Slum Village)
09.Put My Money On You
10.Your Love Is
11.I Wansumo
12.Cross My Heart

(概説)

前作でK-Ciの幼馴染として有名になったCalvin Richardsonの二枚目は。傑作SOULアルバム!まさに現代によみがえったSOULアーティストという佇まいです。初っ端の『Keep On Pushin’』の歌いだしの、オールドスクールっぷりにすっかりやられてしまいます。いやー、もう70年代いや、60年代に戻っちゃったんじゃんないか?っていうほど古臭い~雰囲気が君いつの人だよ!って言うのと同時に逆に新鮮な気持ちにさせられます。New Classic Soulというタイトルを世に送り出したSOLOのようなClassic Soulを基本とする良質な古さをもっています。SOLOは現行R&BとClassic SOULをうまく融合させたのに対して、Calvin Richardsonは、思いっきりSOULな空気をそのまま現在にもってきています。ただここ一・二年流行のオーガニックソウルやフィリー系というのとは一線を隔てた、Musiq、DONNIEやFrank McCombなどが目指していた70年代回帰を一歩推し進めたオールドスクールなフレーバーが満載でいて革新的な素晴らしいアルバムです。SOULでいながら、タダ古臭い雰囲気を持って来たのでない新鮮さをもった微妙な線をついてきます。オールドフレーバー・・・というよりもCLASSICAL FLAVOR満載な一枚です。
今の世の中HIPHOPが流行りトラック重視な楽曲が当たり前となってしまった中に、新鮮な空気を吹き込む、まさに歌声勝負一本の一枚でしょう。彼の歌声は、どことなく灰色がかった歌声でいて爽やかで艶やかな伸びのあるまさにStevieやMarvine Gayeなどを髣髴とさせるSOULFULな歌声です。前作ではこれほどのSOULFULさを出し切れていなかっただけに、成長の後が垣間見れます。今作では、Producer陣が豪華で、なんとあのRaphael Saadiqに、Mike City、Slum Villageなどが参加し、しかも、自身でのProduce作品が素晴らしい!さらに、Eddie F and Darren Lighty作品の「More Than A Woman」思わず聞き入って体を揺らしてしまうほど、艶やかで優しい空気に包まれた名曲です!是非、SOULな歌声に恋焦がれるあなたにこそ聞いて欲しい作品です。 これは、2003年の重要な一枚となること間違いない傑作です。このCLASSICAL FLAVORな作品が2004年に向けて流行る可能性大ですね。飽きが来ない5年10年と長く聞ける一枚です!
オススメ:(1),(3),(5),(6),(11)

続きを読む

HI-D / Girlfriends feat.ZEEBRA

(概説)

ついについに!HI-Dのデビューシングル「Girlfriends feat.ZEEBRA」がリリースされました。CLUBで育って、フロアライクな本物のR&Bを聞かせてくれるアーティストの登場です。現在のR&Bの要素を肌で感じ取り、海外でのダンサーとしての活動を通して生のR&Bを自然と吸収し、自分の中で昇華して、”HI-D”というR&Bアーティストを作り出しています。HI-Dの歌声はすごいSoftでSexyな歌声でいながら、シャウトではPowerがあり耳に残ります。そしてスムーズに心にしみこんできます。体で感じれる歌声です。何よりUPな曲でもSlowな曲でもいける声をしています。声だけじゃなく、歌唱法も素晴らしく、まるで洋楽を聴いているような感覚に陥ります。
 大注目の新人です!これを聞かずに2003年のR&Bシーンは語れない!
 「Girlfriends」はZEEBRAをfeatし、FIRSTKLASがプロデュースという、旬なProducerを用いていますが、これは今井了介さんのイベント「JUICE」でその素晴らしいパフォーマンスを行なっていたので、今井さんとZEEBRAのFIRSTKLASがProduceするのは、必然の結果でしょう!そして、このPowerfulなProducer陣にProduceされるというよりは、HI-DがこのProducerを活用しているというスタンスに感じる。それはHI-Dの実力を表しています。CLUBでのリアルな模様を描き出した一枚になっていて、HI-Dの表現したい世界が聞けばわかるようになっているのが素晴らしい!ホント名曲。REALな世界観を持ったR&Bって日本ではなかなかなかったのですが、彼は、狙うというよりもごく自然にそのCLUBでのREALな世界をさらっと唄うのけています!
 HI-Dの今後が楽しみになる一枚!これでダンスもめちゃくちゃうまいんだから、是非ライブを体感してみたい!

曲紹介

1曲目『Girlfriends feat. ZEEBRA』

 FIRSTKLASをProducerに向かえそのFIRSTKLASのZEEBRAがSmoothyなRapを披露しています。今までのFIRSTKLASの曲よりも数段レベルが高く感じます。それは、ZEEBRAとHI-Dがお互いに高めあうように競い合い唄いRapしているからでしょう。メロディーは、流れるような清涼感溢れる音を使い、そのトラックに流れるようなメロディーが乗っかっています。自然と体が揺れてしまう、聞けば聞くほど癖になる中毒性のある一曲。HI-Dの歌は日本語としてちゃんと聞こえながらも、洋楽のような流れるようなメロディー展開が印象的です。リリックもRealなClubの模様をガッチリ表現していて、これから始まる楽しいことへのドキドキ感と、ざわつき感と言うか高揚感が味わえます。後半からの転調でのHI-Dのシャウトっぷりが心地よい。ZEEBRAのリリックも面白く、二人がお互いに全力でぶつかっているって感じで、スキルの高い二人がぶつかり合ってさらにいいものが出来上がっています。
(Produce FIRSTKLAS, Written by HI-D&FIRSTKLAS)

2曲目『Take it off』

まさにMake Loveな一曲。もう情景が浮かぶようなリリックと、艶やかなMoodyなサウンドが、物凄いSEXYです!でも、こういうエロスって今の日本人には絶対あるし、別にいやらしいとかじゃなく、逆に心地よく心預けていとおしく聞けます。まさに恋人達に贈る曲でしょう。この曲では、HI-DはあくまでSmoothに、ファルセットを混ぜながらじっくりとじっくりと愛を表現していきます。「この指で探り当てよう 今日の秘密の場所を」なんて、すごいMoodyな雰囲気がたっぷりだし、汗ばむ体まで思い描けそうな、まさにBed Time Musicです。愛について謳うのがR&Bであるなら、こういう曲が出来てこそR&Bアーティストだと僕は思います。すばらしい!
(Produce Masaya.WADA, Lyrics by HI-D, Music by HI-D&MASAYA WADA)

3曲目『Raise the roof feat.BUTCHER』

力強い圧迫感のあるRapをするBUTCHERをfeatしたParty Tune!ライブで一緒に叫びたい~!リリックも疾走感があって、気持ちが盛り上がってきます。featのBUTCHERの、Rapもおもしろいし、声によくあったリリックをうまく使って盛り上げていきます。マジライブで聴きたい一曲ですね。
(Produce Hironobu “BAYA” Hayakawa, Lyrics by HI-D&BUTCHER, Music by HI-D)

さらに詳しくはこちら!

Anthony Hamilton / Comin’ From Where I’m From

01.MAMA Knew Love
02.Cornbread, Fish & Collard Greens
03.Since I Seen’t You
04.Charlene
05.I’m A Mess
06.Comin’ From Where I’m From
07.Better Days
08.Lucille
09.Float
10.My First Love featuring LaToiya Williams
11.Chyna Black
12.I Tried

(概説)

Anthony Hamiltonは、かなり不遇な境遇を音楽シーンで歩んできたシンガーなのですが、これまでにD’Angeloのワールド・ツアーにバック・ヴォーカルとしての参加や、EVE「Ride Away」、2Pac「Thugz Mansion」、Nappy Roots「Po’ Folks」にもゲスト・ヴォーカルとして参加したり、かなりのキャリアの持ち主。発売直前までいったのにレーベルがつぶれたりとかなりついていない方なのですが、このアルバムでは長年のキャリアをいかした新人らしからぬ、DeepなSOULサウンドを聞かせています。全曲で、Anthony Hamiltonは、Produceに参加しており、非常にSOULFULな雰囲気はこの人のもともと持っている素質なんだなということがよくわかります。
このアルバム自体非常にオーソドックスなSOUL作品であり、すごいかわった曲や、テンポのいい曲があるわけじゃないのですが、聞き込む毎に心地よさが広がっていく感じです。日曜日の昼下がりぐらいに、部屋でまったりしながら聞き入るのが丁度いいぐらいのSOULです。夜向きじゃーありませんが。でも、2曲目でのベタなSOULな雰囲気と11曲目でのROCKとSOULが絶妙の融合を見せたUPPERな一曲では、彼の真骨頂を見せたな!と感じます。ホントかっこいいですもん!こいつは!
そのほかにも、地味にいい曲はそろっています。こういう土臭い感じのSOULが好きな人にはオススメできますね。70年代のカーティスとか好きな人は好きかも。さほどギターサウンドはでてきませんが。
オススメ:(2),(6),(11)

続きを読む

Marques Houston / MH

01.Intro
02.Clubbin featuring Joe Budden/Pied Piper
03.Pop That Booty featuring Jermaine JD Dupri
04.That Girl
05.Because Of You
06.Walk Away
07.I Can Be The One
08.Grass Is Greener
09.Cancel
10.Good Luck’
11.Can I Call You
12.Love’s A Game
13.Tempted
14.Actin’ Up featuring Lil Fizz
15.Alone
16.That Girl featuring Pied Piper (REMIX)
17.Clubbin’ featuring Joe Budden (REMIX)
 

(総評)

今のR&Bシーンにおいて、メインストリームというのが、ない・・・どこを見渡してもオーガニックソウルに代表される生音だったり、よき古きSOULを再現していたり・・・一方USのシーンはHIPHOPやレゲエなど様々な要素が入り混じり、それを乗りこなす歌い手、つまり時代の潮流に乗った王道的なR&Bのシンガーがいないのである。もちろん中堅どころやベテランがSOULFULな歌声を聞かせてくれてR&Bは維持されているが、昔のUSHERや、GINUWINEなどがやった、軽めな王道R&Bシンガーみたいな人っていうがいなくなり、異色なことが普通というか、変わったサウンドぐらいで丁度いいというのに偏り過ぎていて、楽曲にあわせてマルチに歌いこなせるR&Bシンガーが出にくくなっています。そんな中、まあジャスティン君なんか、そういう王道的なサウンドでやってくれたんだけど、個人的にはあまり・・・声的にR&Bか?っていうのがあって(今じゃすっかりR&Bの中心扱いされてますが)、王道的なR&Bを堂々と歌える人がいないかなーと思っていたところに出てきたのが、本作品の彼である!

彼は、元IMX(イマチュア)に所属しているバットマンことMarques Houston(マーケス・ヒューストンもしくは、マーキス・ヒューストン、日本人には難しい発音やね)!そのMarques Houstonのソロデビューアルバム!もう、イマチュアといえば、一昔前のR&Bファンならば、知らない人がいないってほど有名な、今で言うB2Kのような感じの歌えるお子チャまボーカルグループでした。そんな彼が、ホントひさびさに放つアルバムです!USのシーンの荒波を乗り越えてきたこの人のアルバムが悪いわけありません。実は彼は、Plutinum Statusという名前で、IMXのメンバーで弟が在籍するB2K(まあ弟抜けちゃいましたが・・・)のProducerも勤めていて、Produce能力も魅せることもうまいアーティストなのです。それに、R.KELLYが参加で、特色のある楽曲が多く一枚通して楽しめる作りになっています。特にUPで魅せる軽快さ!軽さがたまらなく、心躍ります。特にJoe BuddenをFeatした「Clubbin」はたまりませんね。時代の潮流にのった軽る感じが逆にいいんですよね。まさに03~04年の間に聞いておくべきマストな一枚ですよ。さらに、バラードで11曲目「Can I Call You」での透き通るような雰囲気がいいんですよねー。決してSOULFULな歌い手というわけじゃーありませんが、R&Bの初心者や女性モノが好きな人にも十分通用する、まさにR&Bの王道的な一枚です。オススメです!
オススメ:(2),(3),(4),(5),(8),(9),(10),(11),(17)

続きを読む