Kindred The Family Soul / The Arrival

01.Can’t Help It
02.Pressure
03.Just the Way You Are
04.House of Love
05.Alright
06.Rightfully So
07.Set Free08.Struggle
09.Love We Share
10.No Limit
11.Poetry Interlude
12.Hey
13.So Much Better
14.Always Be Arriving (Finale)

(総評)

フィラデルフィアの夫婦デュオの最新アルバム!リリースを重ねるごとに、フィラデルフィアなネオソウル路線から、本格的なソウル路線へと変更を加えてきています。特に夫のほうの歌声が素晴らしくソウルフル!女性シンガーも負けじと歌い上げてくれますが、この男性シンガーのソウルフルな力強さといったら、熱くてかっこいいんですよ。この2人の歌声の熱さが、アルバム全体にちりばめられており、夫婦デュオというか、数少ない男女デュオとして、頂点を極めつつあるその実力を遺憾なく発揮してくれています。 2曲目「Pressure」の渋みが聞いたスローなソウルサウンドとそこから狂おしく盛り上がっていく男性シンガーの見事な悶絶っぷりが、このアルバムのかっこよさを実によくあらわしています。パワフルで圧倒的な迫力でせまってくる鬼気迫るような男性シンガーの歌いっぷりには完全にノックアウトされます。1曲目「Can’t Help It」もゆったりとした展開からぐいぐい盛り上がっていく様がたまりません。 4曲目「House of Love」では、ピアノバックでスウィートなボイスを聞かせつつも、メロディーで聞かせてくれます。本当にいいメロディーが多いアルバムで、5曲目「Alright」でも、渋さを感じさせつつも、メロディーがとてもいいです。後はシャウトの凄みですね、男性シンガーのシャウトがすさまじく、5曲目、6曲目「Rightfully So」などでの圧倒的なシャウトっぷりには、ひさびさに胸が熱くなります!そして、7曲目「Set Free」ではそのシャウトのすさまじさが引き立つダークでカッコいい曲調で、このアルバムの最高峰の一曲となっています。その他にも美しくゆるりと聞かせてくれる気持ちがいい3曲目「Just The Way You Are」など、心地よくでもメロディーがしっかりしていて聞きやすい曲たちがちりばめられた完成度の高い一曲になっています。 本当に前半から中盤にかけての、勢いはすさまじく名盤といいたくなるような一枚です。ただ、後半は2009年すばらしいアルバムをリリースしたU.Cityの「Hey」以外は、ちょっと尻すぼみ的な印象を受けてしまうのがとてももったいないなーと思います。それなら、12曲構成ぐらいにして、圧倒的なメロディーとシャウトの応酬でやってくれると本当の名盤になれたと思います。
でも、男女デュオとしてもこれほどの完成度を誇る作品は早々お目にかかれないですし、まして夫婦デュオとなると2000年以降ではいないのではないかなという貴重なアーティストです。今後もすばらしい作品を届けてくれることを切に願います。
オススメ:(2),(7),(4),(5),(6),(9),(12)

続きを読む