Baby Breath / WARM-UP

(概説)

滋賀の3人組女性ボーカルグループ!本格的なR&Bグループとかいてあったのですが、どちかというと、UKのMis-teeq を髣髴とさせるグループで、RapperっぽいガラージMCの女性が一人いてそのおかげで個性的なアーティストへと進化しています。他の二人は力強い歌声のボーカルと、Sweetで蕩けるような甘いボーカルという3人がそれぞれ個性的なアーティストで、絶妙なバランスで絡み合っています。今までの日本のR&Bの女性アーティストってやっぱり恋愛を中心に歌っていて(もちろん彼女達もステキな恋愛の歌も歌っています)、CLUBのパーティーチューン的なのを歌える女性アーティストってほとんどいなかったのですが、レゲエのMCが入るおかげなのか、そういうパーティーチューンでこそ彼女らの力強さがよく出ていてカッコいいんです!こういうところをもっと前面に出していくと、相当個性的でOnly1なアーティストへと進化していくんじゃないかなーと感じました。無論R&Bグループっていうわけじゃーなくて、もっとHIPHOPやレゲエやUKガラージやR&Bなどの様々な要素が混ざり合っていて、今現在でも稀有な存在なのではないかなーと思います。音楽的なスタイルだけじゃなくて、見た目もすごいB系なリアルなCLUBをその視覚的な部分からも感じ取れて、現場をいかに重視したスタイルかっていうのがよく分かります!こういう現場を大事にする人たちは、すごい今後も伸びていきそうな感じがします。美人さんだしね~。ライブも見てみたいもんです。
曲的には個人的に大好きな5曲目のスウィートな歌声がなんとも癖になるのですが、1曲目や4曲目での力強さにも圧倒されます。たった5曲なのですが、ボリュームがある一枚に仕上がっていて、一枚できちんと楽しめる構成になっていますよ!

曲紹介

1曲目『約束』

ガラージっぽいバウンスビートにのってカッコよく3人が絡み合い歌い上げていき、Rapを力強く絡めていくインパクトがある一曲目!すごい前向きな力強い女性を歌い上げています。それともそういってくれた男性を歌っているのか、それにしてもこれを聞くとすごい前向きになれる曲です。これを聞くとR&Bといううたい文句はあくまで彼女らの要素の一部で、もっと様々な要素が合わさってるグループなんだなとわかります。

2曲目『He is so HOT』

1曲目よりも歌に重視を置いた曲で、サビを歌う女性の歌声がストレートで聞きやすくてMCの声の低音とうまく絡み合っていて面白いです。お互いが引き立てているみたいで!しかもCLUBの情景を上手く引き出した曲で、CLUB受けしそうだなーって気分にさせてくれます。CLUBで積み上げた実力を遺憾なく発揮している一曲!

3曲目『My Bad』

切ない歌詞なんだけど、意思の強さを感じさせるボーカルが、逆説的でなんか印象に残ります。この曲はMCとボーカルが絶妙に混ざり合うので、スリリングな展開を見せてくれます。

4曲目『No-d,Rock』

最初からMCが盛り上げるパーティーチューン!女性のグループで、ここまで力強さを前面に出した人たちって彼女達以外しらないですね、この力強さは気持ちいいです!なかなかいないから彼女らの最強の長所でしょうね、こういう曲を多く出していけば、他にいないグループになれうんじゃないかなー。恋愛ばかりを歌う日本の女性アーティストの古いイメージを覆して欲しいですね。

5曲目『be missing…』

この曲好きです!他の曲ではコーラスに徹してるメンバーが前面に出て歌っているのですが、彼女の歌声がすごいSweetで気持ちがよくて、しかもHOOKのメロディーが美しい!これはたまりませんわ!MCもちょっと押さえ気味で曲の雰囲気を盛り上げていて、これは名曲ですね!

http://www.babybreath.net/

https://music.apple.com/jp/album/%E7%B4%84%E6%9D%9F-stand-up-again/1583533376?i=1583533741

JAY’ED / Why?

(概説)

ついに、Sphere of Influenceのアルバムでその強烈なインパクトを与えたJAY’EDがシングルをリリースした!DJ YUTAKA、ドーベルマン・インクなどのアルバムでその歌声を耳にした人も多いだろう。彼の歌声はそのインパクトの強さとは反比例に美しく心地よさを聞くものに与えてくれる。まるで聞くものを優しく包み込んでくれるかのような甘く包容力がある歌声で、傍らにそっといながら歌ってくれているようなそんな感覚になります。ただ優しいだけじゃなくて、3曲目のMAXWELLの『LIFETIME』のカバーが証明しているように、もっと自分の芯の強い部分に基づいた優しさなので、内面にもっと激しいものを感じさせます。それを示すように、シャウトやフェイクでは、唸るように搾り出すように力強さを前面に押し出してシャウトをかましています!その辺のバランスも絶妙で、聞いていてどんどん引き込まれていきます。早くアルバム単位で聞きたくなるような一枚です!
3曲どれもが、特徴をもっていて、どの曲も良い曲です。1曲目は彼の包み込むような甘いボーカルを堪能させてくれて、2曲目では軽快な曲のメロディーが彼のメロディーセンスのよさを感じさせます。3曲目でのMaxwellのカバーという彼のもとになった部分と、選曲のよさを見せてくれるのも見事です!この一枚で十分にシーンにJay’edというアーティストをアピールすることが出来ていると思います!
これは今年絶対買っておくべき一枚です!今後の日本のR&Bシーンの中でも重要な一枚になりますよ!

曲紹介

1曲目『Why?』

Sweetでやさしいイントロからゆったりと語りかけるように歌いこんでいくJay’ed、その包み込むような感覚にそっと身を委ねてしまいたくなります。そして、コトバを一つ一つ確かめるようにメロディーに乗せていき、きちんと日本語をR&Bの美しいサウンドにのせていきます。言葉が生命を持っていくように、言霊を詰め込んでいくJay’ED!まさにSOULFULな歌い方だなと感じます。温かみのこもった歌でありながらどこか儚げな雰囲気も持っていて、徐々に熱を帯びていく後半の歌いっぷりが余計に心に響いてきて、見事です!彼の優しい歌い口がよく分かる名曲です。長く聞ける一曲ですよ。
Produce:M.HIROISHI

2曲目『Shining★Star』

2曲目は、1曲目のSweetで儚げいながらも、優しく包み込んでくれる曲だったのですが、この曲では、もっとストレートにSweetな雰囲気を甘いミッドテンポの楽曲を歌いこんでいきます。このミッドテンポのメロディーが一度聞くと癖になるほどに心地よくて、たまらないです!特に日本語のメロディーへの乗せ方が絶妙で、こういう言葉がメロディーにはまった曲っていうのは何度聞いても飽きがきません!水滴の音が織り成すサウンドもたまらないメロウさと心地よさが混ざり合っていて、そこを気持ちよく押し付けるのではなくあくまで傍にそっと寄り添うように歌っていくJay’edの歌い方が気持ちがいいですよ。
Produce:M.HIROISHI

3曲目『Lifetime』

そして最後はなんとあのMAXWELLのカバー!どちらかというと、Babyfaceとか、ストレートでSweetな歌い手さんの影響を感じさせる歌い方でありながら、Maxwellをカバーに選ぶとは、彼の間口の広さを示しています。甘美で可憐なその歌い方はMaxwellのように芯が強く毅然としたうたいっぷりが元になっていて、それをもっと切なく淡い歌い方にしたものなんだと気が付かせてくれます。MaxwellのLifetimeとはまた違う味がある一曲に仕上がっていますよ!
Produce:Takashi Futatsugi

Official Site

https://music.apple.com/jp/album/why-ep/76127262

三浦大知 / Free Style

(概説)

三浦大知の第二幕は、今井了介、HI-D、Patrick “J.Que”Smithの最強布陣で固めた、爆発力溢れる2曲入りのシングル!「Free Style」!1stシングルはちょっとR&Bを機軸としながらも、POPよりな雰囲気をもっていて、現在の三浦大知の音楽性を十分に生かしきれていない印象があったのですが、この2ndアルバムではそんな心配を払拭する素晴らしいR&Bが二曲収められています。Usherなどのソングライトで有名なPatrick J.Que Smithという人物を招いてUSのビートを取り入れていて、これが三浦大知の歌声がのることで、本当のR&Bを感じさせる出来になっているし、今井了介氏とHI-Dが絡んだ、一曲は、まさに、三浦大知の今を描ききった、若さ溢れる一曲になっていて、リリックではHI-Dが、Musicでは、今井氏が素晴らしい仕事をしています!これは絶対に必聴です!ますますアルバムが楽しみになるシングルですよ!

曲紹介

1曲目『Free Style』

彼が作り出した人脈の中でも、モロにUS直結な人物Patrick “J.Que”Smithがプロデューサーを務める、Upper Dance Tune!Usherのような踊れるシンガー向けな曲で、三浦大知でしか歌いこなせないかなって感じがします。日本語の選び方も、Jamという人物が絶妙な日本語を配列して、USの定番のビートの音に、上手いこと日本語がのっています!これは素晴らしい!音楽シーンへ、今までの自分のイメージを払拭するような力強い宣言!「本当のスタイルはオリジナルであること」と自分のこれからの向かう先を強烈に指し示しています!心地よい踊れるUPPERソング!これを聞いて踊りましょう!やっぱりサウンドがいいと声も栄えますね!

2曲目『Be Shining』

そして、このシングルはこっちの方がある意味メイン!なんと今井了介氏と、HI-Dという、現在までR&Bシーンを独自の視点で引っ張ってきた第一人者とR&B Singerとしては新人の三浦大知との強力な化学反応をおこすコラボレーション!HI-Dと大知とのセクシーに絡み合うイントロから、軽快なギタービートにのって、疾走感溢れる一曲が展開していきます!先へすすむ不安と、楽しみを見事に描ききった歌詞!これからの三浦大知をまさにあらわしたこのリリックはさすが、HI-Dといえる素晴らしいリリックです!そうして、Musicはもちろん今井さん!若さ溢れるイメージを強烈にリスナーに焼き付けていきます!これ聞いたら絶対前に進んでがんばろうって思えますよ。若さを感じます。

OFFICIAL WEBSITE

NICCI GILBERT / GROWN FOLKS MUSIC

01.Stop Messin Around
02.Woman In Need
03.Think Again
04.Summer
05.Can’t Forget
06.This Woman
07.Rhythm And Blues
08.Grey Skies
09.Hint Of Love
10.She’ll Never
11.My Side Of The Story
12.I Got It Bad
13.Down With This
14.It Is What It Is

(総評)

BrownStoneのNicci Gilbertが突然ソロアルバムをリリース!以前にソロ作がでるという噂は立ったのに、お蔵入り・・・ということになったものが、中身もほぼ一新してのインディーズリリース!Brownstoneの頃を知る人も知らない人も、「If You Love Me」はご存知でしょう。試聴してみてください、誰もが知ってる曲です!このソウルフルな1曲を世に残した素晴らしいアーティストのメンバーがソロデビュー!下に紹介したGordon Chambersも彼女らには曲を提供しています、ですが、最近はその活動も見えなかったので、また90年代の良質なグループがいなくなったかと悲しんでいたのですが、元気に復活!うれしい限りです。その素晴らしいセンスのよさはそのままに、よりソウルフルに力強く蘇りました!
このアルバムは、本当にどの楽曲も水準が高い!女性はこれぐらいSOULFULでかっこよいほうが、FUNKYでブルージーな雰囲気ももちつつあくまでもSOULFULでいて丁寧な歌い方に好感が持てます!そして、徐々に感情を露わにしていくシャウトがたまらない!これほどまでに吼えられたらカッコよすぎますよ、この唸るような吼え方!ステキです!長い歌手生活に裏打ちされた素晴らしい歌唱力!シャウトも絶妙だし、メロディーラインも素晴らしいし、とにかく抜群の歌いっぷりでぐいぐいもっていきます。降参ですよ、ここまでやられたら。全ての歌に魂がこもっています!
このアルバムやっぱり前半のソウルっぷりの素晴らしいさ、ドファンキードソウルなその土臭くもカッコいい歌に続いて、出てくる4,5,6曲目のカッコよさ!これがやばすぎます!4曲目では、ゆったりと切ない曲を包み込むように歌っていき、ただただその圧倒的な存在感溢れる優しい歌声に包まれ・・・暖かい涙が溢れそうになります。5曲目のメロディーの素晴らしさ!聞いた瞬間にキター!って気持ちにさせられます。あの久保田と同じカーティスの「Trippin Out」使いですよ!この緩い心地よいビートにのって、Nicciの吼えまくる様といったら、聞いているこっちも心地よくなるぐらいに、伸びやかで素晴らしい!6曲目で壮大に歌い上げていく・・・本当に胸を打つ一曲です。これほどまでに、UPもミドルもSlow Ballad素晴らしい曲を揃えているなんて、物凄い完成度を誇るアルバムだし、その曲に負けない素晴らしいNicci Gilbertの歌声が90年代のR&Bアーティスト達がいかに凄かったのかをまざまざと見せ付けてくれます。10曲目でのDave Hollisterとの絡みも見事だし!11曲目の超絶悶絶シャウトしまくりなNicciのド迫力な圧倒的な歌声にノックアウトです。もう何もいいますまい・・・このアルバム最高です、後半も前半も飽きずに聞けます!凄すぎ。どの曲も最後の最後まで水準が高いんです、絶対買いですよ!
ホントプロデューサ陣がわからないのが、もったいないぐらいにステキな曲がたんまり入っている一枚です!文句無しにインディーソウル今年の傑作の一つでしょう!2005年の女性最高峰の一枚はこれに決まりです!
オススメ:(5),(4),(6),(11),(10),(12),(13),(14),(8),(2),(1)

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A7 / A7

01. Bringing in the Noise (Rise Up)
02. Cry No More
03. Church Time in the South [Intro]
04. Church Time in the South(AMEN)
05. Dont Walk Away
06. Friend Like Jesus
07. Afterlife (Tic Toc)
08. Always here With Me
09. Come Back Home (Hot Sauce and Chicken Wings)
10. Beautiful
11. No Dream Too Small [Intro]
12. No Dream Too Small
13. That’s Life (Betty and Lee Lee)
14. Worship Medley: I Just Want to See His Face/ Jesus I Love You

(総評)

ゴスペル6人組ボーカルグループ!A7!7という数字が書いてあるので最初7人組かと思ったら、違っていて、実は6人組でした。6人プラス最後のメンバーは神さまという、いかにもゴスペルらしい考え方のグループなのですが・・・その歌声は、まさに90年代R&Bグループ!濃厚なコーラスがもたらす絶妙のハーモニー!迫力あるパワフルな歌声!どれをとっても良質なR&Bグループっていう佇まいです!その力強い歌声とコーラスに体を預けてしまいます。もちろんゴスペルなので、歌詞はゴスペルだし、ゴスペルっぽい曲も2,3曲はあるのですが、それ以外は、素晴らしいボーカルグループとしての一枚になっています!
サウンド的にも半分は、メンバーのAlonzoがそのProduceを行い、メロディーもミュージックも全てを出来るところが素晴らしいし、4曲目6曲目など、要所要所で参加している、DJ Wilsonのサウンドが90年代っぽい懐かしさと今風のカッコよさを両方備えた素晴らしい楽曲で、6人の歌声の力強さを根幹から支えてくれています!それ以外にも、Alonzoの弟と思われる、リードシンガーを務めるAlexander Harrisもサウンド作りには参加していて、この兄弟がこのグループの大きな核になっています。ボーカルグループとしてのコーラスの面白さとかを追求したサウンド面でのある程度の音の控え具合やそのコーラスアレンジの面白さなど、この兄弟によるところがかなりあるようです。
6曲目7曲目での縦横無尽なメインボーカルAlexander Harrisによる吼えっぷりには完敗です。とにかく隙あれば吼えまくるこのリードボーカル!たまりませんね。基本的にバラード一曲を抜かして、全部吼えまくってます(笑)その他の曲も基本的には吼え上げ系や、重圧なコーラスがカッコよく聞かせてくれる曲が多くて、ボーカルグループ好きにはかなり受け入れられる内容じゃないかなと思います。コーラスアレンジもオーソドックでありながらカッコよく纏め上げていて、聞き入ってしまいます!ぜひ手にしてみてください。
オススメ:(4),(6),(2),(1),(5),(7)

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