和田昌哉 / Hand In Hand

(概説)

2006年最初のSingle Reviewは、和田昌哉3作目となる「Hand In Hand」!この作品は、本人の友人の結婚式のために書かれた素晴らしきHeartwarm Ballad!とてもシンプルな曲でありながら、彼のR&Bらしいサウンド作り出すプロデュース能力が遺憾なく発揮されています。やっぱり結婚式のために書かれただけあって、その詞も素敵だし、その言葉のフレーズへの乗せ方が素敵過ぎます!そして、これの英語バージョンの3曲目でも、1曲目とは違うサウンドの魅力を見せていて、幅の広さを感じます。
全体的に線が細い歌声の彼ですが、その声の伸びやかさは、素晴らしくて、聞けば聞くほどにはまっていきます。細いというよりもしなやかな歌声なのです。4曲目ではFUNKYな歌いっぷりなども見せていて、なかなか作り手としての素晴らしさはすでに実証済みですが、歌い手としても素晴らしいところをこれでもかと見せてきます。
そして、彼のCDは、常に新曲2曲と、そのシングル曲の英語詞バージョン+洋楽のカバーという洋楽好きにはたまらないこだわりがあるのも特徴で、この英語バージョンのスムーズが彼の作曲能力がすでに世界基準であることを示していて、さらにカバーも彼らしい選曲なので、どの曲をカバーするのかな~?と楽しみになってしまいます。日本人のカバーというと、どうにも曲が限られるのですが、彼は今回の「Baby」のような意外性のある曲もカバーしてくれるので、好きですね~。早くアルバムが出てほしいですね!楽しみ!

曲紹介

01.Hand In Hand (produce:Masaya Wada)

ピアノ一本で歌い上げる美しくも心温まるバラード!徐々に熱を込めて歌っていくのがたまりません。サビの歌詞もすごい素敵で、「手と手触れなくても、目と目合わなくても 僕はずっと君のためにここにいるから」という詞の愛の強さを歌うもってき方が素敵です。そして最後には転調し、音程が上がっていくところや、最後に逆説的にもっていくところも素敵ですね~。とてもいい曲です。

02.Because of you (produce:Masaya Wada)

一曲目とはまた違う爽快感溢れる心地よいリズムに乗っていく一曲!心が自然とうきうきするようなそんな明るさに包まれています。歌詞の内容は結構つらい経験を書いていながら、貴方のためまた歩き出す気持ちを前向きに素直につづっています。

03.Here We Are (Hand in Hand / English Version) (produce:Taishi Fukuyama)

1曲目の英語バージョン!ここまですっぽりと英語の歌詞が入るもんなんだな~と改めてびっくりしてしまいます。しかも微妙にフレーズを洋楽っぽく、スムーズに耳に入るようにしています。そして、サウンドももう少しやわらかくしていて、ピアノ一本の一曲目とはまた違った魅力を引き出しています!ファルセットが本当に美しいですよ!歌詞は1曲目の方が素敵ですが、全体の雰囲気はこっちの方が好きかも!1曲目はいかにもシンプルに歌うのが、荘厳な感じもして素敵だしな~。甲乙付け難し!

04.Baby (Produce:Taishi Fukuyama)

Rashaan Pattersonが作曲のこのBrandyの一曲を大胆にカバー!彼の線の細い歌声でどうやってFUNKYさを出すのかな~?と思ったのですが、結構これが自分の見せ方をよくわかっていて、面白くFUNKさを出すことに成功しています。黒さがよく出ています。

OFFICIAL

https://music.apple.com/jp/album/hand-in-hand-ep/118235001

WENDELL B. / GOOD TIME

01.Intro
02.Ya’ll Ain’t Ready
03.Good Times feat.LAMONT HADLEY
04.No Doubt feat.DIGGY
05.St.L. Thang
06.Anything
07.Can’t Get Enough of Your Love
08.Definition of a Real Man feat.DIGGY
09.Heaven Sent Me an Angel
10.I Ain’t Neva Been Down Like That
11.Just Don’t Understand U
12.Inside My Mind
13.Should We Break-Up feat.STACEY KAID
14.What Would You Do
15.Outro

(総評)

WENDELL B.ことWENDELL BROWNの9年ぶりの作品となる今作!彼の独特のロマンティックムーディーバリトンが炸裂しています。まさに安心して聞けるSOUL作品。ベットタイムミュージックと言うにふさわしいないようです。
まるで、女性の白くやわらかい肌を、指先で触れるかのごとく、優しく愛でるようにときに激しく脈打つような歌声は、まさにSEX MUSICとも言うべき、エロスが漂っています。まるでその歌声で、Make Loveそのものを表現するかのようなセクシャルさと、包み込むような包容力を感じさせてくれます。もう股座濡らすしかないような、一枚です。なんともいっても、そのセクシャルさを表現しきれる声の力!声の雰囲気だけで、これほどに空間の雰囲気ごと変えれる人もいるんだなーとおもってしまいます。彼が声を出せば、一気にそこは恋人との甘いひと時を過ごすベットの上に変わってしまうようなそんな力があります。
このエロさは、テンプスなどに通じるものもあるし、Keith SweatやSilkのような直接的なセクシャルさにもつながるし、Sweetな雰囲気も大事にしているし、Bed Time MusicとしてのR&Bの根本たるものを再認識させてくれます。素晴らしき歌心に溢れたアーティストです。とにもかくにもこの男前なMoodyっぷりにはやられますわ。ステキなダンディーなオヤジ臭がぷんぷんとむせ返るかのような、それぐらいの歌を聞かせてくれるのです。やっぱりこのアルバムが似合うのは夜!しかも恋人と二人の熱い夜を、ふつふつと静かに熱く盛り上げてくれるようなそんな一枚です。ぜひR&Bが好きな大人な男女ともに聞いて欲しいですね!
あと、彼の所属するレーベルCUZZ MUSIC RECORDSは、ホントカッコイイアーティストが多くて、お薦めですよ!ぜひチェックしてくださいね。特にKADOVはお薦め!
オススメ:(7),(2),(3),(5),(6),(8)

続きを読む

久保田利伸 / 君のそばに

(概説)

来年にひさびさとなるツアーを控えた久保田利伸の久々のSweet Ballad!ストリングスとピアノが絶妙に絡み合うバックサウンドが、心地よく響き、その上を流れるようにストレートに歌い上げる久保田の歌声の素敵さに、心が熱くなります。とても、切ないんだけど、芯がしっかりと通っているようなそんな力強いバラードソング!久保田さん自信の愛情の深さを感じさせてくれますね。久々に邦楽のバラードでいいものだしたなーって感じです!そして、カップリングは、昔のレゲエ調な曲を思い起こさせるような、一曲!それを今のUSでの経験なども踏まえて、心地よく聞ける一曲にしてくれています。この一枚で違う側面を見せてくれるのもさすがって感じです。これは来年のツアーが楽しみになってきました!来年のツアーはぜひ、こういう日本でのいい曲と、USでのいい曲ごちゃまぜでやってほしいですね~!まずは、ツアーまで、これを聞いて待ちましょう!

曲紹介

01.君のそばに

どこか、切なげで影のある曲でありながらも、しっかりとした芯の強い、力強さを感じさせるそのの言葉一つ一つが、心に心に染み込んできます。様々な悲しいことを乗り越えて、今ここであなたと愛し合っていくその誓いを、情熱的に歌い上げます。エレピのステキなバックサウンドがHOOKを煌びやかに盛り上げていく!そうして、ピアノとストリングスの美しいバックサウンドにうっとりとさせられながら、久保田お得意の変幻自在なフェイクを交えて、最後は上手く閉じていきます。決して長々と歌うのではなくて、ちょうど良く締め上げるところも素晴らしい!名バラードの誕生ですね。

02.Rock Wit Me Poh’!

レゲエ調なリズムで、ホッコリとさせながら、ちょっとコミカルな歌詞がかわいらしい。久保田のテーマの一つでもある、Peaceful! One Nationをテーマにしたホッコリして、暖かい気持ちにさせてくれる一曲です。初期の頃に一時期レゲエを意識した曲をかなり作っていた久保田の面影をここで感じることができます。ジャマイカやどこか南国の心地よい風に吹かれながら、聞いているようなそんな気分にさせてくれて思わず体をゆらしたくなります。
「滅多に泣けない男 切ないモンです」って歌詞がなんとも久保田さん自信なのかなと面白いです。

OFFICIALAmazong OrderHMV order

TERRY THOMAS / The Terry Thomas Experiment

01.Let Me love You
02.In A Zone
03.Lay Your Burdens Down
04.Just Thinkin’
05.Don’t Go To Bed Man
06.Daily
07.Something
08.Make Me Wanna
09.Take A Chance On Love
10.Didn’t I

(総評)

新人SOULシンガーTerry Thomasのデビューアルバム!インディーソウルにしておくにはもったいないほどに、歌が激渋で激ウマなそのねっとり具合に誰もが悶絶してしまうことでしょう。もう、このジャケからして歌える!っていう顔してますよ。でも、バリトンでぐいぐいいきそうにみえるのですが、その期待通りにぐいぐい歌い上げる曲もあれば、しっとりとテナーボイスで、魅了してくれたりと、意外と音楽的な幅が広くて、インディーズアルバムの中でも相当水準が高い一枚です!本当に歌いっぷりが見事で、アーバンメローでありながらも激唱していきます!
ほとんどをBalladが占める一枚ですが。ほぼ全ての曲で、その力強い歌声で、シャウトしまくります。最初抑えてても、やっぱり抑えきれずに吼え上げます!この吼えっぷりが見事でかっこいい!
プロデューサーのDeyon Dobson, Tim Owens(元K-Ci&JoJoのプロデューサー)がかなり素晴らしい仕事をしていて、キーとなる曲では、ちょっとファンクだったりUPビートに乗ったりと様々な面を見せて、彼の魅力を最大限に引き出しています。そうして、もう一人のプロデューサーJimmy Varnerが、これでもかと美メロを提供していて、その美メロの上で、Terry Thomasも魅力的な歌いっぷりを遺憾なく発揮しています。特に7曲目と5曲目、2曲目と、このアルバムの中心となる美メロナンバーは、全てがこの人の手によるもので、オーソドックスだからこそTerry Thomasの本当の歌のうまさが光る仕上がりになっています。どの曲も、2005年の名バラッドといっても良いぐらいのできです!二つのプロデューサーがうまく絡み合い、アルバムとしての完成度をすこぶる上げています!
これでもか!と歌い上げるタイプが好きな人にはたまらないシンガーの登場です!Carlie Wilson、K-Ci&JoJoや、Caseなど歌い上げ系が好きな人は必ず聞いてみましょう!
オススメ:(7),(5),(4),(1),(2),(3),(6)

続きを読む

Eric Roberson / the appetizer

01.N2U feat.Marsha Ambrosius
02.What I Gotta Do?
03.Painkiller
04.Hesitation
05.Just A Dream
06.Softest Lips
07.Momma Told Me
08.The Moon
09.We Can’t Pretend
10.For Da Love Of Da Game feat.Raheem DeVaughn + V

(総評)

Appetizerこと”前菜”と銘打たれた通算4枚目となるアルバム。
なんで、様々な作品を含め4枚も出しているのに、Appetizerなのかしら?とか思ったのですが、それは、8曲目「The Moon」が収録されているからでしょう!実はこの曲93年に大学滞在時にワーナーから出した既発シングルなのです(現在手には入らないレア盤です)。この8曲目「The Moon」の素晴らしいことといったら・・・聞きほれます。Aaron Hallにも負けない吼えっぷりも見事だし、楽器を前面に押し出したメロディー展開があったりなど、素晴らしいことこの上ないのです。R&Bの名曲といわれるものの要素が、ふんだんに入っていて、Just The Two Of Usのサックス演奏のような一度ボーカルではなく、楽器で盛り上げるところがあったり、絶妙なバックコーラスを女性のボーカルでやるところなんて、定番中の定番だし、それでいて、狂おしく激しくシャウトしまくってて、定番でありながら、ありきたりじゃない、もうこれ以上ない!ってぐらいにEric Robersonの楽曲の中でも、抜きん出て素晴らしい完成度を誇る一曲へと、昇華されています!
その他の曲もどれも今までのどの曲達よりも、心をグッと掴み、一度聞いたら忘れないフレーズが満載です!どちらかというと、彼の1stアルバムに代表されるようなフィリー前面に押し出した感じが今までは多かったのですが、前作あたりから、徐々により古めなSOULな雰囲気を大事にしつつ、徐々に一度聞いて心をつかむフレーズを多くHOOKに持ってきていて、曲がわかりやすくなったのと、聞いていてあーこの曲!っていう感じで、すぐにわかるようなキャッチ-なフレーズが使われるようになっていて、楽しめます!
8曲目が抜群にいいのですが、その他にも、1曲目のような遊び心溢れる作品や、7曲目のような哀愁漂う雰囲気がたまらない一曲など、アルバムとしての表情もとても豊かになっています!
もちろんサウンド的にフィリー勢との仕事を大事にしつつも、様々なプロデューサーと曲を作り出していっています。かなり2005年にでた中でも、傑作アルバムの一つです。
もっと詳しいレビューは僕も参考にさせてもらってる素晴らしいdAbさんのサイトにありますのでそちらもご覧ください!
オススメ:(8),(1),(7),(2),(4),(6)

続きを読む