ADAM / Lost Then Found

(概説)

2006年初めに(正確には2005年末発売みたいですが・・・)突如現れた新生!ADAM!インディーソウル界隈でもこれほどの歌のうまさとサウンドの素晴らしさ、トータライズな完成度を誇る曲「Lost Then Found」は、聞いたことがありません。本当にいい歌というのは、イントロからして素敵で、美しい音色が奏でるキラキラ感がたまらなく耳に響き、ADAMの力強くもシルキーでSEXYな歌声がもう聞くものを昇天させてくれます。曲調もなんともいえない切なさと暖かさが同居したたまらないサウンドで、そして、ADAMの力強いシャウトにただただ涙するだけです。詞の世界も切ない感じで、いきなり2006年NO1ソングをもっていってしまいそうな感じです。そうして、他の曲ではちょっとコミカルなメロディーが面白い2曲目や、しっとりと聞かせてくれるバラードなど、様々な表情の曲がたった3曲の中に詰まっていて、ADAMが今度リリースするであろう、アルバムへの期待を自ずと高めてくれます!絶対に持っておきましょう!っていえる作品です。

曲紹介

01.Lost Then Found

2006年最初に出てきた最強シングル!この曲のもう完璧さといったら、聞いた瞬間感涙に咽び泣くほどです・・・もう、イントロのキラキラした音色から違う世界へと誘われ、ADAMのシルキーで心地よい歌声が、素晴らしいメロディーにのって紡ぎだされた瞬間に昇天してしまいます。サビでのもう完璧で美しいメロディーライン、伸びやかな歌声・・・もう全てが素晴らしすぎます。。。最後にかけてフェイクを多用して、どんどんメインのメロディーからずれていくところや、転調したときのメロディーもすごいインパクトがあって、トータルとしてとても楽しめる一曲に仕上がっています!絶対にもっておくべき一枚ですよ!Chris GというProducerやりますな~。

02.It’s Alright With Me

1曲目とは全然ちがう雰囲気の曲で、ちょっと古いサウンドをうまく織り交ぜながらも、ちょっとコミカルで楽しい雰囲気を出しています。でも、これが意外と聞き込んでいくと癖になっていきます。ホント歌に関しては、ADAMのうまさはもう文句無し!なので、これほど多彩なサウンドが出来るということは、アルバムでも、十分に楽しませてくれるという証明になるでしょうね~!

03.Old School Love

しっとりと今度は聞かせてくれるバラード。声を様々に重ねていき、淡く心地よい雰囲気を作り出しています。徐々に盛り上がりを見せて、爽やかに心に響いてくる名曲ですよ。この人は、シャウトは、あまり多用はしないほうなのですが、さりげなくフェイクのセンスもうまいし、シャウトもあまり見せない分、ここぞというときにホントいい具合に見せてくれるのです・・・あ~・・・アルバム早くきかせてくれ!って気分にされられます。

(Producer)

Chris G:(1),(2),(3)
ADAM:(3), co-produced (1),(2)

OFFICIAL

James Day / Remember When

(概説)

James Dayというコンポーザーでもあり、プロデューサーでもあり、作曲作詞家でもある多彩なアーティストが、往年のボーカリストとともに作り上げた一枚がこれ!James Dayくん自体は、白人の青年なのですが、実はかなりの下積みをしてきている人のようです。そして、本人が70~80年代のソウルが大好きだという理由から、このような往年のボーカリストを招いて新しいアルバムを作ってしまおうという企画が持ち上がったみたいです。それにしても、それが大成功!もちろん、どの曲も新録であることはもちろんのこと、どこか懐かしくもあるんだけど新鮮で、往年の美しさに満ち溢れた素晴らしい一枚です!そして、1,2曲目もメロディーの素晴らしさは言うに及ばず、2曲目のJeff Ramseyの歌声には完全にやられました・・・もう素適過ぎます!
もちろんこれで終わりではなく、アルバムは用意されており、なんとその発売は、Expansion Records!これは本格的なFULL ALBUMが楽しみになってきました!

曲紹介

01.Brick by Brick by Audrey Wheeler

なにか懐かしい雰囲気がする、どこかで聞いたことがあるフレーズが!Audrey Wheelerという往年のボーカリストを蘇らせてくれたJames Day!もう、この力強い歌声にノックアウトですよ!素晴らしいです。そして、このキャッチ-なフレーズと往年のメロディーを混ぜ合わせた、もう企画の勝利というところでしょうか。

02.Don’t Waste The Pretty by Jeff Ramsey

Jeff Ramseyというここでもとても懐かしいというか、今の人たちはしらないような往年のアーティストを、現代風なアレンジのソウルに乗せて、見事に蘇らせています!80年代に活躍したアーティストたちを蘇らせることにかけてはこのJames Dayは天才的ですね。その人の魅力をより的確に出せる曲を提供してくれています。

03.She’s Not The Girl by Mikelyn Roderick

とても柔らかい歌声にのって、心地よいメロディーが展開していきます。これが往年のアーティストといわれなければ、わからないほど、いい感じの新しいアーティストだね~と思ってしまうほどに新鮮です!

04.Remember When by Mikelyn Roderick

ここは、かなりオーソドックスなちょっと古めな感じもする曲で、この人本来の良さを出しています!どの曲も素晴らしいですね~。

OFFICIAL

https://music.apple.com/jp/album/better-days/307612127

STY wit’ Nao’ymt / Sorry

(概説)

Nao’ymtのWit企画にProducerとして頭角を現しているSTYが参加!実は、Producer以外にも、歌やRapも定評があるSTYさんの優しい跳ねる歌声が、切れのいいNao”ymtさんのトラックにのって鮮やかに気持ちよくてかっこいい曲が展開していきます。
ちょっと、くぐもったようなソウルフルなアレンジがカッコいいサウンドにのって、I Sorryというフレーズからわかるように、男の後悔を歌い上げていきます。そして、途中でそのリリックに反応するかのように女性ボーカルが絶妙に飛び込んでくるのも、たまらない!STYさんの歌声も、優しい雰囲気と、高く突き抜けるような歌い上げ方が心地よく、特に、コーラスでの、最初のアイと繰り返すフレーズがサビと絶妙に重なっていくところも面白い!
バックトラックはループトラックになっていて、そこを絶妙にコーラスパートを重ねてこれほどに多彩なメロディーを紡ぎだしていることに驚かされます。この二人が作り出す曲はやはり躍動感があってこれからの二人の活躍を意識させてくれます。
なんといっても、現在のR&Bサウンドの中核を担うプロデューサーの二人が、組んで新たなサウンドを作り出しているところにこの作品の素晴らしいところがあります。日本でプロデューサー同士が、コラボしてしかも歌って曲をリリースするなど、誰が想像したでしょう?日本のR&Bがそこまで到達するとは数年前は思いもしませんでした。最近やっとプロデューサーとしてやってきた人たちが作品をリリースできる環境が出来つつあるのに、やっぱりこの二人は一歩先をいっていました!
この二人のプロデューサーの作品ということで、STYさんのもっているキラキラした感覚の曲調と、Nao’ymtさんの染みる音選びがうまく合わさって、二人だからこそ出せるようなサウンドに仕上がっています。まさに今だからこそできる素晴らしい、意義がある作品に仕上がっていると思います。ぜひ手にしてみてください!今の日本のR&Bは急速に動き始めてますよ。

STY Official Website

Nao’ymt Official Website

https://music.apple.com/jp/album/sorry/1446743583?i=1446744246

NE-YO / In my Own Word

01.Stay
02.Let Me Get This Right
03.So Sick
04.When You’re Mad
05.It Just Ain’t Right
06.Mirror
07.Sign Me Up
08.I Ain’t Gotta Tell You
09.Get Down Like That
10.Sexy Love
11.Let Go
12.Time
13.Girlfriend
14.Get Down Like That (REMIX) feat.Ghostface Killah

(総評)

Def Jamの、いやUS R&Bシーンを担うアーティストが誕生です!本当に久々に、メジャー流通モノでは、アーティストの実力+レーベルの力の入れ具合や売り出し方+メディアのPUSH+聞き手の評価の高さ全てが合致した素晴らしい一枚です。そういう意味では、2000年以降にでたR&B作品の中では傑出しているかもしれません。実力があって楽曲が素晴らしいのに、売上には結びつかなかったり、レーベルとしてPUSHが足りなかったりなどは良くある話なのですが。そういう点で稀有な存在!NE-YO!そんな売出しとか関係なく、彼のソングライトの能力というのは高すぎます。あと作詞能力も素晴らしく、 もちろんなにより曲がいい! 「Stay」「So Sick」「Sexy Love」などの代表曲意外にも、粒ぞろいのメロディーが印象的な曲が多いのです。彼のアルバムをすんなり一枚聞けるって言う人は、適度な印象的なメロディーがどの曲にもちりばめられていることに気が付くでしょう。そういう点で、ひさびさに若手ではメロディーを大事にしてて、すんなり曲を覚えられる!トラックのリズムばかりが前面に出て、後で自分で歌おうとするとメロディーが思い浮かばないなんてのは、結構最近のR&Bは多いのですが、彼の曲は一聴して、覚えられるっていう良さがあります。それは、あはり、MusiqやMario、Mary J.Blige、Heather Headleyの曲までライティングしているその実力の現れでしょう。
このアルバム懐かしいSomething For The PeopleのCurtis “Sauce” Wilsonが参加しているのも見逃せません。特にその彼の参加している5曲目は歌詞がとても不思議な視点でかかれてて、彼の代表曲になるであろう、その歌詞の世界観が凄すぎます。そういう点もシンガーソングライターとしての面白みを出しています!そして、Shea Taylor作の6曲目!リリックがセクシーというか、エロ~いのも、とても好みですね。国内盤買ったので、よんでて、思わず、膝を叩いてしまいました。でかしてニーヨくん!実体験でこれって、素敵過ぎ!SEXYっていうか、このエロっぷりもR&Bには必要不可欠です。
そして、「So Sick」、「Let Go」、「Time」、「Sexy Love」を手がけているノルウェーのStargateの実力はすごいものがありますね~。どの曲もNE-YOの代表曲ですもん!今後注目したいプロデューサーです。その他NE-YOの近辺のプロデューサー陣が多数参加していて、そういう面でも今後いろんな方面でNE-YOの名前を見ることは多そうです。彼の出現で完全に停滞していたメジャーシーンは変化していきそうな予感がします。
すごいバリトンだとか、物凄い歌いこめるとかそういうタイプのシンガーではないのですが、楽曲とのバランスがとてもよくて、その楽曲どの曲でもキラっと光るよさをもっていて、その良さを引き出せるアーティストだと思います。このアルバムも一枚通して楽しめる素晴らしい作品です。本当誰もがいい!って思えるR&B作品ですね!

オススメ:(1),(3),(6),(9),(10),(11)

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久保田利伸 / For Real?

01.Vibe for rela -Foreplay-
02.Dr.Party
03.Riding to the Sight
04.U drive me crazy
05.a love story
06.It’s Time to Smile
07.君にあうまでは
08.Slow Jam Loving
09.Vibe for real -The play-
10.君のそばに
11.Sign of Love -Soul Response Version-
12.Club Happiness -Brothahood Version feat.KM-MARKIT-
13.隙間

(総評)

久保田利伸待望の国内盤最新作!2004年にTime To ShareというUSでも評価の高い作品を届けて、それを踏まえて、国内盤としてどんなものを出してくるのかな?と楽しみにしていたのですが、US番とはまた違う久保田の日本語だから出来る言葉遊びや、陽気さみたいのが出てて、それでいて曲の水準はすでにUSレベルの作品に仕上がっています。
久保田らしいフレーズの楽しさや、楽しい雰囲気が、このアルバムでも存分に味わうことが出来ます。なんといっても、久保田らしいのが2曲目「Dr.Party」!文句なしの久保田印のFUNKYサウンド、ぶりぶりに踊れるそんな気持ちよさとカッコよさをもった一曲です。ただこのアルバムではこういうFUNKYさよりも、「U drive me crazy」の心地よく響くミッドテンポなサウンドにのった言葉遊び的な雰囲気,「It’s Time to Smile」で見せるようなスローでの、哀愁漂うしっとりとしたバラードでしっかりと聞かせてくれるのが、日本で作って、日本語を大事にしたのかな?という雰囲気を感じさせます。そして、前作”Time To Share”で見せてくれた斬新さは、7曲目「君にあうまでは」で感じることが出来ます。このアドリブ感満載な楽しいJam Sessionのような一曲で一番気持ちよくGrooveに乗ることが出来ます。シングル曲もあえてアルバムに載せないことが多かった久保田ですが、このアルバムは最近発売された3曲が収録されています。でも、アルバムの色にきちんと馴染んでいるのが、このシングルの完成度が高いことの証明でしょう。「君のそばに」の切ない雰囲気はいつ聞いてもたまらないし、「Club Happiness」では、なんと新鋭のRapper、KM-MARKITが参加していて、このKM-MARKITのRapは女性と合う感じなのですが、そのセクシーさがうまく久保田の楽曲と合わさって、とても面白く違った雰囲気の一曲になっています。地味にこのアルバムで一番好きです!そして、参加アーティストも国内に絞ってて、KM-MARKITを筆頭に森大輔、SAKURAと本当の意味で国内でいかに水準の高いものが作れるかというところを、久保田なりに見せてくれたのかなと感じました。
アルバム単位でも、非常に完成された作品で、Time To Shareで見せたような驚きと新鮮さと斬新さという点では、劣るのかもしれませんが、どの曲も一回目よりも二回目と聞くほどに、聞きつづけるほどに、深みを増していくような素適なJam Sessionが満載の一枚です。じんわりと心に響いていきますよ。ぜひ、手にとってみてくださいね。
オススメ:(2),(4),(5),(6),(7),(8),(10),(12)

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