REALL / THE “REALL” STORY

01. De’vante Interlude
02. Fly Featuring 18
03. All Night
04. Having My Baby
05. In Your Eyes
06. The Game
07. Reall Talk
08. About Us
09. The Best Part of Me
10. The Ghetto
11. De’vante Outro
12. Fly, the Remix, Featuring Reesecup

(総評)

名前の通りのREAL SOULシンガー、REALLのデビューアルバム!その超絶バリトンボイスを、自在に操りながら、その歌声を生かせる歌の技術と、シャウトの感情の込め方!うーん、どれをとっても超一流!であり、素晴らしい!もちろん、下でレビューしたCharlie Wilsonとかが上手いのは、あたりまえなのですが、このバリトンボイスのREALLは、そのちょっと泣き節が入ったバリトンで激しく感情を込めて、これでもかと感情豊かに歌い上げていくのが、素晴らしいのです!彼の心の揺れがそのまま歌声となって、聞き手にビシビシ伝わってくるのです。そして、サウンドまでも彼が手がけているものも多く、そのセンスのよさには舌を巻きます。本当にかっこいい曲が目白押しなのです。うーん、これは凄い。久々に、言葉を関係なく心に響く歌なのです。そうして、父親が、ゴスペルグループEcho Of Harmonyの一員でもあります。そういうゴスペルの下地も歌につながっているのです。
それ以外にもなんといっても、注目したいのが、彼の歌声もさることながら、De’VanteとなずけられたIntroとOutro・・・?なんだこれ?って思ってしまいますよね、特にJODECIファンの方々は。でも、これは全然関係はなく・・・自分の息子 his son であるDe’Vante君に向けた愛のメッセージなのです、その大きく広がる愛を高々とSOULFULに、誰もが悶絶し唸ってしまうような素晴らしいバリトンボイスで歌い上げる様は、感動的でもあります。ただ、愛の良い面を歌うだけではなく、彼が間違いを犯し今までたどってきたリアルなストリートの惨状、愛することの難しさ、現実の残酷さ、全てを踏まえて、それでも全てを愛で包み込もうとしている、素晴らしいメッセージ性をもったアルバムです。どんなことがあっても、自分は包んでいくという芯の強さを持った人で、子供や家族への本当の深い愛情をこれでもかと歌い上げるREALLに誰も惚れてしまうことでしょう。
だからでしょうか、ちょっと全体的に優しい歌声の中にどこか悲しみも持っていて、それが彼の独特な歌唱やバリトンボイスの特徴となっています。ジャケ写にもその雰囲気はでていますね。ただ愛を歌うR&Bが多い中、久々に出てきた社会の惨状もそしてそれを乗り越える愛をも歌える、社会派のシンガーの登場といえるでしょう。2005年を代表するGREATシンガーの登場です!
このアルバムでは、どの曲も素晴らしく、どれもがベストソングに上げたいのですが、特に10曲目は壮絶でさえあります。このストーリーが壮絶すぎます・・・凄惨なGettoの世界で、親に愛されない子供が、最終的に性的虐待を経て、自分の父親を殺してしまう曲なのですが、それでも、愛を失わない、愛を取り戻そうと、心を込めて歌えるこの人は、ホントかっこいいし惚れますね。
こんな全てを通して感じる、REALLパパの息子De’vanteに向けた大きな愛情がステキなのです!マジでこのおとうさんはステキです!今年の傑作インディーソウルの一枚であることはもう、間違いありません!でも、現在33歳なんですね、この方、深いです・・・。
絶対に今年聞いて欲しい一枚です!この深い本当の魂のこもった一枚!
今なら、TOWERの通販で買えますよ!今年中に買っておくべき一枚ですよー。
オススメ:(10),(3),(9),(7),(2),(4),(5),(6)

続きを読む

TERRELL / Carlela’s Reign

01. Intro
02. Life
03. Thick Girls
04. My Life
05. Carlela Spoken
06. Finally
07. I Had It Hard
08. Better Than
09. Sunshine
10. Hero
11. Ill Treat You Better
12. It’s You
13. Smooth Groove
14. Getting Over You
15. For the Love of the People
16. Better Than (live)

(総評)

去年のNo.1アーティストTERRELLが今年早くも自身3枚目となるアルバムをリリース!もうすでに円熟味を増してきているボーカルスタイルに、完成度の増した楽曲の数々・・・もう、完璧!としかいいようのない素晴らしいR&Bアルバムを届けてくれました。
その強靭な喉と、抜群の歌唱力で、聞くものを虜にするTERRELL!その魅力をこれでもかと見せ付けてくれます、なんと今回はボイストレーニングでの教え子のIndia Arieとのデュエットまで収録!このTERRELLがIndia Arieのボイストレーナーだっていうんだから、すごいですよね。確かにこんな風に歌を歌えたら最高ですよね!India Arieが師事を仰ぐのも分かる気がします。
そして、このアルバムのタイトルCarlela・・・実はTERRELLの母親の名前なのです、Lela Carterという名前のニックネームだと思うのですが、この死んでしまった母親へのメッセージとも取れる温かみに溢れた楽曲が数多く並んでいます。その思いの強さをその強靭な喉に乗せて歌い上げていくのです・・・!
今作では、どちらかというと、完成度に重きを置いて、前作のような縦横無尽にシャウトしまくるスタイルよりも一歩紳士へと駆け上がったダンディズムとCOOLさを兼ね備えた曲を歌い上げていきます。若干後半アコースティックなサウンドが多めですが、今作でのキーとなっているのが、タイトルにもなっているCarlelaこと亡き母親へのメッセージ性が非常に強い楽曲が多く感情の沸き立つような内面の強さが強烈に光っています。内面を歌い上げる術がかなりうまくなってるなーということをまざまざと感じさせます。また、そういう表現力や歌唱力だけでなく、サウンドプロデュースも自分でこなしている曲が数曲あり、それの水準も恐ろしいほど高く、今後の将来性を期待せずにはいられないのです。
自信でプロデュースをこなしている曲は、いかにもR&B調なサウンドが多く、それ以外にもレゲエを意識して取り入れたり、アルバム全体としてプロデューサーを多く招き入れ、非常に幅のあるつくりになっています!前作のR&Bサウンド一辺倒なつくりもよかったですが、ここでは将来につながる素晴らしいプロダクションを見せています。そして、なんといっても最後の2曲でのライブの収録!これには感動ものでした!いかにこの人のライブがすごいかっていうのがよくわかる、吼えまくりな内容!これは聞くべきでしょう!ぜひとも今作も多くの方に聞いて欲しい一枚です。末永く聞けますよ。
それにしてもジャケ写のSEXYなこと!さすがです!
オススメ:(2),(3),(4),(6),(7),(8),(9),(11),(15),(16)

続きを読む

Wade O.Brown / All Night, All Love

01.About Her
02.Put This On
03.All Night, All Love
04.Maybe
05.Just Good Griends
06.Besides
07.Where Do We Go For Love
08.So Glad
09.Shake
10.Wholeheart
11.How Does It Feel
12.Best Of My Love
13.My All Is You
14.Now Is Mine

(総評)

カナダのシンガーWade O.Brownの2年ぶりとなる2ndアルバムは、前作の濃密なバラード責めに加えて、ダンサブルな楽曲も加えた最強のSOULアルバム!カナダでは有名なアーティストなのですが、USでのリリースも今作が始めてとなり、いかに前作がSOULファンの耳に残ったかというのを証明しています。前作では彼のバリトンボイスが得意とするSweet Slowだけに偏ってしまっていて、物足りなかった人もいたでしょうけど、今作では彼が大好きなLutherをより意識したような歌い方でもちろん、ダンサブルで鮮やかに歌上げる曲もあって、歌い方の幅が広がっていることに加えて、サウンド的にも自分で手がけている曲が多い中、その成長っぷりも目を見張るものがあります。まさに最強のSOULバリトンシンガーとなって帰ってきました!
前作でも彼自身が曲を作ってはいたのですが、今作ではそのほとんどを自らの手で仕上げているのが、素晴らしい。歌えるだけではなくその歌声を生かせる曲も作れるシンガーへと急激な成長を見せています。濃密な歌を支えるに足る深い味わいのサウンドでじっくりと聞かせてくれていて、きちんとしたリズムトラックの上で、UPテンポな感じにも挑戦しつつそれだけになりすぎずに、しっかりと聞かせる曲たちが目白押しです。特に3曲目での新機軸となるルーサー節も交えたUPサウンドには度肝を抜かされつつ、4曲目などのような美しいバラードも随所に織り交ぜつつ、5、7曲目のような濃厚なまったりもったりなサウンドも聞かせてくれます。非常にサウンドの幅広さを感じさせ、彼らのバリトンボイスの魅力を様々な角度から見せることに成功しています。2枚目にしてすでにベテランの風格を感じさせるような安心して聞ける一枚になっています。
オススメ:(3),(4),(10),(8),(2),(1),(6),(12),(13),(14)

続きを読む

Charlie Wilson / Charlie, last name Wilson

01.Magic
02.Charlie, Last Name Wilson
03.So Hot (feat Twista)
04.Let’s Chill
05.No Words
06.Floatin’ (feat. Will.I.Am & Justin Timberlake)
07.Asking Questions
08.What If I’m The One
09.You Got Nerve (feat. Snoop Dogg)
10.Thru It All
11.My Guarantee
12.Cry No More

(総評)

本物の歌を聞かせてくれるアーティストCharlie Wilsonのソロ2作目となる作品。いわずとしれた80年代からGAP BANDの中心人物として活躍を続け、様々なアーティストに影響を与えるベテラン中のベテランシンガーですが、十分にシーンの中心をいく素晴らしい作品を届けてくれました!今年のBESTともいえる素晴らしい作品です。彼の歌が中心にまさに歌バカアルバムというにふさわしい、ものすごい濃さを誇る一枚です。しかもただ濃いだけではなく、最新のプロデューサーが、このCharlie Wilsonを鮮やかに輝かせるために、素晴らしいトラックを提供し、それを完全に自分の物として、歌い上げてしまうCharlie Wilsonの歌の凄さにただただ圧倒されてしまいます。もう、シャウトしまくりな一枚です!
最初の2曲ですでに、もう歌い倒しまくり!これだけで虜になってしまいます。R.KELLYの素晴らしいProduce能力を遺憾なく発揮している、今年のR.KELLYプロデュースの曲でも抜群の完成度を誇っていて、さらに、そのR.KERRYらしさを打ち消してしまうかのごとく吼えまくるCharlieの抜群の存在感のせめぎ合いが、最高の2曲へと高めています。その後も、最新のHIPHOPビートにのって、現役バリバリに歌いきる3曲目や6曲目,9曲目でUPビートで盛り上げたり、あのAaron HallがいるGuyの原曲を完全に食っちゃってる超絶カバーの4曲目「Let’s Chill」と面白い曲が目白押し、この3、4曲目で、PLATINUM BROTHERSという新鋭のプロデューサーが面白い仕事をしてくれています。そうして、5曲目や最後の12曲目ではゴスペル要素も見せてくれたり、彼の歌声が目立つ作品ですが、地味に音楽的な要素でも幅があって、ポイント高い一枚です!でもやっぱり彼の真骨頂はそのバラードでの激情そのままに声を震わせ高ぶるその気持ちを猛々しくも歌い上げる壮絶なシャウト!特に「シャバダバドゥイドゥウ」シャウトは必見です。彼独特のこのシャウトは、聞いていると、安心できちゃいますよね~あ~Uncle Charlieだよ~!って。特に8曲目、10曲目での吼えっぷりには悶絶して、卒倒してしまいそうです。UnderdogsとAndre Harris and Vidal Davisはさすがいい仕事してます!11曲目のKay Geeも最近は復活してきましたよね~!いい歌です。このバラードでのシャウトと、そのシャウトに至るまでのSEXYでMOODYな歌いっぷりにも惚れ惚れします。もうぐっしょり濡れてしまいますね。
1stアルバムに入っている「Without You」も稀代の名曲でしたが、このアルバムは全編を通して、いい曲が山のように入っていて、とても水準が高い一枚です!ホントどの曲も甲乙つけがたい素晴らしい曲たちなのです、あえて選ぶなら「What If I’m The One」と「Charlie, Last Name Wilson」がベストトラックでしょうね。しかも、SEXYでMOODYに歌い上げていて、Bed Time Musicとしても最高です!
最近はメジャーシーンの特に男性R&Bは、インディーズシーンに食われ気味でしたが、ここでしっかりとCharlie Wilsonが素晴らしい一枚を残してくれました。今年のBESTは決定でしょう~!
オススメ:全部!(8),(10),(2),(1),(4)は絶対聞いておきましょう!

続きを読む

HI-D / ME II YOU

01.Don’t Stop
02.Light Up
03.Slow It Down (interlude)
04.スキナキモチ
05.Be With You
06.MY LIFE
07.Baby Girl
08.Better Man feat.LEO
09.Live On Direct (interlude)
10.Can I Getta feat.MIHO BROWN
11.Drop Drops (interlude)
12.Vanilla
13.Loveholic
14.PROCEED

(総評)

日本のR&Bのメインストリームを作り上げたHI-Dが2005年最後にドロップする傑作R&Bアルバム!HI-Dの通産3枚目となるアルバム「ME II YOU」。そのタイトルどおり、恋愛を中心の軸においた、よりR&Bの根幹たるMake Loveや恋愛について語った前作よりもよりリリックに入り込める一枚です!
1st,2ndAlbumのHI-Dといえば、HIPHOPとのコラボレーション!というある意味HI-Dの型を作り上げた作品だったのに対して、この3rdアルバムではHI-Dの歌と声により焦点が向けられており、そのメロディーラインの素晴らしさと美しさにやられてしまいます。この3rdこそHI-Dの本質的な歌の部分を存分に感じ取れる出来になっていて、このアルバムの前にHIPHOPのストリートの雰囲気を詰め込んだTWIGYとの一枚があったことで、より聞き手にもこのような歌という部分を意識させてくれます。これがいい方向に転んで、HI-Dの新たな歌本来の魅力をグンっともう一歩引き出すことに成功しています。そして、改めて聞いていると、HI-Dは実に美しく面白いメロディーラインを書く人だなと、びっくりさせられました。なかなか他の人では出せないメロディーとかがたくさん詰まっています。もちろんHIPHOPとの融合をやめたわけではなくその中にも、メロディーラインやフレーズにトラックなどの様々な中にさりげなくHIPHOP要素を埋め込んだり、R&Bでしかだせない、メロディーラインの面白さを聞き手に教えてくれたりしています。
2曲目「Light Up」では、HI-Dの素晴らしい歌を堪能できます。この曲のメロディーラインは凄すぎます。メロディーへの言葉のはまり方がたまらないのです。力を与えてくれるような胸を突き抜ける力強さを感じさせてくれる曲で、Sweetなアルバムの要所要所で盛り上げてくれます。UTAさんによる7曲目「Baby Girl」でも、HI-Dらしいリズムを絶妙にのりこなす癖になるフレーズで聞き手をぐいぐいとひきつけ、10曲目「Can I Getta feat.MIHO BROWN」で、全然1st、2ndの頃と変わらないHIPHOPサウンドを絶妙に織り交ぜて、単純なバラードアルバムにせずにR&Bアルバムの中にHIPHOP的な盛り上げ方も随所に入れてくれます。
一方、女性と二人とのジャケット写真が物語るように、今までの恋愛駆け引きよりも、女性への愛情や恋愛の楽しさなど、より深い愛に重点を置いたリリックが多くて、そういう視点からも楽しめる一枚になっています。その他にもHI-Dらしい元気を呼び起こすような曲もあったりリリックも適度にバランスが取れていて、自然とリリックの中にすんなりと入っていけます。特に1st「Missing You」, 2nd「Without You」と続く三部作「Be With You」でのリリックは3曲続けて聞いてこ恋愛としてのその深みがあったり、6曲目「My Life」ではHI-Dの暖かさを感じることができたり、8曲目では、JOYCEのリードボーカルであるLEOとの日本では本当に珍しい男性同士のデュエットを見せてくれます!これがお互いに味を出していていいんですよね~。12曲目「Vanilla」では、恋愛の一瞬に潜む喜びを見せてくれます。HI-Dから届いた愛を深めることができる一枚です。
そして、この作品では、プロデューサー陣がとても面白く、REOやShing.Sなど以前から交流のあるプロデューサーに加え、今井了介氏のTiny Voiceから、UTA,USK、そして、長年のBack DJを勤めてたDJ HALなど新しいプロデューサー陣も加わっているのが、常に前進するHI-Dらしい人選でした。最近インターネット上では、様々なサウンドメイカーが出てきていて、その力をいち早く使うことで、より新しい風を常に自分に入れていって、常に新しいHI-Dを聞き手に提供することに成功しています。
歌アルバムという評価が高いと思いますが、これはよりHI-Dの根本であるR&Bとしての本質をよりストレートに表現した素晴らしいR&Bアルバムです。
オススメ:(2),(4),(6),(5),(7),(8),(10),(12)

続きを読む