Alexander O’Neal / Saga Of Married Man

01.He Said She Said
02.You’re Gonna Miss Me
03.I’m There
04.My Baby’s Gone
05.It Don’t Matter
06.It’s OK
07.What You See Is What You Get
08.Married Man
09.What Is A Man?
10.Last Night
11.Happy Home

(総評)

大御所Alexander O’Neal久々の一枚!R&Bの中でもUPがかっこいいと思える素晴らしい出来のアルバム。特に「He Said She Said」にはやられました。もう、かっこよすぎます。この歌の疾走感は気持ちが良いです!とにかくAlexander O’Nealのパワーに圧倒されるばかりです。
もうすでに、Alexander O’Nealといえば、ベテランという域に達しているシンガーですが、そんなことを微塵も感じさせないパワフルで粋が良いボーカルで、聞き手にぐいぐい迫ってきます。思わず後ずさりしてしまいそうなほどです。Acoustic Soulや、フィリー系が流行っているせいでもあるのですが、最近のR&Bアーティストは熱いアーティストが少ない・・・熱く歌い上げ、思わずこっちが血管切れちゃうよーって思うぐらいの歌い方をする人はなかなかいないのが実情で、バリトン好きには最近のR&Bシーンはさびしく感じているでしょう。そんな人にこそ聞いて欲しいアルバムです。
タイトルも「Saga Of Married Man」というちょっとSoulの名盤を意識したタイトルのつけ方で、「既婚者の(恋愛)伝説」とでも言うべきなのかな?いろんな女性との出会いと別れを歌っています(要は不倫・不倫)。でもねーこんな情熱的に歌われてしまっては、もう素敵ですよ!すばらしいですよ!ジャケットも、すんごいかっこいい!思わず、ジャケ買い必死です。結構頭は寂しいんですが、帽子がうまいこと隠してくれてますし(笑)、サングラスと帽子がかっこいいです。特に中ジャケで、タバコを吸う姿とそのタバコを持つ指が男を感じさせます。
アルバムとしては、バラードもたくさん入っているのですが、とにかく熱い!K-Ci&JoJoと対張るぐらい熱いシンガーでしょう。年齢重ねてる分、濃さという面では抜きん出ています。これほど熱い歌声をもつアーティストには中々巡り会えないです。それでいて、Soulでクラシカルな部分も滲み出ているので、聞いていて懐かしく感じます。音は結構最新の音を取り入れているので、彼の内面からでてくるSOULがこの暖かい懐かしさを作り出しているのでしょう。彼の情熱と優しさを感じ取ってください。SOULの濃さを持った聞き飽きない最高の一枚ですよ。
オススメ:(1),(2),(3),(5)

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Ghostface Killah / Bulletproof Wallets

01.Intro
02.Maxine
03.Flowers featuring Raekwon, Method Man & Superb
04.Never Be The Same Again featuring Carl Thomas & Raekwon
05.Teddy Skit
06.Theodore featuring Trife&Twiz
07.Ghost Showers
08.Strawberry featuring Killah Sin
09.Forest
10.The Juks featuring Trife&Superb
11.Walking Thorough The Darkness Featuring Takitha
12.Jealousy
13.Hilton
14.Interlude
15.Love Session featuring Ruff Endz
16.Street Chemistry

(概説)

文句なしにR&B好きなら4曲目「Never Be The Same Again feat.Carl Thomas」を聞かずにはいられないだろう。もともと彼らに関しては、Wu Tang ClanでSOUL臭いHIPHOPをやってるなーというのが、もともとの印象でそれほど好き好んで聞くHIPHOPアーティストではなかった(僕はGuruや、Old Skool世代のHIPHOPがもともとは好きである)。だが!ラジオから、流れてきた『Never Be The Same Again feat.Carl Thomas』を聞いたとたんはまった!かっこいい、え?だれ?なに名前が長くてわからん!とおもいラジオの曲目サーチをさまよいあるった。むろんCarl Thomasの名前は聞き逃さなかったのだが。このマッタリ感は、去年はやったUP系への反動なんだろうか?とても、気持ちよく感じてしまったのだ。しかも、Featuring ArtistがあのCarl Thomasというではないか!それは、聞くしかなかった。それでも、最初はその曲だけがいいのかと思って買わずにしり込みしていたが、試聴をしてみると、その印象は一変した。アルバム全体に、マッタリ感と、SOUL臭さと、ちょっとしたやる気のなさ(笑)が充満しているのである。これは、きけるぞ!と思い買うことにした。
Carl Thomasとの一曲以外でも、HIPHOPとして面白い曲もたくさんあり、またR&Bアーティストとのコラボレーションというのでも面白みがある一枚であろう。ちょっと前に紹介したMobb Deepをもう少しSOUL臭く明るめにした感じの一枚で、ものすごい聞きやすい一枚である。ぜひお勧めである。外国のHIPHOPは何言ってるからわからんから聞かないなんて人は、特に聞くべし。彼らのやる気がないのか、狙ったのかわからないなんともいえないマッタリしたRapが聞くものに不思議な安心感を与えます。すごい心休ませて、安心して聞ける1枚!音やフレーズの面白さが一番の魅力であるこの一枚は英語がわからなくても楽しめるHIPHOPである。
オススメ:(3),(4),(7)

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韻シスト / Relax Oneself

01.66
02.Let’s ☆ Dance
03.Slow Jam, Slow Down
04.アンタラハドウヤ?
05.Word Art
06.Relax Oneself

(概説)

大阪インディーズシーンで有名なHIPHOPユニット”韻シスト”!その2ndアルバム(といっても6曲入り)がこの「Relax Oneself」!ホントはもっとあとで、ご紹介する予定だったんですが、買ったら内容がマジで素晴らしかったので、急遽ご紹介!生楽器を使ったという日本ではまだまだなHIPHOPのジャンルなんですが、洋楽ではこの生楽器を使ったアーティストとして一番有名なのが、The Roots!彼らは、めちゃめちゃカッコいいSOULやJAZZを取り入れて、口スクラッチといわれるHumanBeatBoxを多用し、カッコいいサウンドを展開しているのですが、どちらかというとSOUL寄りで、いまいち日本人がやるのには形式ばっていて馴染まないじゃないかといわれていましたが、彼らは、JAZZやSOULの他に、スカの要素を加えて素晴らしいアルバムを作り上げています!こんな渋いHIPHOPを作れるなんて・・・日本のHIPHOPも進化したなーと感慨深くなりますね。(The Rootsが大好きな僕としては、すごい嬉しいです。)
このアルバムで2ndアルバムとなるのですが(1stは聞いていません)、生音で作る音の独特の生々しさと、スカっぽい軽快なバックトラックが素晴らしい。地味に客演も多く、特にAFRAのBeat Boxはヤバすぎます!これは、特筆モノです。他にもオーサカ=モノレールなど、地元のアーティストが多数参加して軽快でいて濃い味の一枚に仕上げています。
そして、なんといっても!「Let’s ☆ Dance」!めちゃめちゃ軽快なParty Tune!ひさびさに来た!って感じです。KICK THE CAN CREWの「GOOD TIME!」以来の日本のHIPHOPでは、文句なしに楽しめる最高のParty Tuneに入るんではないんでしょうか?それほどまでに楽しいカッコいい曲です。これを聞かずにHIPHOPを語るな!って感じです。この一曲のためだけに買ってもいいぐらいですが、他の曲も素晴らしい!全曲オススメ!
オススメ:(2),(4),(5)

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The Gospellers / FRENZY

(概説)

このアルバムはR&B作品として、ちょこちょこいいところもあるんですよ。まー定番のアカペラともPOPともなんとも判別しにくい曲もあるんですが。まずは、「ポーカーフェイス」RHYMESTERとの一曲。これがまずいいというよりも、現状の邦楽のR&Bアーティストに積極的にやって欲しいのが、このスタイル。HIPHOPアーティストを積極的に取り入れるという行為、それも、HIPHOPアーティストにTrackまで任せてみればもっとおもしろかったと思います。まさか、彼らが真っ先にやるとは、思いませんでした。それに曲としてもとても面白くて聴き所がたくさんあります!そして、この年の曲の中でももっともR&B然とした作品でもある「Body Calling」と「DAWN~夜明け~」これをSOULといわないで、何をいうの?っていうぐらいすばらしい楽曲です。それに、ちょっと抑えた歌い方も、できるんだなーと改めてうまくなったんだなと感じた。
デブラ・マイケル・フォックスという作曲家がいいんですけどね、それの要求をちゃんと自分なりに消化できた彼らの凄さでもあります。日本にはこの作曲家の注文をしっかり自分なりの味で料理できるアーティストは少ない、無論消化できても、それを表現できる幅の広さがなければいけない。それをちゃんとこなせている彼らは、すばらしいと思う。個人的にはこういう路線で今後いって欲しいと思います。この2曲はいい曲ですよ。
さらに、「告白」もシングル曲としては唯一いい雰囲気とMellowな曲の流れをもつ曲。どうせなら、こういう曲でブレイクしてほしかったものです。「Get Me On」では、酒井さんがいい声です・・・。唯一癖がないスマートな声をしています。地味にいい曲。あまり、「FRENZY」みたいなべたなUP路線は、あまり好きじゃないです。
「残照」、「真夜中のコーラス」、「約束の季節」などは、ゴスペラーズらしいともいいますが、彼らのPOPさを前面にだしている曲達です。全体的にも長く聞ける曲が結構あります。POPS路線の曲もありますが、しっかりとした曲も多く入っています!

久保田利伸 / United Flow

01.United Flow~Foreplay~
02.まんまでGO
03.無常
04.DO ME BABY
05.Respect(thes&that) ~Exteneded Funky Jam Version~
06.My Bad
07.Heaven?
08.United Flow~Replay~
09.Because of U
10.Free your Soul
11.MOONSTRUCK
12.Candy Rain
13.In your flow~External Flow Version~

(概説)

アルバムの統一感という言葉をよく耳にする。それは、なんだろう?バラード中心だとか、そういう曲調に対するコメントなのだろうか?僕は違うと思っている、よく久保田が言葉にするGROOVE(グルーブ)これこそが、そのアルバムの統一感を作り出す鍵だと思っている。そして、このGROOVEを作り出すのものとして、アーティスト本人による技量や温もり、雰囲気が非常に重要なファクターとなりえる。ただ、「プロデューサーに作ってもらいました!ハイ歌いました!」という歌い手の人では到底作り出すことは出来ないし、確固たる自分のあり方をもっているアーティストじゃなければ、この統一されたGROOVEを持つことは不可能である。
それは、特にこの日本では難しい、POPを得意とする歌手でも流行があれば、音楽の音ごと変えなくてはならないからだ。特に最近R&Bと認知されている人に限ってそういうにわかじこみのアーティストが目立っていた。本当にR&Bが好きで、それが好きで好きで、歌いたくてたまらなくて、うたっていなくては、気持ちを込めて歌えないではないか。そう、この久保田のアルバムを聞きまずそんなことを思ってしまった。このアルバム今のR&Bシーンに一石を投じるには十分に重みを持つ一枚である。歌のうまい歌い手がいればいいというものではない、もっと内面からにじみ出るものがなくては、R&Bとしては、やっていけないし、聞く気もしない。そんな基本的なところを思い起こされた。(ちなみに、GROOVEとは、本来レコードの針を入れるレコード盤の溝をさす。そこから、どう派生したのか知らないが、最高の演奏や、パフォーマンスに対していうようになった。だが、僕がここで使うGROOVEは、もっと違う意味である。雰囲気とか快感を伴うほどの気持ちよさを指していっている。だが、それだけでは書ききれないもっと深いものがあるが、それは、このアルバムを聞けばわかるであろう、僕はこういう空気を感じたくて、せっせとR&Bを聞いている。)
肝心のアルバムといえば、これを聞かずして、今年は始まらない!それほどの完成度とインパクトを持った一枚である。この久保田独特のFLOWの中、溢れるGROOVEが、聞くものを最高に気持ちよくさせてくれる。音の作り方や、フェイクなどは、今までに作り方に比べるとシンプルで、とても潔く気持ちがいいアルバムでもある。特に昔はフェイクを多用していたのが、久保田の特徴だったのだが、今作ではそれが随分減ったように感じる・・・だが、それを補って余りある大人なR&Bの雰囲気を持つ曲調や歌いまわしをしているので、その歌に酔わされてしまう。しかも、今作は転調がキーワードになっている。なんどか、その場面は現れるのだが、ここで、そういう転調をしますか!という驚きと、くぅ~!っていう一緒に歌いたい!というぐらいの快感を味わうことが出来るのである。久保田の声も、これだけR&Bアーティストが出てきたから感じることなんだが、Only Oneな歌声とリズムをもった人なんだということを今更ながら思い知らされる。それほどの凄いアーティストを聞かない手は無いだろう。
とにもかくにも、1曲目のIntroから聞いてみて欲しい。僕は、すでにこのイントロで久保田利伸の新しい世界が、目の前にバッと広がってしまったのである、彼は日本ではベテランであるが、まだまだ成長途中であり、これからも、ずっと成長しつづけて、僕等リスナーに新たな感動と、快感を与えてくれるのであろう。本当にアメリカでの3作目が楽しみになる内容である。また、昔、僕は、久保田の歌詞はよくわからなかったが、今では痛いほど分かる。それも、今の自分にとっては嬉しいことである(要は自分が子供だったということ)。一枚通しても短く感じるほど、素晴らしい曲がちりばめられたアルバムである。
オススメ:(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(8),(9),(10),(11),(12),(13)全曲

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