SOIL&”PIMP”SESSIONSにRHYMESTERを添えて / 初恋の悪魔 –Dance With The Devil-

ドラマの主題だった、SOIL&”PIMP”SESSIONSにRHYMESTERが招かれて、ここまでかっこよくなるとは・・・まさに驚かされます。もともとインスト曲である初恋の悪魔も十分Jazzyでかっこよかったのですが、そこにHIPHOP StarのRhymesterがライムを載せると、ここまで躍動感があるカッコよさになってしまうとは。久々にHIPHOPで何も考えずに乗れるJazzyなHIPHOPになっています。Rapで躍らせてくれる一曲に仕上がっています。

Rhymester / グレイゾーン

01.スタンバイチューン
02.ライムスター曰く
03.現金に体を張れ
04.JIN’s ROOM
05.ザ・グレード・アマチュアリズム
06.だから私は酒を呑む
07.911エブリディ
08.フォロー・ザ・リーダー
09.BIG MOUTH
10.スロー・ラーナー
11.おぼえてない
12.4’13”
13.グレイゾーン
14.WELCOME 2 MY ROOM

(総評)

キングオブステージことライムスターの待望の最新アルバムです!前作も味があって、いい作品だったのですが、今回はもっと格段にやばいチューンが満載です。Rhymesterらしくサンプリングをたくさん使って、ベースの音がかなり使われていて、Deepでカッコいいサウンドになっています。特に今回はリリックがかなり考えられてて、面白いなーとおもうところが多いです。まじめな部分も、ちょっとおちゃらけた部分もあったりして、じっくりとリリックを聞きながら聞きたい一枚です。盛り上がること必死な一枚!
まず、5曲目「ザ・グレート・アマチュアリズム」のカッコいいことといったら、たまりません。PVでもB-BOYのダンサーをfeaturして、かなり盛り上がるようになっているし、こんなにキャリアがあってもしっかり現場主義だってところがカッコいいんです。また「ライムスター曰く」「グレイゾーン」など彼らの今とこれからを述べた曲では、その個性がなくなることはなく、これからもライムスターは面白い曲を届けてくれるなという安心感を与えてくれます。その他にもリリック的には今回は社会のことというか、もっとも身近な視点で、様々な問題(特に戦争ですが)を見ているのが面白いなと思います。「911エブリディ」など、市民的な視点で、悪いとわかっちゃいるが、どうしようもないしという多くの人の心理を痛切に描いていて、面白い。社会風刺的な一面もあるのも、彼らの年齢的な成長とあいまって非常におもしろいなーと思います。その他にもいろいろと面白いリリックが多く、よく聞くといいこといってんなーと思います。もちろんそんな真面目一辺倒でいける人たちではないので、「JIN’S ROOM」などのJINさんのやりすぎ度合いで笑わせてくれたり、「おぼえてない」みたいなひたすら面白い笑える曲もあったりして、「BIG MOUTH」なんてかなりスキルの高い曲もあったりアルバムのトータルバランス的に長く聞けるいいアルバムだと思います。HIPHOPは主張することがなければ成り立たない文化ですが、30代の3人が作り出すこのアルバムは彼らのまさに今のリアリティーを表現している傑作でしょう。
オススメ:(5),(7),(10),(13),(1),(3),(4),(9),(11)

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