Keanthony / I Ain’t Tryna

(概説)

CRUNAという名前で名曲Take Me Higherをリリース直前に、メジャーデビューがなくなってしまったアーティストが名前を変えて、今度はプロモーション用のシングルをついにリリース!Take Me Higherで見せた誠実な歌のスタイルはそのままに、より深みを増したその歌声で、直球で誠実に歌い上げ、聞き手をぐいぐい引っ張っていきます。サビでのまっすぐな力強さは格別です!曲もUnderdogが手がけていて!もう文句のつけようがないスローバラッド!しかもしっかりサビでのシャウトが入って、気持ちよく伸びやかなに歌い上げてくれます!濃い後半の歌い上げっぷりには思わずジーンときます。
今年もっともアルバムデビューが待たれる注目の実力派シャウターアーティストの一人です、ぜひぜひチェックしてみてください。

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KeAnthony / A Hustlaz Story

01.Down Girl
02.That’s What I’ll Be
03.I Ain’t Tryna
04.This Feelin
05.My Song
06.Forever My Homie (Done Snitched On Me)
07.I Thought (No Strings)
08.Everythime I’m High
09.A Hustlaz Story
10.Call Me
11.Meddlin
12.It’s Okay

(総評)

ここ最近の洋楽R&Bにおいて、これほどにR&Bの潔さを感じさせるアルバムは久々である。まさにR&Bという柱を前面に打ち出して、その歌とサウンドで真っ向勝負に出ているのです。
最近の奇抜さが受けるサウンドや歌いまわし、さらにメロディーのよさだけで歌に特徴が無いほうが受けてしまう今のR&Bのシーン全体に対する挑戦である。
飾らないけど魅力的なR&Bのサウンドそして、塩辛さを持ちつつも正統派な歌いっぷり、それらすべてが、R&Bが最近無くしつつある歌の心を感じさせてくれる一枚です!時にシャウターとしての魅力も魅せ、切ない歌声の自体の魅力もしっかり歌いこみ見せてくれています。
先行シングルとなった、I Try Ain’tのすばらしさは言うに及ばす、どの曲もしっかりとしたトラック作りで、90年代のR&Bを彩る雰囲気が詰まっています。producerも、Underdogs, Tank, Mike City, Scott Storch, Steve Russellなど、もう最近の本格的なR&Bトラックを作れる数少ないProducerが大集結していて、もうどの曲も過剰な演出などはなく、歌をあくまでサポートしつつも、どんどんそのトラックと歌の両方に引き込まれるようなすばらしい演出なのです!
8年もの間友人の裏切りにより、獄中で過ごしたというバックグラウンドの重みもありながら、それを時には感じさせない、甘ささえ感じる正統派な歌いっぷりと、CRUNAという名前から改名し、2年の歳月を経てリリースに漕ぎ着けた苦労人らしいソウルフルでいて哀愁漂う歌声には、胸を打ち抜かれます。そして、現在のメジャーシーンのR&Bを正しい方向へと演出している実力派のプロデューサー陣が作り出す、それをしっかりとバックアップしている見事な楽曲群!どれもが、一流なのです!
これぞ、R&Bというにふさわしい仕上がりになっています。
最近ではJaheimぐらいしか出せない歌の深さを持ちつつも、オールドソウルな雰囲気よりもよりR&B然としての歌に重点が置かれている作品になっていて、誰にも聞いたときの心地よさを感じさせ、その深みからソウルフルさをも感じさせるのです。
R&Bを好きな人には、こういう作品をぜひ聞いてほしい!これぞ、R&Bですよ!この歌があれば、すべてを語れる一枚です。
この中には、いいものをいいと届けられる、今のメジャーシーンが亡くしたR&Bの良心が詰まってます。
今年のTOP1を飾るにふさわしいすばらしい一枚です。これを聞かずして、今年のR&Bを語るなかれ!
買わんと損する作品です♪これがちゃんとメジャーな店舗で流通してくれたのが、本当に今のシーンの救いですわ~♪ これにCruna時代の名曲「Take Me Higher」が入れば最高だったという声もあるでしょうけど、あえて以前のCrunaとしての自分とは決別し、しっかり歌い魅せれる自信があるからこそ、これほどの充実した内容のアルバムを届けてくれたのでしょう。あえて10曲という短い構成のアルバムながらもその厚みは、最高級とも言うべき聞いた後に、どっしりと心の中にKeAnthonyのソウルが宿るような歌力に溢れたアルバムになっています!
特に、シャウターとしての魅力が詰まった2曲目「That’s What I’ll Be」3曲目「I Ain’t Tryna」7曲目「I Thought (No Strings)」とシャウターに魅力をこれでもかと感じさせ、Tank & Underdogsのコンビが本当に素晴らしいストレートなR&Bソングを作り上げ、そして、Cruna時代からのProducerが、彼のどこか泥臭い雰囲気の歌声をしっかりと活かした楽曲を聞かせてくれています。本当にProducerに恵まれているなーって思えるほどに、捨て曲がないんです、さらに11曲目「Meddlin」では、自身によるProduceも披露して、シンガーソングライターとしての側面も魅せてくれて、これ一枚で終わるようなアーティストではないことをまざまざと見せ付けてくれます! 2000年以降の新譜としては、Case 3rd, Cornell Stone, Tank 3rd, Devante 2nd, TERRELL 2nd, Profyle 3rd, Lemar 3rd, Syleena Johnson 1st等とともに、長く語り継がれるべき名盤です。
2008年をこの曲なしに語るR&Bレビューワーは、ありえないですね!
オススメ:(1),(2),(3),(4),(5),(6),(7),(9),(12)

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