Ahmir / The Gift

01.Intro
02.Watch & Learn
03.Welcome To My Party
04.Right To Left
05.Donkey
06.Let’s Get This
07.The Gift
08.The Wedding Song
09.Sure I’d Like
10.Foreplay (Interlude)
11.Who Ya Gonna Call
12.Show Me
13.Cloud 9
14.Indian Giver
15.Don’t Quit
16.Honestly(Interlude)
17.No Black & Blue
18.She’s Over Me
19.True Love
20.Outro

(総評)

2007年ボーカルグループ復権を高らかに宣言できる最高峰のボーカルグループが登場!その名もAhmir!Mr.Jones, Big Mike, Sing-Sing KCからなるマイアミの4人組ボーカルグループです!4人ともが素晴らしいボーカルと声質の良さをもっていて、アップスロー問わず隙の無いコーラスワークで、どんな曲調でも歌いこなす圧倒的実力!そして、スローでこそ発揮される、信念さえ感じさせる、最初は抑えて抑えて、後半に爆発する歌い倒しっぷり!それを爆発を聞き手に伝えられる表現力の豊かさ!これほどにじんわりじんわりと、歌い倒していくコーラスワーク、メロディーワークはここ最近では聞いたことがありません。決して派手な音やサウンドに頼ることなく歌、そしてコーラスの厚みで聞き手を圧倒していくその迫力には感嘆せずにはいられません。まさに2000年以降の名ボーカルグループの一つとして上げられるであろうグループの登場です!
前半で見せるアップサウンドの素晴らしさにまず目が行くのですが、これが現行シーンに迫って追い越すほどに良く出来ているのです。普通インディーズのボーカルグループは、バラードは素晴らしいけど、アップサウンドはプロデューサーや音色などで、メジャーにかなわないので、どうしても力が弱くなるのですが・・・彼らは別格!もうメジャークオリティーなサウンドにパワフルで勢いがあるボーカルワークで軽快に飛ばしてくれます!そんな気持ちよくノせる曲だけでなくバラードでもこれでもかと聞かせてくれます。美メロ曲ももちろんいいのですが、スローバラードでネットリとしっかりと歌いこんでいき徐々に盛り上がってシャウトしていく様など、90年代全盛期のボーカルグループが自信に満ち溢れていた頃の勢いを感じさせ、それが2007年だからこそ新鮮味が溢れる歌い倒しっぷりへと繋がって、新たなも魅力を感じさせてくれます。前半はあくまでしっとりと抑えて抑えて、後半に入ってやっとコーラスの絡み合いを見せて、最高調に達するまでネットリとハーモニーが絡み合います!ホントこの人たちは、これほどバラードをじんわりじんわりと歌いこんで聞かせるのが、怖くないんでしょうか?ちょっとキャッチーなメロディーをいれていじっちゃいたくなりそうなものですが、そこを敢えてシンプルなメロディーワークであとは後半のコーラスの絡み合いで最高の楽曲に仕上げていく、ボーカルグループとしての力は本物です!
そんな彼らの楽曲の中で、なんといっても最初に目を引かれて素晴らしいのが、ボーカルグループ好きの間で相当話題になっていた先行シングルの一つである8曲目「The Wedding Son」この美しい壮大なバラードには本当に心打たれます。しっかりと歌いこめる4人のボーカル能力とコーラスワークの水準の高さからくる力強い歌の厚みと、派手さはないけど美しいメロディーに感動せずにはいられないのです・・・この一曲のために買ってもいいですよー!そして、3曲目「Welcome To My Party」でビルボード4位になったことで証明した、アップサウンドのカッコよさ!現行シーンをリードするほどに、激しくカッコいいのもできるのです、「Let’s Get This」などなかなか踊れたりサウンド的にも挑戦的な曲が多くて、その勢いとパワフルさに圧倒されます。前半は特にこういうなアップソングでこれでもかと、現行シーンへのアピールも忘れず、後半はそんな現行シーンへまるでそっぽを向けるかの如く、R&Bとはボーカルグループとはこういうものだ!とでも言いたげに、オーソドックな楽曲でボーカル&コーラス・・・そう声の魅力でぐいぐい聞き手を引き込んでいきます!
そんな引き込んでくれるバラッド曲では、特に、11曲目「Who Ya Gonna Call」と13曲目「Cloud 9」あたりから始まるバラードの応酬が気持ちいい!この11曲目の盛り上がりや13曲目のスムーズな気持ちよさでさえ素晴らしいのに、14曲目「INDIAN GIVER」では、オーソドックスな雰囲気のトラックにこれでもかと力強い歌を聞かせて、美しいメロディーをただ聞かせているだけで歌の本物の魅力を感じさせて、本当に聞いているだけでその声に引き込まれ、どんどん声を重ねて盛り上がっていくような素晴らしい曲を聞かせてくれて、さらに18曲目「She’s Over Me」でも、同じように楽曲のベーシックな魅力を感じさせるコーラスワークが光る名曲に仕上がっています。決して後半派手さとか、メロディー的なわかりやすさとかはないのですが、それを補ってあまりあるほどに、歌!歌!歌!声!声!声!の根本的な歌の魅力を見せてくれるのです。コーラスグループとは、本当にこういう歌いこみをできる人たちをいうんですよねー。
そして、このアルバム最高峰の極限値を迎えるのが、19曲目「True Love」!この曲の最後の何度も何度も転調を繰り返し音程が上がっていき、そしてコーラスでねじ伏せるがごとく歌いこんでいく様には、圧倒されてしまいます・・・凄すぎますよ・・・今年のTOP SONGといってもいいほどです。最初は爽やかに見せながら後半はもうねちっこくこれでもかと盛り上がっていきます!
前半と後半との緩急のバランス感覚の素晴らしさを感じさせてくれます!後半はもうバラードの見せ場がたくさん出てきてきます。本当に前半からじっくりと聞いてもらえれば彼らの凄さが、徐々に徐々に肌に突き刺さるほどにわかってきますよ。あたふたとしてしまいそうになるほどに、後半のバラード攻勢には完敗ですよ。絶対買っておかなくてはならないR&Bの名盤の登場です!
オススメ:(19),(8),(14),(18),(11),(13),(15),(16),(3),(6),(4),(2)

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