Lyfe Jennings / LYFE 268-192

01.INTRO
02.INTERLUDE
03.MUST BE NICE
04.THE WAY I FEEL ABOUT YOU
05.SHE GOT KIDS
06.I CAN’T
07.HYPOTHETICALLY feat.ERIN
08.SMILE
09.GREEDY
10.STICK UP KID
11.CRY
12.26 YEARS, 17 DAYS
13.MADE UP MY MIND
14.MY LIFE
15.LET’S Do THIS RIGHT

(総評)

アコースティックギターを片手にブルージーに歌い上げるSOULアーティストLYFEのデビューアルバム!彼の独特のセンスがたっぷりといかされた一枚で、ジャケットでギターを担いでいるので、ギターサウンドだけが中心かな?と思いきや、しっかりとピアノやらなんやらたくさん入っているマルチなサウンドを披露してくれます!このしっかりとしたリズムトラックにのせ聞かせてくれる歌がまたブルージーで渋いんですよねー!でも、ブルージーだからといって、FUNKでSOULな本当のブルースっぽい感じとはまた違い、HIPHOPトラックにのせ軽快に歌い上げたり、ピアノの美しいメロディーにのって、優しく包み込むような歌声を披露したり、その幅はかなり広いです。
サウンドプロダクションも全て自分でこなすマルチアーティストでもあり、そのセンスのよさには、今後を期待させられます。かなり聞けば聞くほどよくなっていく曲が多く、最初は彼のちょっとザラッとした声の感じがいまいち気に入らないという人もいるかと思いますが、それはそれでどんどん聞くほどに味が出てくるので、何度も聞いてほしい一枚です。古い感じのSOULFULでいながら、R&Bの要素も入っている作品を求めている人にはうってつけですよー。
ただ、全部の曲が短めでありLYFEの低い声の語りが全曲入っていて、ちょっとそれはいらないかなって思うところもあるのですが、その辺がちょっとマイナス要因かなって感じです。あと、15曲目はバラードとしての完成度は高めですが誰でもがすごい!って思えるバラードでの良曲が少なかったのが、ちょっと物足りなさを後々に残してしまいます。
オススメ:(8),(15),(6),(5),(3),(4),(9),(10)

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TOSHI / TIME TO SHARE

01.BEATING OF MY HEART
02.LIVING FOR TODAY featuring Mos Def
03.BREAKING THROUGH
YAHEAT/MYBEAT (Interlude Part 1)
04.HOLD ME DOWN featuring Angie Stone
05.NEVA SATISFIED
06.SHADOWS OF YOUR LOVE
07.IT’S TIME
08.’CAUSE YOU’RE SO BAD
09.HOPE YOU’LL BE WELL
YAHEAT/HYBEAT (Interlude 2)
10.VOODOO WOMAN featuring Renee Neufville
11.LIVING FOR TODAY

(総評)

ついに待ちに待ったTOSHIこと久保田利伸のUS盤の3枚目がリリースとなりました!USに居を構え、もう十年!それほど長い年月をUSで費やし、本場の音を吸収し、Raphael Sadeeq、The Roots, Mos Def, Angie Stoneなどの様々なNew Classic SoulからNeo Soul、フィリーと呼ばれる流れの、主流のR&Bよりもより深くSOULに根ざすアーティスト達との深い交流を経て生まれでた、傑作SOULアルバム!USでもトップレベルのアルバムを届けてくれました。  TOSHI KUBOTAとしての彼の作品の中でもその中心的なサウンド面での試みが大きく飛躍した作品でしょう。Urbanな雰囲気も漂わせつつNeo Soulやフィリーと呼ばれる独特のSOUL回帰作品に根ざしたサウンドを展開していく中で、久保田の歌の躍動感が絶妙に混ざりこんだ秀逸な作品に仕上がっているのです!特にTOSHIとして改めて名前を変えたあたりがMusiqなんかを連想させますが、そのつながりでしょうか、仲間内からTOSHIと呼ばれているのかな~?でもそのつながりかどうかはしらないですが、MusiqをヒットさせたCalvan & IvanがProduceでかかわるなど、フィリーの地の息吹がかなり練りこまれていながら、下にレビューを書いたAngieなどの本当にSOULを表現できるアーティストとも組んで、今までにないSOULFULな作品に仕上がっています!特にバラードにおいてのAngie Stoneとその相方Jonathan Richmondの役割は大きく、TOSHIと意見を交換しながら最高の曲たちを作り出しています。そんな素晴らしいProducer陣に囲まれたおかげで、それぞれの曲が特徴があり面白い!それに加えて、流れが重要視されていて、一気に最後まで聞いてしまう、素晴らしい一枚になっています。決して短いとも思わせず、退屈な曲もなく!すばらしい曲が11曲ずらー!と並んでいるのです。これは本当に最後までしっかり聞いて欲しいです。バラードとFUNKYな楽曲のバランスも見事としか言い様がなく、バラードでは様々な種類のバラードを聞かせて楽しませくれて、FUNKYなBeatの曲では、じっくりと体に染み入り躍らせてしまうような彼のフェイクを堪能させてくれます。本当に濃密な50分を過ごさせてくれますよ。
 まずは、シングルカットされている「Breaking Though」を聞いてみて欲しい、前述のCalvan & IvanによるProduceで、その艶やかで美しいサビと、絶妙な躍らせてくれる素晴らしい躍動感と、彼らしい独特のフェイクのかかった歌声!久保田のFUNKYさと、ネオソウルが絡みあい、熟成するとこれほどまでに素晴らしい曲が出来上がるのである。この歌の見事なこと!
http://www.toshionline.com
↑ここで、そのPVを見て欲しい、一緒に踊りたくなることだろう。そのほかにも、見事な曲のオンパレード!その後のAngieとのデュエット「Hold me down」での二人の絡み合い!もうその美しさに心奪われます。そして、Introで絶妙に入ってくるTOSHIのファルセットを用いたコーラス!このアルバムこのファルセットを用いたコーラスの積み上げ的な手法がよく使われていて、これが効果的にメロディーに変化を持たせて聞かせてくれるのである。そのほかにも1曲目「BEATING OF MY HEART」での一緒に鼓動を打ってしまうBeat!とゆる~い歌い方!「SHADOWS OF YOUR LOVE」での絶妙な上ずった歌い上げ方など、改めてTOSHIの歌唱力の高さも見せ付けてくれて。もちろん「’CAUSE YOU’RE SO BAD」のような遊び心溢れるFUNKも見せたり、11曲目のようなマジでカッコいいサウンドを展開したり、もう飽きさせない怒涛の展開を見せてくれます。リリック面でも彼らしい平和を歌う歌からラブバラッドまで面白く聞かせてくれます
じっくりと何度も聞いて欲しい!そうすることでこのアルバムはまた違う味わいを見せてくれ、貴方の耳を楽しませてくれることでしょう。それほどに奥深いアルバムであることをここに記する。まさに、傑作SOUL,極上R&Bアルバムを届けてくれた久保田利伸!これを聞かずして、日本でR&Bを語って欲しくない!15年来のファンであることを差し引いても、今年でたアルバムの中でも傑作名高いRashaan Patterson, Profyleと対等に並び賞されるほどの極上のR&Bアルバムですよー!
オススメ:(3),(4),(1),(6),(8),(10),(11),(2),(7),(5)っていうか全部です。

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Samson / Atmosphere

01.Atmosphere
02.Take 5:
03.Sooner or Later
04.Talk to Me
05.There For You
06.Emergency
07.Soul Mate
08.Priority
09.Medicine Music

(総評)

2004年のインディーソウル界をにぎわし、さらにメジャー系のレコードショップにまで置かれることになったのが、このSamson!彼のバリトンボイスが素晴らしい~!ちょっとかすれ気味な声を上げるその太い喉を曲に合わせて上手に使い分けていきます。熱唱系というよりは、物凄い喉を持つバリトンボイスを自在に操り、ちょっと余裕を持って感情豊かに歌い上げていくタイプのシンガーです。もともとは、Sam Loganという名前でサントラでもその名前を見せていた彼ですが、ここまでSOULFULな作品を持ってくるとは・・・さすがです。ただ、吼えまくるわけじゃ~ない唸ったり溜めたり押して引いてと、味のあるバリトンボイスの歌いっぷりに、思わず唸ってしまいます。非常に上手いな!と思わせる節回しが多く、聞き手を飽きさせずに、楽曲にのめり込ませます。
 バリトンボイスのアーティストって最近だとBig Jimが代表格ですが、あとシャウトっていう点では、TERRELLやTashawn Kingなどシャウトが見せ場になっているアーティストはたくさん出ていますが、感情を露わにしつつ高度なテクを使いこなすTERRELLや、チラッと若さを見せつつも吼えて大人な雰囲気をかもし出すTashawn Kingと違って、Samsonは、安定感があって、安心してその技量に身を任せてしまえるようなアーティストです。そう、Big Jimのような声でもっていけるアーティストに近い感じです。切なかったり上げ目だったりのメロディーで持っていくというよりも、その歌声に秘めた感情の起伏で、聞くものを魅了していきます。吼えるときも、どこか控えめに、サウンドとのバランスを上手く計っています。
楽曲的にも彼の歌声のよさを引き出すように、あまりやかましい感じの音は使わずにあくまでシンプルに、その声を中心に持ってきているプロダクションが素晴らしいのです!スローが多めでありながら、最低限の音で面白く広がりのあるサウンドを展開していくので、飽きずに聞くことが出来ます。サウンド的には、90年代や70年代SOULを思いっきり意識しつつ、きちんとしたSOULアルバムとして完成された一枚となっています!ちょっと9曲と短いのですが、それでも彼の歌声の濃さがそれを補って余りまります。一切捨て曲なしです!
これほどのインディーソウルが、メジャー流通しているということが、本当にうれしくなってしまいます。AmazonやらUnionやら、CD BABYとかいかなくてもあるんですから。下のOfficial Siteではアルバム未収録の音源も聞けますよー!これがカッコいいのです!ぜひ聞いてね!
オススメ:(1),(2),(3),(4),(6),(7),(8)

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Tashawn King / Tashawn King

01.3’s Company
02.Strung Out
03.He Don’t Love You
04.Make It Official. featuring KDO
05.Anything You Want
06.On Parole
07.Party
08.Crazy
09.Promise
10.Missing You featuring Lola
11.Come
12.Slow Down featuring Edo G

(総評)

2004年前半のインディーズの名作がこのTashawn Kingというソロアーティストのデビューアルバム!その力強いバリトンボイスで聞くものを引きつけます!このアルバムなんといっても、メロディーが本当にいい曲が前半にガッツリあるので、一気に聞き入ってしまいます。ミッド~スローテンポの曲たちで、一気に心を奪うようなHOOKのメロディーがテンコ盛り!そして、そのメロディーに絡み合うTashawn Kingのバリトンシャウトがたまりません。彼のシャウトは、どこかスモーキーであって、力強さの中にも哀愁を漂わせているので、どこか切なげな雰囲気を出しているので、シャウトが力入ってくると聞いていてグッと来ることが多いです!ただ、常にシャウトは余裕をもっているような感じがして、この声でもっと切なげに感極まるようにやられたら泣くのになーと思うところもありました。そうして曲のメロディー的には、特に4曲目のような流れるような軽快な美しいメロディーを見せてくれたり、5曲目のようながっちりと聞かせて一気に癖にしてしまうメロディーなど、一度聞くと忘れないメロディーで、彼のメロディーセンスは卓越しています!トラックメイカーとしてもこの人優秀なんだろうなーと感じさせるところが随所に見られるんですよね。こういうメロディーがいいアルバムっていうのは、R&Bの初心者にもオススメであり、よく聞く人にも楽しめるという良質なアルバムです!
ただ、バリトンボイス独特の唸りや吼えとかシャウトやフェイクなどを駆使して、あまりメロディーがない曲を思いっきり声一つで引っ張っていくような曲はあまり得意じゃないみたいで、あまりないのが、ちょっと残念かなー。あと後半ちょっと楽曲の勢いが落ちちゃうのも残念でした。でも、Big Jimにはちょっと及びませんが、メロディーセンスのよさと、スモーキーなバリトンボイスを楽しめるっていう点で、メジャー流通のアルバムを軽く凌駕しているインディーズの2004年の力作です。
普通のお店にはないかもしれませんが、ユニオンなどで手にしてみてください~!
オススメ:(4),(5),(8),(2),(1),(3),(11)

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Lemar / Time to Grow

01.Soul Man
02.Better Than This
03.I Don’t Mind That
04.What If?
05.Call Me Daddy
06.If There’s Any Justice
07.Don’t Give It Up
08.Time To Grow
09.Complicated Cupid
10.Maybe Just Maybe
11.Feels Right
12.All I Ever Do / My Boo (Pt II)
13.I Believe In A Thing Called Love (Bonus Track)

(総評)

2004年初頭にアルバムを出したLemarが2004年の終わりになんとも早いタイミングで2ndアルバムをリリースです!これが前作のノリのよさを踏まえつつも少し大人っぽさを感じさせる素晴らしいプロダクション!スローでいい曲が多いし、UPもノリがいいんだけど、少し落ち着いた感じで、じっくりと聞ける一枚に仕上げられています。彼の少しオヤジ声ともいえる、その特徴的なSOULFULボイスは、ますます磨きがかかり、味がある歌い方を見せてくれます。特にシャウトやファルセットが本当に上手くなっていて、しかもそのファルセットやシャウトに入るときの絶妙なタメ!これがもう言うことなしの絶妙なタイミングなのです。聞いていて気持ちがいい!ホント1年も見たいないのに、急に大人びたかんじがするその歌声の雰囲気に完全にノックアウトされてしまいます。見た目とかなりギャップがある、どこかオヤジっぽい渇きがありながらも、力強さも兼ね備えている、味のあるSOULボイスにやられますよー!
 サウンド的には、ストリングスや、ギターやピアノなどがメインで音数も多くなくシンプルな楽曲が多いのですが、その分元来の彼のメロディーセンスの良さが存分に引き出されていて、オッと思うようなメロディーの展開も多く楽しませてくれます。アコースティックな雰囲気さえする、シンプルな楽曲自体も、物足りないなんてことはなく、逆にごちゃごちゃしてなくて、爽やかな感じがして、SOULFULな彼の歌声との対比が実に面白い!そして、中にはまさに70年代SOULっていう感じのサウンドがあるのも彼のオヤジ声をしっかりと生かしきるのに、貢献しています。70年代SOULっぽい曲から、ノリがいいリズムトラック重視な曲まで幅広く聞かせてくれていながら、アルバムの1曲目にあるように、まさにSOULMANらしい全体がSOULFULな仕上がりになっています。ホント歌いっぷりもさることながら、メロディーセンスには驚かされますよ、どの曲もまずはメロディーでグッとひきつけながらも、その歌声のよさにうっとりしてしまいます。そしてそれを邪魔しないシンプルかつSOULFULなサウンド!UKのR&B界をこれからしょって行く人物としてふさわしいアルバムでしょう!
 こういう1stが売れたアーティストの2ndアルバムってあまりよくない場合が多いのですが、彼の場合は、1stの勢いでいきましたっていうのとは、また違う今度はR&B的なアプローチを見せてくれていて、ある意味2ndアルバムの方が数段面白いと感じさせてくれる、実に奥が深いアーティストです。今作では、Brian McKnightとの共演なんてのもあったりして、今後のUSでの活躍も視野にいれた感じで、期待してしまいます!
 そして何故かこの一枚なかなかTOWERやHMVに置いてないんですね・・・とってもいいUKのアルバムなのに!もったいない!絶対に買うべきだし、買って損はない一枚です!ぜひ1stを買った人なら、買わないと損です!1st以上のSOUL魂を感じさせてくれますよ!やっと3月のTowerで取り扱いになるかも・・・ちょっとUK盤がもう手に入らないみたいなので、3月のUS盤は皆さんぜひ!つーか、絶対いいから買ってください!
オススメ:(1),(2),(3),(6),(7),(8),(9),(10),(11),(12),(13)

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