Tashawn King / Tashawn King

01.3’s Company
02.Strung Out
03.He Don’t Love You
04.Make It Official. featuring KDO
05.Anything You Want
06.On Parole
07.Party
08.Crazy
09.Promise
10.Missing You featuring Lola
11.Come
12.Slow Down featuring Edo G

(総評)

2004年前半のインディーズの名作がこのTashawn Kingというソロアーティストのデビューアルバム!その力強いバリトンボイスで聞くものを引きつけます!このアルバムなんといっても、メロディーが本当にいい曲が前半にガッツリあるので、一気に聞き入ってしまいます。ミッド~スローテンポの曲たちで、一気に心を奪うようなHOOKのメロディーがテンコ盛り!そして、そのメロディーに絡み合うTashawn Kingのバリトンシャウトがたまりません。彼のシャウトは、どこかスモーキーであって、力強さの中にも哀愁を漂わせているので、どこか切なげな雰囲気を出しているので、シャウトが力入ってくると聞いていてグッと来ることが多いです!ただ、常にシャウトは余裕をもっているような感じがして、この声でもっと切なげに感極まるようにやられたら泣くのになーと思うところもありました。そうして曲のメロディー的には、特に4曲目のような流れるような軽快な美しいメロディーを見せてくれたり、5曲目のようながっちりと聞かせて一気に癖にしてしまうメロディーなど、一度聞くと忘れないメロディーで、彼のメロディーセンスは卓越しています!トラックメイカーとしてもこの人優秀なんだろうなーと感じさせるところが随所に見られるんですよね。こういうメロディーがいいアルバムっていうのは、R&Bの初心者にもオススメであり、よく聞く人にも楽しめるという良質なアルバムです!
ただ、バリトンボイス独特の唸りや吼えとかシャウトやフェイクなどを駆使して、あまりメロディーがない曲を思いっきり声一つで引っ張っていくような曲はあまり得意じゃないみたいで、あまりないのが、ちょっと残念かなー。あと後半ちょっと楽曲の勢いが落ちちゃうのも残念でした。でも、Big Jimにはちょっと及びませんが、メロディーセンスのよさと、スモーキーなバリトンボイスを楽しめるっていう点で、メジャー流通のアルバムを軽く凌駕しているインディーズの2004年の力作です。
普通のお店にはないかもしれませんが、ユニオンなどで手にしてみてください~!
オススメ:(4),(5),(8),(2),(1),(3),(11)

(曲解説)

01.3’s Company

滑らかな出だしで始まるSweet Song!ギターの音色がなんとも哀愁と優しさを持っていてそれに艶っぽく絡み合うT.King!バックコーラスはあくまでソフトに、そして、Mainは、芯の強さを出すボーカルでどんどん聞く人の耳をひきつけていきます。女性ボーカルが絡んだ後に、溜め込んだパワフルなシャウトに思わず聞くこちらも力が入ってしまいます。ミッドテンポなステキなR&Bソングです。

02.Strung Out

PHONES CALLから、ストリングスが力強く絡み合うトラックにのって、切々と歌い上げていきます。彼のちょっとスモーキーさも持った歌声でのシャウトは、聞くものに力強さと共にどこか切なさを感じさせます。ピアノが絡み合い、シャウトしまくるT.Kingの歌声にうっとりして聞き入ってしまいます。ここではファルセットも交えつつ、情熱的に盛り上がりを見せてくれるバラードです!うっとりしてしまいます。

03.He Don’t Love You

ここでは一気にスローバラードへと曲調も、ゆったりとした雰囲気へと変わっていきます。Sweetなメロディーで聞くものを魅了していきます。半音上がっていくHOOKのメロディーラインは悩殺ものです。Gordn WorthyっていうProducerの力が大きいのかなと思いますが、T.Kingのミッドテンポのちょっと声をスモーキーに荒げる雰囲気とはまた違う、丁寧な声の積み重ね方や、丁寧なシャウトが、この曲の美しさを引き立てていきます。

04.Make It Official. featuring KDO

爽やかなイントロから軽快に始まるスムーズな一曲!思わず体を揺らしたくなるような美しいメロディーラインで、厚みのあるサウンドにのって、コーラスと絶妙の絡み合いを繰り返しながら、盛り上がっていきます。RapのKDOも軽快でありながら美しいこの曲を盛り上げていきます。HOOKのメロディーが本当に美しくて、このアルバムの中でも一押しの一曲です!最後の語りまで、心地よい気分にさせてくれます。無駄がない最高の一曲でしょう。

05.Anything You Want

4曲目で盛り上がった心を、静かに落ち着かせてくれるようなSlowな始まりから、一度聞いたら癖になってしまうような、メロディーのサビに心奪われることでしょう。Anything You Want, Anything You need!と歌うちょっと切なげな歌詞もこの曲のあくまで爽やかな雰囲気とあっていて、そのわずかな切なさを風の香りのように感じさせてくれます。T.Kingの表情豊かな歌声に、すっかりここら辺からはまってしまいます・・・しっかりファルセットも聞かせてくれてステキです。

06.On Parole

ここでも、インパクトのあるHOOKのメロディーを聞かせてくれます。彼の曲はまずはHOOKのメロディーを覚えてしまうぐらいに分かりやすくもカッコよいのです!ここでも、うっとりと、彼の奏でるメロディーに聞き入ってしまいます。後半から入ってくるリズムトラックに合わせて、徐々に熱がこもっていくシャウトっぷりがこの曲を引き立てます。

07.Party

ギターのイントロから、思わず体を揺らしてしまうような気持ちがいいHOOKを披露してくれます。うーん、ここまで一切捨て曲なし!しかもどの曲もメロディーラインがめちゃくちゃきちっとしていて、R&B初心者にも、上級者にも納得の出来の曲が並んでいます。この癖になるメロディーラインはたまりませんよ~!あんまり捻っていない曲の構成なので、さっと聞き流せるぐらいの軽さなのも、彼の濃密な歌声との対比が出来ていて面白いです。

08.Crazy

ちょっと今までの曲よりも、彼の声にスポットを当てたような、Sweet Slow Balladです。彼の歌声のよさを存分に引き立てるために、あまり浮き沈みのあるメロディーは避けて、T.Kingの自由に唸りや吼え、ファルセットを駆使させるようなプロダクションをしています。そして、後半になって激しさを増していく彼のシャウトっぷりには、完敗です。スローだからこそ、彼のファルセットとシャウトが引き立つんですねー。

09.Promise

切なげなイントロのメロディーに、子供くさい女性ボーカルが絡み合い、それを包み込むようなTashawn Kingのバリトンボイスが響きます。この女性ボーカルの歌うメロディーラインがなんとも切ないのである・・・そこに、自在に絡み合い吼えまくるTashawn Kingのバリトン!うーん、すごいですわ。もう少し、女性ボーカルが大人っぽかったら、もっと名曲になってたのになー。

10.Missing You featuring Lola

Lolaという女性ボーカルが、SOULFULに歌い上げてるデュエットソング。彼女もTashawn Kingと同様に溜め込んでシャウトするタイプなので、かなり濃密なデュエットになっています!譜割りがかなりきちっと決まったデュエットなのだが、この辺がもう少し複雑に広範絡み合っていく感じなんかがあると、楽しかったです。ちょっと後半は楽曲的に物足りないものが多いのもインディーズならではって感じですが。

11.Come

いきなりネットリマッタリとした感じの歌が披露されます。まさにバリトンボイスを生かした曲で、あまり上下しないメロディーをバリトンボイス独特の厚みを使って、ずっしりと聞き手に迫ってくるのです。こういうのバリトンボイスの人にやられるとスコーンと持ってかれます。これのも~~~と濃い感じの曲がもう2,3曲あると、もっとこのアルバムメロディーがいいだけのアルバムに終わらずに名盤になったと思います。

12.Slow Down featuring Edo G

ギターサウンドがループしていき、それに徐々に音や、歌が絡み合って、曲が出来上がっていきます。でもちょっと最後にしては、ちょっと物足りなさも感じました。

(Producer)

X-men:(1),(10),(11)
Gordon Worthy:(2),(3),(5),(8)
Kenabiyah:(2),(4),(9)
Idris A:(5),(8)
Dow Brain and Brad Young:(6)
K1:(7),(12)

(LINK)

http://www.tashawnkingcd.com/

☆☆☆☆☆