JULIAN / THAT THANG

01. Intro: Julian’s Crib
02. That Thang
03. Gotta Go Feat. E.p.
04. Make Up Your Mind Feat. Dionne Daniels
05. Time to Party Feat. Charyn Cannon & Mr. Malt
06. Beautiful
07. Shake Ya Booty Feat. Stephanie Jones & E.p.
08. All That Glitters
09. Overtime
10. Another Day in the Ghetto
11. Love Her in a Special Way
12. Dedicate

(総評)

数年前に発売した作品なのですが、去年手に入れてずっと聞いていた愛聴盤!名盤というにふさわしい物凄い歌心に溢れ、様々な素敵な楽曲が収められている好盤です。インディーソウルらしい自由さと、インディーソウルらしからぬ全体的なレベルの高さのアンバランスが素敵なのです。自由にやりながら、これほど水準が高いとは・・・そうして、JULIANのこみ上げるように歌う感情のこもったテナーシャウトがたまらないですね!
JULIANは、テネシー出身で、2曲目のようなスローバラッドでも、その歌声の個性を見せてくれながらも、3曲目や、5曲目で見せる、踊れるUPソングでも、勢いを見せてくれます。スローでもUPでも素晴らしい歌を聞かせることができる、両極端な魅力を持ち合わせた数少ないアーティストなのです。アップでは、サウンドというか、使っている音が面白い!癖になるような音がたくさんつかわれていて、それを解析しているだけでも、楽しめます。そうして、そのUPサウンドを、軽快に乗りこなせる若さも持っていて、本当にカッコよく纏め上げられたアルバムです。特に7曲目のブリブリ感というのか、UPサウンドの乗った心地よさはたまりません!そして、そのUPに負けないバラードの素晴らしさ、特にシャウターとしてのJULIANも魅力的で、こみ上げるように歌う様が、情熱的なのです!どのバラードもかなり彼の情熱的なシャウトが魅力的に入ってきていて、思わず目を閉じて聞き入ってしまいます。
彼の歌声は本当に美しいほどのテナーで、本当に気持ちよく歌っているな~と感じられるのです。そして、他のアーティストもうまいこと使って一枚のアルバムとして飽きがこないように練られています。歌心溢れる一枚で、どんどん引き込まれてしまうことでしょう。もう、文句無しでお薦めできる一枚です!ぜひ見かけたら買ってくださいね~。
オススメ:(2),(3),(4),(5),(6),(7),(8),(9)

続きを読む

Few / Few

01.Intro
02.I’ll Be
03.Nobody
04.Interlude – Before The Club
05.Red Head Lover
06.Hip Hugger
07.Marriott
08.Interlude – I Messed Up
09.All out
10.All About You
11.Marry Me
12.Suga’
13.You Want Me
14.Dance With Me featuring Mr.Goodwine
15.If I
16.She Makes Me Sweat feat.Krazy
17.Cry
18.Answered Prayer – Outro
19.Marriott (Remix)

(総評)

熱いフロリダの男っぽい無骨さを持った若手インディーズシンガー!FEW!超絶バリトンボイスがSEXYに力強く物凄い勢いで歌い上げてくれます!まるでBig Jim(元III From Tha Soul)やDave Hollisterとかと被る歌声に、よりK-Ciと比較してもいいんじゃないかという熱い灼熱のシャウトをかます歌い込み系のボーカルスタイルには、ただただ舌を巻くばかりです。薄っぺらいボーカルが多い昨今においてまさに歌える、そして歌声だけで魅力してくれるようなボーカリストの登場です!その声の魅力は、バリトンボイスであることはもちろんそのバリトンの見せ方をよく知り尽くしたネットリとした歌唱法にあります。特にシャウトのもっていき方の気持ちいいこと!パッと声を張った瞬間にもう全ての空気を支配してしまうようなそんな物凄さをもっています。そして、バックコーラスも女性が入ることで曲にアクセントをつけて、効果的にこの魅力的な歌声を引き立てています。Jagged EdgeやLSGのようなボーカルグループのように複雑に絡むバックコーラスも見逃せない点です!その全てがFEWのバリトンボイスを引き立てる役割に勤めています。
そして、サウンド面でも、ミッド~スローでじっくりと彼の歌声を聞かせてくれて、彼の歌声の素晴らしさをこれでもかといろいろな曲調で堪能させた後に、後半にUPでさらに魅了するというニクイ演出をしてくれます。この辺はもうProducer Garry Williamsのわなにはまったな・・・という気分にさせられます。本当にミッド~スロー中心とした前半での歌いっぷりにはただただ感嘆の声しか出ないのです。特に5曲目「Red Head Lover」でのミッドテンポでカッコイイサウンドと魅惑的なボーカルワーク・・・これはもう名曲でしょう~。そして、7曲目「Marriott」で、ある意味神がかり的なバリトンボイスのシャウトを拝ませてくれます・・・その後も効果的に雷や雨、吐息なども織り交ぜSEXYに見せてくれて、もうとにかく前半は、FEWの歌声にやられまくるのです。11曲目「Marry Me」で、R&Bに必要な愛を女性ボーカルとこれでもかと歌い上げる姿にはほれ込んでしまいます。そして、後半14~16曲目でのUP責め・・・もうUPでもバリバリ歌えるんじゃん!って言う気分にさせてくれて、完全に虜にされてしまいます。
特にこの聞けば聞くほどに発見があるFEWの力強くSEXYでねっちょり変態的でもあるバリトンボーカルの魅力は、絶対今年聞く価値がある一枚だと思います。特にバリトンボイスファンはもちろんのこと、ボーカルグループが好きな人も絶対に耳にすべき一枚ですよー!手に入るうちにぜひ!雰囲気としてはLSG並みにねっちょりしているし、熱いボーカルが好きな人は絶対好きですよー。この一枚でベットを供にできます。
オススメ:(5),(7),(11),(2),(3),(9),(14),(15),(16)

続きを読む

Donald Brown / Get To Know Him

(概説)

インディーソウルの中には、もちろんインディーレーベルや自主制作で作っているという枠組みしかないので、その中には、SOULもあれば、FUNKもあり、R&Bもあります。そして、ゴスペルも!もともとゴスペルは、自主制作って言うものも多かったようで、中にはとてもすばらしいシンガーがごろごろしていたりします。そんな一人が、このDonald Brown!やはりゴスペルといえば、R&Bが好きな人には、アッパーなサウンドが馴染みがあります。そんなR&B好きな人たちが必ず耳を止めるであろうすばらしい一曲が、このDonald Brownの”I’ll Go”!2曲目とシングルの脇に追いやられながらも、その存在感は物凄いものがあります。これを聞いたら必ず踊りたくなるし歌いたくなる!そんなパワフルさとノリの良さがあるのです。もちろんこの名曲の良さはアーティスト自身がわかっているようで、彼のMYSPACEの試聴にはこの曲のみが入っているのも、頷けます。もちろん、その他の二曲も、ゴスペルシンガーらしさを全面に押し出したクワイヤを率いた1曲目”Get To Konow Him”や、SOULやR&B好きにもうったえるミディアムテンポなミッドバラッド”Put You First”など、彼の良さが存分に感じられるシングルになっています。まだシングルということですが、これは自ずとアルバムへの期待も高まります!ゴスペルシンガーにしては珍しくアーバンな香りがする個性的なアーティストです、一度聞いてみてはいかがでしょう!?

曲紹介

01.Get To Know Him

1曲目は正統派なゴスペルシンガーであることを印象づける、晴れやかで心地よい一曲から始まります。柔らかいバックサウンドのピアノにのって、伸びやかなテナーボイスを天高く響かせていきます。決して無理することなく自然に歌い上げてくれるところが、さすがゴスペルだなと思わせます。そして、最後の最後にかけて、クワイヤを用いて、勢いよく盛り上がりを見せてくれます。そこまであまりゴスペルっぽさを見せずソウルフルに聞かせてくれるので、自然とクワイヤの盛り上がりに耳を傾けることができます。素直に聞ける心洗われる曲です。

02.I’ll Go

そして、彼の特色が一番よく出ていて、勢いがある最高のダンスナンバー!Rapperが最初にMCで入り、そこから女性コーラスも加わり、パワフルに、どんどん勢いを増して盛り上がっていきます。これでもかと!ノリのいいサビを重ねていきます!そこで見せるシャウトがなんとも魅力的なのです。こういうボーカルは、なかなかいないです!Dave Hollisterとかのシャウトに近い雰囲気を見せてくれます。この一曲だけでも聞く価値があります!ぜひi-Tuneでこの曲だけでも低入れると面白いですよ。転調の仕方も面白くて、最後までどうかわっていくんだろうって思いながら、楽しんで聞けちゃいます。

03.Put You First

最後は、しっとりとR&Bのミディアムソングを聞かせてくれます。全然こういう雰囲気の曲を歌うとゴスペルシンガーとは思わないで聞けちゃいますよね。バックコーラスとずっぽりと絡み合いながら、フェイクしていく様が魅力的なんですよねー。じっくりと聞けちゃう良心的な一曲です。

OFFICIAL

iTunes

Produce by Drathoven The Guttaman

Tony Rich / The Picture

01.Because There’s U (Prelude)
02.Gone Girl
03.Somethin About U
04.R U Breathin’
05.That One (That Girl)
06.Quiet
07.Pictures (Never Die)
08.Would U Lie?
09.Moving On
10.Sponge
11.Do U Feel Me? (Interlude)
12.U My Girl
13.She Loves Me
14.Don’t Be Worried
15.Beautiful

(総評)

90年代半ばのNew Classic Soulの時代から安定したリリースを続けるアーティストTony Richの4枚目のアルバムです!ギターを主体としたちょっとフォーキーだったりRockな色合いもあるアーティストで、3枚目では正直Rock色が強すぎて個人的にはいけなかったのですが・・・
その思いを裏切る素晴らしい4枚目を届けてくれました!1stでみせた緻密な音使いや、メロディーの美しさ厚みのあるサウンド!そのどれをとっても、耳を楽しませてくれる作品になっています!いや~Tony Richお帰りといいたくなるほどに、粋なサウンドを届けてくれています。なんといっても、このアルバムはもう全然音の厚みというか美しさが違います。緻密に作りこまれたその音や歌声にただただ感嘆するばかり。
2曲目「Gone Girl」の繊細でどこか癖になるような優しい歌声にもうぐんぐんと引き込まれ、彼の本来のシャウトの素晴らしさにうっとりとしているまに、どんどん曲が流れていきます。途中前作同様Rock色が強い曲もあるのですが、でも、前作は特に実験的な要素が多かったのですが、その実験がうまくいったのか、Rockっぽくもありながらも、きちんとR&Bのグルーブを出し切ることに成功していて、全然前作とは音の良さが違います。美しいファルセットやシャウトも全てが上質に感じるほどに緻密に練られた歌が気持ちがいい!
そして、何より素晴らしいのが、5曲目「The One (That Girl)」!サンプリングというか、ギターで素晴らしいサンプルを見せ素敵な曲を聞かせてくれます!このギターの音色癖になりますね~。美しくて心に残る名曲です!そしてさらに12曲目の「U My Girl」で見せるうねるグルーブの虜にさせられます!あぁ~こういうのをやってくれてこそこの世代のアーティストだよね!って思わず頷いてしまうことでしょう。Rahsaan Pattersonとかもやりそうな軽快なFUNKチューンがたまりません!思わず体を揺らしたくなるような一曲です!そして、最後に温かみにある歌声に癒されてしまう15曲目「Beautiful」で穏やかでリッチな時間が過ぎていくなんていう・・・素敵な時間を過ごせる一枚になっています。 それ以外にもちょっとフォーキッシュだったり、Rock色があったりアコースティックなサウンドだったりと様々なTony Richの色を見せながらも、R&Bという統一された歌世界になっていて、これぞTony Richというに相応しい名作になっていると思います。
今回はより1stの色合いに近いとても胸に訴えてくる作品になっていますよ!オススメです!オススメ:(12),(5),(2),(4),(10),(12),(15)

続きを読む

mG / Still…

01.A YO
02.Rock The Party feat.I-94
03.Come On
04.Got Me Say’n feat.JM Miles
05.Come Away feat.Stevie Steve
06.Still
07.Interlude for Melody
08.Lady
09.We Made Plans feat.Meesha Trice
10.The Morning After
11.Minor 2 Major
12.Down Low

(総評)

突き抜けるテナーシャウト!2006年インディーソウル後半随一の名盤mGことMarlon Goldenの「Still…」をレビュー!このmGのアルバムが本当に素晴らしいのです!mGの力強く美しいテナーボイスのシャウトにただただ耳を奪われるばかりです。その歌声の素晴らしさを感じられるのは、なんといっても12曲目「Down Low」!この曲の涙腺を刺激する見事な声の掛け合い、そして素晴らしく美しいメロディーにはただただ圧巻れます。その見事な歌に誰もが目を瞑り、耳を澄まして聞き入り、涙することでしょう。感動的なバラードが好きな人には絶対たまりません。この劇的で感情をモロに出したボーカルスタイルには、ぐいぐい引き込まれてしまいます。
でも、そんなバラード一辺倒なアルバムかと思いきやなんと前半3曲は現行シーンを意識したHIPHOPのUpperトラック!この辺も見事に歌いこなしてしまうのは、mGがただのバラッディアではなく、歌い手として歌の作り手としても素晴らしいことを証明しています。4曲目からはじっくりと美しいバラードをいいメロディーと気持ちがいいテナーボイスにのせて聞かせてくれます。もちろんシャウトも披露して、どんどん盛り上がっていくのがシャウター好きとしてもたまらないですね!その他にも、R.KELLYが作りそうなスローバラッド5曲目「Come Away」や、普遍的な正統派バラッド11曲目「Minor 2 Major」!これでもかとシャウトを見せ付ける9曲目「Lady」など随所に良曲が入っています。そして最初にいった楽曲もメロディーもシャウトもフェイクも全てが素晴らしい12曲目「Down Low」!もうここまでやられたら完全にノックアウトです!スローバラードから、アップ、ビートの効いた曲など、様々な楽曲にもチャレンジしていて、アルバム一枚通して聞き飽きずに通して聞くことができる出来になっているところも評価が高いです!
若いのに、これほど自分の歌声を縦横無尽に使いこなせるアーティストはそんなにいないですよね。インディーソウルとは思えない名盤です。ぜひ手に入れましょう。どの曲でもいいテナーボイスで、シャウトを披露してくれるので、シャウター好きとしてもぜひ揃えたい一品ではあります。
今後もリリースを続けてほしい実力派アーティストの登場です!
オススメ:(12),(4),(8),(11),(9),(3),(5),(6)

続きを読む