Maxwell / BLACKsummers’night

01.Bad Habits
02.Cold
03.Pretty Wings
04.Help Somebody
05.Stop The World
06.Love You
07.Fistful Of Tears
08.Playing Possum
09.Phoenix Rise

(総評)

Maxwellのひさびさの4枚目のオリジナルアルバムがリリースされました!そして、やっぱり彼のセンスは間違いないということをR&Bリスナーに改めて再認識させるすばらしい一枚を残してくれました。9曲というコンパクトな内容なのですが、一曲一曲が非常に練られているのが、一聴しただけでわかり、この曲数の少なさが、余分なものをそぎ落とし、歌に紳士に向き合うMaxwellらしい作品に仕上がっているな~と思います。
彼の良さといえば、ファルセットボイスと、その真摯な歌い方。ここでも、その期待は裏切らず、1曲目「Bad Habits」からファルセットで美しく聞かせてくれ、さらには、ファンキーな面も存分に見せてくれています。さらに!なんといっても、復活を印象付けた一曲3曲目「Pretty Wings」の素晴らしいこと。こういう正統派R&Bとも違う、Maxwellにしか歌えないR&Bを再び披露してくれたことに、ひたすら感謝したいです。ファルセットのひたすら美しい響きにファンキーなシャウトが絡むさまは、本当にR&B界の宝ですね。曲の展開もMaxwellじゃなきゃ、出せないし、この間をもたせられません!そして、かっこよいMaxwellを久々に堪能させてくれるのが、4曲目「Help Somebody」!ブラックな香りをぷんぷんにさせながら、シャープにファンキーに盛り上げていきます。ここで見せるバンドサウンドも見事です!そして、6曲目「Love You」のファンキーっぷりも本当に見事です!ソウルフル!アルバムの曲数としては、9曲とコンパクトながら、それを感じさせない見事な歌の深みと、バンドスタイルの演奏の厚みと濃さがあって、しっかり聞いた感じがするほどに、濃厚なまさにBlackなアルバムに仕上がっています!特にバックバンドとの信頼も厚いのが、楽曲を聴いていて伺えます。打ち込みが多い昨今では、これほどしっかりとしたバンドサウンドを聞かせてくれるとうれしくなりますね。
Maxwell復活を高らかに、宣言する2009年を代表する一枚であることは、間違いないですね!
オススメ:(3),(1),(4),(6)

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Case / Rose Experience

01.Be That Man
02.Lovely
03.Deja Vu
04.Betcha Don’t Know Why
05.Let Me Down Easy
06.Turns Me Do
07.I Can’t
08.Shoulda Known Bettere
09.Me and You
10.Smile
11.Waiting
12.Can I Be
13.Can’t Believe
14.Place to Stay

(総評)

Case9年ぶりとなる4thアルバムが発売になりました。90年代をJoeと共に代表する正統派バラッディアーで特にその哀愁漂う歌には、多くのR&Bファンが魅了されました。特に2000年にリリースした「Open Letter」は、R&Bの歴史に残る名盤であることは誰もの一致する意見でしょう。本当の意味で哀愁漂うバラッドを歌える数少ないシンガーであることを証明していました。盟友JoeがProduceした「Missing You」だけではなく、「No Regret」など多くの名曲を歌ってきたCaseですが、2000年を境にぴったりと活動がなくなってしまい、2年ほど前ほどから、復活するという話はでていましたが、一向に音源も出ずに、どうしたのかと思っていたのですが、2009年に、ついに、4枚目となるアルバム「Rose Experience」が発売になりました。
それにしても、今風の音というのは、あえて排除されていて、まさに90年代を髣髴とさせるサウンドで、よりCaseの魅力を引き立てているプロダクションには感服いたします。あえて、エレクトロとかはしないことで、彼のシンガーとしての普遍的な魅力をシーンに再認識させるには十分な一枚でしょう!いい意味でCaseらしさを失っていない普遍的な良さをもった一枚です。シーンに迎合することなく、彼らしい哀愁と力強さをもったシャウトやフェイクを存分に堪能させる曲が多く、トラックもシンプルなのが多く、ここ最近多いエレクトロやソウルクラシックや、ネオソウル系にいくことなく90年代R&Bど真ん中なサウンドをこれでもかと聞かせてくれます。そんな曲たちの中でも、古さよりも味を感じさせてくれるのはCaseの歌の魅力のなせる業でしょう。
どの曲も彼の歌声の哀愁を見事に表現してくれていますが、その中でも、2曲目「Lovely」の美しさと、12曲目「Can I Be」でのフェイクのすごさは特筆すべきものがあります。彼の苦しげにもだえながらフェイクし、シャウトする姿がもうたまりません。他にも同じく90年代を飾る盟友Mario Winansとの「I Can’t」Tim&BobがひさびさにProduceした「Deja Vu」など、R&Bとして普遍的な良さをもった楽曲が多く入っていて、一枚をゆったりとまさに夜のベットで聴きたくなるような一枚です。彼にはJoeほどのエロさはないのですが、どこか切なげで心を打つ歌声があるので、まさに夜にはもってこいなんですよね。他の曲たちも、どれも美しく心を打つ曲ばかりで、うっとりと聞きほれてしまいます。
最新のサウンドを求める人には、もちろん物足りないかもしれないですが、これこそが、R&Bシンガーたる姿だと思います。
オススメ:(12),(2),(1),(9),(3),(8),(4),(5),(7)

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Ginuwine / A Man’s Thoughts

01.Interlude1
02.Show Off
03.Trouble feat.Bun B
04.Last Chance
05.Interlude2
06.One Time For Love
07.Open The Door
08.Get Involved feat.Timbaland & Missy Eliott
09.Orchestra
10.Touch Me
11.Lying To Each Other
12.Even When I’m Mad
13.Bridge To Love feat.Brandy
14.Used To Be The One
15.Show Me The Way

(総評)

GINUWINEの最新アルバム!彼といえば今はどちらかというと、R&Bを代表するバラッディアのイメージが付きつつありますが、デビュー当時の90年代後半には、Timbaland、Missy Eliott、Aaliyah, Tank, Playa等共に、Timbaland一派を代表する最新ビートを乗りこなす革新的なシンガーとしてのイメージが強かったのですが、そんな彼が久々にTimbalandと盛大にやってくれています!もちろん「Difference」で魅せた見事なバラッディアとしての才能も、このアルバムでも存分に発揮していて、アップとスローのバランスが非常に取れた完成度の高い一枚であり、ベテランでありながら、若手の追随を許さない見事な攻めの姿勢を見せるアルバムになっていて、Ginuwineのアルバムの中でも、最高傑作と呼ぶにふさわしい完成度になっています。
スローでは、やっぱり、先行シングルにもなった「Last Chance」での情熱的な歌い上げっぷりには、心惹かれます。なんといってもびっくりしたのが、8曲目「Get involved feat.Timbaland & Missy Eliott」でしょう。ここまで攻めのアップを聞かせてくれるとは思っていなかったので、しかも完成度が高いアップなのです。もう、この疾走感が気持ちよくてたまらない!!!斬新さにびっくりしつつかっこいい!って思わせてくれます。その他にも心地よいミッド曲である3曲目「Trouble feat. Bub B」, 艶やかなイントロの心地よさと本編でのビート音の激しさのギャップに驚かされるクールでかっこいい2曲目「Show Off」!7曲目「Open The Door」では、現行流行の軽めの歌い口の楽曲もさらっと歌い格の違いを見せてくれます。正統派バラッド9曲目「Orchestra」を聞かせ、さらには、11曲目「Touch Me」では、「Last Chance」並みに、聞かせるシャウターバラッディアの魅力を見せ付けてくれます。奇抜でかっこいいアップが多い前半に比べるとしっかりと後半でR&Bバラッディアとしての魅力を存分に見せていて、以外にもBrandyとの絡みを見せたりと、今までにないデュエットとかにも挑戦していた、最新アルバムにして、最高傑作というベテランシンガーにしては珍しく、すばらしい一枚になっています。
まだまだシーンの中心にい続けるR&Bを代表するシンガーの一人であることをこれでもかとシーンに叩きつけた見事な一枚です!2009年マストな一枚です!
オススメ:(8),(4),(2),(11),(3),(6),(9),(10),(12),(13),

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