Ali Tennant / Get Loved

90年代R&Bを大好きな人にとっては、ゆるぎない名盤の一つAliの”Crucial”。90年代を語るうえで欠かせないほどにUK SOULを何重にも引き上げたまさにSOULFULさそのものともいえるAliが復活しました。しかもアルバムリリースまでしてくれるなんて2017年になぜかスルーしていて・・・。今になって知るなんてもったいない。本当に期待を裏切らないソウルフルで熱い歌をこれでもかと聞かせてくれています。

「Superstar」は文句なしにアルバムトップバッターの一曲としてのひりひりするほどのカッコよさがたまりません。伸びやかなイントロの歌い上げっぷりからもう魂を引っ張られるようです。耳が声の素敵さに喜ばずにはいられません。そして熱く情熱的に歌い上げていく様がやっぱりALIだー!って気分にさせてくれます。一曲目からここまでもっていかれたらもうアルバム全体を期待せずにいられません。

2曲目Switchは1曲目の熱を冷ますようにミッドテンポにクールに歌っていきます。3曲目「Tell Me What You Want」はどこかLove Letterを彷彿とさせるクラシカルでソウルフルな楽曲で、サビにかけて熱っぽく歌っていきます。シャウトからの伸びやかで通る声の素晴らしさ、本当に衰えを感じさせません。「Get 2gether」というタイトルがもうお洒落ですよね、このアルバムの中でも結構起点になる、一曲で、このタイトでパワーのあるメロディーラインを自在に泳ぎきるようにフェイクしながら歌い上げます。

タイトル曲「Get Loved」でもしっかりとAliらしさをこれでもかと前面に出して歌い上げてくれます、心地よいぐらいにフレーズを繰り返しながら深くソウルを感じさせる一曲になっていて、Rapと織り交ぜながらも、パワフルにシャウトしながら歌い上げてくれます!「If I Was Your Man」では心地よいミッドテンポなサウンドに体を揺らしながらも、R&Bらしいサウンドの素晴らしさはさることなるが、広さと深みをフェイクから感じて聞き入ってしまいます。「Cry」では、クラシカルなソウルの匂いとパワフルで伸びやかなシャウトにくらくらしてしまいます。「Suffer 4 Love」も、まったくその勢いのままに、ゆっくりとしたスローテンポな曲の上を自在に歌い上げていきます。Aliにかかるとどの曲も魅力的でパワフルでいてハートフルなバラッドに聞こえます。

「Where She Lays」ではメロディーラインの美しさで持って行ってくるスローバラッドも聞かせてくれて、またAliの違う魅力を存分に感じさせてくれる名曲になっています!メロディーに心奪われていると、後半に向けて縦横無尽なフェイクでこれでもかと熱っぽく歌い上げてくれます!アコギのイントロもいい具合に効果的に響いています。「The Roof」では情熱的なバラッドから少しテンポを上げてミッドテンポで伸びやかに歌う一曲を聞かせ女性ボーカルやRapperとの絡みも見せてアルバムの幅を広げてくれています、そして最後の「No Forgiving」では、イントロも魅力的で最後まで息をつかせぬ展開となっています。

どの曲もAliの魅力を引き立てていて、どの楽曲も大好きですね。彼の歌声の素晴らしさをこれでもかと感じ取ることができる素晴らしいアルバムです!