Neo / BUD VASE

Neo / BUD VASE

2015年にリリースされたNeoの大阪に拠点を移してから2枚目となるアルバム”BUD VASE”。彼女の艶かで伸びと温かみのある歌声のすばらしさはそのままに、Jazzらしい歌唱により今までよりも強弱の幅を持たせてくれた歌声の進化を感じさせてくれます。そんな彼女のすばらしい歌声をJazzの心地よいリズムを奏でてくれる地元大阪のJazzピアニスト杉山悟史を招いて、ピアノとヴォーカルというシンプルでいて、強い結びつきを感じさせるサウンドの中でしっかりとそれぞれの曲の色合いを出してくれています。

合計8曲の中には、JazzのスタンダードからDear Fatherの続きともいえるDear Mother、なんともおしゃれで彼女らしい「味わい損ね」という新オリジナル楽曲も入っており、懐かしくも感じる「Fly Away」などは、よりシンプルにピアノバックにこの曲の切なさをより深く感じさせてくれます。

特に「味わい損ね」は、彼女のどこか心をなでていくような心地よさを跳ねるようなピアノと歌声で絶妙な雰囲気を演出しています。

BUD VASE=”一輪挿し”というシンプルでいて、ともに支えあう。ピアノと歌声という関係性が、より魅力的に伝わるアルバムです。特にアルバムと押して、NeoがJazzサウンドを本当に自分のものにしたんだなって感じがよくわかります。決して肩に力を要れずに、緩急や強弱を使い分ける歌声に引き込まれます。

「What a Fool Believes」は有名なMichael Mcdonaldの一曲ですが、TVCM等にも使われてJazzのスタンダードの定番にもなっています。そんな有名な曲をNeoらしい爽やかで心地よい歌声で、歌い上げていきます。まさにBUD VASEの最初を飾るにふさわしい朝の光を浴びるような一曲です。

そのまま「Day By Day」というシャープなJazzのスタンダードで、このアルバムの雰囲気をぐっと心地よく大人っぽい雰囲気にしていきます。最初の2曲で色とりどりな方向から光を当てていく感じがします。ピアノとの掛け合いも心地よく響いていきます。(これを聞くと本当に大人な歌い方になったなと昔を知る人としては思ってしまいます。Jazz好きとしてはやっぱりこれを歌われるとたまりませんねw)

「The Nearness of You」は、緩やかに穏やかに時が過ぎていくように、包み込むような歌声で、部屋の中を包んでいってくれます。

「Fly Away」がこのJazzの後にあるのも、また味わいと彩りを変えてくれて、アルバムに深みが出ています。彼女の紡ぎだす言葉にぐっと引き込まれます。

「味わい損ね」は、ピアノの跳ねるようなサウンドに、彼女のやわらかくリズミカルな歌声が、心地よく響きます。歌詞が何より個性的でいて大人な女性の視点を感じさせて、どことなく彼女の詞を作り上げる感性を感じさせます。

「One Less Bell to Answer」は、The 5th Dimensionというコーラスグループの曲なのですが、シンプルでじわじわと響くような歌なのですが、難しいけどストレートで美しいメロディーの素晴らしさを引き立てるように歌い上げていきます。

「No Choice」は、メロディーラインが本当に美しく心に染み入ります。ただただ答えを求めるその切なげな歌声に、言葉をひとつひとつ大切に空間においていくようなそんな言葉が溢れていくような素敵な一曲です。

そして、最後に用意された「Dear Mother」という曲・・・昔東京で活動していたころの「Dear Father」という亡き父親に向けた一曲をどうしても思い浮かべてしまいます。Neoちゃんが生きていく中で感じていく一番大切な存在である母親への感謝と思いと、ただただ深く包んでくれる母親の深い愛を伝えてくれます。彼女がまたひとつ成長するたびに、何もいわずに見送るその姿の大きさに自分の家族を感じずにはいられません。彼女の心の豊かさはきっとこの二つの曲を聴けばきっと感じ取ることができるでしょう。

こんな素晴らしいアルバムを届けてくれたNeoちゃんに感謝です。

Neo セカンドアルバム“BUD VASE”,
ヴォーカルとピアノだけによるDSDハイレゾ録音
ここにはBUD VASE=“一輪挿し”のように
ピアノと歌の美しさを惹きたて支え合う大切な想いが込められている。
ジャズピアニスト杉山悟史の新たな挑戦~NY渡米を前に
二人の「今」を詰め込んだ珠玉のアルバム。
オリジナル曲からジャズスタンダード曲、
The Doobie BrothersやBurt Bacharachのカバー曲を含めた全8曲

 

Neo Officieal Website

本当に大切な友達であり、そんな彼女の想いがいっぱい詰まったアルバムを手に取れてうれしく思います。そして、こうやって歌を歌い続けていてくれていること、ただのファンとしてでなく友人として勇気付けられます。本当にありがとう。あなたの歌はいつまでも大切な宝物です。