David Verity / Inexorable

01.Supervillain
02.Damn
03.This Time (The Shy Song)
04.Scrollin’
05.Get In My Car
06.Just A Man
07.Unspoken
08.Where Are You
09.My Rock
10.Forever Girl
11.Wings
12.December

(総評)

インディーソウルを代表するアーティストDevanteがDavid Verityと、改名して3枚目となるアルバムをリリース!最新サウンドを取り入れた現行シーンをリードする楽曲を多数届けてくれています!彼というと、美メロなイメージが強いですが、その期待をいい意味で裏切って、バウンスやエレクトロなどのサウンドをうまくと入れつつ、きちんと美メロでかっこよい楽曲を聞かせてくれています!
前作から、さらに力強さをました素晴らしい歌声を活かすアップテンポな最新サウンドを取り入れた楽曲がまた凄過ぎます。そこらへんのメジャーサウンドじゃ太刀打ちできないインディーズアーティストだからできる自由度の高さと、メジャーを超えてしまうかもしれないトラックの音の良さには驚かされます!ここまでやられたら、メジャー、インディーズなんて括りは意味をなさなくなってしまうのではないでしょうか?
1曲目「Supervillain」の豪快なアップサウンドからおのずと、アルバムへの期待値も急上昇します!これほどに高水準のアップサウンドを聞かせてくれるとは思いませんでした!「Damn」での前作までと違う斬新にエレクトロを取り入れた曲作りのかっこよさと、そのエレクトロサウンドの中でも薄れないDavid Verityの歌声のすばらしさを感じさせます。さらには、「This Time」でも、しっかりとアップサウンド聞き手をひきつけて、もう前半で今までと違いを見せ付けつつも、しっかりと彼のフィールドに聞き手を引き込みます。中盤には、前作のようなメロディーのすばらしい楽曲を聞かせたりとしながらも、サウンドのパワーアップをところどころで聞かせてくれます。7曲目「Unspoken」では、1枚目、2枚目で見せた美メロメイカーとしてのすばらしい才能を感じさせてくれます。さらには、8曲目「Where You Are」では、デジタルサウンドの取り入れ方の巧みさを感じさせながらも、しっかりとソウルフルに歌えるところを見せて、そのまま最後までスローもアップも織り交ぜながら、しっかりと聞き手を飽きさせずに、どんどんアルバムを進めていって、本当にあっというまに、一枚を聞かせてしまいます。
美メロメイカーだけはない、彼の力強さを感じさえる作品で、今後とも、さらにいいプロデューサーシンガーとして育っていくであろうことを確信させてくれます!そして、早々と、2010年を代表する一枚が早々とリリースされたことは驚きに値します!
オススメ:(1),(2),(3),(4),(7),(8),(9),(10)

(曲解説)

01.Supervillain

ここまでのデジタルサウンドなアップを作り上げるとは思いませんでした!本当にトラックの水準が現行のメジャーシーンを越えたものを作り出せるようになっているのですね。シンセのシャープな音が癖になるバックサウンドの上で、ラップっぽい歌い方で、かっこよく歌い上げていくさまは、新しいDavid Verityというアーティスト名が示すように、美メロだけではないかっこいい曲をできるんだよっていうのを見せてくれています。そして、サビのメロディーはシャープであくまでかっこよく仕上げていて、聞くほどに癖になりますねー!クラブでかかったら、絶対に盛り上がる一曲でしょう!

02.Damn

かっこいい最新サウンドの激しく力強いバックの音にあわせて、力強い歌声で歌いこんでいきます。自身のファルセットと絡ませながら、思わず体が揺れるような素晴らしいメロディーラインを歌い上げます。一緒にOh!と歌いたくなるようなサビのメロディーもさすが、David Verityといったところでしょう。ここではRapも披露し、がっちりとHIPHOPっぽさも見せながらも、心に残るミッドR&Bに仕上がっているのは、本当にさすがとしかいいようがありません。

03.This Time (The Shy Song)

発売前のMixtapeに収められていなかった一曲ですが、これがまたテンポよく聞かせてくれる中毒性の高い一曲なのです。なんども、思わず体を揺らしてきいちゃうようなテンポに、小気味良いPOPさを感じさせるメロディーにのってさらっと聞かせてくれています。トラックも重厚な安定感溢れるサウンドに、David Verityの力強い歌声が合わさっていきます。本当の1作目からの成長はものすごいものがあります。ここまでのパワフルなシンガーになるとは思いませんでした。

04.Scrollin’

イントロの切なげなギターの音色から、David Verityの特徴的で耳に残る歌声と気持ちよいループするようなメロディーラインを聞かせてくれます。曲が進むごとに力強さを増していく歌いっぷりに、聞き入ってしまいます。サウンドの美しさと、歌声のパワフルさのバランスが非常にすばらしい一曲になっていますね。

05.Get In My Car

前作までの彼の作品ではなかったアップテンポなサウンドを聞かせてくれます。さらっとメロディーがあまり重視されない作りになりそうなところですが、しっかりとサビでは、心地よく聞かせてくれるのが彼らしくていいですねー。ポップな感じを感じさせるなかなか今までにない面白い一曲です。

06.Just A Man

シンプルなバックのリズムにのって、バックのトラックにのって、淡々と歌い上げていきますが、後半には伸びやかなフェイクを見せたりと、この辺のセンスのよさは、David Verityらしいなと思わせますね。

07.Unspoken

流麗なピアノのメロディーに一気に引き込まれ、そのまま切なげなメロディーラインに心を打たれてしまいます。やっぱりこういう美しい曲を歌わせると見事ですね。サビの力強い歌声やフェイクも多彩さも、曲の美しさを引き立てていて、思わず聞き入ってしまうことでしょう。この3枚目を代表するような美メロ曲の登場です。

08.Where Are You

前作でも同じようなタイトルの曲がありましたが、こちらは、まったく違うデジタル音を効果的に使った楽曲で、ここ最近のR&Bアーティストのアップサウンドの中でもトップクラスに斬新です。T-PAIN、R.KELLYなどにも匹敵するのではないかという奇抜さを持ちつつ、美メロがしっかり歌えるんですから、インディーソウルの中心人物といっても、過言ではないですね。流れるようなスリリングな展開が、ぐいぐい刺さってくるかっこいい曲ですよー!

09.My Rock

こちらもピアノが美しい落ち着いたソウルフルな一曲です。今作品は、アップとスローのバランスが抜群で、まったくあきさせません!ゆったりとした中にも芯の通った歌いっぷりが、すばらしい!さらっと見せるフェイクや転調が実に味があって、たまらないんですよねー。特に後半でのメロディーのうまいフェイクでのはずしっぷりは見事です。

10.Forever Girl

ソウルフルな楽曲の後は、エレクトロなデジタル音満載な一曲なのですが、これがデジタルサウンド満載だと相当に薄っぺらい感じになるのに、David Verityの場合は、実にかっこよく、時には力強くソウルフルにさえ感じるのですからすごい!サビの美しく力強いメロディーは素敵です!後半の数曲でも、隙のないつくりなのは、本当に彼の実力が段違いに上がっていることを示しています。しかも自らRapもできてしまうので、こういうアップサウンドはお手の物ですね。

11.Wings

ピアノイントロの流麗なスローバラッド!まっすぐな歌いっぷりが他の楽曲とは一線を画しています!こういう正統派なスローバラッドを歌えて、R&Bソングもしっかり歌えるのですから、サウンドメイキングの力の段違いな実力は、誰もが認めるところでしょう。後半への気持ちよさは伝わりますね。

12.December

アルバムの最後は落ち着いた雰囲気でピアノバックの一曲を聞かせます。シンプルな楽曲ほどに、彼の歌のうまさだけでなくメロディーの作り方のうまさも如実に感じさせてくれますよ。

(Producer)

David Verity

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