01. The Interview
02. The Otha Side
03. Friday Night
04. Everybody Dreams
05. The Sound
06. So Sexy
07. Lovin’ You
08. Dance With Me
09. Goes/Comes
10. So Free
11. Boojy Ghettoness
12. The Door
13. Moved On
14. Change Gonna Come
15. One and Only
16. You Keep On

(総評)

祝復活！Silkのリードシンガーだった、Lil’Gこと、Gary Jenkinsの初のソロ作品がインディーソウルからドロップ！Silkというとこもあり、エロエロネッチョリ系のR&Bを展開してくれるのかなと思ったら、以外にもクラシックソウル然とした、作風に度肝を抜かれます！そらー、オーティスレディングのカバーなんかやられた日にはびっくりです！それが様になってるんですから、ホントに上手い歌い手というのは、何をやっても様になります。個人的にはエロエロなLil’Gの曲も聞きたかったのですが、ちょっと期待と違った私でも楽しめる内容なので、かなりアルバムの水準としては高いと思います！そうですねー。D’Angeloとかそういう感じのSOULFULなのを好きな人には絶対にはまる作品です！このアルバムを聞いて、こういうのがやりたかったら、Silkを抜けるしかないよなーと思いました。Lil’Gの懐はもっと深かったんでしょう。でも、やっぱりLil’Gには、吼えるR&B曲をやってほしいですね。
さて、各曲は、それぞれが面白いほどに個性が立っていて、聞いてて聞き飽きません。でもやっぱり、すごいのは、オーティスレディングのカバー14曲目「Change Gonna Come」です。最近Leela Jamesがそのタイトルとして使っていますが、これはもうFUNKなR&Bの代表曲！それをLil’GがSilk時代のそれとはまったく違うSOULFULでFUNKYな歌声で、Silk時代と通じるあの猛烈なシャウトで歌いきってくれます！そのほかにも彼らの趣味をモロ出したと思われる、FUNKYな楽曲が所狭しと並べられています！これは、本当のクラシカルSOUL&FUNK作品です！すごいですよー。
それにしても、ジャケ写がダサすぎ・・・裏ジャケもあるのですが、これが、逆に妖しすぎ・・・ある意味インディーソウルらしさをこれでもかと見せ付けていました。あと、クレジットがまったくわかりません・・・なんだか、自分のバンドを持っているそうです。なんか、R&B主流の打ち込みサウンドがSilkは多かったですが、それをやめて、バンド主体のFUNKでROCKなサウンドで、思い切りそのシャウトの凄さをこれでもかと見せ付けていってくれそうです。立ち位置としては、Princeとかその辺を目指しているのかなと思うアルバムでした。ちょっと昔のSilk時代を期待していると、ROCKでFUNKなサウンドが多く肩透かしを食らいますが、何度も聞くと、その歌声の素晴らしさに驚嘆してしまいます。
オススメ:(14),(3),(6),(7),(8),(11),(12),(13),(16)

(曲解説)

01. The Interview

最初は何やら、軽くギターを弾きながらの、インタビューから！

02. The Otha Side

最初は、強烈なFUNK曲！ギターが炸裂していきます。一つ間違えばROCKなサウンドになりそうなところを、彼の歌が上手い具合に、FUNKYに演出していきます！正直SILKファンはここで絶対に面食らいます。えーーーー！って。でも、聞けば聞くほどに癖になるようなこのFUNK!もちろんLil’Gの歌声が素敵なんですよね！FUNKでも決してこの通る歌声に変わりはないのです！

03. Friday Night

エレピの音が気持ちいいSOUL曲！こっちでは気持ちがいいメロディーで明るく太陽のようにはじめる歌声のLil’Gが聞けます。こういう伸びやかに歌っているときが一番この人らしさが出ていますね！メロディーもさっきのFUNK曲と違って、美しいですし！ファルセットでも聞かせてくれるし、心地よい一曲ですよ！

04. Everybody Dreams

ゆる～いFUNK曲。しっとりネオソウルっぽい雰囲気もあったりして、なんか意外な一曲ですが、感情が入ってくると、吼えまくってくれて、やっぱりそこはLIL’Gだなと安心してしまいます。でも、こういうネオソウルっぽい感じもできるのかと驚きがありました。

05. The Sound

ゆる～い可憐なメロディーが心地よく響きます。Lil’Gも優しくささやきかけるように歌っていきます。部屋とかでまったりしながら、気持ちがよく聞ける一曲です。

06. So Sexy

ここら変はSOULにゆる～いメロディーの曲が並びます。気持ちがいい曲が多くて、思わず眠気を誘います。ファルセット満載のいい曲ですよ！ここまでのクラシカルなSOULをLil’Gがやれるとは正直驚きです。Silk時代もファルセットは素晴らしかったですが、ここではそれをこれでもかと聞かせてくれます。美しいファルセットです！

07. Lovin’ You

ゆったりとした曲調で落ち着いた雰囲気の一曲。そこをしっとりと歌いこんでいきます。心地いいねー。そこから、最後にかけて徐々に泣きギター満載な味のあるアコースティックサウンドの基ここではLil’Gの今まで押さえ気味だったフェイクが全開で滾り上がります！うーん、ねちっこくて熱い！やっぱりLil’Gっていえば、これですよねー！この直情的なフェイクや思わず燃え上がるほどの感情の露出・・・まってたよーLil’Gって気持ちにさせてくれます。この曲はサウンドより吼えっぷりでしょう。最後最高！

08. Dance With Me

ここから徐々にバウンスビートにのってラテンサウンドが展開していきます。ホント意外性に富んでるアルバムで、最初の変な音がイントロでなって、一瞬？って思うのですが、歌が始まると、やっぱり安心させてくれるんですねー。不思議な魔力とでもいうべき歌声ですね。そして徐々に感情の高ぶりと共に増えていくフェイクの強さ！カッコイイです。ここまできて、初めて現行R&Bっぽい曲なんですよね。いかにFUNK、SOUL色が強いかお分かりになりますか？それにしても・・・イントロ変すぎ！

09. Goes/Comes

ここではまたちょっと不思議なFUNKYサウンドが展開していきます。本当にこういう曲がやりたかったんだなーと改めて思わせます。コミカルでちょっとチープな70年代っぽいサウンドが、フッと心地よい雰囲気をくれます。FUNKな繰り返すフレーズにのって、ファルセットを交えて自由に歌い上げていきます。

10. So Free

ゆったりと、歌い上げていく感じが心地よく、Freeとささやく歌声が耳に残ります。ファルセットでフェイクをかましていくところなんて、ROCKでファンクな感じがよく出ています。緩さがなんとも体に染み込んでいきます。ギターサウンドをうまくつかってて、Silk時代には打ち込みが主体だったから、正直最初はびっくりしました。

11. Boojy Ghettoness

ここでも妖しいSOULFUNKな世界が展開していきます。この妖しさがもう最高にかっこいいのです、いやー大人になりましたなーLil’G様。こういうエロFUNK、エロSOULができるようになれば、この先も長いこと僕達を楽しませてくれるでしょう。Rapperも参加していて、この妖艶な宴はより妖しさを増していきます。ギターサウンドがねちっこい！

12. The Door

90年代後半なBlackな香りがぷんぷんするDarkなSOUL曲！コーラスが強力に吼えまくるかっこいいメロディーが印象的で、聞いていてどんどん癖になっていきますよ！爆発力あるボーカルもインパクトがあって、このアルバムの中でもこのどす黒さはひときわ、引き立っています。Silkの3作目の雰囲気に近いエロさと、ストロングさと妖しさを兼ね備えた名曲です！

13. Moved On

激しく飛び跳ねるROCKサウンド！その中でLil’Gは、めちゃくちゃファンクに歌い上げていきます。最初は押さえ気味に、そして、徐々にコーラスを交えていきながら、ひたすら激しく激しく吼えていきます！わざと声をあらげて吼えたりして、もう熱い暑苦しいほどの一曲です！それにそしても最後のギターとの共演は凄すぎます・・・！こういう激しいのやりたかったのかねー。

14. Change Gonna Come

さー！来ました！なんと、Lil’Gがオーティスのカバーです！いやー確かに90年代前半から活躍している彼にとっては、これぐらいの年代がちょうど自分の青春的な曲なんでしょうけど。正直オーティスレディングのカバーをやるとは思いませんでした。しかもこれがめちゃくちゃソウルフルでカッコよすぎ！いやーすげーよ！ここまでSOUFULオンリーで彼が歌いきれるとは思いませんでした。本当に凄みがあって、迫力に圧倒されます。

15. One and Only

低音のベース音が聞いた一曲で、FUNKを歌っていきます。なんだろうなー。DONNIEとかFrank McCombとかに近い感じのサウンドです。最後のOne Love！っていうフレーズがなんともFUNKYでかっこいいですよー！

16. You Keep On

最後はバンドサウンド満開！でこれからの新しいLil’Gサウンドをこれでもかと印象付けてくれます！ここでも吼えまくりで、自由自在にその強靭な喉でリスナーに訴えかけます。まさにFUNKでROCKなかっこいい一曲です。最後を締めくくるにふさわしい曲でしょう。

(Producer)

Gray Jenkins “G”: All Producer

☆☆☆☆