(総評)
え?だれ?っていう感じでしょうが、僕が最近注目しているサウスから、また一人天才が現れました。HIPHOPのアルバムですが、Cee-Loと同じく歌モノのアルバムでもあります。本当に面白い1枚!味があるHIPHOPものがあるかと思えば、かなり艶やかな歌声で魅了してくれる曲もあるし、楽曲がどれも特徴的で絶対に忘れないような灰汁の強さもあったりして。楽しませてくれます。かなり、歌えます!マジで!歌モノアルバムであり、HIPHOPのアルバムでもあるという稀有なアルバム! このBig Moeは、ほんとCee-Loと同じで、その名のとおり巨漢なんですが、Cee-loほどの愛嬌の良さがあるわけじゃないですが、歌とRapを駆使して音楽を表現するその実力のほどは素晴らしい!引けをとりません。二転三転するサウンドの展開をしたり、実は哀愁漂うステキなバラードを歌ったり、本当に幅が広い人です、どんな曲でもやれるぞっていうのを見せ付けています。この人はこのままHIPHOPフィールドだけで納まるような人物じゃないですね。Cee-loとともに今後が非常に楽しみな逸材です!
これの気持ちよさが、わかるようになれば、あなたもサウスサウンドの虜です。
特に、最終曲『Why Why』と『JUST THE TWO OF US』のカバー「S.U.C」必ず聞くべし!今年の影の名曲です!この1枚聴いとくべし!オススメだぁ~!!!実はLil’ Moと結婚したらしい~、意外!
オススメ:(2),(3),(4)
(曲解説)
02.Purple World
彼のサウンドが爆発します、もうこのなんとも面白い曲展開と、歌とRapをうまいこと使いこなすBig Moe!これを聞いただけで、この人のレベルの高さはわかります!音の使い方や、コーラスや合いの手の入れ方が、斬新なので、楽しんで聞くことができるし、定番のシャウトっぽいのもあったりして、安心して聞くことも出来る。かなりの高水準な作品。
3.S.U.C
これがこの作品を紹介するきっかけになった作品!これは、あの『JUST THE TWO OF US』をサンプリングというか、そのままつかってるんです!かなりこの人のくぐもった声と透き通るようなトライアングルの音の相性が抜群で、聞いていて癖になってきます。そして、ちょっとマッタリとしたRapも、曲調と合っていて聞き心地が最高にいい!やっぱりね~、いい曲はどうサンプリングされてもいい曲なんですわ!マジでこの曲が本作品の中でも一番かっこいいですよ!お勧め!
04.Confidential Playa
3曲目の流れを組む、まったり~な曲。そう去年でたEric SermonとMarvine Gayeの『Music』に近い感じですね、古臭くもループが心地いい~SOULの世界を作りだすことに成功している素晴らしい作品。このSOUL臭さ!最近は、本当にHIPHOPアーティストの方が、70年代SOULの良さを引き出すのに成功していますね、この気持ちよさは癖になる!名曲!
05.Purple Stuff
いきなりそれですか!っていうぐらい曲調がコミカルに変化する。こういうのもHIPHOPなんで、ありでしょう~、でも決して陳腐な曲というわけではなく、面白い作品に仕上がっていますし、Moeのシャウトがなんとも、SOULFULで引き込まれる!
06.When I
いきなりCOOLなサウンドへ!本当に水準高いねー。メロディー展開が飽きさせません。この味のある声にやられまくりです。
08.Still Da Barre Baby
子供の最初の声が印象的で、この声と、Big Moeのふてぶてしくもある声の絡みがなんとも不思議な雰囲気を醸し出していて面白い。リズムに合わせて体が揺らいでしまいそうな、そんな雰囲気の曲に、子供純粋な声が絡みいい曲に仕上がっている。このアルバムの中ではちょっと異色だが、素晴らしい曲です。
09.Cash
バウンスビートに乗っかって、Big Moeが吼えまくる!バウンスビートが入ってるのこれぐらいなんですよ!バウンスビートちょっと・・・って人でもきけるし、この曲はマジでかっこいい!聞いとけ!かなりかっこいい曲です。ホントこの1枚まとまりがないので、まとまっているという不思議な1枚。点でばらばらな曲がそろわさることで、一つの線を作り出してしまっています。いろんな曲が次々に出てくるので、飽きずにきけますね~。
11.Dime Piece
またのんびりとしたビートで、自由気ままにRapしております。でも、こんないいかげんっぽさが、なんとも心地よかったりするのが、この人の不思議なところ。リズムがゆっくりなので、ゆっくりと体揺らしなが聞けるのも、この人の良さですね。
12.Feel Me
徐々にハッキリしていくリズム音がいい感じ、他の曲に比べるとちょっとサビのフレーズとかが弱いかな~。
13.Its About To Go Down
リズムが気持ちがいい、PUSHの強い曲!かなり軽快なビートの中Rapを聞かせてくれます。これはバウンスビートですが、これワンパターンにならないところがこの人の凄いところ!様々なリズム、果ては歌とRapを駆使して様々に聞かせてくれます。めちゃめちゃ面白いよ、この人は。
14.The Letter
素晴らしいSOULFULな歌声を聞かせてくれます。かなり聞ける一曲!流れるようなフローが気持ちがいい。ボイスチェンジャーがうまいこと入ってて、爽やかな感じにしてて、気持ちがいいですね。最後にかけてスピードが落ちていく曲調も面白い。かなり切ない気分にさせてくれる名曲です!
15.Mashin For Mine
楽しげなサウンドが展開されます。女性のボーカルがダンスクラシックスのようないい感じを出していて、おもしろい。途中でイントロのように入る面白い音も愛嬌があっていいです。ちょっと崩したリズムの使い方も、乗りやすくていい。やっぱ、HIPHOPは、これぐらいわかりやすいリズムの方が気持ちがいいですね~。
17.We Wont Stop
激しいビートが鳴り響きます。本当にサウンドがカッコいいです、カッコいいサウンドもちょっとおちゃらけたサウンドも両方ともできるこの人は凄すぎます。最高にノリやすいサウンドです。
18.Thug Thang
女性ボーカルとの絡みがスムーズでいい感じ、ただ、ちょっとこの一枚で多い感じのリズムなので、ちょっと飽きが来るかもしれませんね。でも、サウンド的には音の使い方が面白い曲だと思います。
19.Parlay
歌モノですね、Slowで、Mellowなサウンドがしっとりとしていて、聞かせてくれますね、そう!アイズレーのような裏声の使い方が見事です!本当に歌モノは素晴らしいんですよ!出来が!その辺のR&Bアーティストの作品よりも聞かせてくれます!ホント、このHIPHOPの方がSOULっぽいというへんてこ具合がなんとも面白い!そして、癖になる!
20.My Life
「マ、マ、マイ、マイ、ライフ」っていう最初のフレーズがなんとも面白くて耳に残る一曲。この曲も歌モノなんですね~。こういう風にちょっと下手っぽく歌って、マッタリ具合を演出したり芸が細かいです、この人は!
21.Why Why
高に切ないバラード・・・かなり大好きな一曲です、もう、これね~HIPHOPのアルバムで、ここまで完成度高いバラードが拝めることになろうとは、思いませんでした。そう、Ghostface KillerとCarl Thomasの『Never Be Same Again』に通じる哀愁漂う切なさとマッタリ具合が、最高に気持ちがいいです!名曲!ホントお勧め!
☆☆☆☆☆☆(傑作)