01.Thinkin’ Of You
02.Give It Try
03.Here with me
04.君のKISS
05.One good reason
06.Color me you
07.One day
08.Make you love me
09.Romance
10.Nobody Else
11.I do Duet with MIHO KARASAWA
12.From here
(総評)
プロデューサー兼シンガーという日本にはなかなかいないタイプのR&Bシンガー今井大介の2作目。前作から、格段にステップアップを遂げた一枚である。カッコいい曲や泣けるバラード、そして、ホッコリできるような素晴らしい曲・・・それがくまなくそこに入れるしかないでしょう~というぐらいに散りばめられた仕上がりなっています。一枚として、ここでバラードが欲しいなというところではバラードが少しバラードじゃないのという感じの時にはミドルUPを入れたりと、聞き手の要求を満たしてくれる一枚です。全体的にバラードが大目ですが、バラードも、スローバラードから、ちょっとアップテンポなミドルバラードまで幅があって、聴き飽きません。
そして、何のためらいもなく、女性ボーカルや、Rapperをどんどん参加させて、一枚として聞いていて、飽きが来ないように纏め上げれるのは、彼のプロデューサーとしての力を示しています。彼自身相当歌がうまいというわけではないのですが、彼が作ったトラックの上では彼の声が栄えるんですね。それは、素晴らしい魅力の一つだと思います。つまり、自分の声の質や声量なども全部把握した上で、トラックを作り出せるというなかなか出来ない芸当をやってのけているのが、彼の何よりも素晴らしい点です。スムーズで艶がある歌声を堪能させてくれます。
彼の歌声は、今作品では、聞きやすい”タメ”がうまいこと引き出されていて、面白い。前作ではちょっと歌い方がいまいちかなと思う面もあったのですが、今作品では、それをうまく改善して、聞きやすく、誰にもマネのできない歌い方を披露してくれています。日本語をここまでメロディーラインにあわせて崩して歌い上げれるシンガーはそうはいないと思います、素晴らしい最高です。そして、今作では、自分の声でのコーラスを多用しているのですが、それが非常にうまく機能して、厚みのあるボーカルを堪能させてくれます。その声の重ねるときの声と声の間が、最高です。美しいわ。マジで、今年の要注目!久保田、Neoに引き続き、2002年邦楽R&Bシーンで、絶対に抑えておくべき一枚の登場です!チェック!チェック!どの曲もめちゃめちゃいいっす!最高!
オススメ:(1),(3),(4),(6),(8),(10),(12)
(曲解説)
01.Thinkin’ Of You
かっこいい~そういうしかない、楽曲センス。激しくバウンスするビートの中、COLEONのRapもカッコいいし、スムーズに歌い上げる今井大介の声がステキである。自分の声を重ねて作ったコーラスも、彼の声に厚みをましていて、聞き応えがある。厚みがありつつ、くど過ぎないという絶妙なスタンスを保っているのが、すばらしい。いやー、最初っからかましてくれます!Cool&Smooth!めちゃめちゃカッコいいっすよ!この曲。彼女を想って歌う優しい歌詞がスーと入ってきて、気持ちがいい。
02.Give It Try
m-floのVerbalをfeatした一曲。改めてアルバムの中で聞くと、一曲目からUPな感じがいい感じに効いていて、シングルだけで聞くよりも、踊れる仕上がりになっている。VerbalのRapがうまいこと効いているなーと思えます。この2曲で一気に今井さんの世界に引付けられていきます。
03.Here with me
最初の涼しげな音が印象な、優しい甘いバラード。「すべてを超えて君が目の前にいる 確かに感じる」・・・そう、この「感じる」で終わるのはいい、感じるんだ、でも感じるよ。でもなく、「感じる」これが深く深く気持ちを伝えてくれる。「立ち止まって何度も確かめ合った」そういう情景が思い浮かぶ、ステキな言葉が散りばめられた歌です。本当に、今回の今井さんの詩の世界は前作にもまして、情熱的で哀愁が漂っていて、陶酔させられる。
04.君のKISS
いやー!マジやばな一曲!最初の”チキチキチキアー”っていう囁きでノックアウトされます・・・洋楽好きの僕の心にストレートに入り込んできます。タイトルは、初の日本語なのですが、中身は素晴らしいR&Bバラード!このアルバムの中でも一番レベルが高いです。日本語R&Bの一つの完成形でしょう~、日本語とメロディーの流れがすごいマッチしていて聞いていても気持ちがいい!これだけ、メロディーにスムーズに日本語が乗っかったのってあまり聞いたことがありませんし、今井さんの歌い方もSmooth&Mellowで、うっとりして聞き入ってしまいます・・・終わり方も最高!文句がつけようが無い名曲です!歌詞も内容も、不倫をした彼女を、君のキスですべて忘れようという強い強い愛情と二人の絆が伝わってきます、絆っていいなってちょっと思いました。「君のKISSですべて思い出になればいい」という歌い方は、きっと誰にも真似できない独特でいて、心を撫でるように耳に響いてきて、胸の辺りが心地よくなる。思わず、胸に手をやってしまいます・・・・これは、マジで今年一番いいバラードかも。
05.One good reason
ミドルテンポのアコースティックギターの優しげな音色が泣けるバラードです、失恋の歌なんだけどね。「僕が君を想うほど 君は僕を遠ざかり」と歌い、「叶わぬ想いの分だけ 明日強くなれるよね」と歌う、前向きな心が逆に切なくなりますね。このバラードも、しっくりと聴く耳に入ってきて、ストレートに心に響きます。
06.Color me you
タイトル曲であり、明るい爽やかなUPサウンドな曲。今風なサウンドだが、サウンドよりもメロディーラインに注目して欲しい。半年前にライブではじめて聞いたときに、あまりのメロディーラインの美しさに惚れ込んだ曲である。思わず、体が揺れだしてしまうほど、リズミカルな一曲である。そして、無駄なところが一切なく、一曲としての美しさが素晴らしい。4分あるとは思えないほどである。
07.One day
女性RapのJ.BUG(JENNIFER VELARDE)を迎えているが、今作では、外人のRapperが多いが、一番カッコいい!Verbalよりもカッコいい。このRapと、今井さんのスムーズでスタイリッシュな歌声が絶妙にマッチして楽しませてくれる。6曲目のUPテンポな感じを残しつつ、Coolにカッコよく纏め上げた一曲。かっこいいですよ!このビートが効いた、体が動かしてしまう感覚は素晴らしいし、カッコいい!
08.Make you love me
本作品で、一番泣きのミドルバラード。Fredy MofetによるTALK BOXが、非常に味のある働きをしていて、ただのバラードにせず、聞き応えがあるように仕上げている。マジで、このTALK BOXは、カッコいいので、一聴価値ありです!何よりも、歌詞が泣ける・・・そうとう泣けます。「今夜だけ淫らでいいなんて・・・」「朝を恐れるなら 薬指のリングはずせばいいさ・・・」「つなぎとめる理由探している」と歌う、なんか悲しくなる、切ない女性を描いている。こんな女性は見てて痛いよね・・・幸せなのあなたは?って。「すべてを犠牲にできる目をしてるね まるで少女のように」・・・どの一言、一言も胸の奥にグサっと刺さってくる重みを持っていて、痛みをもって受け止めてしまう曲です。
09.Romance
打って変わって、ラブラブで一緒に寝ている男女のエッチな世界が展開されます。やっぱ、R&Bはこれぐらいじゃないとね。ここでも、今井大介独特の節回しが非常に生きていて、聞き心地がいいですよ。ここでも、女性のVocalとRapのNETRA LAUDERDALEがいい味を出しています。女性が入ると、この今井さんの歌声はめちゃめちゃ栄えるんですよね!生き生きと聞こえてきます!
10.Nobody Else
女性RapperKRISSY&KALIKOをFeaturしてる曲。彼氏がいる彼女をひたすらひた向きに、前向きに想う曲。気持ちが痛いほどわかるなー。そして、曲自体も、このアルバムで一二を争うほど、素晴らしく、ピアノの入り方、音の重ね方、今井さん自身の声の重ね方も、抜群な一曲!このアルバムで2番目に好きな曲です。ただのバラードに終わらせず、聞かせるってことにこだわらず、楽曲的な完成を目指している点が非常に評価できるし、Rapperを大胆にいれてくるところも、カッコいい&今井さんの声が非常に引き立ちます。曲の最後も滑らかで艶やかです。今井さんの声ってこんなによかったんだな~と改めて感じてしまいます。
11.I do Duet with MIHO KARASAWA
実はシングルはあまり好きではない感じでした。唐沢さんの声がPOP過ぎる気がしたんですが、このアルバムに入ると、このある意味ベタで、正統派でいて、明るい曲が、アルバムの中でいいアクセントになってくれます。この素直なバラードがす~と心に入ってきますよ。
12.From here
[Give It Try]のカップリングで、ひそかな名曲。というか、こっちのほうがいい曲です。地味に今井さんの作品で一番好きな作品。出だしのピアノ音と、コーラスからして、楽曲の完成度がわかります。サビのメロディーラインなんて、完璧です!声の重ね方も綺麗で気持ちがいい。コーラスの入り方も間の取り方とか絶妙です!ほんとに聞いてみて!名曲だから。
☆☆☆☆☆☆