TERRY THOMAS / The Terry Thomas Experiment
02.In A Zone
03.Lay Your Burdens Down
04.Just Thinkin'
05.Don't Go To Bed Man
07.Something
08.Make Me Wanna
09.Take A Chance On Love
10.Didn't I
(総評)
新人SOULシンガーTerry Thomasのデビューアルバム!インディーソウルにしておくにはもったいないほどに、歌が激渋で激ウマなそのねっとり具合に誰もが悶絶してしまうことでしょう。もう、このジャケからして歌える!っていう顔してますよ。でも、バリトンでぐいぐいいきそうにみえるのですが、その期待通りにぐいぐい歌い上げる曲もあれば、しっとりとテナーボイスで、魅了してくれたりと、意外と音楽的な幅が広くて、インディーズアルバムの中でも相当水準が高い一枚です!本当に歌いっぷりが見事で、アーバンメローでありながらも激唱していきます!
ほとんどをBalladが占める一枚ですが。ほぼ全ての曲で、その力強い歌声で、シャウトしまくります。最初抑えてても、やっぱり抑えきれずに吼え上げます!この吼えっぷりが見事でかっこいい!
プロデューサーのDeyon Dobson, Tim Owens(元K-Ci&JoJoのプロデューサー)がかなり素晴らしい仕事をしていて、キーとなる曲では、ちょっとファンクだったりUPビートに乗ったりと様々な面を見せて、彼の魅力を最大限に引き出しています。そうして、もう一人のプロデューサーJimmy Varnerが、これでもかと美メロを提供していて、その美メロの上で、Terry Thomasも魅力的な歌いっぷりを遺憾なく発揮しています。特に7曲目と5曲目、2曲目と、このアルバムの中心となる美メロナンバーは、全てがこの人の手によるもので、オーソドックスだからこそTerry Thomasの本当の歌のうまさが光る仕上がりになっています。どの曲も、2005年の名バラッドといっても良いぐらいのできです!二つのプロデューサーがうまく絡み合い、アルバムとしての完成度をすこぶる上げています!
これでもか!と歌い上げるタイプが好きな人にはたまらないシンガーの登場です!Carlie Wilson、K-Ci&JoJoや、Caseなど歌い上げ系が好きな人は必ず聞いてみましょう!
(曲解説)
01.Let Me love You
しっとり優美なイントロにのって、SOULFULな歌声で最初から魅了してくれるTerry Thomas!ファルセットを織り交ぜながら、SOULFULでしっかりとした歌声で聞かせまくります。このTerry Thomasの声の暖かさをより聞かせるようにうまく乗っかった、サウンドもシンプルでいながらカッコイイ!それにしても、見事な歌いっぷりで、SOULFULでいてちょっとFUNKYな歌を聞かせてくれます。最後は徐々に情熱的に、熱を込めて歌い上げていきます。
02.In A Zone
1曲目のねっとり熱唱するのとは違って、もっとしっとりと聞かせてくれます!そうして、堪えきれないように、徐々に熱く熱くシャウトをかましていくところなんか、思わず唸ってしまいます。TERRELLも素晴らしいと思ったけど、このアーティストも凄い歌い上げっぷりです!たまらんわ!しっとりと歌うバックの女性ボーカルに、最初のしっとり綺麗な歌い方とは違い、激しく熱唱して絡んでいきます。こういう感情の込め方もうまいアーティストです。
03.Lay Your Burdens Down
ここでは、ちょっと古めな曲調に、今風なサウンドを織り交ぜて、しっとりソウルフルで甘い曲を歌ってくれます。熱唱するというよりも、まとわりつくように歌いこんでいくのが、もうたまらんですね。まさにSOULっていうのをよくわかっているアーティストです。かっこいいわ〜!Sweet DeepなSOULの世界をうまく表現していきます。本当に歌うまいですわ!
04.Just Thinkin'
HIPHOPサウンドでも歌えるだぞ!っていうところを地味にここで見せてくれます。UPなサウンドにのって、軽快にリズムにのった曲を披露します。唸り上げるようにHOOKに入るところなんてたまりません。こういう趣が違うFUNKYでUPビートな曲をやることでアルバムとしてとても面白い広がりを持っています。この辺はプロデューサーの力でしょうね。最終的にはシャウトしまくり!やっぱり唸り上げるようなシャウトが似合う男です。
05.Don't Go To Bed Man
ここでは、またアーバンな薫り漂うしっとりとした曲調に併せて、やわらかさの中に芯を持たせたしっかりと歌を支えきる歌声を披露します。後半の伸びやかな、歌声にはウットリとさせられます。これほど、情熱的にシャウトするタイプのシンガーは、ここ最近あったことがないですよ。Dave Hollisterの若い頃やK-Ciなどと比較しても申し分ないですよ。文句なしにこのアルバムの中でも1,2を争う名バラッドです。
06.Daily
哀愁漂うギターのフレーズにそっと引き込まれ、ちょっと物悲しい歌が胸を打ちます。こういう吼えるだけじゃなくて、抑えてゆったりと歌うこともできる幅の広さも見せてくれます。女性のコーラスもいい味出しています。ちょっと今までの曲よりも肩の力を抜いて、悲しく美しいメロディーを歌うその心が、聞き手の胸に染み込んできます。
07.Something
このアルバムのハイライト的な一曲!Slow Balladでありながら、男女のボーカルが情熱的に混ざり合いながら絡み合い、燃え上がっていく!ゆったりとした心地よいメロディーにのって、良曲が多いこのアルバムの中でも、一番のインパクトがあります。最低限のサウンドでTerry Thomasの歌声の味のある魅力を最大限に引き出すプロダクションも見事です。転調に入って盛り上がるところなんて、最高です。ただひたすら目を閉じて、この心地よい歌声の波に体をゆだねてください。
08.Make Me Wanna
今までの雰囲気から一点FUNKY BEATに乗って歌いだすTerry Thomas!こういう曲で不意をついてくるのですが、それがまた渋くてカッコイイのですから、罪ですよね。プロデューサーDeYON DEBSON & TIM OWENSにしてやられたって感じです、K-Ci&JoJoのプロデューサーでもあった彼らの力が大きいですね。たった10曲でありながら、満足感が高いのは、こういう雰囲気の違う曲でも良曲が多いからでしょう。
09.Take A Chance On Love
ここまでかなりの勢いでBalladといいながらも、激しい感情をぶつけてきた、Terry Thomasですが、ここでちょっと小休止的に緩やかにオーソドックスなSOUL MUSICの上で、ゆる〜く歌っていきます。まあ時たま吼えますけど(笑)。本当の奥深い人物で、こういうオーソドックスなタイプの曲でもしっかり歌えて、しかも自分の味を出せる、歌心がある歌い手さんです。
10.Didn't I
最後は、強烈な「Didn't I」という歌声が最初から炸裂する一曲!ここでも渋くFUNKYなサウンドに乗って、じっくりと盛り上がりを見せてくれます。もう最後は自由にシャウトしたり、聞いてて気持ちよく歌ってんな〜と思ってしまいます。その心地よさが聞き手にも十分伝わってきます。最後の最後もこんなかっこいいFUNK MUSICで締めるなんて・・・水準の高さがおのずとわかりますよね。