Terrell Carter / Finally
02.Ma' Baby
03.Can We Talk
04.Thinkin' bout You
05.He Said She Said
06.Single
07.I Don't Give a Damn
08.I'm In Love
10.Ma' Girl
11.Feel Your Pain
12.Money
13.Better Than
14.Finally
15.Grandma Interlude
16.Listening 2 U
(総評)
Terrell Carterの5枚目となるアルバムがiTunesにて、リリースになりました!これが前回のPlansのプロダクションの微妙な感じを払拭する素晴らしいシャウターアルバムになっています!前作は本人のMyspaceでも告知が無かったように、あまり本人の意向に沿ったリリースじゃなかったんだろうなっていう感じだったようで、音源や音質もバラバラな感じがあったのですが、このFinallyは、Better Thanなど今までにリリースとなっている曲も2曲ほど入ってはいながらも、リスナーが求めていたTerrell Carterの素晴らしい歌声を存分に堪能できるシャウターらしいアルバムになっています!
これほどの完成度を誇るアルバムは、USメジャー・インディーズを見回しても、今はTANKとTerrell Carterの二人だけではないでしょうか。本人の歌のシャウターとしてのすばらしさだけでなく、自身の見せ方をよくわかっていて、インディーソウルアーティストでありながら、現役のストロングシャウターとしては、最高峰のアーティストの一人であることを、改めて再確認させてくれます。
すべての楽曲がすばらしいのですが、なんといっても、流行を見事に取り入れた電子音とTerrell Carterのパワフルな歌声の対比が見事な6曲目「Single」のかっこよさと、4曲目「Thinkin' bout You」のバラードとしての完成度の高さには、うっとりとさせられます。さらには、10曲目の「Ma' Girl」のシャープなTerrell Carterのその肉体美そのものなシャープな贅肉をそぎ落としたシャウトのかっこよさのみで聞かせる姿は見事です!この突き抜け感はたまらないですね!シングル曲7曲目「I Don't Give a Damn」で見せるファルセットをうまく使いシャウトをより魅力的に見せるその歌のうまさはさすがとしかいいようがありません。3作目からの名曲13曲目「Better Than」での重いけど美しい質感のTerrellの歌声の魅力を再認識させてくれて、さらに14曲目「Finally」でも、アルバム最高潮のシャウトを見せてくれています。シャウトとフェイクのうまさだけならば、今のR&B界No.1を与えてもいいほどでしょう。
その他にも8曲目「I'm In Love」で見せる遊び心あふれる電子音の歌声で聞かせながらも、しっかりR&Bにしちゃっているところなんてすごすぎます。アップサウンドの曲も11曲目「Feel Your Pain」で豪快に聞かせて、さらに12曲目「Money」、最後「Listening 2 U」はバラードでしめてくれます。そのほかも3曲目「Can We Talk」では、アフリカンな雰囲気を持つフレーズを入れたりして、アルバムに面白みも加えています。しかも3rdアルバムでも見せた仲がよかったと思われる祖母との会話を収めた素敵なInterudeが収められていて、Terrell Carterの人柄もうかがえるアルバムになっていて。アルバム全体としてバラエティーに富んでいて、飽きないし、充実感をたっぷりと味わえるすばらしいアルバムに仕上がっています。
2009年の間違いない名盤の誕生です!これが、iTunesやCD BABYのデジタル音源しかないというのですから、とてももったいない・・・本当にこのアルバムをCDで手に入れられないなんて、もったいないです・・・CDとしてもぜひリリースしてほしいですね〜。間違いなく名盤入りなのに。これを聞かずに2009年を語るなんて、おこがましいですね。
(曲解説)
01.Intro(Give It All Up)
包み込むようなピアノのイントロとTerrell Carterのやさしい歌声が、しっとりと心に響いてきます。本当に歌がうまいなと感じずにはいられません。フェイクの間の取り方から、強弱のつけ方までこれほどに、見事にセクシーに歌えるアーティストは彼以外は考えられません。イントロから目が離せません。
02.Ma' Baby
Terrell Carter初のPV作品となた、この一曲のパワフルで勢いは、本当に聞いていて気持ちがいい!突き抜けるシャウトに思わず、唸ってしまい、悩ましげにファルセットで歌あげるセクシーさに、グッと心と体を操られるようです。サウンドも、実に練られていて、ただのビートだけじゃなくて、適度な合いの手があったりと、面白く聞けるようになっていて、あっという間に1曲が過ぎてしまいます。
03.Can We Talk
3作目で見せた他のジャンルを取り入れつつかっこいいR&Bに仕上げるセンスのよさをここでも見せてくれます。ちょっとアフリカンな雰囲気も織り交ぜつつも、そのコミカルささえ感じさせるe,e,e,e,eというフレーズさえも、彼の手にかかれば、曲をかっこよくするための、要素にしかなりえないのです。逆に印象深いソウルフルな一曲へと昇華されています。ファルセットのセクシーさがたまらないですね!
04.Thinkin' bout You
イントロのソフトなタッチからしっとりと聞かせるTerrell Carterの見事なスローバラッドを見せてくれます。サビでの印象に残る歌いやすいメロディーが、たまりませんね!そして、徐々に曲を進めていくに連れて、熱く情熱的にシャウトを絡めていく、シャウター気質がもう目頭を熱くさせてくれます。こういう熱い曲が聞きたかったんだよなーと改めて思わせてくれます。トラックも美しく抜かりないし文句なしに名曲です!
05.He Said She Said
パンを頻繁に振りつつ、ゆれるように盛り上がっていく一曲!楽曲がもつ独特の浮遊感に乗っかりつつ、ストレートな歌いっぷりがかっこよい!途中で女性シンガーが絡んでいくところも面白いですね!短い曲なのですが、Terrell Carterらしい硬質な余分なものをそぎ落としたかっこよさを持っています。
06.Single
最新の電子音もお手のものといった感じで、見事なサウンドに乗っかって、シャウターのかっこよさと、楽曲自体の次世代感を両方を出すことに成功しています!ボイスジェネレーターをうまく使いつつ、自身の声によるコーラスを土台としながらも、見事にシャウトとフェイクを織り交ぜながら、アルバム最高峰の盛り上がりを見せてくれます!このかっこよさはやばいですね〜。Christian Keyesにも劣らない見事なアップサウンドです!シャウトもさることながら、サウンドがやばいですね!こういうのを自分で作れちゃうところがTerrell Carterは、天才ですね。
07.I Don't Give a Damn
アルバム発売前にリリースとなったシングル曲!彼らしいダークな雰囲気をかもし出しながらも、セクシーに歌い上げていく、シャウターたるところを見事に見せ付けてくれる一曲です!サビでのシャウトっぷりと、そこへいくファルセットでのメロディーの歌いっぷりのギャップがたまりません。思わず胸が熱くなるほどに、セクシーな歌い方から、シャウトへと盛り上がっていくのです!ここまでシャウトしてくれると本当に気持ちがいいですね!
08.I'm In Love
電子音をいかした子供っぽい声のI'm in Loveというフレーズを織り交ぜながら、セクシーな男の歌をさらっと聞かせていきます。サビでのTerrell Carter自身との歌声と、電子音との面白い絡みあいが、頭から離れません!本当に、ここまでくると彼の多才っぷりには、もう舌を巻くしかありません。ここでは彼のファルセットの魅力を存分に聞かせてくれて、本当にいろんな楽曲を聞かせてくれています。この曲も印象に残るすばらしい楽曲です。
09.Jus Wanna Know
疾走感あふれるトラックに乗っかって、軽快に歌い上げていきます。こういう軽い楽曲でも彼にかかれば、しっかりと重みをもったかっこよい楽曲へと変化するのですから面白いです!クラップのリズムが最高に気持ちよくTerrell Carterの歌声にただただ身をゆだねて聞き入ってしまいます。
10.Ma' Girl
パワフルな歌声で、しっかりとシャウトとフェイクでぐいぐい盛り上げていきます!こういう曲をやらせたら、もう右にでるものはいないのではないでしょうか。本当に彼の肉体同様に、贅肉をそぎ落としたようなかっこいいパワフルシャウトには、思わず胸をかきむしられるようです。歌全体を通して、もうシャウトの突き抜け感が半端じゃないです!かっこよすぎ!転調するときの声の重ね方も、バッチリですね!誰が聞いてもこの曲はかっこいい!っていわざる得ない名曲です!しかもバックがピアノっていうのも、より引き立ててくれます!
11.Feel Your Pain
ここら辺は、一気に畳み掛けるようなアッパーソングが続きます。彼の場合はどれも水準が高いので、一気に聞けてしまうのですが、その中でもその圧倒的な存在感が引き立ちます。9曲目同様に、駆け抜けるようなメロディーの中でも、そのパワフルボイスでボイスジェネレーターを駆使しつつ、シャープでかっこよい歌に仕上げているのは見事です!
12.Money
ここまで一気にくるのですが、ここでしっとりと聞かせる楽曲をもってくるところが、本当にこの人かっこいいR&Bっていうものをよくわかっています!女性コーラスを招いて、セクシーな歌で聞かせます。じんわりと心に染み込むようなサビのメロディーにうっとりと聞きほれます。自身だけじゃコーラス隊の使い方も、実に見事で。女性コーラスとのフェイクでの絡みっぷりなんて、メロディーのよさだけじゃ感じられないシャウト本来の魅力を感じさせてくれます。
13.Better Than
3作目でも、お披露目した一曲なのですが、本人もこのパワフルで重々しい一曲をお気に入りのようで、再収録!何度聞いても、その歌のアンダーグラウンドな質感と、Terrell Carterの見事なテナーシンガーとしての歌いっぷりにやられてしまう名曲です!自身のコーラスと、重いけど美しい質感のTerrellの歌声の魅力を感じずにはいられません。それにしても歌がうますぎる・・・最後のシャウトもすごすぎる・・・
14.Finally
アルバムタイトル曲は、以前にもあった曲名なのですが、また新しく作り直したバージョンのようです。かなり前からOFFICIAL WEBSITEで公開されていた楽曲なのですが、ギターをバックに豪快なシャウトがものすごい印象に残る一曲になっています!やさしいも、力強いTerrell Carterの歌声に包まれながら、超絶シャウトにただただひたすら耳を奪われます。本当にこのシャウトを上回るシャウターは今はいないんじゃないでしょうか?この楽曲のシャウトは本当にすごすぎます!
15.Grandma Interlude
3作目でも祖母のコメントがのっていたりしたのですが、本当にこのTerrellは祖母を大事にしていたようで、3rdアルバムの時も、こういうものをいれていたのですが、こういう祖母が応援してくれているところを入れるってすごい素敵ですね。人間的にも彼がすばらしいんだろうなってわかりますね。
16.Listening 2 U
最後はInterludeをはさんで、しっとりと聞かせてくれるやさしい楽曲です。切なげなメロディーが心に染み入る歌で、しっとりとした歌い方も、Terrell Carter本来のシャウトだけじゃない歌のうまさをじっくり感じることができて、心地よく耳を傾けることができます。バラッドとして、本当に完成度が高い一曲ですね。後半に一度音がなくなってからまた歌い上げていくところなんか、実に歌に余裕があって気持ちがいいですね。
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