Tank / One Man

(概説)

傑作！去年地味にカッコいいUPがそろった素晴らしい隠れた名盤的な作品を残したTankの2ndアルバム(前作はなぜか国内版になっててビックリ！そんなに売れたんだろうか・・・)。前作を踏んで、今作もUPなのかなーと思ったら、一気に勝負にきました。これがバラードの連続！プロデューサーであり、シンガーであり、作曲家であり、その第一人者Joeなどの地位をモロ目指している彼としては、本当に勝負に出ました！という感じでしょう。前作でもUP以外にちょこちょこあったバラードが素晴らしくバラードアルバム作ったら傑作になるだろうなーと思っていたら！ついに出してくれました。
地味に今年は同時期に出したDave HollisterのアルバムでもProducerとして顔を見せていますし、歌以外のお仕事が結構忙しいようです。でも、実はメジャー落ちなのかな・・・Virginから、Blackentertainment(これ、メジャー？)へー。まあ、プロデューサ業として忙しい彼としては自身のアルバムは自由に作れる環境があってるのかもしれません。でも、早いなー。ホント一年足らずで、2ndアルバムの発売ですー。
そして、この一枚が素晴らしいバラッドアルバムに仕上がっているのです。聞けば聞くほどに味が出てくる1枚です！なんといってもタイトル曲『One Man』の出来は素晴らしい！このマッタリとしたエロエロ具合はなかなか出せませんよ。久々に、バラード好きな人の心を満たしてくれる長く聞けるアルバムでしょう。
この濃いGROOVE感こそが、彼が一流のSingerである証拠でしょう。濃く濃くネットリと盛り上がるわけじゃなく、ひたすらスローバラードが続いていきます。ホントまずは聞き込んでください。そしたら、良さが滲み出てきますよ！マジでこの1枚今年のベストバラッドアルバムかもしれません。夜二人で聞きたいアルバムですね。地味な良曲多すぎ、バラードはホント全てが素晴らしい！HIPHOPっぽい曲も多数あり、飽きが来ないアルバム全体として統一感が取れた素晴らしい出来です。
似たような作品としてDave Hollisterの最新作もありますが、こちらの方が数倍濃いですね、バラードが好きな人は是非こちらをオススメします！ひさびさに、夜使えるアルバムですよ。
最近はリリースラッシュで見向きもされないんだろうけど、こんなアルバムこそ売れて欲しいですね。

(曲解説)

01.Interlude feat Adimu Colon

いきなり重々しいピアノと、MCが入り映画のようなIntro!一気に引付けられます。

02.One Man (Intro)

いきなりグッときてしまいます。彼の声はバリトンで、グッと押しが強い感じなので、かなり気持ちよく聞けますよ。次の曲への最高の序章でしょう。

03.One Man

ミドルテンポなリズムの中、熱の籠もったVocalを披露してくれます。サビでのTankの歌いっぷりも、カッコいい！もう甘く切ない雰囲気を堪能させてくれる一曲です。この濃さと刹那さ・・・名曲ですわ。聞き込めば、聞き込むほど良さを増していきます。

04.Supa Sexy

前作を引き継ぐようなスムーズなUPです。もちろんエロエロタイトルがいい！音使いが素晴らしい。決してUPといっても、アルバム全体の雰囲気を大事にした感じで、Smoothなメロディーラインが気持ちよく耳に入ってきます。音使いも最新のProducerだけあって、最高っす。こういう濃さがある曲が今年は少なかったのでうれしいなー。

05.My Place

ゆっくりとしみこんでいくようなファルセットが見事な一曲です、今作ではとことんTankの声の素晴らしさを堪能できるのが最高に嬉しい。このSmoothyなメロディーとコーラス・・・溶けます・・・とろけます！いやー、気持ちがいいアルバムですわ。最後のトランペットがめちゃめちゃカッコいいです！痺れるわー。

06.Unpredictable

またまたマッタリと進むバラッド。彼のサウンドは、打ち込み主体だったのですが、今作からはギターが増えたことで、幅がでました。そして、その打ち込みの音が、新鮮でおもしろく、アクセントになっています！じっくりと聞かせるバラードです。後半徐々に熱を帯びていく感じがオーソドックスでいいですよ。

07.Cake And Ice Cream feat. Heat

Heatという魅惑的な声を持つ女性アーティストrをFeatした一曲。この絡みがエロくていいんです！このトロトロっぷりは、ヤラシイっすよー。時たま顔を出すTankのビートの効いたドラム音と歌い方がアクセントになっています。そして、後半にかけて情熱的に絡み合うこの二人が、素晴らしい！名曲です！この女性は本当に情熱的に歌い上げてくれます。

08.Close feat Mowett

では、Mowettという男性アーティストをFeatしています。ピアノ儚いサウンドが切なくさせてくれて、そこにスネアの聞いたドラムが混ざると・・・泣けます。MowettとTankの競い合うボーカルが男の哀愁を感じさせてくれるます。

09.I'm The Reason

ギターのサウンドが効果的に曲を盛り上げて、そこへTankの力強い歌声が加わり、情熱的な一曲に仕上がっています。一気にこの声に引き込まれます。サビのメロディーもバラードらしい切なさを蓄えています。サビではピアノが曲を支えていて、そこに絶妙なタイミングで入ってくるギターのサウンド・・・いや、泣けるよ。マジで。Tankの抑えの効いたシャウトの多彩さも、曲に幅を広げています。とにかくこれは聞くべき！

10.Make Me Wanna Sing feat.Sparkle

ここで前作で見せたUPを基調とした挑戦的な試みが、ここで発揮されます。なんと、あのSparkleをこういう風に使ってくるとはなー。驚かされます。あのミリーリパートンの「Lovin' You」を高音Voiceでサンプリングして、さらに、Tankのファルセットとあわすことで、不思議な気持ちがいい世界を作り出しています。いや、おもしろいよ、この曲！さすが、Tankって感じです！いいわー。これは、おもしろい。

11.Let Me Live feat.Mannie Fresh And Jazze Pha

MC兼Rapperとして、Mannie FreshやJazzePhaを招いたおもしろいUP!ボトムの効いたサウンドの上で、Tankの歌声が冴え渡る良曲です。サビでのメロディーが印象的で、耳に残ります。Mannieや、JazzeのRapも、このどことなくマッタリとしたサウンドにあっている感じに絡んでくる。UPとしては、素晴らしい出来です。チキチキチキっていう声のサウンドもおもしろいです。

12.Party Like A Thug feat Baby Da No One Stunna

張りのあるビート音がなるなか、Baby Da No One StunnaというRapperのRapから始まるどっしりとしたHIPHOP色の強い一曲。サビでのおもしろい音使いも見逃せない。さすが最新のプロデューサーといえる作品です。HIPHOP色が強くともTankの情緒的な歌声がしっかり聞かせてくれているので、安心ですよ。全体の雰囲気を壊すほどのUPじゃないのが、さらに好感持てます。

13.I Wanna Be That feat.Jazze Pha

才気ほどのJazzeがまた参加した一曲で、UPでガンガンと攻めてきます。このUPが地味にカッコいいのも本作品の特徴。前作のUPは、ちょっと狙いすぎな感があったんですが、今作のUPは、地味なんだけど、カッコいい！というバラッドアルバムに必須な条件を満たしています。そして、Jazzeと、Tankのカッコいい掛け合いも見逃せません、最後のトットルルルというフレーズも聞き覚えがあるなー。踊れる一曲です。でも、ホント今作のUPはR&Bだけに頼らず、HIPHOPのいいところを取り入れたと思います。

14.No Why

またここでBalladに戻ります。ビートボックスの音とパーカッションの音が響くサウンドの中、マッタリとしたTankの歌声が響きます。気持ちがいいわー。やっぱり。この野太い声で、シャウトされると痺れます・・・文句なしのバラッドです。

15.Club

ちょっと微妙なミドルテンポの中、ベースの音が主体となり曲を引っ張る！かなりカッコいいUPです！女性のコーラスがさらにFUNKっぽく盛り上げます。かなり痺れる一曲です。こんな曲が書けるからTankは侮れない。

16.So Many Times

1stっぽいおどろおどろしいサウンドがするんですが、そこを切り裂くように力強いTankの歌声が響き渡る！こういう力強さは彼の特徴ですね。こういう歌が合う声してるんですね。カッコよくて聞けるUPに仕上がっています。バラッド主体のアルバムの中でこういうUPも両立させるProdece力や構成力は素晴らしい！

17.Better Man

こちらは、ギターのカッティングが効果的に響くカッコいいバラードです。キュルっという音が変わっていますが、この雰囲気のある一曲はステキです・・・最後のコーラスワークは、儚い感じがよく出ています、・・・あー、心に染み入ります。

18.I Still Believe

イントロのフルートの音が爽やかな一曲。非常にストレートな爽やかなバラッドを、気持ちよく歌っています。壮大なイメージを持つ曲で、晴れやかな気分にさせてくれます。最後を締めくくるに相応しい良曲です！最後のバリトンVoiceでのシャウターっプリも素晴らしい！思わず拳握ってしまうようなステキなバラードです。

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