HOMERECOMMENDSREVIEWINTERVIEWLINKCOMMUNICATION

Samson / Atmosphere

01.Atmosphere
02.Take 5:
03.Sooner or Later
04.Talk to Me
05.There For You
06.Emergency
07.Soul Mate
08.Priority
09.Medicine Music
 
Samson / Atmosphere

(総評)

2004年のインディーソウル界をにぎわし、さらにメジャー系のレコードショップにまで置かれることになったのが、このSamson!彼のバリトンボイスが素晴らしい〜!ちょっとかすれ気味な声を上げるその太い喉を曲に合わせて上手に使い分けていきます。熱唱系というよりは、物凄い喉を持つバリトンボイスを自在に操り、ちょっと余裕を持って感情豊かに歌い上げていくタイプのシンガーです。もともとは、Sam Loganという名前でサントラでもその名前を見せていた彼ですが、ここまでSOULFULな作品を持ってくるとは・・・さすがです。ただ、吼えまくるわけじゃ〜ない唸ったり溜めたり押して引いてと、味のあるバリトンボイスの歌いっぷりに、思わず唸ってしまいます。非常に上手いな!と思わせる節回しが多く、聞き手を飽きさせずに、楽曲にのめり込ませます。
 バリトンボイスのアーティストって最近だとBig Jimが代表格ですが、あとシャウトっていう点では、TERRELLやTashawn Kingなどシャウトが見せ場になっているアーティストはたくさん出ていますが、感情を露わにしつつ高度なテクを使いこなすTERRELLや、チラッと若さを見せつつも吼えて大人な雰囲気をかもし出すTashawn Kingと違って、Samsonは、安定感があって、安心してその技量に身を任せてしまえるようなアーティストです。そう、Big Jimのような声でもっていけるアーティストに近い感じです。切なかったり上げ目だったりのメロディーで持っていくというよりも、その歌声に秘めた感情の起伏で、聞くものを魅了していきます。吼えるときも、どこか控えめに、サウンドとのバランスを上手く計っています。
楽曲的にも彼の歌声のよさを引き出すように、あまりやかましい感じの音は使わずにあくまでシンプルに、その声を中心に持ってきているプロダクションが素晴らしいのです!スローが多めでありながら、最低限の音で面白く広がりのあるサウンドを展開していくので、飽きずに聞くことが出来ます。サウンド的には、90年代や70年代SOULを思いっきり意識しつつ、きちんとしたSOULアルバムとして完成された一枚となっています!ちょっと9曲と短いのですが、それでも彼の歌声の濃さがそれを補って余りまります。一切捨て曲なしです!
これほどのインディーソウルが、メジャー流通しているということが、本当にうれしくなってしまいます。AmazonやらUnionやら、CD BABYとかいかなくてもあるんですから。下のOfficial Siteではアルバム未収録の音源も聞けますよー!これがカッコいいのです!ぜひ聞いてね!

オススメ:(1),(2),(3),(4),(6),(7),(8)

(曲解説)

01.Atmosphere

ネットリと絡み合うサウンドの上でどっしりとしたバリトンボイスを聞かせてくれます。いきなりカッコよさにやられてしまいます。このアルバムでは女性コーラスが絶妙でいい味を見せ付けてくれています。徐々にメロディアスに展開していく曲で、Samsonのバリトンボイスも色を増していきます。うーん、たまらん。絶妙に押さえたフェイクなど最初から聞きどころたっぷりです!

02.Take 5:

印象的な美しいオルガンの音が織り成す切なげなイントロのメロディーにしっかりとやられた後、Samsonが、しっとりとでも力強くシャウトしながら、歌い上げていきます!このサビの力強くも儚げなメロディーラインが心を打ちます!最後の音数が減っていきながらも、哀愁たっぷりに歌い上げていくSamsonの魅力にやられてしまいます。

03.Sooner or Later

いきなりJimmiJamesという女性アーティストの歌声でびっくりするのですが、しっとりとゆったりとした優しいほんわかとした雰囲気が心地がいいデュエットが始まります。徐々に感情を露わにしていく二人のボーカルにただただ惹かれるばかりです。メロディー的には面白みはあまりないのですが、長く聞けるステキなデュエットソングです。

04.Talk to Me

ギターと、和楽器が印象的に絡み合うサウンドにのって、どっしりと構えながら、悠々と歌い上げていきます。そして、徐々に感情を沸きおこすように吼えていく感じが、サウンドと絶妙に絡み合い彼の熱さを伝えてくれます。後半の吼えっぷりにのけぞってしまいます!まさにこれぞバリトンシャウト!

05.There For You

浮遊感のあるイントロの歌声から、ギターが優しくSamsonの歌声を包み込んでいきます。ここでは、徐々に表情を見せていくシャウトが、最初の浮遊感から徐々に感情をはっきりと表すような気がして、強烈に聞き手に焼きついていきます。

06.Emergency

サビのインパクトが強烈な一曲で、一度聞いたら忘れられないメロディーの名作!ちょっとかすれ気味な歌声で、歌い上げていき、サビでも押さえながらも、感情をたっぷり込めたフェイクをかましていきます、そして徐々に感情を押さえられずに吠え出していくSamsonのバリトンボイスにノックアウト!息遣いも荒くなりホント感情を露呈していくところが、他の曲と違ってマジでカッコいい一曲です。

07.Soul Mate

ここでは、ゆったりと滑り出すイントロから、じっくりと歌いこんでいくHOOKが心地よい。彼の曲って、複雑なメロディーとかメロディー勝負な曲ではなくて、もっとじっくりと聞けば聞くほど癖になっていくような感じの曲が多いので、本当に長く聞ける一枚だと思います。ホント地味だけどステキな一曲です。

08.Priority

明るいピアノが、今までのちょっと淡い乾いた感じの彼の曲と違って面白いのですが、技量派なSamsonだけあって、しっかり自分のものとして歌い上げてしまっています。ある意味一番面白い曲かも!美しく展開するメロディーが印象的な一曲です。

09.Medicine Music

古いSOULなサウンドを思い浮かべるような一曲で、Samsonの歌声も往年のSOULシンガーのように味がある歌いまわしで思わず唸ってしまいます。Outroなんで短いですが。

(Producer)

Rick Carter:(1),(4),(6),(7),(8),(9)
J. "55' Phillip:(2)
The Trackheadz:(3)
Warren O. Felder:(5)

(LINK)

http://www.samsonlogan.com/
☆☆☆☆☆☆

△TOP