Rahsaan Patterson / After Hours

(総評)

Rahsaan Pattersonの3作目がなんとイギリス名門Domeレコードから発売！ついにきましたよ！常々天才的なセンスをもったアーティストといえば、彼の名前を挙げることが多かったのですが、その独特の歌声を生かし切るボーカルアレンジのセンスと、楽曲もVan Huntなどを迎え、変わらないFUNK＋SOULの絶妙なラインを、聞き手の心をくすぐる素晴らしい楽曲の数々！もう今年の名作に確実に加わったなと言える出来の一枚が出てきました！
Rahsaan Pattersonといえば、D'Angelo、Maxwellなどと並び賞されるNew Classic Soulの基礎を築いた人物の一人なので、結構ベテランといえる年を経ていっているアーティストなのですが、あくまで彼は彼らしく彼にしかできない音楽をしていて、常に挑戦的で実験的な楽曲を作り上げます。さらに歌ではシャウト、フェイク、ファルセットを自在に操りながら、今まで聴いたことないようなフェイクのフレーズを絡めたり、自在にシャウトで曲を盛り上げていったり、聞いていてこのボーカルアレンジは何なんだ！っていいたくなるほど、素晴らしい能力を発揮します。Rahsaan Patteronの音楽はRahsaan Pattersonでなければ表現ができないのです。この一枚では、しっかりと彼のFUNKYさと、感情豊かなボーカルが堪能できるようになっていて見事です。彼の歌声は感情の表現者として様々な色を見せてくれて、時に優しくときに激しくFUNKYに歌い上げる様にやられてしまうことでしょう。
アルバムとしてはやはり3曲目「So Hot」のノリのよさがもう最高にFUNKYで気持ちいい！遊び心も加わっていて、聞かせてくれますよ！思わずあまりのよさにヨシって叫んでましたからね。彼の独特のシャウトの仕方や、フェイク、ファルセットが最高に味わえる一曲になっています。この一曲のために買ってもいいですよー。この他にも5曲目や1曲目、12曲目などでもこういう感じを味わえます。でもそういうノリがいいFUNKYな曲があったと思ったら、6曲目の「THE BEST」や、11曲目「APRIL'S KISS」のように優しく美しいメロディーを存分に堪能させてくれる曲もあったりしますし、エロスを感じるようなR&B的なアプローチの4曲目「BURNIN'」のような曲ではしっとりと濡らしてくれます。プロデューサーにもJamey Jaz、Van Huntが参加していたりとProduce陣もしっかりとしていて、もちろんRahsaan PattersonもそのProduce手腕を遺憾なく発揮してくれていて、FUNKYな味わいを出してくれてます！
改めて、SOULとFUNKのよさを感じさせてくれる味のある一枚に仕上がっていて、Rahsaan Pattersonの傑作だった前作「In The Stereo」に劣らない素晴らしい作品です。今年絶対買っておいたほうがいい一枚ですわ。オススメです！

オススメ:特に(3),(1),(2),(4),(5),(6),(7),(8),(10),(11),(12)

(曲解説)

01.THE ONE FOR ME

ゆったりとしたリズムに乗って伸びやかなRahsaan Pattersonの歌声が響き渡ります。様々な表情を持った歌い方でどんどんと聞くものを引き込んでいくのです。ミドルテンポなさわやかな曲調の中にもどこかFUNKYさを併せ持つその歌声！もうこの曲を聴いただけで、間違いないなと思いましたよ、このアルバム。後半にかけて感情を高ぶらせて独特の歌声でシャウトしていくのに、ただただ悶絶するばかりです。きちんと彼の歌声を満喫できる一曲です。

02.I ALWAYS FIND MYSELF

最初から彼のセンスのいいフェイクをかましつつ、ゆったりとギターの味のある音と絡みつつ、染み付くような歌い方をしていきます。もうこのなんか耳に徐々に入ってくる感じがSOULでたまらんのですわ・・・いやーやっぱこのなんか切なさとFUNKをごちゃ混ぜにしたような難しい歌でも存分に聞かせちゃう絶妙加減がやっぱり天才だなと思わせてくれます。この歌はフェイクが多用されていて、でもそれがくどくなるのではなく絶妙に歌に絡みあっていっているのは見事！なんとこの曲には最近アルバムを出したTrina BroussardがBack Vocalで参加！

03.SO HOT

もう！やばいーーー！これのためにこのアルバムは買ってもいいのです！それぐらいやばい一曲です。今年のNo.1ソングは決まった！この軽快で爽快でFUNKYなかっこよさ！まさにこういう曲を待ってたんだよー！Rahsaan Pattersonの新しい面を見せつつ彼らしいかっこいいFUNKです！もう徐々にHOOKに向かって走り抜けていくような歌声の疾走感！気持ちがよすぎます！かっこよすぎます。徐々に熱を帯びていくRahsaan Pattersonの歌声！独特の歌声なのですが、フェイクもファルセットもシャウトも混ぜ合わせながら、これほど感情豊かな歌い方をされるともう降参です。もうすごすぎ！そして、途中で遊び心の入った低音の歌声なんかも入っていて、たまらんですよ！おすすめ！踊り狂って一緒に歌っていきましょう！曲の展開的にもどんどん変わる転調とフェイクとシャウトにただただ心躍らされるばかりです。一度音が少なくなってまた盛り上がっていく感じなんかたまらん！最後のアカペラの歌声まで耳が離せないですよ。いや・・・惚れたわ。いやいや・・・惚れ直したわ。まさにSO HOTな一曲です！今年の夏はこれを聞いてドライブしましょう。この曲でもTrina Broussardがいい絡みを見せています！

04.BURNIN'

3曲目の疾走感であがった心をゆったりと解してくれるようなBURNIN'という一曲。もちろん恋愛の歌なのですが、彼のファルセットがエロスを浮かび上がらせ、妖しく艶やかに聞かせてくれます。歌に入ってくる彼の息遣いもどことなくエロスを感じさせてくれます。ギターと息遣いが曲をなまめかしく盛り上げます。横でささやくように歌ってくれる彼の歌声にやられるでしょう。

05.LOVING YOU

地を這うようなイントロのサウンドから、FUNKな一曲が始まります。SEXY,SEXY,SEXYって掛け声がまた彼の味を出していていいんですな〜。HOOKでの甲高い歌声で思いっきり歌い上げるRahsaan Pattersonがかっこいいんですよ〜。うん、これぞFUNKY SOUL!この曲ではあのVan HuntもBack VocalとProduceで参加していますよ〜。かっこいい曲書くわ〜。

06.THE BEST

フェンダーローズが美しく鳴り響く・・・ゆったりと歌っていくRahsaan Patteron・・・そしてHOOKのメロディーがこのフェンダーローズの響きをそっと支えるかのごとく本当に甘美で端麗なメロディーラインがすばらしい！気持ちがいいのですよ！このメロディーラインを考えたVan HuntとRahsaan Pattersonはすごいわ〜。張り上げてとか、メロディーラインがしっかりしててっていうのではないのですが、ちゃんとフェンダーローズの音色にあっているメロディーと歌声なのです！見事！

07.DON'TRUN SO FAST

ここで、ゆったりと始まる音数少なめなイントロから、ギュッと音が入ってきて癖になるHOOKのメロディーにやられてしまいます。体を揺らして、このギターとHOOKのバックボーカルに耳を傾けてしまいます・・・そして、ここから雰囲気を壊さないように、フェイクとシャウトを加えていく歌唱力の高さ！うーん、参ります。彼の持つFUNKYを土台に置きつつも、とてもやさしい雰囲気がたまらないバラードですよ。

08.YOU MAKE LIFE SO GOOD

包み込むようなサウンドのイントロから、じっくりと言葉をしっかりと伝えるように感情を抑え歌っていきます。そこからHOOKで独特なファルセットでガツン！って持っていってしまいます。後半にかけてFUNKYさを増していく歌声、しっかり彼のFUNKの世界がここでは出されていますよ。しぶいかっこよさを持った一曲ですわ。

09.YEAH YEAH YEAH

タイトルとはウラハラに、なんか浮遊感あふれるイントロが面白いのですが、Yeah Yeah Yeahって小刻みに歌うさまがなんか面白い一曲ですよ。最後のSAXにかけてまで、独特の雰囲気が面白い、浮遊感という言葉がぴったりくる曲です。

10.SEPARATE

かっこいいドラムサウンドが最初っからたまらない！彼らしい深く黒い〜FUNKが充満した雰囲気がかっこいい〜！独特の歌唱法にも磨きがかかっています！もうじっくり聞き入ること間違いない！徐々にその歌い方に押さえ気味なフェイクも加えて、複雑さを増していくボーカル・・・彼の熱さが凝縮したような一曲です。後半のオススメ曲！

11.APRIL'S KISS

いやー最後にまたいい曲もってきましたよ！アコースティックギターの音色が優雅に響くたまらないイントロからさわやかにでもFUNKYに歌い上げています。爽快！ノリノリで聞いてしまいます。HOOKに移って行くメロディーもたまらない優雅さがあって、それから、HOOKでフレーズを繰り返していったりするところなんか、美しいのです！この美しさと、かっこよさを見事に融合させた形が彼のスタイルでもあるのですよね〜。そして最後にかけて畳み掛けるようにいろいろなメロディーが現れて、それがすべてかっこいいのですからたまらんものがあります。

12.Secret Track

11曲目が終わった後に1分ほど無音が続いて始まるある名前もない曲です。これがいいんですよねー！かなり好きです。こういうボーナストラックでいいのがあると非常にうれしい！生音的なサウンドで、徐々に盛り上がりを見せる歌声、そしてHOOKでは、突き抜けるような気持ちがいいフレーズ！たまらんね〜。ゆったりとした曲調で、体を揺らして聞き入ってしまいます。最後まで気持ちよく聞かせてくれますよ！

(Producer)

Rahsaan Patterson:(2),(3),(4),(5),(6),(7)
Van Hunt:(4),(5),(6)
John Smith:(2)
Jamey Jaz:(3),(7)
Derrick Walker , Booker T Jones III:(2)
Jack King III and Devory Pugh:(1)
Steve "Silk" Hurley:(9)

(LINK)

www.domerecord.co.uk