Mary Mary / incredible

(概説)

Mary Maryの2nd。Pam ＆ Dodyがフォロアーとして今年一枚出していますし、Woody Rock, トーネイなど、彼女達が切り開いたコンテンポラリーゴスペルがシーンに浸透してきた今だからこそ、発売する1枚には、非常に重みが圧し掛かるのですが、その重圧をものともせず、非常に濃い一枚を届けてくれました。全体的にFunkyな歌い方が増えていて、カッコいい楽曲が多いですね。ただ、楽曲的にこれだ！という一曲がないため、ちょっと後半に行くと聞き飽きてしまいます。またボーカルスタイルが乏しいのがこのコンテンポラリーゴスペルというジャンルにいるアーティストの特徴・・・(Woody Rockは違いますが・・・もとR&Bなので)それもだいぶ克服できてるのですが、まだだなーと感じますね。

(曲解説)

01.incredible

力強いコーラスで、ぐいぐい押してくる楽曲。彼女達にしてはずいぶんビートが効いてるなーという印象を受けますが、普通にカッコいいです。最後にSTOPするのが、おもしろいし遊び心に溢れています。

02.god bless

オーソドックスなミッドテンポな曲。心地よいテンポでRapが妙にマッチしている。そして、跳ねるようなバックトラックも盛り上げてくれます。

03.he said

ビートが効いたカッコいい曲です。デュオらしいボーカルの取り方も好印象で、ドラムの音に思わずうなってしまいます。今回はRapがたくさん入ってくるのがまたおもしろい。コンテンポラリーゴスペルの方でも、Rapをする人が増えている影響なのか、前作にはない雰囲気が漂っています。最後のフレーズのサンプリングも、耳に残っておもしろい！楽曲的におもしろいのが今回は多いです。

04.in the morning

これがシングル曲！めちゃめちゃ彼女達らしいUPで前向きな曲だし、何よりサビでの声の張り方が聞いていて気持ちがいい。手拍子の音がいかにもコンテンポラリーゴスペルという感じで、笑顔がこぼれてしまいます。最後の姉妹での掛け合いが見事です。

05.ordinary people

バックトラックがちょっとチープな感じで始まるこの曲ですが、歌は他の曲と変わらず熱いです。だんだん深く深くなっていく感じと、耳にチープなトラックが馴染んでいく感じがしておもしろい一曲。キーとなる音を外さずに、音数をどんどん少なくしていくことで、彼女達の歌が徐々に引き立っていきます。

06.trouble aint

最初のギターを使った一曲。ミドルテンポで、楽曲的にもがんばってるとは思うのですが、歌い方とかデュオのボーカルスタイルがワンパターンなので、若干飽きがくるかもしれませんね。もっとゴリゴリに押していって欲しかった曲です。かすれていく様な終わり方はおもしろいです。

07.little girl

ギターのフレーズが非常におもしろい好楽曲！そして、コーラスも滑らかでツボを得ています！ミドルテンポよりもダウン気味ですが、フレーズのループが心地よくてついつい聞き入ってしまいます。音数もコーラスもあえて増やさず、最初から少ないままでいくのは、よく我慢したなーと思います。そのおかげで最初から最後までカッコいい感じに仕上がっています。こういう曲が前半にあれば・・・もっとよかったなー。

08.this love

これは、男声のサビへの入り方がおもしろい！そしてサビもループをうまく使って聞き心地よく仕上げています。Featuringの〜がいい味を出しています！このシャウトが心地よい！転調した後に琴のような音がさらに盛り上げます。このFeaturing味のある声でのシャウトがいいです！熱い！オススメじゃ！

09.i try

いかにもコンテンポラリーゴスペルのアーティストらしいバラード。じっくりと・・・でも明るく歌い上げていきます。コンテンポラリーゴスペルのバラードは、切ない泣けるというよりは、こういう暖かく明るい感じで気持ちを盛り上げてくれる曲が多いんです。その傾向に乗っ取った形ですね。ホント最後のほうは熱く熱く歌い上げています。

10.hold on

ダウンビートのUPPERな曲で、カッコよく歌っています。こういう風にカッコよく歌える女性アーティストって本当に貴重だと思います。

11.god has smiled on me

マッタリしたSOULなバラード。歌っていて気持ちがいいんだろうなーという気持ちにさせてくれる一曲です。彼女達の違った一面も見ることができるスマートな一曲です。

12.you will know

ちょっとスタイリッシュな感じがする楽曲をたんたんと歌いこなしています。こういう風な雰囲気の曲は今までになかったので、新鮮です。抑えるところは抑えて、出すところは出すという感じがあって聴いていて疲れません。

13.so close

珍しく切ない感じの一曲。きゅんとさせてくれます。ホント彼女達らしからぬ、Slow Balladです。

14.thank you

マンマなタイトルですが、彼女らのお得意のスタイルで盛り上げてくれます。ゴスペル隊のサポートも完璧で気持ちがいい！後半のデュオの掛け合いもたまらない！そして、最後にいきなりライブバージョンへと進化するのもたまりません。ここでの男性のボーカルがいかにもゴスペルという感じで盛り上げてくれます。たまにはこういうゴスペルライクな一曲もいいですね。