Lyfe Jennings / LYFE 268-192

(総評)

アコースティックギターを片手にブルージーに歌い上げるSOULアーティストLYFEのデビューアルバム！彼の独特のセンスがたっぷりといかされた一枚で、ジャケットでギターを担いでいるので、ギターサウンドだけが中心かな？と思いきや、しっかりとピアノやらなんやらたくさん入っているマルチなサウンドを披露してくれます！このしっかりとしたリズムトラックにのせ聞かせてくれる歌がまたブルージーで渋いんですよねー！でも、ブルージーだからといって、FUNKでSOULな本当のブルースっぽい感じとはまた違い、HIPHOPトラックにのせ軽快に歌い上げたり、ピアノの美しいメロディーにのって、優しく包み込むような歌声を披露したり、その幅はかなり広いです。
サウンドプロダクションも全て自分でこなすマルチアーティストでもあり、そのセンスのよさには、今後を期待させられます。かなり聞けば聞くほどよくなっていく曲が多く、最初は彼のちょっとザラッとした声の感じがいまいち気に入らないという人もいるかと思いますが、それはそれでどんどん聞くほどに味が出てくるので、何度も聞いてほしい一枚です。古い感じのSOULFULでいながら、R&Bの要素も入っている作品を求めている人にはうってつけですよー。
ただ、全部の曲が短めでありLYFEの低い声の語りが全曲入っていて、ちょっとそれはいらないかなって思うところもあるのですが、その辺がちょっとマイナス要因かなって感じです。あと、15曲目はバラードとしての完成度は高めですが誰でもがすごい！って思えるバラードでの良曲が少なかったのが、ちょっと物足りなさを後々に残してしまいます。

(曲解説)

03.MUST BE NICE

いきなり3曲目からですが、最初の二曲が数秒で終わるイントロとインタールードっていう変わった構成なのですよ。そうして、この曲では、かなりブルージーなカッコいい歌声を披露します！いやーこの絶妙なシワガレ具合がたまらない！味がある渋い声なんですよね！徐々に感情を高めていく歌いっぷりも好感が持てます。サビでのピアノのメロディーラインが哀愁漂っていて、切なくなりますよ。ここまで感情たっぷりに歌われたらたまりません。いい曲だー。

04.THE WAY I FEEL ABOUT YOU

ギターのフレーズを上手く使い、歌声をサビのフレーズに載せていくのが、すごいです！徐々に引き込まれていってしまいます。メロディーラインをなぞるように歌っていきます。渋い歌声ですが、うっとりとさせてくれるような優しい歌い方もできるその声の魅力が存分に詰まっています。短めな歌ですが、しっかりと存在感があるんですよね。

05.SHE GOT KIDS

うわ、これはヤバイ！彼の渋いブルージーな歌声をいかした、かなりカッコいい曲です！自身の声によるコーラスはあくまで艶やかなファルセットの歌声でありながら、それと対比するかのように、ブルージーにシワガレ気味に歌い上げていく様は、かなり哀愁が漂っていて、切なげなサウンドとも相まって、やばいことになっています。ファルセットコーラスと彼の地声が絶妙に絡み合うところなんか泣けますよ。

06.I CAN'T

いやはや、サウンドプロダクションが本当にこの人上手です。このイントロのギターの絶妙な説得力あるフレーズに、やられてしまうこと間違いないです！切なさ満開のサビのメロディーラインにただただ聞き入るのみです。このしゃがれ声が本当にいい具合に哀愁を漂わせていますよ、そうして、転調してからの、シャウトっぷり！いや〜歌えるねー君！っていいたくなっちゃいます！彼の良さがもっともでた一曲といってもいいでしょう。

07.HYPOTHETICALLY feat.ERIN

アコースティックギター一本で、ガンガン歌い上げていく、たぶん彼の一番オーソドックスなスタイルの曲です、こういうねーギター一本って言う曲は、R&Bっぽくなくなっちゃう曲も多いのですが、彼の曲はあくまでもR&Bっていうところから離れません。一応簡単なリズムトラックも入っているというところも、ただのギターの弾き語りじゃないぞ！って感じなのですが。その辺が、HIPHOPや90年代のR&Bもしっかり聞いてるんだなーっていうのを感じさせます。これでデュエットしてるERINという女性ボーカルがなかなかシットリとした歌声でいい感じに二人で絡み合いながら盛り上がっていきます！

08.SMILE

ストリングスも絡めた重量感あるイントロから、Lyfeも自然と彼の歌声をいかしたシャウトで吼えまくっているのが、カッコいいです！かなり心地よい雰囲気の優しさもあり重量感もあるトラックが心地よいです！いい曲ですよー。

09.GREEDY

低音のドラムの音と歌声でガッツリと歌い上げていきます。このイントロの低めのメロディーから、サビで一気に晴れやかに高音のメロディーへと変わっていくのが、心地よく一緒に歌い上げたくなります。こういうパッー前の広がるような心地よさを持った曲って言うのは、こういうより深いSOULに根ざしたアーティストにしかできない曲ですよねー。

10.STICK UP KID

ファルセットで艶っぽく歌い上げていく感じと、SOULFULに荒々しく歌っていく二つのLYFEがうまく同居した曲です。オーソドックスなメロディーラインに乗っかって、ゆったりとじっくりと歌い上げていく様がなんとも心地よいのですよねー。サウンドもピアノが中心ですし。

11.CRY

ギター一本男気勝負って感じの歌いだしですが、その単純なサウンドの分彼の拳の入った歌いっぷりがよくわかりますよ。でも、途中からのリズムがしっかりと入ったサウンドに移るところがいいんだなー。シンプルだけど聞かせることができるという、彼のサウンドの幅を感じさせてくれる曲です。

12.26 YEARS, 17 DAYS

なんか、一番古臭い〜SOULな作品です。彼のいい意味でのごちゃ混ぜ感が一番少ないかな〜と思いますが、その分、彼がカバー曲とかを披露するとこういう感じになるんだろうなーと思います。

13.MADE UP MY MIND

かなりストレートにギターの弾き語りを披露します。この辺はちょっと似た曲が多いのが、ちょっと残念ですねー。うん・・・でも、また違ったファルセットでの歌い上げとかが聞けるのも面白いです。でも、ちょっと〜メロディー的に弱いですね。

14.MY LIFE

キーボードの音色が今までとちょっと違うイントロから、ゆったりとしたなかで、たんたんと歌っていく感じが今までと違いますが、Rapも披露していたり、彼の幅の広さをまたもや見せてくれます。

15.LET'S Do THIS RIGHT

しっとりとした切ないピアノのイントロからゆったりとLyfeが歌っていきます。ボーカルグループとかが歌っていてもおかしくないぐらいにキレイなメロディーラインを持ったバラードです。後半の物凄いファルセットでの感情の表し方が凄いですよ！名曲でしょ！

(Producer)

(Musician)

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