James Day / Better Day

(総評)

今年のTOP5には確実に入るアルバムの登場です！耽美で軽やかなメロディーが胸に残る様々な名曲が、この一枚のCDに詰め込まれています！まるで往年のソウルサウンドを聞いているような錯覚に陥りながらも、全然古臭くなく、耽美で美しく普遍的な素晴らしい曲をここまで現在において追求した一枚もないでしょう！この一枚を作り上げたのが、James Day！彼は幼少期に耳の病気を患い、音楽家としての道を閉ざされながらも、努力して現在ソングライター、プロデューサーとして様々な賞を取るまでに成長し、そして、純粋に音楽を愛し、現在失われつつある、R&Bがもつ歌としての素晴らしさを現在によみがえらそうと、現在集めれるだけの、スタジオミュージシャンを集め、現在考えうる最高の歌を聞かせるシンガーを集めてこの一枚を作り上げました。もちろんソングライターとして、本当にどの曲も一度聞いたら口ずさめるほどに素晴らしいメロディーを作り上げたのです！
TONIGHT I'M YOURSという名作を残したAudrey Wheeler, Jeff Ramseyなどの実力派ソウルシンガーを招きつつ、楽器がビートだけでなく素晴らしいメロディーを奏でるという音楽の基本に忠実に作り上げた曲が多く、特に前半2,3曲目は最高峰の一枚に仕上がっています。2曲目「Better Days feat.Audrey Wheeler」、3曲目「Don't Waste The Pretty feat.Jeff Ramsey」、7曲目「Brick By Brick feat.Audrey Wheeler」のメロディーの一度聞いたら忘れない素晴らしいことといったらここ数年でも一番ではないでしょうか？これほどにソウルを感じさせながら、R&Bらしいサウンドにのった曲というのはこのJames Dayがいかに80年代を愛しているのかをよく物語っています。そして、そういうパターンだけでなく5曲目「Love's Taking Over」で見せるクールでビートに乗りつつカッコよく歌い上げる一曲！このDQuestっていう歌手がいいんですよね〜！これもすばらしい！それ例外の曲も、オーソドックスで素晴らしい曲が合ったり、素晴らしいデュエット曲があったりとなんとも耳に残り、変化にとんだ一枚になっています。最後がREMIXなので、実質9曲と短い構成でありながらも、存分に歌というのを楽しませてくれます！本物の歌がここにはあります！最近のR&Bは、軽い歌ばかりとか、シャウトはするけどメロディーがつまらない・・・と感じている人は絶対にツボな一枚です！プロデューサーのアルバムとしても、ここまで70〜80年代の黄金期のR&B,SOULを蘇らそうと、こだわってオリジナルを作りそれが成功している作品は、2000年以降見たことがありません。何よりそのシンガーの人選がこだわりがありますもの！本当にいいアルバムを届けてくれたJames Dayに感謝！こういうこだわりのある作品は今後のシーンの動向にも必ず影響を与えると思うので、2006年必ず抑えておきたい一枚です！

オススメ:(2),(3),(7),(5),(8)

(曲解説)

01.Remembe When (Intro)

ピアノ美しい音色が素敵に響くイントロです。いやー本当に雰囲気からしていいですね〜。

02 Better Days feat.Audrey Wheeler

イントロを挟んで、最初はソウルフルな力強い女性ボーカルが耽美な最高のフレーズをつむぎだし、SAXが極上のメロディーを吹き上げる素晴らしい一曲！こんなカッコよくてSOULFULでクラシックな名曲がこの2006年に生み出されるなんてだれが考えたでしょう。もう本当の意味で何十年でも聞きつなげることができる名曲です！本当にSAXの音色が素敵なのと、ここまでSAXを中心にすえたバックトラックも最近聞いたことがありません、シンプルな音作りでいながらも、魅力的で、そしてこのパワフルで真っ直ぐに響く女性ボーカルがそのSAXの力強さと、まさに相乗効果を上げています。SAX奏者〜の力も見逃せません。

03 Don't Waste The Pretty feat.Jeff Ramsey

2曲目の女性ボーカルから一転ソウルフルでダンディズムの詰まった男性シンガーJeff Ramseyをボーカルに据えて、ゆっくりと歌い上げます。こういうボーカルがガラっと曲調に併せて変わるのも、Producerアルバムの醍醐味ですね。この曲も一度聞いたら忘れないメロディーと素晴らしい歌声に、やられます。こちらでは、さりげない懐かしいシンセがいい味を出しています。どっしりとしたコーラスに併せてメインボーカルがソウルフルなフェイクで答える最高級の絶品ソウルです。

04 She's Not The Girl feat.Audrey Wheeler

ホントどの曲も素晴らしい・・・2曲目と同じシンガーが、今度はもっとしっとりと女性らしく歌い上げていくタイトルどおりの大人な女性を歌い上げた一曲！間奏からのJazzyなピアノの演奏がたまらないのです・・・こういうバックトラックがいいと、よりシンガーの魅力も引き立つというものですね！このAudrey Wheelerはシャウトで吼えたときの唸り方がなんともたまりませんね。メロディーセンスもここまで素晴らしいの一言です！

05 Love's Taking Over feat.DQuest

5曲目では、一気にビート感満載なクールな一曲を見せてくれます。これがもうツボ！もっとソウルフルでハートフルな作品が多いのかなと思っていたので、意外でした！でも、このノリの良さはもう思わず踊らずにはいられません！ストリングスが絶妙なメロディーを奏で、その上をDQuestというシンガーが豪快な歌い方で歌い上げていきます。時折魅せるソウルフルな歌い方も、余裕みたいなのが感じられて、この早めなテンポの曲を乗りこなしているのがよくわかります。

06 One Good Thing feat.Jill Zardeh

今度は一気にテンポを落として、女性シンガーのJill Zardehという人を招いて、美しいファルセットボイスで歌い上げます。ゆったりとセクシーに歌い上げ、その美しいボーカルを包み込むようなピアノの音色にウットリとさせられます。どの曲もメロディーが印象的で一度聞いたら忘れないそんなキャッチーさを持っていて、バラードでありながらもJames Dayのその辺のうまさをこれでもかと感じさせてくれます。

07 Brick By Brick feat.Audrey Wheeler

シングルにもなった、ここでもメインシンガーの一人であるAudrey Wheelerを招いて、James Dayの名曲の一つを歌い上げます。このどこかで聞いたことあるフレーズ！でもそれがオリジナルであり、そして一緒に口ずさめるほどに、シンプルなところが素晴らしいのです！シンプルであるからこそ、Audrey Wheelerの歌のうまさやシャウトやフェイクの素晴らしさも引き立ちます。これほどのカッコよくてシンプルで覚えやすいメロディーを持った曲って80年代〜90年代ってたくさんあった気がするのですが、最近ではこれほどメロディーを重視した曲がないので、貴重な一曲です。ひさびさにどっぷり浸かって聞ける名曲に仕上がっています。

08 Can't Argue Like This feat.Jeff Ramsey

男女が穏やかに優しく絡み合う大人なデュエット曲！心地よく穏やかに流れていくメロディーに心表れながら、Jeff Ramseyのソウルフルな歌声の広さに抱かれてしまいます。女性シンガーはLorendaという人なのですが、彼女もここでしか出てきませんが、相当な実力があるシンガーだというのが、この絡みっぷりからすぐにわかります。緩やかに歌いながらも、徐々に盛り上がり、フェイクをかましていくところなんて、最高です！大人な空気を味わえますよ。

09 Remember When feat.Catherine Russell

クラシカルでピアノ一本で歌っていく良曲！ここまでオーソドックスな曲をやってくるとは・・・さすがです。Catherine Russellもじっくりと壮大に歌い上げていき、感動的なソウルへと昇華しています。こんなオーソドックスでクラシカルな作品が今の時代に聞けるとは・・・しかもありきたりというのではなく、オリジナリティーもしっかり入っているところがこのJames Dayの素晴らしいところです。

10 Will You Still Believe feat.Catherine Russell

同じくCatherine Russellがアコースティックギターのサウンドにのって緩やかに歌いつむいでいきます。このアーティストは派手さはないぶん、こういうアコースティックサウンドでは抜群の相性を魅せてくれます。こういう人選のうまさもJames Dayの実力の一つでしょうね！緩やかに流れる穏やかな午後の時間のような木洩れ日こぼれる心地よい時間をすごすことが出来ます。

11 Better Days (Stepper's Mix)

2曲のStepper'sというか、HOUSEなミックス。ノリがよくて心地よくすんなり聞くことが出来ます、ソウルフルなサックスを大きくFeaturした2曲目と違い4つ打ちの打ち込みで、ビートにのせて聞かせてくれ、また違ったノリの良さを重視したサウンドに仕上がっています。

12 Don't Waste The Pretty (Remix)

ここでも3曲目のRemix！思いっきり歌の構成を変えて、今度はギターを中心に見せてくれます。この辺のSOUL OnlyじゃないCLUBでもかけれる踊れるサウンドに仕上げれるのが、やっぱりJames Dayが若さも持ち合わせているProduerであることを示しています。本当にすごい人ですね〜！

(Producer)

All Lyric and All Melody and All Music by James Day
Dow Brain & Brad Young:(1),(2),(6),(7),(8)
Darren Polite:(3),(4),(7)
Mark Mallory:(5)
Jon Albrink & Jim Cately:(9)

(Musician)

Keyboards & Programming by Dow Brain
Guitars & Programming by Brad Young
Saxophne by Joe Cunningham
Additional Vocals on Don't Waste The Pretty by Anthony Dixon
Additional Vocals on She's Not The Girl by Jeff Ramsey

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