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HI-D / ME II YOU

01.Don't Stop
02.Light Up
03.Slow It Down (interlude)
04.スキナキモチ
05.Be With You
06.MY LIFE
07.Baby Girl
08.Better Man feat.LEO
09.Live On Direct (interlude)
10.Can I Getta feat.MIHO BROWN
11.Drop Drops (interlude)
12.Vanilla
13.Loveholic
14.PROCEED
HI-D / ME II YOU

(総評)

日本のR&Bのメインストリームを作り上げたHI-Dが2005年最後にドロップする傑作R&Bアルバム!HI-Dの通産3枚目となるアルバム「ME II YOU」。そのタイトルどおり、恋愛を中心の軸においた、よりR&Bの根幹たるMake Loveや恋愛について語った前作よりもよりリリックに入り込める一枚です!
1st,2ndAlbumのHI-Dといえば、HIPHOPとのコラボレーション!というある意味HI-Dの型を作り上げた作品だったのに対して、この3rdアルバムではHI-Dの歌と声により焦点が向けられており、そのメロディーラインの素晴らしさと美しさにやられてしまいます。この3rdこそHI-Dの本質的な歌の部分を存分に感じ取れる出来になっていて、このアルバムの前にHIPHOPのストリートの雰囲気を詰め込んだTWIGYとの一枚があったことで、より聞き手にもこのような歌という部分を意識させてくれます。これがいい方向に転んで、HI-Dの新たな歌本来の魅力をグンっともう一歩引き出すことに成功しています。そして、改めて聞いていると、HI-Dは実に美しく面白いメロディーラインを書く人だなと、びっくりさせられました。なかなか他の人では出せないメロディーとかがたくさん詰まっています。もちろんHIPHOPとの融合をやめたわけではなくその中にも、メロディーラインやフレーズにトラックなどの様々な中にさりげなくHIPHOP要素を埋め込んだり、R&Bでしかだせない、メロディーラインの面白さを聞き手に教えてくれたりしています。
2曲目「Light Up」では、HI-Dの素晴らしい歌を堪能できます。この曲のメロディーラインは凄すぎます。メロディーへの言葉のはまり方がたまらないのです。力を与えてくれるような胸を突き抜ける力強さを感じさせてくれる曲で、Sweetなアルバムの要所要所で盛り上げてくれます。UTAさんによる7曲目「Baby Girl」でも、HI-Dらしいリズムを絶妙にのりこなす癖になるフレーズで聞き手をぐいぐいとひきつけ、10曲目「Can I Getta feat.MIHO BROWN」で、全然1st、2ndの頃と変わらないHIPHOPサウンドを絶妙に織り交ぜて、単純なバラードアルバムにせずにR&Bアルバムの中にHIPHOP的な盛り上げ方も随所に入れてくれます。
一方、女性と二人とのジャケット写真が物語るように、今までの恋愛駆け引きよりも、女性への愛情や恋愛の楽しさなど、より深い愛に重点を置いたリリックが多くて、そういう視点からも楽しめる一枚になっています。その他にもHI-Dらしい元気を呼び起こすような曲もあったりリリックも適度にバランスが取れていて、自然とリリックの中にすんなりと入っていけます。特に1st「Missing You」, 2nd「Without You」と続く三部作「Be With You」でのリリックは3曲続けて聞いてこ恋愛としてのその深みがあったり、6曲目「My Life」ではHI-Dの暖かさを感じることができたり、8曲目では、JOYCEのリードボーカルであるLEOとの日本では本当に珍しい男性同士のデュエットを見せてくれます!これがお互いに味を出していていいんですよね〜。12曲目「Vanilla」では、恋愛の一瞬に潜む喜びを見せてくれます。HI-Dから届いた愛を深めることができる一枚です。
そして、この作品では、プロデューサー陣がとても面白く、REOやShing.Sなど以前から交流のあるプロデューサーに加え、今井了介氏のTiny Voiceから、UTA,USK、そして、長年のBack DJを勤めてたDJ HALなど新しいプロデューサー陣も加わっているのが、常に前進するHI-Dらしい人選でした。最近インターネット上では、様々なサウンドメイカーが出てきていて、その力をいち早く使うことで、より新しい風を常に自分に入れていって、常に新しいHI-Dを聞き手に提供することに成功しています。
歌アルバムという評価が高いと思いますが、これはよりHI-Dの根本であるR&Bとしての本質をよりストレートに表現した素晴らしいR&Bアルバムです。

オススメ:(2),(4),(6),(5),(7),(8),(10),(12)

(曲解説)

01.Don't Stop

HI-Dの前向きな姿勢が、詞にも曲調にもでたUPテンポな爽快な雰囲気の一曲!ところどころで入るフェイクが、さすがHI-Dというべき、絶妙さです。そして、サビのベタともいえるぐらいのノリの良さが、逆に気持ちがいい!思わず、リリック通りに手を高く挙げて、横に振りたくなります。とてもポジティブな気持ちになれる爽快感がたまりません。HI-Dの充実振りがこの一曲からわかりますね。

02.Light Up

HI-Dらしい力強いUPビートに乗って、熱いSOULを歌い上げる一曲!「駆け抜けるスピード上げてLet's Go!追い風を感じたらもっと先へ〜」というHOOKのメロディーに一発KO!これしかないっていうぐらいハマっている歌詞と、ファルセット気味に声が高くなっていくところなんて、胸をドキドキさせてくれます。胸をと熱くさせる高揚感に包まれます、ホントSEXYでカッコイイですよ。HI-Dの力強いリリックが聞くものに一歩を踏み出す力を与えてくれます、HI-Dは常に聞き手を前向きにさせてくれる力がある曲を作ってくれ、それに答えたいと思わせてくれます!HI-Dの作り出すメロディーラインってなかなか日本人には出せない色を持っていて、面白いのですが、それがよく出た一曲で、1stからの付き合いのREOが素晴らしいトラックを提供していて、軽快に盛り上がる熱い曲を、より情熱的に盛り上げてくれます。ここまで軽快にこのサウンドを乗りこなせる、日本でも数少ないアーティストでしょう。

03.Slow It Down (interlude)

美しいメロディーのInterludeで、最初の2曲で上がった気分をうまく緩めてくれます。インタールードの使い方も上手だよね〜。

04.スキナキモチ

この曲もとても耳と心に残るメロディーラインが、心地よく胸に響いてきます。「スキナキモチ」というカタカナな言葉に込められた、どことなくこの言葉を見たときに受ける堅い感じが、恋愛を一番に考えたいんだけど、考えられないどこか、恋愛を育てていくときのモドカシサを、よく表しています。この曲も、サビのフレーズがもう絶妙!それしかないよなっていいたくなるぐらいに、音とサウンドに合ったリリックがすんなりと耳に入っていきます。パァーと前が開けるように、広がりがあるサウンドと歌が、きっと苦しみながらも前進していく二人の未来を予感させます。このアルバムではすごいポジティブな恋愛の歌が多くて、恋人達にもお薦めです。REOのプロデュースは今回は、絶妙にHI-Dとマッチしてますね〜。

05.Be With You

1stアルバム「Missing You」、2ndアルバム「Without you」と二つの歌の続き物として作ったというYOUがらみの正統派バラード!二つの曲の、失恋から、失った悲しみへと、そして再び出会う喜びをHI-Dのステキなリリックに載せて、丹念に歌い上げていきます。Boyz II Menのような綺麗なボーカルワークを見せながらも、その中にところどころさりげないメロディーラインなどでHI-Dらしさを見せていて、面白い一曲です。ただのバラードになってしまうと、サウンド的につまらないのですが、歌詞や歌い方の中に絶妙にR&B的な要素を織り交ぜて聞かせてくれます。そして、最後の英語のメッセージに、それぞれの曲のタイトルが、

06.MY LIFE

とても、ハートビートにのった心地よい雰囲気を味あわせてくれる一曲です。HOOKでの広がりを見せてくれる展開が素晴らしい!HI-Dのたっぷりの愛情が、この曲には入っていて、本当にステキなリリックにうっとりとして聞き入ってしまいます。個人的には、「今までになかったぐらい幸せなんだってわかる」の最後の”わかる”の言い方が絶妙すぎ!気持ちいい〜!そして、「君と君のママに感謝するよ」っていうのが、R&B好きな人たちには良く聞くフレーズで、一瞬お?って思わせてくれたり、曲のよさ以外にもとても面白い要素が多い曲です。この曲を聴くと、とても、素直な愛情を抱くことができて、僕はこの曲が大好きです。HI-Dの今までの恋愛感のなんか集約じゃないけどそういう優しさを詰め込んだような曲に感じましたね。この曲はアルバムに収録のPVを見ると意味がわかりますよ。

07.Baby Girl

今までのスローバラードの雰囲気をここで一気にUPテンポに、ちょっと愛情よりも出会いへ期待感を歌ったHI-DらしいCLUBでの出会いナンパの雰囲気を歌ったような曲!この欲の情景描写が実に見事で、そのときの女性との出会いの一つ一つが目に浮かぶようです。そして、この曲が、今話題となっている新鋭トラックメイカーの一人であるUTA (from Tiny Voice Production)が作ったトラックなのです。まさに新鋭のトラックメイカーたちの旬な人たちを今井了介さんを介してですが、使うHI-Dのチャレンジ精神にも敬服します。そして、それに見事答えているUTAさんも見事ですね。

08.Better Man feat.LEO

JOYCEのリードボーカリストLEOとの、日本では珍しい男同士のデュエット!USでは、Aaron HallとCharlie Wilsonやら、Caseやら、いろんなアーティストがサントラなどで見事なデュエットを披露していますが、男性R&Bが本当の意味で広がりを見せつつある今、大切な一曲だと思います。そして、二人ともLEOの甘いちょっとネチッこいボイスとHI-DのすっきりとしたSweetボイスがお互いを高めあっています。ちょっと男の女性から見たらわがままなのかもしれない気持ちをさりげなく見せて、男臭いバラードを見せ付けてくれます。こういう男性視点的な真っ正直なバラードってなかなか日本ではないかもと思ったりしています。男性って恥ずかしいからそういう誓いや思いを見せないのが美徳的なのが今もあるからね。でも、ここでは二人がこれでもかと歌い上げてくれます。

09.Live On Direct (interlude)

ここで、昔からのバックDJとして勤めているDJ HALがProduceとスクラッチで参加!なんかうれしくなりますね〜。ちょっとこころブレイクタイムとHIPHOPらしさを少し取りもどします。

10.Can I Getta feat.MIHO BROWN

HI-Dでの女性のボーカルといえば、この人MIHO BROWN!UPビートなサウンドにのってHI-DのHIPHOPの側面をここで思いっきりだしてきます。HI-Dは、リズムへの乗り方がやっぱ、他のアーティストの数倍うまいんだよね〜。そして、MIHO BROWNも以前にまして素晴らしい歌とリズム感を見せてくれます。CLUBで絶対にコール&レスポンスしたくなるこういう曲をちゃんとアルバムに入れるから、HI-Dのライブは面白いんですよね!とてもスリリングなリリックの流れも面白いですよ。この曲を入れることで、アルバム全体としてのバランスがうまく取れていています。

11.Drop Drops (interlude)

しっとりとした、これもDJ HALによりProduceのInterludeで、HIPHOPな時間に幕を落します。この曲の主役はバラードなんだよとでもいいたげに。

12.Vanilla

哀愁漂うギタートラックにのって、シンプルに歌いこなし、HOOKで一気に盛り上げるHI-D!シンプルだからこそ、この盛り上がり方がジーンと響きます。何気ない日常での愛情と、そのVanillaのようなその一瞬の唇のふれあいを情熱的過ぎるほどに歌い上げます。その聞き手に手に取るのように実感させるそのリリックが、そのやわらかく、いとおしい瞬間を想像させてくれます。ステキな瞬間でそんな瞬間を味わいたくなる一曲です。ここでも、Tiny Productionから、新鋭のトラックメイカーUSK TRAK a.k.a.SHORT-Yが参加しています、シンプルなサウンドがとても生きている一曲だと思います。

13.Loveholic

しっとりとした粘着性ある歌が、相手への盲目的なほどの愛情の深さを歌い上げています。病的なほどに一人の女性に愛情を注ぐ男と、相手からの愛情のバランスが取れない不安定さがうまく詞の世界にも出てるし、その不安定さをシンプルだけどどこか哀愁漂うトラックがよく雰囲気をだしています。この曲もUSKさんのトラックなのですが、シンプルなんだけどいろんな表情を持っていて様々な曲が作れるんだな〜と感心させられます。

14.PROCEED

最後は、ちょっとしっとり濡らした後は、落ち着いた歌声の中にしっかりと力強い言葉をのせて、歌い上げていきます。やっぱりHI-Dの言葉ってすごい素直に心に入ってくるよなと改めて思いました。女性のボーカルがさりげなく入っているのですが、HI-DのHOOKのメロディーをより魅力的にしています。

(Producer)

Shingo.S:(1),(5),(14)
REO:(2),(3),(4),(6)
UTA fro Tiny Voice Production:(7),(8)[Track Produced]
Ryousuke Imai for Tiny Voice Production:(7),(8),(12),(13)
DJ HAL:(9),(11)
TRAK a.k.a SHORT-Y:(10),(12),(13)[Track Produce]

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