Gerald Levert / G-Spot

(概説)

ベテランGerald Levertの？作目・・・まあ、新作っす。これが彼の懐の深さを改めて感じさせてくれる快作。いきなりだみ声Rapper MystikalをFeaturingして、カッコいいUPを見せたかと思えば、スムースなバラードで爽やかに聞かせたり・・・どうしたんだ？といいたくなるぐらい前作のSOUL臭さというか、エロエロっぷりはあっさり消えてます・・・いやでも、作品としての完成度は今までで最高といえる素晴らしい出来だと思います。
全体にスムーズに聞けるし、タイトル曲「G-Spot」でのおっさんのあえぎっぷりは、アホっぽくて好き。つーか、普通男のあえぎ声は入れないでしょ。でも、ファルセットの使い方とかはすごいなーと思います。曲のクオリティーはすさまじく高いです、まだまだ素晴らしい作品を作れるということを証明しています。
他人のプロデュースにはあまり顔を出さない彼ですが、たぶん、これは、他人が歌うとさらにしっくり来る曲だろうなという曲も何曲かあったりします。きっと父親(OJay's)の活躍が相当作品作りに影響を与えていることでしょう。しっとりとした曲達は、すんなり耳に馴染んできます。あと、もう少しエロエロな雰囲気がある曲が多ければ名作になったことは、間違えない良作です。
でも、やっぱりね・・・彼に求めるものはこういうものじゃないんですよね・・・うん。確かに超絶バリトンとかそういういい声とは言いがたいので、こういうちょっと微妙な路線になるのはしょうがないんですが・・・もっと、グッと盛り上がるところは盛り上がる感じの、そう前作のSOUL MATEみたいな曲を聴いちゃうと・・・ちょっと物足りないかも。でも、他のアーティストの作品に比べると素晴らしいのです。このベテランでこの挑戦的な一枚を出せるということに敬意を払いたいと思います。

(曲解説)

01.Too Much Room feat. Mystikal

もう、これは意外としかいいようがない組み合わせ・・・正直ビックリでしたが、これがMystikalの声が入るとこの曲がビッと引き締まってカッコよく聞こえてくるからMystikalの声っておもしろいです。そして、Coolに歌いこなすGeraldも素晴らしい。思わずうなってしまう今風のカッコいいUPですが、アルバム全体から見るとちょっと浮いてしまっているのが惜しいかな。

02.Since You Ain't Around

一気にスローへ。このアルバムの雰囲気を代表する曲で、スローなんだけど、甘すぎないっていう微妙な感じです。爽やかさとスローなまったり具合が絶妙に混ざり合ってる、おもしろい曲だと思います。

03.Wilding Me Out

徐々にまったり具合が増していきますが、消してエロイ方へは向かわないのが、このアルバムのミソ。でも、Hookでのファルセットがなかなか綺麗な一曲です。徐々に盛り上がっていく感じが彼らしい曲構成です。

04.Funny

爽快なバラード。このもったりとしたテンポの進み方がなんとも、いい感じ。

05.The Top Of My Head

アフリカンな打楽器の音が軽快に鳴り響く中、Geraldのファルセットが冴えます。なんか、エロエロな空気感を漂わせる一曲。このスムーズな感じが夜の雰囲気を出していていいですねー。

06.The G Spot

すさまじい・・・なんと、おやじのあえぎ声を聞くことになろうとは・・・うーん、すごい。ファルセットで畳み掛けるようにコーラスが入るなど、曲としてはマッタリしてながらも、熱くカッコいい！こういう曲作り出すから、ベテランはたまりませんねー。一歩間違えば変態ですけどね〜。

07.What A Night feat. Roy Ayers

スムーズなリズムの中、思わず腰が動いてしまうようなサウンド。押してはかえすよなスムーズなリズムが気持ちが良く、途中で鳴り響く木琴の気持ちのいい音が印象的です。

08.Closure

Geraldらしくないストレートな綺麗にまとまったバラード・・・曲としては、とてもステキなのだが、彼の声ではちょっと表現力に乏しく感じてしまう・・・。こういう曲は、声に張りがあるアーティスト向きかな。

09.Raindrops

Smoothyなサウンドの中、ボトムの効いた音がカッコいい曲。サビでの押しの強いもったりしたGeraldの歌声が効果的に曲にアクセントをつけます。このテンポで曲が進むのが気持ちがいいし、最後の方にかけてのGeraldのシャウトっぷりは見事です。熱い熱い心意気を感じられる歌い方で、見事に歌い上げている名曲です！

10.Your Smile

往年のSOULな雰囲気を感じさせてくれる彼らしい雰囲気の一曲です。こういう曲も入っているからおもしろい。この懐古的な雰囲気の一曲があることで、このアルバムの良さを引き立てています。ゆったりと安心して聞ける曲です。

11.Backbone

Gerald Levertが得意なマッタリとしつつ、徐々に盛り上がっていく感じの一曲。この声だからこそできる一曲でしょうね。こういう風に力強くうちに込めた歌いかたされると、心打たれてしまいます。

12.Catchin' Feelings

もったりまったりとした曲展開の一曲。後半のいかにもバラードっぽい壮大なメロディー展開も新鮮でおもしろいです。だが、特徴に欠ける曲でもあります・・・あまりGeraldの型にはまった感じがしなく、ずっとこれかよといいたくなる・・・いや、たぶん違う人が歌うと名曲なんでしょうけどね。

13.All That Matters

最後に爽やかで、勢いのあるSOULな匂いがする一曲。こういう曲でこそ彼の声も栄えてきます。明るい生き生きとした感じがする良曲です。

(LINK)