Frank McComb / The Truth Volume One

(総評)

現代的なJazz&Soul作品として、そういう嗜好を持つ方々に受けた一作目「Love Stories」からさらにJazzyな演奏に磨きをあげ、よりSOULFULに仕上げた70年代を髣髴とさせる歌いっぷりが見事なFrank McCombの2作目である。彼はBranford Marsalisのヒップホップ・ジャズ・プロジェクトによる2作品「Buckshot LeFonque」と「Evolution」でボーカル／キーボード奏者として頭角を表し、Colombiaよりアルバム「Love Stories」('00年)でメジャー・デビュー、Chaka Kahn、Teddy Pendergrass, Phyllis Hyman, Philip Baileyら、大御所と共演しています！
　このアルバム、まさに極上ソウル・アルバムというに相応しく、2曲目からのSOULっぽいサウンドが満載です。！また彼自身はキーボード奏者であるので、1曲目から素晴らしい演奏を聞かせてくれています。このFender Rhodes PianoがSOULっぽいサウンドにJazzな雰囲気をも持たせています。まさにClassicな雰囲気！部屋で落ち着いてまったりと聞ける良曲がぎっしり詰まっています。
　何より聞いて欲しいのは、サウンドの空間全体を引き込むような躍動感！もう生で聞いたら失神ものでしょう。演奏も素晴らしいのはさることながら、ここまで古い雰囲気を出せるこのメンバーがいいです！Steve Harveyを中心に集まって、さらにキーボード奏者のFrank McComb自身が素晴らしい！この方、Fender Rhodes Pianoと、Moog (全部古い電子ピアノ、オルガンの一種です、ネットで調べたらでてきますよ！)を演奏させたら、右にでるものがいないというほどのうまさ！それでいて演奏も歌もバランスが取れていて、聞くもののツボを得たサウンドです！まさにSOULな歌を聞かせながらも楽曲の根底に流れているのはJAZZな雰囲気です。Hammondの演奏やドラムやギター、フルート全ての演奏が素晴らしいです。特にドラムは地味にすごいいい音だしていますよー！ここまで完璧でかつ表現力に溢れた楽曲ってなかなか出会えません。あまりに素晴らしいので、バックの演奏者を下に全部書いておきました！そして、このサウンドに負けない素晴らしいFrank McCombの歌声は、まさにStevie WonderやDonny Hathawayの再来と言われてもおかしくないほどSOULFUL！去年のDONNIEを引き合いに出してもいいぐらい！実際、彼らとは若干声質が違うのですが、独特のタメや、その声に籠もっているものが本物を感じさせてくれます。さらにこの一枚では、2曲目「Whatca Gonna Do」にLedisiがバックボーカルとソングライトで、7曲目「When You Call My Name」にDONNIEがソングライトで参加しています。特にDONNIEのこの曲は近来稀に見るほどのSOULの名曲！もちろんFranck McCombの演奏があってこそですが！今後この辺の本格的なCLASSIC SOUL SOUNDは見逃せないかもしれません。今後もProducerのSteve Harveyも含めこの辺が絡み合うと驚くべきSOULの復興が起こるかもしれません・・・・おぉ、SOULの復興が始まった！！！
　歌声が素晴らしいだけじゃ・・・バックが凄過ぎてもなーと、両方に若干の物足りなさを感じる人には、これほどピッタリのアルバムはありません！きっとブラック好きもJazz好きも両方を満足させてくれるそんなアルバムです！ゆっくりと部屋で聞きたい一枚ですね。こういういいアーティストはずっと出してもらいたいですねー。JAZZ界に足突っ込んでるからこそ2枚目が出せたんだろうな〜。Jazz界はなんだかんだいってアーティストを大事にしてくれるから好きですね〜。

　実はProducerのSteve Harvey(同名で有名なコメディアン兼司会者(The Steve Harvey Showは有名)兼ラジオパーソナリティーがいますが、違う人みたいです。こちらはこちらで、コンピで「Sign Of Things To Come」を企画しRahsaan Patterson、Dave Hollisterなど総勢13人の有名アーティストが名曲を提供しているので知ってる人もいるかも！)を知ってる人は極少数かと思われますが・・・地味にSOULとJazzの境でいい仕事をするプロデューサーなのです。そうこの名前最近・・・聞いたことあるなーと思った人は通ですね。なんと！去年素晴らしいSOULFULなALBUMを届けてくれたDONNIEの「The Colored Section」の全面プロデュースもしています、ちなみに次に紹介するImpromp2「The Definition of Love」でもProduceを手がけています。どことなくDONNIEのアルバムの雰囲気と似てるな・・・と思った人は、勘が鋭い！間違いないです！どこか明るい太陽のような温かみのあるSOULを展開してくれる彼のProductionは見事なものです！今後この方の名前を見つけたら要注意！

オススメ:(1),(2),(3),(5),特に(6)

(曲解説)

01.Shine

まさに太陽のような日差しのぬくもりを感じさせる一曲。最初のFender Rhodes Pianoと、Drumsの競演が見事です。そしてゆっくりとかみ締めるように歌いこんでいくMcComb。Flutesが奏でるメロディーに乗って、Fender Rhodesが響き渡り、明るさは頂点へと達します。サビで本当に目の前がぱぁ〜と明るくなるような錯覚に陥るのは、不思議です。HOOKでのFrank McCombの抑えながらも、グッと胸に響く熱唱が気持ちがいいです。最後のFender Rhodesの独奏はかなり素晴らしいですよー。いやーJAZZYな雰囲気もあるいい演奏です。素晴らしい一曲ですね。7分もある曲ですが、あっという間にこの演奏に聞き惚れて過ぎ去ってしまいます。

02.Whatca Gonna Do

この一曲がまさにStevieのような爽やかさとSOUL臭さを併せ持った一曲。なんとこの曲ではBack VocalであのLedisiが参加しています。Ledisiの渋い歌声とFrank McCombのSOUL臭い歌声が合わさるとなんともいえない、SOULFULな曲が展開されます。ギターやHornsの音も渋く〜鳴り響いていきます。ここでは、McCombは、Wurlitzer pianoで、地味にうまい演奏を披露しています。

03.Never Letting Go

Flutesの音色とFender Rhodesが低音で渋く絡み合い、ダークでカッコいい一曲が始まります。前二曲と比べるとゆったりとDarkな雰囲気をもたせた一曲で、Frank McCombの歌声もしっとりと濡れた声で、まったりと聞かせてくれています。後半でのDrumsの味のある打ち込みがなんともカッコよいのも聞き所。そして、Moogというオルガンが織り成す、不思議なちょっと高音で響き渡るような音が、曲にちょっと怪しげでDarkな雰囲気をもたせています。この音が、Flutesと絡み合ったら〜もうたまりません・・・卒倒モノですね。音を楽しめる一曲ですよ〜。

04.Do You Remember Love

ギター、ベース、ドラムが主になって、ドンドン引っ張っていくIntroが、Rockな雰囲気ももつJazzって感じで、カッコよく前曲のまったり具合をグッと引き締めます。ベースの演奏がFunkyでカッコいい！Frank McCombの歌声もちょっと力強くなり、このギターベースのサウンドに負けていません！渋い〜魅力を持った一曲ですね。

05.Fllos

Fender Rhodes Pianoが魅惑的に鳴り響くIntroから、Frankの気合の入ったシャウトが入り曲調は一気にSOULFULな世界へ！この怒涛の展開にもバンドはしっかりと支えあげています。特にドラムは素晴らしい・・・このSteve Harvayって人すごいなー。途中の転調からのパァ〜と明るくなる感じがなんとも言えません！気持ちがいい〜！バックグラウンドVocalとしてのFrank McCombの歌い方もあくまでMainのシャウトを盛り立ててツボを得ていますねー。そして、あまり余計な楽器がなくベースとドラムのリズム隊だけなので、メロディーを紡ぐFender Rhodesの音色が一番楽しめる一曲かもしれませんね。

06.When You Call My Name

まさにDONNIEのソングライターとしての素晴らしさをまざまざと見せ付けられた作品となりました・・・今の時代にこれほどSOULFULな楽曲をかける人間がいたなんて・・・。まさにR&BではなくSOULそのもの！これカバー？とか思うぐらい素晴らしい！そして、これを歌いこなすFrank McCombの歌唱力や表現力にも舌を巻きます・・・この二人今後も是非絡んで欲しい。歌い手としてのDONNIEをFeatでも面白いと思います。ここでは、Harpが効果的に使われて、ストリングスも曲を盛り上げます・・・グランドピアノは、Frank以外が弾いていて、あくまでFrank McCombは歌い手に徹している・・・そりゃー素晴らしい作品に仕上がるわけです。最後の一気に盛り上がる瞬間なんて、McCombの歌声がパァ〜と空間に溢れ返り、天にも昇る気持ちになるほど・・・心地よい。本当にすごい一曲なんですよ・・・是非多くの方に聞いて欲しいですね。

07.Actions Speak Louder Than Words

ファンクなIntroから、Hammond β3というオルガンの音がいい感じに響きます。ネットリと歌い上げていくMcCombの歌声がこの音と絡み合い不思議なFUNK WORLDを作り上げています。本当に最少人数で作っているのですが、Hammondというオルガンの力なのか、あまり音数が少ないようには感じず、むしろBassやドラムと絡み合い分厚い音を聞かせてくれています。

08.Cupid's Arrow

不思議なギターのつまはじく音とPianoが奇妙に絡み合うIntroから始まり、優しげなGuitarとMoogの音色が、この曲に暖かさを付け加えています。タイトル通り天使の矢のようなステキな温かみに包まれるようなFrank McCombの歌声が心地よいですねー。

09.Better Off Without You

ゆったりとしたIntroから、HOOKでは、少しFunkな雰囲気も加えながら、ゆっくりと見事にシャウトしていくFrank McComb！Hammondの音色がここでも効果的に使われていますねー。初めて知りましたが、素晴らしい楽器です。FUNKYでGROOVEYなサウンドがたまりません。最後のシャウトとHammondの音色の絡み合いもたまらなく、渋くてカッコいい一曲ですよー！

10.Intimate Time

ここでは初めてFrank McCombがグランドピアノを弾いています。ゆったりと歌いつないでいくバラード。しっとりと濡れる夜露が感じられるような一曲です・・・ピアノでこんな弾き語りされたらたまらんなー・・・最後を締めくくるに相応しいバラードです。

11.Sine (Bonus Mix)

1曲目のストレートな感じとは違って、一癖ありそうなFUNKYな雰囲気を醸し出しています。トランペットとBassが渋く〜サビを盛り上げてくれます！後半ではFlutesも絡み合い、グッと締めてくれますねー。これはこれでカッコいいFUNKなREMIXですね！

(Producer)

All songs produced & mixed by Steve "The Scotsman" Harｖey
(1)
written by Steve Harvey / Frank McComb
lead & backgraund vocals: Frank McComb, Fender Rhodes Piano: Frank McComb, Bass:Bobby Watson, Flutes:Luis van Taylor, Guitar:Jimmy Macon, Harp:Lori Andrews, Drums, Percussion, keyboards:Steve 'The Scotsman' Harvey
(2)
Written by Bobby Watson / Steve Harvey /Ledesi
lead vocal & Wurlitzer piano:Frank McComb, Background vocal:Ledisi, Bass&Gtrs:Bobby Watson, Horns:EWE Horns, Horn Arrangement, Drums, Percussion, Keyboards: Steve 'The Scotsman' Harvey
(3)
Written by Frank McComb
Lead & background vocals:Frank McCoumb, Fender Rhodes Piano & Moog: Frank McComb, Background vocals:Ashley Ta'mar, Flutes:Luis Van Taylor, Bass:Bobby Watson, Drums&percussion:Steve 'The Scotsman' Harvey
(4)
Written by Steve Harvey / Frank McComb
Lead & background vocals:Frank McComb, Wurlitzer Piano & Moog:Frank McComb, Background Vocals:Ashley Ta'mar, Guitars:Jimmy Macon, Bass:Bobby Watson, Drums&Percussion:Steve ' The Scotsman' Harvey
(5)
Written by Frank McComb
Lead & background vocals:Frank McCoumb, Fender Rhodes Piano:Frank McComb, Bass:Bobby Watson, Drums & percussion, additional keyboards:Steve 'The Scotsman' Harvey
(6)
Written byDonnie Johnson
Lead vocals:Frank McCoumb, Grand Piano:Wayne Linsey, Harp:Lori Andrews, Cellos, Violas & Violins:Mark Cargill, String arrangement / Moog & Percussion:Steve 'The Scotsman' Harvey
(7)
Written by Frank McComb
All vocals & Wurlitzer piano:Frank McComb, Hammond β3:Billy preston, Bass:Bobby Watson, Drums & percussion:Steve ' The Scotsman' Harvey
(8)
Written by Frank McComb
Lead & background vocals:Frank McComb, Fender Rhodes Piano & Moog:Frank McComb, Guitars:Heitor Perrera, Bass:Bobby Watson, Congas:Paulinho de Costa, Drums&Shakers:Steve 'The Scotman' Harvey
(9)
Written by Brigette McWilliams / Frank McComb
All vocals & Wurlitzer piano:Frank MacComb, Hammond β3:Billy Preston, Bass:Bobby Watson, Drums & Percussion:Steve 'The Scotsman' Harvey
(10)
Written by Frank McComb
Vocals:Frank McComb, Grand Piano & Bass Moog:Frank McComb, Percussion:Paulinho De costa

(LINK)

www.themalibusessions.com www.frankmccombmusic.com