Frankie J / what's a man to do?

(総評)

2003年度の作品ですが、レビューします。カマDの密かな愛聴盤として、聞いていた一枚です。実は、2003年BESTの10位以内に入っていたりします。聞けば聞くほどはまっていってしまう、そのスムースな歌声とメロディーライン！どの曲もかっこよく特に前半でのかっこよさ、そして、中盤での「Don't Wanna Try」のバラードとしての美しさ！もうこの一曲があるだけで、すばらしい！もう何もいうことはない！ただただウットリと聞きほれるしかありません。それなのに、それ以外の曲たちの水準のなんと高いことか！特にこのFrankie J自らがProduceをしている曲がもうR&B好きのリスナーの心を捕らえてやまない美メロ、切なげなシャウト満載な名作！もう、これを聞かずに2003年なんてかたれんぜ！ってぐらいに素晴らしい名盤の一つです。皆さんもぜひ！特に彼自身がProduceしている曲はどれも、歌心があってメロディーラインが切なげで心地よく気持ちよくなってしまいます。決してメチャメチャバリトンボイスで吼えれるってタイプじゃなく、滑らかな高音テナーで美しいメロディーを歌い上げるタイプなのですが、それだけに終わらない絶妙な切ないシャウトをしたり、何よりまずメロディーラインを作ることにかけての上手さは物凄いものがあります。そして、基本に忠実でさえあるR&B的な前のめり的な歌い上げ方！彼は自分の特性がよくわかっていてやってるんだなーっていうのが、物凄いです。この絶妙なメロウネスを体験してみてください。
7曲目「Don't Wanna Try」が取りざたされることが多いですが、それ以外の曲も、かなりいい曲が多く、1曲目、2曲目なども、その絶妙なミッドテンポなメロディーに心踊らされてしまいますし、Boyz2Men直系の正統派なラブソング4曲目、5曲目で純粋な歌としての勝負をかましてくれています。こういう歌でうまいってことは、マジで歌がうまいんです！でも、歌がうまいだけで終わってないのが、彼の怖いところで、1，2曲目のような曲を自分でかけるんだから、トラックメイカーとしての才能にも恵まれていることになります・・・末恐ろしい人がでてきたもんです。ぜひぜひ速いペースで新作をリリースしてくれることを祈っています。

(曲解説)

01.What's A Man To Do?

最初の切なげなリズムトラックと、印象的なフレーズで一気にメローでいて素敵な彼の歌の世界へと引き込まれていきます。電子ピアノの切なげなやさしい音色に、ギターの哀愁漂う力強い音が絡み合い、Frankie Jの透き通るような高音テナーボイスがウットリとさせてくれます。シャウトやフェイクなども、絶妙の間ややりすぎてないところが、とてもすごい完成された一曲です！

02.Won't Change feat.Gemini

ちょっと刻むようなイントロのサウンドから、ゆったりと心地よいメロディーラインが続いていきます。一緒に歌いたくなるような癖になるグルーブ感をもつ、ループするメインメロディーがたまりません！そして、絶妙のタイミングで入ってくるGeminiのRap!ただのメロウネスな作品だけではなく、メロディーや歌い手的に一番盛り上がったときに、それをもう一度盛り上げるように入ってきます！GeminiとFrankie Jの最後の掛け合いもかっこよくて、聞きほれてしまいます。この最初の2曲でFrankie Jの凄さをまざまざと見せ付けられてしまいます。

03.Interlude

しっとりとしてストリングスで一度テンポいいメロディーを落ち着かせてくれます。

04.We Still

ストリングスとアコースティックギターで、ゆったりとした正当派なバラードを見せ付けてくれます。最近こういうBoyz2Men的と呼ばれることが多い、ストレートなバラードをこれほどスマートに歌いこなせるアーティストを僕は知りません。ストレートに歌いこなしていながら、きちんと印象に残る歌い方をしてくれますよ！

05.Wanna Know

4曲目に続いて、ピアノのメロディーに乗ってゆったりと歌い上げていきます。本当にFrankie Jはメロディーメイカーとしての能力が高いことを感じさせてくれます！サビでの転調など見事としかいいようがないです。早口気味に変化し、メロディーに声を乗っけていくところなんか、心奪われますよ。絶妙にメロディーを盛り上げてくれるファルセットフェイクも見事です！最後はファルセットで持っていってしまいます。

06.Diggin Your Style feat.Baby Bash

アコースティックギターがメロディーを紡ぎ上げ、ミッドテンポに体を揺らしていきます。チカーノっぽい感じが色濃くする一曲で、Baby Bashの味があるラップが鋭く切り込んできます！ゆったりとしながらも、体を揺らして聞きたくなる、Frankie Jのテンポを押さえた歌い方が心地いいです。Baby Bashのどこかもったりとした味のあるRapが、いい具合に絡み合って、きもちよ〜く歌を聞かせてくれます。最後は一緒に手拍子しちゃいたくなりますよ！いつのまにか手を叩いて一緒にはう〜って歌っている自分がいます。

07.Don't Wanna Try

ピアノ、歌声、メロディーどれをとっても、美しい・・・絶妙な心に染みるメロディーラインが気持ちを奪っていきます。そして、サビで一気に持ってかれちゃいます。稀代の名曲というにふさわしい本当に美しいバラードなのです。気持ちよく一緒に歌って昇天してしまう、そんなフレーズの繰り返しのようなループするサビがなんとも心地よく美しい・・・とにかく説明するよりも聞いて欲しいそんな一曲です。このアルバムを代表する完璧な一曲です。

08.Just The Way feat.Gemini

ギターのサウンドを上手く利用し、哀愁を漂わせつつも、カッコよく纏め上げていきます。癖になるようなループするサビがカッコいいですねー。シャウトも重ねながら、ギターサウンドが盛り上げてくれる素敵なミッドテンポUPです！

09.Be Home Soon

これまたストレートなバラードです。あまり音を使うわけではなく、ピアノ一本でがっちり聞かせてくれます。こういうメロディーメイカーとしてのメロディーの美しさをまざまざと見せ付けてくれます。彼の美しいテナーボイスがさらにそのバラードを引き立ててくれるのも必見です。たぶん、他の人が歌っても、いいなーとは思えないんじゃないかな〜と思います。

10.Drinks On Me feat.Baby Bash

今までと違いかなり現行R&Bを意識したボトムの聞いたリズムトラックに上手く乗っていく曲！ファルセットを上手く使いつつサビをカッコよく纏め上げていき、一気にBaby Bashが持っていってしまいます。どんなトラックに乗っても、彼の声は唯一無二だなってことを改めて感じさせてくれる一曲でもありますね。

11.From The Outside Lookin In feat.Bussell Lee and Max Minelli

彼のチカーノっぽさを一番表した曲ですが、ちょっとメロディーラインの出来がいまいちかなーと思ったら、Produceが違いました。でも、アルバムの雰囲気は全然崩さずに、うっとりさせる歌い方で、聞かせてくれます！

12.Ya No Esigual

彼はチカーノ界の人なので、もちろん母国語はスペイン語なのです。このアルバム以外に実はスペイン語オンリーのアルバムが出ています。そのアルバムから「Don't Wanna Try」のスペイン語バージョンが収録されています。言語が変わっても、メロディーラインの素晴らしさは変わらず、さらに母国語だからか、スムーズさがさらに増していて、本当にうっとり聞き入ってしまいます！

(Producer)

(LINK)