FAVOR / Your Love

(総評)

ゴスペルデュオのFAVORの1stアルバム！これが素晴らしいコンテンポラリーゴスペルっていうよりは、モロR&Bアルバムなんです！すごいですよー！歌もテナーでしっかりと歌いこんでくれていて！プロデューサーその他はわからないのですが、Keith JohnsonとFrederick Reedという二人組みのゴスペルデュオで、ハイテナーなボーカルが心に残る曲が多いです！さらに、シャウトがたくさんあって、シャウター好きにもたまらないアルバムになっています！
どの曲も水準以上の出来なのですが、それぞれが短くまとめられてあれ、17曲という曲数が多いにも関わらず、すんなり一枚を聞けてしまいます。それにどの曲もメロディーが魅力的で、さらにそれにシャウトが絡み合うという極上の曲が多いので、思わずそれぞれのメロディーを口ずさみたくなります！見事な歌声でシャウトでガンガンに盛り上げるだけではなく、メロディーの美しさもあって、総合的な歌のうまさを見ても素晴らしいデュオです。
特に9曲目でも、シャウトっぷりにはホレボレします！さらに、ゴスペルデュオだけあって、ゴスペルっぽい曲も入るのですが、あくまでそれはR&Bというサウンドを基調としていて、とてもカッコよいのです！ 特に12曲目の壮大なバラードには圧巻です！
サウンド的にもプロデューサーとかはわからないのですが、ゴスペルライクな雰囲気を基調としつつも、R&Bのかっこよさを随所に感じさせるプロデュースが素晴らしく、様々な曲調にも途中途中で出会うことが出来るので、アルバム一枚として聞き飽きません！インディーソウル2007年の中でも傑作の一枚ですよ！R&Bデュオが好きな人には是非聞いて欲しい〜！

(曲解説)

01.Your Love Intro

いやーイントロからかっ飛ばしますわ！クールでカッコいいイントロひさびさに聞きました。まったくゴスペルっていうのを意識させません！

02.Your Love

結構高い歌声でしっとりと聞かせてくれる二人組みで、きちんとしたコーラスワークが魅力的なのです！二人組みといよりもグループ作品に近い手触りの90年代好きにはたまらないコーラスワークじゃないでしょうか？複雑に前衛後衛が立ち代りで歌い上げてくれていて、バックコーラスとメインが共に重要な役割をみせる流れるような素晴らしいメロディーです！

03.What Do You Want

上り詰めていく感じが、このハイテナーボイスのシンガーにとてもあってて、聞いているだけで気持ちよい気分になれるような一曲です！そして、フェイクやシャウトも交じり合い最高の盛り上がりを見せてくれます！特に最後にかけての繰り返すメロディーラインにはもう胸が鷲づかみされてしまいますよ！すでにこの時点でココ最近では見れない素晴らしいグループ物の予感を感じさせます！

04.He's Got It

丁寧なハーモニーが味なのかと思わせながら、ここからHIPHOPサウンドでもカッコよく聞かせられる実力を見せてくれます！これが結構かっこいいんですよ！迫ってくるような歌い上げっぷりとメロディーから一気にもって行きます！バックでしっかりとメロディーを歌い、それに様々な絡み方をするメインのフェイクっぷりがもうたまりません！こういうアップを聞きたいんですよねー！やっぱり！

05.Holiness Without

ここで改めてあーゴスペルグループなんだったな〜というぐらいに正統派で綺麗な曲を聞かせてくれます。それが逆に新鮮なんですよね。こういう綺麗な曲調でも、端々に効果的なフェイクが入っていたりして、歌の実力の高さを示してくれています！

06.All Thngs

しっとりとしたメロディーラインから、ゆったりと余裕たっぷりに歌っていきます。こういう雰囲気が一番得意なんだろうな〜と思わせる安定感あるハイテナーが素晴らしいです。ハイテナーでここまで安定しててカッコいいシンガーはなかなかいないでしょうね。最後にはあついシャウトが聞けるのがたまりません！

07.Thank U

ここでは、Dave Hollisterのような重厚なイントロから意表を突くようなゴスペルチックな雰囲気へと変わっていきます！しっかりと歌い上げてくれるので、R&Bシンガーがゴスペルチックに歌っているようです。

09.More Like You

ねちっこい歌いっぷりから、情熱的にシャウトしていきます！この安定したシャウトっぷりを聞かせるアーティストは本当にひさびさでしょう〜。これが聞けるだけでも聞く価値ありなアルバムですよ！二人とも結構声が似ているので、なかなか区別するのが難しいですが、若干シャウトしたときの味が違っていて、この味の違いがお互いに吼えるとたまらない雰囲気をみせてくます！シャウト合戦がかっこいい曲です！

10.If I Could

ここら辺はお得意のちょっとゴスペルチックな曲なのですが、あまり長い曲がないので、さらっと聞けてしまうのも良いところです。

11.Take Me Away

今までの明るい曲調とはちょっと違うシックな雰囲気の曲調に、見事なシャウトで盛り上がっていきます！絞り上げるようなシャウトが切ない雰囲気をさらに盛り上げてたまらない！こういうシャウト系の曲での、強さは半端ないですね！この二人組！

12.Time And Season

必ず一曲ごとにゴスペルライクな曲が入るんですよね〜このアルバム。でもそのどれもかなりの水準の高さなのですよ。トータルの曲の水準としては、かなりハイランクに入るはずのアルバムです！特にこの曲の出来は素晴らしい！一緒に歌いたくなるような壮大な曲で、思わずうっとり聞き入ってしまいます。極上の一曲です！途中でみせるハイテナーのファルセットの上り詰めるところが凄すぎます！

13.Without You

いやーこのR&Bサウンドの見事な完成度！ここ終盤の数曲の出来のよさはたまらないですね！しっとりとループするようなサビの心地よさ！そしてそこをかいくぐるように熱くシャウトし盛り上がっていくメインボーカルのうまさ！思わず聞き入ってしまいますね。ホントメロディー作るのうまいですね。

14.Call Your Name

他の曲に比べればインパクトは落ちますが、でもきちんと歌い上げ系の見事な曲ですわ。曲でのムラがないって本当に思えますね。しっかりシャウトして聞かせるところを置いてあるのもさすがです！

15.Don't Wanna Be Rich

オーソドックスなピアノイントロ曲がここで初めてでてきます。ここまでしっかり打ち込みで聞かせているのもすごいですわ・・・シャウトしないしっとりとした歌いっぷりも安定感があってちゃんと聞けます。とても美しい一曲で、最後には待ってましたと言わんばかりにシャウトしまくっていきます。このアルバムの中でも5分を超える長尺の一曲になっていますが、その分気合入った歌が聴けますわ。

16.Why

15曲目で終わるかと見せかけてここでアップテンポなダンサーな一曲を披露し、その懐の広さを見せ付けます！これがまたカッコいいから、もう最後までこのアルバム目が離せないんですよー！思わず体が揺れるようなダンサブルな曲で、Rapperまで招いていて、こういう曲調でも全然いけるのをみせつけてくれます。90年代のボーカルグループのアップサウンドを思い起こさせます。

17.Prodigal Son

最後はピアノでしっとりとした曲で締めてくれます。最後までしっかりと歌いこんでくれるのはさすがですね。

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