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Eric Roberson / the appetizer

01.N2U feat.Marsha Ambrosius
02.What I Gotta Do?
03.Painkiller
04.Hesitation
05.Just A Dream
 
06.Softest Lips
07.Momma Told Me
08.Te Moon
09.We Can't Pretend
10.For Da Love Of Da Game feat.Raheem DeVaughn + V
Eric Roberson / the appetizer

(総評)

Appetizerこと"前菜"と銘打たれた通算4枚目となるアルバム。
なんで、様々な作品を含め4枚も出しているのに、Appetizerなのかしら?とか思ったのですが、それは、8曲目「The Moon」が収録されているからでしょう!実はこの曲93年に大学滞在時にワーナーから出した既発シングルなのです(現在手には入らないレア盤です)。この8曲目「The Moon」の素晴らしいことといったら・・・聞きほれます。Aaron Hallにも負けない吼えっぷりも見事だし、楽器を前面に押し出したメロディー展開があったりなど、素晴らしいことこの上ないのです。R&Bの名曲といわれるものの要素が、ふんだんに入っていて、Just The Two Of Usのサックス演奏のような一度ボーカルではなく、楽器で盛り上げるところがあったり、絶妙なバックコーラスを女性のボーカルでやるところなんて、定番中の定番だし、それでいて、狂おしく激しくシャウトしまくってて、定番でありながら、ありきたりじゃない、もうこれ以上ない!ってぐらいにEric Robersonの楽曲の中でも、抜きん出て素晴らしい完成度を誇る一曲へと、昇華されています!
その他の曲もどれも今までのどの曲達よりも、心をグッと掴み、一度聞いたら忘れないフレーズが満載です!どちらかというと、彼の1stアルバムに代表されるようなフィリー前面に押し出した感じが今までは多かったのですが、前作あたりから、徐々により古めなSOULな雰囲気を大事にしつつ、徐々に一度聞いて心をつかむフレーズを多くHOOKに持ってきていて、曲がわかりやすくなったのと、聞いていてあーこの曲!っていう感じで、すぐにわかるようなキャッチ−なフレーズが使われるようになっていて、楽しめます!
8曲目が抜群にいいのですが、その他にも、1曲目のような遊び心溢れる作品や、7曲目のような哀愁漂う雰囲気がたまらない一曲など、アルバムとしての表情もとても豊かになっています!
もちろんサウンド的にフィリー勢との仕事を大事にしつつも、様々なプロデューサーと曲を作り出していっています。かなり2005年にでた中でも、傑作アルバムの一つです。
もっと詳しいレビューは僕も参考にさせてもらってる素晴らしいdAbさんのサイトにありますのでそちらもご覧ください!

オススメ:(8),(1),(7),(2),(4),(6)

(曲解説)

01.N2U feat.Marsha Ambrosius

FloetryのシンガーMarsha Ambrosiusが参加した、ゆるいグルーブがたまらない一曲!淡いサウンドにのって、最初はしっとりと歌うEric Roberson!そして、徐々に癖になるようなグルーブにあわせて、ネットリと歌っていきます。そして、それに答え歌うMarsha Ambrosius!彼女の歌い方が実に、遊び心に溢れていて、傑作です!こういうSOULFULでグッとくる音楽はたまりなせんね〜!特に後半の遊び心たっぷりな、半笑い風な感じの歌ともなんとも言いがたい歌い方は本当に癖になりますね。完全に主役をMarshにとられていますが、一曲目から今までにないぐらいに、面白みに溢れた一曲を持ってきてくれます!

02.What I Gotta Do?

心地よいミッドテンポなリズム音がたまらない一曲、それにのって、心地よくゆる〜く歌い上げていくEric Robersonの歌いっぷりも見事です。Kev Brownとのいい仕儀としています。Hookのしっとりと歌う感じとその直前のメロディーの激しさのギャップも面白いです。それにHOOKのメロディーやフェイクなどの声の重ね具合も、今までの作品よりもずいぶん聞きやすいし耳に残りますね〜!バックの輪郭がぼやけたようなサウンドなんだけど、リズムが癖になっていく感じも面白いです。

03.Painkiller

ここでは、ドラムがくっきりと輪郭をあらわして鳴り響き、彼の前作は前々作で見せたような、しっとりとしたフィリー節を披露します。こういう地味〜に響いてくる曲は彼のお手のものですね。

04.Hesitation

そのゆっくりとしつつも、グッとくる歌声とサウンドに体を揺らされます。うん、力強いです。ドラムの重さと歌声の重さがちょうどよくバランス取れてて、きもちよ〜く聞き入ることができるのです。いつものメンバーとの仕事ってことで、コメントも短めですが、よりEric Robersonの周辺の人たちも進化をつづけているんだな〜と感じさせます。淡い感じでa cappellaで幕を引き、余韻を感じさせるこの曲も素敵です!

05.Just A Dream

有名なフィリーのLarry Goldがプロデュースを勤める、ギターの優しい音色とストリングスがとても綺麗な一曲!徐々に引き込むようなサウンドに揺られながら聞いていると、Eric Robersonの丁寧な歌が胸に染み入ります。こういう純粋にいい曲もかけるんだな〜と感心してしましました。ここまで正統派なバラードを歌われると、なんとも意外性があります。

06.Softest Lips

エロ・・・しっとりと、ゆったりと紡ぎだすように歌いつないでいく、Eric Robersonの声が色っぽい!もうしっとりとエロく歌ってくれますよ。HOOKのゆったりとリズムを刻み、緩やかにやわらかくシャウトを重ねるその雰囲気に酔いしれてしまいます。いいな〜。本当に。

07.Momma Told Me

最初の哀愁漂うアコースティックギターのリズミカルな音色のズドーンとやられてしまいます。こういう悲しさ溢れる曲は弱いんですよね〜。きゅっと心を鷲掴みしてくれるような、そのイントロから、一気にグッと力強く歌い上げるHOOKへとの流れの勢いがカッコイイ!曲の流れもよどみなく無駄がなく、ぐいぐい最後に向かって盛り上がっていきます。最初とは対照的な躍動感を後半つけていくのが、素晴らしいです。Andre Harrisさすがやりますわ。

08.Te Moon

98年にEric Robersonの名を世に知らしめた一枚!イントロの淡い素敵な音色から、素敵過ぎ度数高めにロマンチックにEric Robersonと女性シンガーが濃密な絡み合いを見せてくれます。まさに歌心溢れる二人がガッツリと組んで、絡み合いを見せてくれます。そして、もうHOOKのメロディーのロマンチックな雰囲気は、もう最高潮に気持ちよくなってしまいます。そのまま淡く心地よくどこかに連れ去ってくれるようです。そして、後半に見せてくれる現在のEric Robersonでは見られない、狂おしく激しく、そして、鮮やかに栄える90年代ど真ん中なシャウトっぷりに、悶絶してしまいます。途中でみせてくれるキーボードのソロの演奏も、Just The Two Of Usなどの要素を思い起こさせてくれたりと、様々なR&Bのおいしい要素がたっぷりと収まった名曲です。いいな〜。90年代の曲たちの素敵な要素がギュッと詰まっている感じで、今この時期に聞けることが幸せに感じますね。

09.We Can't Pretend

急にいつものEric Robersonらしいねっとりとした歌い方に戻ります。やっぱりThe Moonはファンへのおまけなのねと、改めて感じさせてくれますが、この曲も十二分にカッコイイ!前作では、どの曲も特徴的なフレーズなどがなくて、さらっと聞き流せ過ぎて、物足りなかったのですが、このアルバムではどの曲も、もちろんこの曲でも、しっかりとHOOKでグッと聞き手を引き付けるような工夫がなされています。Kev Brownが本当に2曲目でも走ですが、いい仕事していますよ。

10.For Da Love Of Da Game feat.Raheem DeVaughn + V

Raheem DeVaughnとVという、新鋭のシンガー二人を招いて、最後は締めくくります。3人ともしっかりお互いを纏め上げられた、しっとりとした3人の声が複雑に絡み合います。HOOKのメロディーラインなんて、ホントよく練られています。どうやら、でも、もっと違う声の3人が絡み合うともっとお互いが引き立ったのかなと思いますが。でも、スリリングなほどにそれぞれが複雑に絡み合い流れるように歌う様は凄いです!

(Producer)

Eric Roberson:(1),(5)
Kev Brown:(2),(9)
Marqees:(3)
Redhead Kingpin:(4)
Osunlade:(5)
Vidal Davis:(6)
Andre Harris:(7)
Boogaioo & Camitte:(8)
Jeff Townes for A Touch Of Jazz:(10)

(LINK)

OFFCIAL CD BABY Order, HMV Order
☆☆☆☆☆☆

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