DIGITAL BLACK from playa / Memoirs of a R&B Thug

(総評)

今年のキーワードは復活！その復活組の一人がこのDIGITAL BLACK from Playa!名前にもあるとおり、１９９０年代中盤Dru Hillなどと共にDef JamからデビューしたPlayaのサウンドと要とメインボーカルを務めていたのが彼！だれがなんと言おうとこのアルバム注目は７曲目。Aaliyahの未発表音源が聞けるなんて・・・しかもめちゃくちゃかっこいいんです。近代まれに見るカッコイイR&Bサウンドをきかせてくれます！これだけで絶対買いでしょう！
そのほかの曲もどの曲もサウンドが面白くカッコよくて、いろんなBlackの魅力を引き出しています。そのほとんどのソングライトを担当するBlackのメロディーセンスのよさや、引出しの多さからか、革新的な雰囲気もあって、インディーズらしからぬ、面白みがある作品になっていて、今聞いても全然古臭さを感じないのです。ここまで幅があって面白いアルバムがインディーズできけるなんてうれしいですね。制作年代は、どの曲もばらばらみたいで、昔のR&Bから今風のサウンドまで全てを網羅しているのも、R&Bの流れを見ているようです、よき古き90年代SOULサウンドにも思わずウットリしてしますよ！ホント幅が広いサウンドで、楽しませてくれます！特に7曲目と5曲目でのUPな流れはほほえましくもあります！
彼の歌声は、強烈なバリトンとかじゃないのですが、どこか心に残るような味のある歌声でたまに男臭く吼え上げたり、その力の入れ方がかなり絶妙で、聴いていて、絶妙のタイミングでコブシを回したり、吼え上げたり、フェイクで歌ったり、そのタイミングの良さが、R&Bきいてるなーという気分にさせてくれます！ボーナストラックも入れると17曲と曲数が多いにもかかわらず、音楽的な幅が非常に広いので、かなりじっくりと聞き入りたくなります。後半に行くに従って、凄みを増していく歌もいいし、サウンド的な幅の広さも純粋に曲を楽しませてくれる素晴らしい一枚です！

オススメ:(7),(5),(12),(2),(16),(1),(8),(9)

(曲解説)

01. Set It Up featuring Static and Jazzy Pha

中庸的なサウンドにJazzy Phaの気だるいRapがのる面白い曲です。メンツを見ればわかりますが、インディーズとは思えない出来です！DIGITAL BLACKもそれにあわせて、面白く歌いつないでいきます。バックトラックが癖になる感じで、オススメです！

02. Meet Me

HIPHOPっぽいサウンドで行くのかと思ったら、ここで一気にストレートで美しい歌を聞かせてくれます！サウンドもアコースティックギターが美しくメロディーを奏でています・・・そして、ここで彼の歌の力量が改めて知らしめることになります。まっすぐに歌いこめるこのストレートな歌いっぷり！飾らないストレートな感情たっぷりな歌い方で、切なくも優しくしっとりと歌いつないでいく様が気持ちよい一曲です。「Meet Me In My Hotel」とエロさをもった歌でありながらも、しっとりとした雰囲気がたまりません。転調も効果的に働いている素晴らしい一曲です。

03. Playa Play On featuring Cliental

90年代のHIPHOPを取り入れようとしていた時期のR&Bっぽさを如実にあらわしたウエッサイな気だるいサウンドにあわせて緩やかなに歌いつないでいきます。気だるげな午後にゆったりと聞きたい気分の曲です。

04. Ain't Nothing Wrong

ストリングスが妖しげに鳴り響くHIPHOPサウンドな一曲！本当に彼は曲のふり幅がでかい！R&BからHIPHOPまで様々な曲調を乗りこなしていきます。裏声を駆使して面白く曲を盛り上げていきます。歌のところと、裏声ＨＯＯＫとの緩急のつけ方が絶妙に面白いです。この辺がプロデューサーアルバムっぽいところでもあります。

05. Ride for Me featuring Playa

なつかしのPlayaのメンバーが集合！やばいですねー。この吼えっぷり！この曲のためにかってもいいですよ。こういう全員でねちっこく直情的に吼え上げていくひたすら吼えていく一曲って最近聞いてなかったので、うれしいです。この濃厚なコーラスとメインボーカルの絡み合いと歌いっぷりはSilkやIII From Tha Soulなどを思い出しますねー。２分弱なのが本当に残念な一曲ですが、本当にかっこいいです。改めてPlayaのアルバム聞きたくなりました。

06. Halfway

ここでもストリングスが面白く、FUNKな雰囲気も交えながら、ゆっくりと盛り上げていきます。こういうメロディーラインがきちっとはまってない曲を聞くとこの人の純粋な歌のうまさに感嘆してしまいます。途中の吼えっぷりにも思わずにんまりしてしまいますが、そこからの転調の絶妙さ！うーんピアノと相まって相当カッコイイ！

07. Don't Think They Know featuring Alliyah

なんとアリーヤとの一曲が・・・まさか今頃Alliyahの新しいしかもこんなダンサブルでカッコイイ曲が聞けるなんて！こういう復活組はこういううれしいおまけがあったりするのも見逃せないところです。昔活躍した実績は伊達じゃ〜ありません。イントロのサウンドを押さえたあたりなんてうますぎ！そこからノリがいい流れるようなピアノのメロディーとUPテンポなリズムトラックにのって、爆発力を兼ね備え、堪えきれないように情熱的に吼え上げるDIGITAL BLACKの歌声がたまらなくかっこよくてそれだけで昇天物です。HOOKのメロディーラインがめちゃくちゃかっこよくて、このアルバムのハイライトともいうべき一曲！そして、それに魅惑的に妖艶にAlliyahがしっかりと歌い上げ絡み合うところなんて泣けますよ。転調の仕方なんかもう完璧！思わず握りこぶし作って聞き入ってしまいます。躍らせてもらいました。この歌はぜひいろんな人に聞いてほしいですね。名曲です！

08. N Ya Life

次はじんわりとねっとりと責め上げていくDIGITAL BLACK！ねっとりと絡み合うメインボーカルとコーラスの混じり合いが見事です。メロディーラインを作るのがこの人本当にうまくて、結構ゆっくり目のリズムでも体が思わず動いて歌いだしてしまいそうな、ミッドテンポでグッと胸を締め付ける魅惑的なメロディー展開を見せてくれます。力強い歌声に心地よく聞き入ってしまいましょう。

09. I'm A G featuring Jazzy Pha

いかにもJazzy Phaだー！って感じのイントロが面白い！このどろどろした暗い感覚がなんとも癖になっていく感じですね。そこからグッとコーラスが入り引き締まって、曲が一気に盛り上がりをみせます。ホントこの人はコーラスの使い方がうますぎ。どろっとした全体の雰囲気の中でも、適所に美しい歌声やメロディーをちりばめていて、聞けば聞くほどに待っていってしまうような、中毒性のある一曲ですね。自分のざらついた歌声をうまく魅せる術をしっています。魅惑的なテナーボイスです。

10. Wanna Go Back

綺麗なピアノをバックに、ついつい一緒に歌いたくなるイントロのフレーズに耳を奪われます。しっとりと歌い上げてくれる見事な一曲！ミッドテンポなリズムに合わせて、爽やかな風が吹くように気持ちよく歌い上げていく様が目に浮かびます。こういう音数少ないバックだと彼の歌の良さがまた引き立ちますね。モロHIPHOPなトラックがあったかと思えば、こんな美しく流れるようなサウンドをやったり、引き出しが多い人ですよ！

11. Messed Around

激しい喧嘩をしているCall Phone Interludeをはさんで、それを後悔しているかのごとくちょっと切なく後悔したように歌いつないでいきます。彼の歌声はこういうちょっと暗めの曲でもしっかりと存在感があり、ループするように同じフレーズを繰り返していく曲の中でしっかりとシャウトをかましていきます。このシャウトが激しすぎず、だけどしっかりと聞かせてくれているのが素晴らしいです。

12. House is Not a Home

ミッドテンポなリズムトラックにのって、美しいコーラスを聞かせてくれる一曲！HOOKのメロディーが気持ちがいい、ゆっくりと歌い上げていく曲で、うっとり聞き入ってしまいます。そんな心地よさの中を切り裂くように徐々に盛り上がりを見せるフェイク！最後にはアドリブでのファルセットを交えたフェイクとシャウトに胸を締め付けられます！単調になりそうな曲にうまく面白みを付け加えてる術も持っていて、Tyreseとか普通に歌ってそうな、素晴らしい一曲です！

13. Fell N Luv

勢いがあるHOOKを、軽快に歌い上げていく一曲！R&Bグループが得意とするような曲ですが、どこか力が抜けているいい感じのコーラスが聴けるのは、さすがPlayaのアーティストってところですね。緩めの一曲って感じです。

14. Thugging My Way Through Featuring Goodfella

GoodfellaというRapperが声高にRapをかまし、雰囲気を作り上げていき、それを余裕をもって、聞きながらフェイクをかましていくDIGITAL BLACK！本人の影はちょっと薄いですが、サウンド的には面白みが高いですね。ミッドテンポにゆるく歌いつなぐ気持ちよい曲です。

15. Same Thang Yall Do Featuring Native

明るめなR.KELLY調なサウンドで、しっとりと歌いこんでいきます。なんか、サウスっぽい感じがします。NATIVEという低音のRapperが、心地よいサウンドにのせて渋く絡んでいくのですが、この曲はRapの方がすんなり乗りますね。木洩れ日が差すような心地よいサウンドが癖になりますよ。

16. Can't Turn Back Now

最後にカッコイイメロディーラインの一曲を用意してくれました。ゆったりとしたメロディーからバックのピアノの重くも美しい音色が響きわたり、そうしてHOOKで一気に盛り上がりを見せるメロディーがカッコイイ！バックコーラスとの重圧な声の重なり具合やシャウトの激しさもさすがです！サウンドも面白い音が随所にあって、最後にいいもの持ってきてくれました！

17.LUST, feat. Playa

Playaの一曲をBonus Trackとして収録！これがカッコイイのです、ねっとりと絡みつくようなボーカルスタイルで、90年代ボーカルグループのいいところを凝縮したような曲です。このねっちょりさ加減がたまりませんね〜。コーラス主体の曲で、コーラスで盛り上げながらメインボーカルが自由に吼えていきます。最後の激しい吼えっぷりは、気持ちがいいです！

(Producer)

Jazzy Pha:(1),(9)
RUDY:(2),(11)
Dr. Luke:(3)
Mr. Porter:(4)
Budda:(5),(6)
J Dub:(7)
Keybeats:(8)
Darius:(10)
D.SOUNDS:(12),(14),(16)
Lil Charlie:(13) BLACK and NATIVE:(15)

(LINK)

OFFICIAL CD BABY Order