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Case / Rose Experience

01.Be That Man
02.Lovely
03.Deja Vu
04.Betcha Don't Know Why
05.Let Me Down Easy
06.Turns Me Do
07.I Can't
08.Shoulda Known Bettere
09.Me and You
10.Smile
11.Waiting
12.Can I Be
13.Can't Believe
14.Place to Stay

(総評)

Case9年ぶりとなる4thアルバムが発売になりました。90年代をJoeと共に代表する正統派バラッディアーで特にその哀愁漂う歌には、多くのR&Bファンが魅了されました。特に2000年にリリースした「Open Letter」は、R&Bの歴史に残る名盤であることは誰もの一致する意見でしょう。本当の意味で哀愁漂うバラッドを歌える数少ないシンガーであることを証明していました。盟友JoeがProduceした「Missing You」だけではなく、「No Regret」など多くの名曲を歌ってきたCaseですが、2000年を境にぴったりと活動がなくなってしまい、2年ほど前ほどから、復活するという話はでていましたが、一向に音源も出ずに、どうしたのかと思っていたのですが、2009年に、ついに、4枚目となるアルバム「Rose Experience」が発売になりました。
それにしても、今風の音というのは、あえて排除されていて、まさに90年代を髣髴とさせるサウンドで、よりCaseの魅力を引き立てているプロダクションには感服いたします。あえて、エレクトロとかはしないことで、彼のシンガーとしての普遍的な魅力をシーンに再認識させるには十分な一枚でしょう!いい意味でCaseらしさを失っていない普遍的な良さをもった一枚です。シーンに迎合することなく、彼らしい哀愁と力強さをもったシャウトやフェイクを存分に堪能させる曲が多く、トラックもシンプルなのが多く、ここ最近多いエレクトロやソウルクラシックや、ネオソウル系にいくことなく90年代R&Bど真ん中なサウンドをこれでもかと聞かせてくれます。そんな曲たちの中でも、古さよりも味を感じさせてくれるのはCaseの歌の魅力のなせる業でしょう。
どの曲も彼の歌声の哀愁を見事に表現してくれていますが、その中でも、2曲目「Lovely」の美しさと、12曲目「Can I Be」でのフェイクのすごさは特筆すべきものがあります。彼の苦しげにもだえながらフェイクし、シャウトする姿がもうたまりません。他にも同じく90年代を飾る盟友Mario Winansとの「I Can't」Tim&BobがひさびさにProduceした「Deja Vu」など、R&Bとして普遍的な良さをもった楽曲が多く入っていて、一枚をゆったりとまさに夜のベットで聴きたくなるような一枚です。彼にはJoeほどのエロさはないのですが、どこか切なげで心を打つ歌声があるので、まさに夜にはもってこいなんですよね。他の曲たちも、どれも美しく心を打つ曲ばかりで、うっとりと聞きほれてしまいます。
最新のサウンドを求める人には、もちろん物足りないかもしれないですが、これこそが、R&Bシンガーたる姿だと思います。

オススメ:(12),(2),(1),(9),(3),(8),(4),(5),(7)

(曲解説)

01.Be That Man

シャープで力強いサウンドが豪快に懐かしいCaseのパワフルな歌声が重なります。しっかりと90年代を思い起こさせるようなサウンドで楽しませてくれます!派手ではないのですが、しっかりとCaseの良さを再認識させてくれながらも、シーンに通用するしっかりとしたサウンドで、思わずお帰り!といいたくなります。独特の絞り上げるようなフェイクのかっこよさは他のシンガーではなかなかあらわせない魅力でしょう。ミッド〜スローぐらいのテンポなんですが、かっこいい一曲に仕上がっています。

02.Lovely

これぞCaseという切なげなピアノのイントロがいい雰囲気を醸し出します、そこから力強く絞り上げ切なげに歌い上げるCase独特の歌唱がとても曲の雰囲気を盛り上げます。なんとも、最後にかけての見事なフェイクやシャウトはたまりません。どこか懐かしさも感じさせつつも普遍的なバラッドとしても完成度の高い一曲です。今年のバラッドの名曲でしょうね。一度聞けばCaseとわかる歌声しわがれ具合はたまりません。

03.Deja Vu

Tim&Bobとの最高のコンビが復活です。Deja Vuというタイトルどおりちょっと浮遊感があるトラックに乗って、美しいメロディーをゆったりと聞かせてくれます。どんなに時代が変わっても、いい歌はいいなと思わせてくれます。Caseのフェイクもここでも冴え渡っています。メロディーラインはあまりかわらないのですが、ひたすら繰り返し、そこにいろんなフェイクの要素を加えていくことで徐々に後半に向けて盛り上がっていきます。

04.Betcha Don't Know Why

女性シンガーとの絡みがなんともセクシーなサビを歌い上げてくれるCaseのバラッド。ここまですべてバラッドなのですが、それでもぜんぜん飽きがこないのが、彼の魅力でもあります。女性ボーカルが美しくはかなげで歌い上げることで、よりCaseの力強さと男の哀愁をより感じさせることになっている一曲です。サウンドよりも完全に歌でもっていってくれます!!!

05.Let Me Down Easy

シンプルなバックトラックの上で、豪快に歌い上げていきます。実直でストレートな歌いっぷりが胸を打つなかなかの一品です。最後のドラムが入る手前のCaseの熱い歌いっぷりたら、相当来ますね!

06.Turns Me Do

このアルバムの中ではかなりノリがよいミッドテンポな一曲です!バックシンガーもいい感じにスウィートで、Caseと対比があって、曲として面白くなっています。こういうボトムがしっかりとしている曲で、自在に歌うのは、お手のものですね!

07.I Can't

なんとあのMario WinansがひさびさにCaseをProduce!こういう90年代を支えた同士が集うのはうれしいです!セクシーなサウンドで、気持ちよく歌を聞かせてくれます。そして、しっとりと聞かせてくれるCaseのバックでの歌いっぷりと、徐々に乱れ激しくなっていくメインのシャウトでの歌いっぷりが気持ちがいいです。こういういい意味でのシャウトのタメっぷりを魅せてくれるアーティストってすごい減っているので、うれしい限りです。

08.Shoulda Known Bettere

おもわず懐かしい〜って言葉がでそうなサウンドプロダクションですね。ちょっと前にN.E.R.Dとかが得意としたビートのエッジが聞いたリズムにのって、Caseのどこかもったりとした歌声が面白く絡んでいきます。この曲に代表されるように、最新サウンドではないながらも、しっかりとCaseの魅力を伝えられているのは素敵ですね。

09.Me and You

こういうギターの切なげな曲調がCaseには似合いますねー!たまりませんわ。哀愁を漂わせながら、力強くシャウトしていく様は、見事です。シンプルだからこそ、胸を打つ曲になっています。これぞ、R&Bシンガーのフェイクだというお手本のようなカッコいいフェイクには圧倒されます。

10.Smile

いいシンガーというのは、どんなサウンドでも自分の味が出せるんだなと改めて思わせてくれます。ちょっとチープささえ感じるサウンドなのですが、しっかりと聞かせてくれるのはCaseの実力の賜物でしょう。コーラスとの掛け合いとかも見事ですね。どんどんその歌の魅力に引き込まれてしまうのです。でもOpen Letterのころを思い起こさせる一曲です。

11.Waiting

ピアノの美しいメロディーでしっとりと聞かせてくれるInterlude!これでぜひ一曲作ってほしかったなー。こういうピアノ一本でこそ彼の歌声のよさも引き立ちそうな気もするのですが。いいピアノですね。

12.Can I Be

もう、最初の語りからやばいですよ。フェイクでしっとりと聞かせながら、スローにねっちょりと歌い上げます。ここまでねっちょりとしたメロディーをひたすら歌えるのは、現行シーンでは、もうCaseぐらいですよ。ただただ、自分の歌だけでここまで聞かせられるシンガーっていないんでしょうか?最後に、シャウトを絡めて盛り上げるところは、待ってましたって気持ちにさせてくれるんですから。

13.Can't Believe

このアルバム1のパワフルなシャウトでぐいぐい曲を盛り上げていきます!まさにシャウターという名がふさわしいほえっぷりです。バックボーカルも自身でこなしているんだと思うのですが、これもしっかりとメインボーカルを支えているので、自在にメインボーカルが縦横無尽なシャウトを聞かせてくれて、本当に気持ちがいいです!

14.Place to Stay

最後はゆったりと、落ち着いたさわやかな正統派バラッド。Caseも落ち着いた歌声でしっとりと聞かせてくれます。こういうバラッドは、これぐらいたま〜に入っていると、いいなーと思わせてくれますね。これが全部だといいやだけど。

(Producer)

Marshall J. Leather & Shawn Campbell:(1),(6)
Chris Liggio:(2),(4),(5),(8),(9),(10),(12),(14)
Tim & Bob:(3)
Joey Bangs:(5),(9),(12)
Blaxl Rose:(5),(9),(12)
Mario Winans:(7)
Phil Weatherspoon:(11)
Jazz Nixon:(13)

(Musician)

(LINK)

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