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CALVIN RICHARDSON / 2:35PM

01.Keep On Pushin'
02.Falling Out
03.I've Got To Move
04.I'm Worthy
05.More Than A Woman
06.Not Like This
07.She's Got The Love
08.You Got Me High - (featuring Slum Village)
09.Put My Money On You
10.Your Love Is
11.I Wansumo
12.Cross My Heart
CALVIN RICHARDSON / 2:35PM

(概説)

前作でK-Ciの幼馴染として有名になったCalvin Richardsonの二枚目は。傑作SOULアルバム!まさに現代によみがえったSOULアーティストという佇まいです。初っ端の『Keep On Pushin'』の歌いだしの、オールドスクールっぷりにすっかりやられてしまいます。いやー、もう70年代いや、60年代に戻っちゃったんじゃんないか?っていうほど古臭い〜雰囲気が君いつの人だよ!って言うのと同時に逆に新鮮な気持ちにさせられます。New Classic Soulというタイトルを世に送り出したSOLOのようなClassic Soulを基本とする良質な古さをもっています。SOLOは現行R&BとClassic SOULをうまく融合させたのに対して、Calvin Richardsonは、思いっきりSOULな空気をそのまま現在にもってきています。ただここ一・二年流行のオーガニックソウルやフィリー系というのとは一線を隔てた、Musiq、DONNIEやFrank McCombなどが目指していた70年代回帰を一歩推し進めたオールドスクールなフレーバーが満載でいて革新的な素晴らしいアルバムです。SOULでいながら、タダ古臭い雰囲気を持って来たのでない新鮮さをもった微妙な線をついてきます。オールドフレーバー・・・というよりもCLASSICAL FLAVOR満載な一枚です。
今の世の中HIPHOPが流行りトラック重視な楽曲が当たり前となってしまった中に、新鮮な空気を吹き込む、まさに歌声勝負一本の一枚でしょう。彼の歌声は、どことなく灰色がかった歌声でいて爽やかで艶やかな伸びのあるまさにStevieやMarvine Gayeなどを髣髴とさせるSOULFULな歌声です。前作ではこれほどのSOULFULさを出し切れていなかっただけに、成長の後が垣間見れます。今作では、Producer陣が豪華で、なんとあのRaphael Saadiqに、Mike City、Slum Villageなどが参加し、しかも、自身でのProduce作品が素晴らしい!さらに、Eddie F and Darren Lighty作品の「More Than A Woman」思わず聞き入って体を揺らしてしまうほど、艶やかで優しい空気に包まれた名曲です!是非、SOULな歌声に恋焦がれるあなたにこそ聞いて欲しい作品です。 これは、2003年の重要な一枚となること間違いない傑作です。このCLASSICAL FLAVORな作品が2004年に向けて流行る可能性大ですね。飽きが来ない5年10年と長く聞ける一枚です!

オススメ:(1),(3),(5),(6),(11)

(曲解説)

01.Keep On Pushin'

初っ端のドラムの雰囲気と彼のSOULFULな歌いだしにクラッと来てしまいます。この曲はちょっとマッタリ気味なドラムなどのインスト系の音に、灰色がかったCalvin Richardsonの歌声が最高に栄えます。まさにSOULなCLASSICな一曲です。徐々に温かみを増しつつシャウトしていく様がもうカッコよく心地よく耳に響きます。

02.Falling Out

Raphaelが奏でるギターのサウンドが心地よい、語りから始まる一曲。ゆったりとじっくりと歌いこんでいくCalvinが非常に気持ちよさそうです。歌い手の気持ちよさが、聞き手にまで伝わってきます。もうこの辺は、CalvinのClassicさの独断場です!メチャメチャ盛り上がるわけではなくジンワリと聞かせてくれるのが通好みである一曲。

03.I've Got To Move

ちょっと最初からひきつけるメロディー展開をする一曲で、FUNKNESSな感じがビンビン伝わってくる良曲です!アクセントとなる"I Got a Move"っていうフレーズでの歌声がなんとも癖になります。うねるような曲調の中、一本筋の通った歌声を聞かせてくれる、本当のSOULFULさをまざまざと見せ付けてくれる一曲です。ファルセットとの使い分けもメロディー展開にのせるのがうまいなーって感じです。

04.I'm Worthy

明るめなイントロから軽快な一曲を聞かせてくれます。70年代のStevieを思い起こさせる明るさに満ちています。もちろん、古臭い〜感じはぬけるわけもなく独特なSOULな世界観は残したまま、明るく聞かせてくれます。彼のProducerとしての力量も感じさせてくれる一曲です。

05.More Than A Woman

COOLでSOULなサウンドが鳴り響きます。フェンダーローズの音が優しく響き渡り、流れるようなHOOKが心地よく響き渡ります。HOOKでのファルセットも素晴らしく、思わず目を閉じて聞き入ってしまいます!HOOKのメロディーが渋いけど美しい感じで心地よい!がー!とメリハリがあって盛り上がるという曲ではないのですが、なぜか心地よくて聞き入ってしまう。どんどんじわじわと癖になる・・・そんな名曲ですね。

06.Not Like This

ちょっと雰囲気を変えてフルートの軽い音が鳴り響きIntroから・・・じっくりとCalvinが歌いこんでいき、コーラスの重ね方が見事な美しく晴れやかなHOOKへと流れて生きます。徐々にコーラスの厚みを増していき、ファルセットが混ぜ合わさり、見事な歌いっぷりを示しています。徐々に自由にシャウトしていく歌声とコーラスとの絡みも非常に面白い聞き応え十分な一曲です。

07.She's Got The Love

ここでまた雰囲気はClassicalに・・・Calvinもちょっとしわがれ声で歌っていきます。ホントこういう歌い方がこの人はピッタリきます。あー、SOULを今聞いてるのかな?という気分にさせてくれます。Raphael Saadiqプロデュースで、ギター、べースでも参加。このRaphaelの曲はすごい目立つわけじゃないんだけど、2曲目もこの7曲目もこのアルバムの方向性を考える上で外せない曲たちです。まさにこういうFUNKとSOULの中庸的な雰囲気を作らせたらさすがですね。

08.You Got Me High - (featuring Slum Village)

とここでいきなりHIPHOPなトラックが!といっても、Slum Villageなので、どことなくシニカルでSOULな味わいを残したRapでいい味を出しています。ファルセットが見事にハマっているHOOKが面白く、本当にいい仕事をするなと思わせてくれます。

09.Put My Money On You

オルガンの音が優しく響き、力強くCalvinが歌いはじめます!このなんともちょっとファルセットがかった歌い方というのが、彼の歌の特徴で、美しいんですね。でも、Lyricでは結構コアで、リアルなところを歌っています。

10.Your Love Is

歌いだしから力強くぐいぐいと引っ張る爽やかな一曲です。HOOKでは、心地よくMain Onlyでストレートに盛り上がります。なんか、余計なものは全て排除した感じで、歌だけで純粋に聞かせてくれる一曲です。恋愛謳歌であり、女性への思いをストレートに歌った感じも心地よいですね。

11.I Wansumo

いきなりギターの軽快なサウンドがなり響き、カッコよくCOOLに歌い上げていくUPです!ギターと歌声との絡み合いがカッコよくそこにドンピシャでDJのCutが入るものだから相当COOLでカッコよく仕上がっていますよ!それにしてもこういうタイトル流行なんですねー。Musiq以来。

12.Cross My Heart

最後はじっくりと歌いこんでいきます。気持ちのいいSOULな世界を締めるに相応しい!特に飾り気はないが、ストレートな雰囲気がまたもやカッコいいという気持ちにさせてくれる。

(Producer)

Calvin Richardson for Organized Mindz:(1),(4),(10),(11)
Raphael Saadiq:(2),(7)
Jake and Trev:(3)
Eddie F and Darren Lighty:(5)
The Underdogs:(6)
Slum Village and Young RJ:(8)
Young RJ:(9)
Mike City:(12) 

(LINK)

www.calvinrichardson.net
☆☆☆☆☆☆(2004年のR&Bの流行を決定付ける重要な一枚!)

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