Billy Cook / R&B Gangsta

(総評)

Lil KanoとのタッグアルバムをリリースしたばかりのBilly Cookが通算3枚目となるアルバムをリリース！Lil Kanoとのアルバムでもソロ曲で物凄い濃い素晴らしいバラード披露してたBilly Cook！前作も素晴らしいこともあり、このアルバムも発売前から話題騒然となっていました。そんなこの作品！現在の彼のスタイルがモロに繁栄された形になっており、濃いR&Bを想像して聞くと、最初の思いっきりHIPHOPサウンドに圧倒されます。もちろんそのHIPHOPサウンドをも乗りこなし歌い上げるのが、Billy Cook!そのUPサウンドの完成度の高さを目を見張るものがあります！
前半のUP群の盛り上がりの凄さは、最近のR&Bには見られないもので、素晴らしいHIPHOPサウンドと歌とRapの融合を見ることができます、その頂点ともいえるのが、8曲目「Streesing Me feat. Trae」でしょう〜。分厚いサウンドと歌声の迫力で、聞くものを圧倒していきます。そのほかにも4曲目でボコーダー使いを見せてくれたりと技も多彩で、アルバム全体として楽しめます！さらに6曲目のネットリとしたファルセットの歌いっぷりなども見事です。そして、10〜12曲目にかけて見せてくれるR&B Singerとしての本領発揮したところも見逃せません。この一曲はアルバムの中でも一番歌心を感じることができます！本当に多彩で、一言では語り尽くせないアルバムです。
前作のアルバムの影響もあるのか、もっと濃密なR&Bバラードも聞きたかったのですが、それがないのが、ちょっと残念ですね〜。今回はHIPHOPビートが中心となっているので、バラッド好きには物足りないかもしれませんが、このちょっと他では見られない南部HIPHOPとの見事な融合を見せるところなどは、素晴らしいです。ぜひ、HIPHOP好きに聞いて欲しいアルバムですね。

(曲解説)

01.R&B Gangsta feat. Showtyme & Lil Kano

Gangstaの名に恥じない、激しいバウンスビートにのって、Lil Kano、Showtymeを従えて、どっしりと激しく歌を披露していくBilly Cook!貫禄すら感じますよ。ファルセット気味なBilly Cookの歌声と、Lil Kanoの高速ラップとの相性の良さは前作「The Best of Both Worlds」で実証済み！やっぱりこいつらが組むとHIPHOPなんだけど、どこか癖になるカッコよさがある一曲になります！

02 Papi

遊び心たっぷりな一曲で、RapっぽいBillyの歌声と、うねるサウスビートが複雑に絡み合い、そこに癖になるHOOKのサビが合わさり、中毒性が強い強烈な刺激をもって曲が展開されます！こういう濃い〜HIPHOPトラックにのったR&Bはたまらないですね〜。中途半端だと、HIPHOPトラックに負けちゃいますが、Billy Cookほどに圧倒的な存在感があると、最高にかっこいいです！

03 Kandy Blue feat. S.L.A.B.

もうBilly Cookお得意のうねるビートにネットリと歌が絡む一曲！このネットリ具合がいかにも南部なR&Bだな〜と感じさせてくれますよ〜。そのくどいぐらいなネットリの中にもBilly Cookなりのカッコよさが見えるのです！

04.So Thorowed feat. Lil Keke

ボコーダー使いなイントロが冴えまくる一曲、やっと正統派な歌が始まります！この辺は、Billy Cookの歌の背景に根付いているSOULやFUNKの息遣いを感じることができるポイントです。ここまでは思いっきりHIPHOPって感じでしたが、ここからは、いい具合に歌い上げていくBilly Cookの強烈なバリトンボイスにノックアウトされちゃいます。ボコーダーと絡みながらも激烈シャウトをかましていくところなんか、たまらんね〜。濃いね〜。濃い！

05.Bubble Remix feat. Stress & Magyver

バウンスビートで楽しげに盛り上がっていく一曲！いや〜ホントこういう曲やらしたら、右に出る人いませんね。ちゃんとこれで歌になっているから凄すぎる。一緒にHey!って手を上げたくなりますよ〜。

06 Say What you Mean feat. Talent & Chris

さて、ここから一気にR&B色が強くなります。このファルセットの歌声で変態チックに歌い上げてしまうところと、その後にバリトンでグット重く歌う対象的な雰囲気がたまりませんよ！ネットリと絡みつくような一曲で、その湿感が、心地よいですね〜。サウンドも適度な古臭さと混ざり合いSOULで心地よい雰囲気をだしています。最後のa cappellaがいいですね〜。

07.In Your Memory fat. Talent & Kizzo

ギターのうわものと、Billy Cookのバリトンが絡み合い語るようにRapするかのように歌うAメロから、HOOKでCoolなメロディーでしっとりと聞かせてくれます。熱を内に込めたように、静かに熱く歌い上げてくれます。彼のアルバムの中でも一番安心して聞ける一曲です！

08.Streesing Me feat. Trae

Lil Kanoとのアルバムで見せた南部のバウンスビートでしかなしえない、バウンスR&B!ここまで斬新でカッコよくて濃くて、リズミカルなUPは、この南部という土地だからこそできたといえるでしょう〜。本当にカッコよくて、それでいてありえないぐらいに濃くて、しかもバウンスビートにしっかりと乗り切っているBilly Cookが凄すぎます！これぞ、彼の真骨頂とも言える素晴らしいUP曲！Rapもこれに乗ると本当にカッコよく聞こえます。

09.Cheating feat. D-Block

今までよりも落ち着いた渋い一曲が始まります。D-Blockとお互いが深く深くじっくりと絡み合い、そして、一度音が止まってからの、転調でのメロディーがグッと来ます、かなりその場面が盛り上がりますよ！

10.Stepp Wit Me

このアルバムの中で、一番のR&Bソングがこれ！ギターの哀愁漂うメロディーと、それを包み込むようなBilly Cookの内に秘めた熱い歌声に心揺さぶられます。適度なダンサブルなHOOKがただのバラードだけに終わらせず、Billy Cook独特の癖になっていくような歌声を披露してくれます。

11.I Don't Care

ちょっとメロディーをぼかしたようなイントロから、Billy Cookらしいシャウトが徐々が炸裂していきます。この燃え上がる歌いっぷりこそ、Billy Cook!短い曲でいながらも、見事に存在感がある一曲になっています！

12.It's All Over

地味なメロディーの上で、縦横無尽に歌い上げていきます。サウンドとかはそれほど魅力的か？といわれると？なのですが、でも彼の歌声が入ることで、本当に味があるいい曲へと変化していきます。というか、サウンドが彼のシャウトを邪魔しないのがいいのかも！

13.I'm A Pimp feat. Bun-B

ここからは、またHIPHOPへと戻っていきます。やっぱりこういうサウンドが本来好きなんでしょうね。

14.V.I.P. feat. Trae, D-Block & Big G

このサウンドはどこかで聞いたことあるな〜。ちょっとHIPHOP色が強すぎて自分的にはあまり面白みがすくなかったです。

15 Break A Bitch University feat. Congo, Talent & Kizzo

この辺はBilly Cookよりもその周りのCREWのRapを楽しむって感じになってきます。でも、これほどにRapとSingerの境目がないアーティストっていうのも他に見たことがないぐらいに素晴らしいです！