Wade O.Brown / All Night, All Love

01.About Her
02.Put This On
03.All Night, All Love
04.Maybe
05.Just Good Griends
06.Besides
07.Where Do We Go For Love
08.So Glad
09.Shake
10.Wholeheart
11.How Does It Feel
12.Best Of My Love
13.My All Is You
14.Now Is Mine

(総評)

カナダのシンガーWade O.Brownの2年ぶりとなる2ndアルバムは、前作の濃密なバラード責めに加えて、ダンサブルな楽曲も加えた最強のSOULアルバム!カナダでは有名なアーティストなのですが、USでのリリースも今作が始めてとなり、いかに前作がSOULファンの耳に残ったかというのを証明しています。前作では彼のバリトンボイスが得意とするSweet Slowだけに偏ってしまっていて、物足りなかった人もいたでしょうけど、今作では彼が大好きなLutherをより意識したような歌い方でもちろん、ダンサブルで鮮やかに歌上げる曲もあって、歌い方の幅が広がっていることに加えて、サウンド的にも自分で手がけている曲が多い中、その成長っぷりも目を見張るものがあります。まさに最強のSOULバリトンシンガーとなって帰ってきました!
前作でも彼自身が曲を作ってはいたのですが、今作ではそのほとんどを自らの手で仕上げているのが、素晴らしい。歌えるだけではなくその歌声を生かせる曲も作れるシンガーへと急激な成長を見せています。濃密な歌を支えるに足る深い味わいのサウンドでじっくりと聞かせてくれていて、きちんとしたリズムトラックの上で、UPテンポな感じにも挑戦しつつそれだけになりすぎずに、しっかりと聞かせる曲たちが目白押しです。特に3曲目での新機軸となるルーサー節も交えたUPサウンドには度肝を抜かされつつ、4曲目などのような美しいバラードも随所に織り交ぜつつ、5、7曲目のような濃厚なまったりもったりなサウンドも聞かせてくれます。非常にサウンドの幅広さを感じさせ、彼らのバリトンボイスの魅力を様々な角度から見せることに成功しています。2枚目にしてすでにベテランの風格を感じさせるような安心して聞ける一枚になっています。
オススメ:(3),(4),(10),(8),(2),(1),(6),(12),(13),(14)

(曲解説)

01.About Her

深い味わいの歌声が一曲目から炸裂していきます。美しく歌い上げるコーラスとWade O.Brownの存在感あるバリトンボイスに癒されます・・・全てを包み込むかのようなその広いレンジを持った歌声の放つ濃厚な甘い雰囲気に酔わされます。哀愁漂うアコースティックギターとの相性も抜群で、最初から名バラードでアルバムを盛り上げます。気持ちよすぎます~!

02.Put This On

前作で魅せたその濃厚でものすごいバリトンの世界をさらに推し進めた一曲で攻め立ててきます。彼の歌声は包み込むようでいて非常に芯の強さを感じさせてくれます。そしてアーバンなこのサウンドがまた素晴らしい!都会の夜のようなそんな雰囲気さえします。前作はちょっとモッタリとした曲が多かったので、このサウンド面での成長は目を見張るものがあります。濃厚で強烈な一曲です。まあ、それにこんなバリトンでマッタリと歌われたら濡れますって。ルーサーを意識したような歌い方がまたいいですね。このプロデューサー彼の味をよくわかっています!

03.All Night, All Love

そして前作では見られなかった、躍動感溢れるダンサブルな一曲!このバリトンでダンサブルにシャウトかまされたらそれだけでノックアウト!Never Too Muchのフレーズを絶妙に混ぜ合わせている抜群のノリのいいサウンドの上で伸び伸びと歌をかましていくコーラスとWade O.Brown!このダンサブルさは、もうルーサーそのままって感じですよねー!最高のディスコサウンドを作り出していきます。Wade O.Brown自らとKipper Jonesが作り出した絶妙なサウンドとカッコイイ歌声に躍らせてもらいます!これは傑作!

04.Maybe

しなやかなギターサウンドの上で、ゆったりとやさしく歌いこんでいくWade O.Brown。そしてそれに絡みあう力強くも切ない女性ボーカル。この低音の女性ボーカルがいい味を出していて、彼の濃密なバリトンボイスを絡み合うことで、この上ないSEXYさを醸し出しています。熟成された男女の絡み合いのように、濃厚で静かでありながら激しいせめぎあいが繰り広げられます。そして、Wade O.Brownも押さえが利かないように情熱的に吼え上げていくたまらない一曲!

05.Just Good Griends

少し情熱的で濃密な雰囲気を押さえ気味にして、ゆったりと心地よく歌いつないでいきます。こういうときでも徐々に声を乱れさせたりとか、そういう感情表現が絶妙にうまくなりました!Jason Simmonsの静かな歌声が逆にWade O.Brownの歌声を引き立ててくれます。ところどころに聞いたことあるようなフレーズが出てくるのも、この人が本当にR&B、Soulが大好きなんだなーと思わせるところでもあります。

06.Besides

アコースティックギターの音色に導かれるようにゆったりと歌いこんでいきます。こういう力の入ってない歌の時こそ彼の歌声がいかに存在感があるかっていうのを解らせてくれます。この声をずっと聞いていたいと思わせるほどの歌声です。声も歌もいいなんて、なかなかこういうバリトンシンガーはいないかもしれませんね。リズムトラックはかなりダンサブルなので、心地よく体を揺らして聞くことができますよ。最後の女性ボーカルまで無駄がありません。

07.Where Do We Go For Love

絶妙なピアノの旋律がたまらないイントロから、濃密な歌声を披露します、1stアルバムの曲たちに近い雰囲気ですね。今までのダンサブルさがある曲たちとはまた違う彼の魅力を見せてくれています。こういう濃厚でもったりとした曲での彼の歌声の伸びやかさはまた一段と凄いですね。美しくピアノの旋律が余計に濃密さを引き立たせて、そこまでできるかいってぐらい濃密に歌っていきます。

08.So Glad

ゆったりとした7曲目がおわり、即座に8曲目がはじまります、ここではまたテンポよく歌い上げて生きます。しかもこの曲バックボーカルのアレンジにGordon ChambersにBarry Eastmondなんていう最強の布陣を引いているんです!そらーどこかで聞いたことあるようなフレーズが満載な訳です。これはすごいですよー!安定した心地よいバックボーカルの上で、縦横無尽に歌い上げるWade O.Brownも安心して歌ってて気持ちよさそうです。

09.Shake

ここでも、ギターがカッコよく鳴り響きダンサブルな一曲を展開していきます!気持ちがいいリズムにのって、豪快に歌い上げていくWade O.Brownのバリトンボイスにこれでもかとやられてしまいます。思わずShake Bodyってリリックにあわせて踊ってしまいそうですよ。

10.Wholeheart

ピアノイントロから、重圧な雰囲気の独特なサウンドが展開していきます。今までの彼にはないサウンドで、面白い!そして、サビでのうねるように、全てを巻き込んでいく力強さに圧倒されてしまいます。流れるようなHOOKのメロディーも最高です!UPテンポなサウンドではないのですが、ボトムが効いた体を思わず押されるようなそんな力強さをもった一曲です。女性ボーカルやバックコーラスも荘厳に絡み合っていく様が、圧巻です。

11.How Does It Feel

今までの雰囲気とはガラっと変わって、メロディー展開が少なめな一曲ですが、しっとりとゆっくりと徐々に哀愁漂うにメロディーが展開していくこの暗さがなんとも今までよりもインパクトがあります。そんなゆったりのところから、感情を剥き出しにして吼えていくのが、なんとも彼らしい一曲です。1stの曲ってこういう感じだったよねー。ゆったりと彼のバリトンボイスを堪能できますよ!

12.Best Of My Love

まったりしたSOULサウンドにのって、心地よくネッチョリと曲が展開していきます。なんか、このサックスの上ずった音がなんともエロスをかりたててくれます。そこを哀愁たっぷりに歌い上げてくれるWade O.Brownの歌にひたすら、ただひたすら聞き入ってしまいます。なんとも独特なサウンドに耳を奪われますよ。一番最後にインパクトに残ってしまうかも!

13.My All Is You

アイズレーっぽいギターのイントロからぐわ~と大迫力の歌を聞かせてくれます。彼の歌声に自身の歌声を重ねていくのですが、唯でさえ濃密な歌が、さらにさらに、濃密なトロトロ具合満点になっています。うわーすげーよー。ギターの哀愁漂う音色とも合い待って、素晴らしい一曲に仕上がっていますよ!

14.Now Is Mine

語りから、しっとりとした歌を聞かせてくれます。エレピの妖艶な音色がなんともいい感じに響き渡り、その中で伸びやかに歌い上げていきます。気持ちよさそう!激しく吼える曲で、どんどん歌に圧倒されていきますよ。最後の繰り返し歌い上げるフレーズが心地よく胸に染み込んできます。

(Producer)

Wade O.Brown:(1),(3),(5),(6),(10),(11),(13)
Jason Simmons:(1),(5)
Cornelius Mims:(2)
Kipper Jones:(3),(10),(11)
Daryl Simmons & Tony Williams & Ray Edwards:(4)
Steve Estiverne:(7),(9)
Barry J.Eastmond:(8)
Maurice Wilcher:(12)
Lemoyne Alexander:(14)

(LINK)

Official WebSite

☆☆☆☆☆☆(名作)