Southern Relative / I WANT U 2 KNOW

01. Let Em’ Know
02. Party On
03. I Want U 2 Know
04. Sexulude
05. Do U Want Me (Intro)
06. Do U Want Me
07. Champagne
08. Sex U
09. Uh Oh
10. PLP (Intro)
11. Parking Lott Pimpin
12. Never Be
13. Tell Me UR Name
14. Yesterday
15. Evidence
16. MY KING/ Gospel Reprise

(総評)

テキサスはダラスの高校時代の友人で作ったグループ、Chis, Boobie, Hyde, Tyroneの4人からなるいかにも歌えそうな濃いジャケが目印のSouthern Relative!これもインディーソウルで、去年話題となった作品です!彼らの特徴は、なんと言っても、その濃厚なボーカルと熱く濃密なコーラスワーク!熱唱系というよりも灰汁が強く濃厚なコーラスや滾るボーカルで、聞く人を徐々に徐々に彼らの歌バカな世界へと引き込んでいきます。真っ正直に自分達の色を自分達の表現スタイルで突き詰めていく様は、本当の歌バカでしょう!
最近のUSのR&Bシーンでのボーカルグループといえば、B2Kなど軽めのR&Bが好まれる傾向が強くて、なかなかこういう歌バカたちは注目を受けることがなかったのですが(最近はやっとN2Uが出てきましたね!HEATも素晴らしい!)、うまく自身の出身地であるサウスの要素をうまく取り入れた素晴らしい濃いR&Bボーカルスタイルを出しています。基本的にはあまりメロディーよりもリズムがしっかり出来たHIPHOP BEATとその低音でぐいぐい引っ張るサウンドにのって、重圧な歌やコーラスで聞き手を圧倒していき、時にファルセットで美しく聞かせたり、豪快なシャウトで熱く吼えたり、Rapで軽快にサウンドにのったり、アクセント的な要素も非常に強く聞いていてあきません!この圧倒されるような濃厚具合に最後まで歌い倒されてしまいます、何度も聞いていくと少し曲をじっくり聞く余裕がでてくるぐらいです。
曲的には、なんといっても、3曲目「I Want U 2 Know」の美しさは特筆物!こういう濃いグループがたまにやる美しいメロディーの曲っていうのは、まさに悩殺ともいうべき、説得力ある力強さとどこかはかなさがあって、感情を高ぶらせてしまいます。本当に美しいファルセットで熱く心を揺さぶらせます。あとは、数曲を除いて、もう全曲押しの一手で、どんどん濃厚な歌を聞かせていきます。バラードでさえ、衝撃的なほど圧倒的な迫力があります。メロディーやサウンドよりも俺達の声を聴けといわんばかりです。でも、その中身としてはしっかりと練られていて、面白さをなくさないように様々なメロディーやビートを絡めて聞かせてで攻めてきます。特に11曲目、7曲目での圧倒的な歌いっぷりは見事だし、16曲目で見せる女性との力強い絡みは何度聞いても、すごいなと思わせます。曲的にも圧倒されてしまうため同じようなテンションに感じますが、聞き込んでいくと微妙な歌心溢れる歌いっぷりとかメロディーの面白さなどいろんな面が見えてくる深いアルバムです!
完成度が高いっていうのではなく、ひたすら歌を聴いてしまう・・・あれ?もう終わったの?って思ってしまうようなアルバムです。これぞ、インディーソウルのR&Bグループです(昔はこういうのがメジャーでごろごろしてたんだけどなー・・・)。現時点入るボーカルグループの中でもここまで濃い歌を聞かせるグループは彼らだけでしょう!濃厚な歌バカアルバムを聴いてみませんか?これを聞かずにR&Bグループを語るなかれ、本物のボーカルグループとはこういう人たちをいうんです!
オススメ:(3),(5),(2),(6),(7),(8),(11),(13),(16)

(曲解説)

01. Let Em’ Know

どっしりとした歌から始まる低音のビートが効いた一曲!彼らのよりDeepな面が最初から感じられて、こいつら濃いぞ!と思わせてくれます。この曲が一曲目に来ていることで、そんじょそこらのボーカルグループとは違うっていうところをじっくり見せていきます。Jagged Edgeよりも全然濃くて、III From Tha Soulとか好きな人は絶対好きな感じだねー。Rapは、メンバーのHydeと、featuirngで様々なアーティストが担当しているようです。

02. Party On

最初の吼えっぷりから、最高級に濃い!こういう曲たちが続いていきます!Deepに激しく歌い上げていくコーラスとボーカル!ボーカルだけ濃いっていうボーカルグループは多くても、全部が濃いグループって珍しい!暑苦しいぐらいに、ドシっと腰を据えて歌い上げていく4人の凄まじさに、圧倒されていきます!こういうのが、ボーカルの気持ちよさなんだよなー。メロディーラインよりもその声の厚さに耳がいくところなんかたまりせん!そしてたまに入るファルセットがいいアクセントになってていいんですよねー!たくみなRapなども入っていて、曲的にも面白みがあって楽しめます!

03. I Want U 2 Know

タイトル曲は一転美しく儚い壮大なバラードへと展開していきます!ゆったりと歌いつないでいくボーカルにうっとりとしつつ、こういう濃いバリトンボイスのボーカリストが一瞬出すファルセットが美しくて、うっとりしてしまいます。心をグッと掴んで離しませんよ!コーラスも太く濃い感じがいいんですよね!後半にかけて、フェイクで熱く吼えながら、4人が熱く上り詰めるように絡み合っていくハーモニーがたまりません!素晴らしいバラードです!本当に全員の実力が高いので、コーラスがしっかりとメインを盛り上げていてカッコいい!これぞボーカルグループです!

04. Sexulude

ここらへんからじっくりと腰を据えて、歌い上げるインタールード。ちょっとこの辺の、さりげないインタールードとかのよさもこのアルバムの水準を高めていきます。

05. Do U Want Me (Intro)

イントロがなんといっても、カッコイイ!Introっていうわりには、美しい絡みあいをするボーカルに惹かれていきます。4人がそれぞれ魅惑的な歌声の持ち主で、ちょっとボコーダーっぽい歌声など、そういう小細工もいい感じなイントロのがもったいない!

06. Do U Want Me

バラードだけで終わらせないのが、この人たちの凄いところ!しっかりサウスバウンス系のビートにのって激しくRapをカマシつつ、歌いあげていきます!でも単純に熱く歌い上げるんじゃなくて、ふつふつと湧き上がるように、内面に秘めた熱さがたまらない激しく絡み合うコーラスワークなんです!このバカ正直な歌いっぷりが気持ちいい!かっこいいよ!お前ら。Rapというか、South HIPHOPとの相性も抜群です!

07. Champagne

ゆったりとしたサウンドからジワジワと歌い上げていくコーラスに、猛るメインボーカルの対比が面白い曲です!コーラスがあくまでじわじわとネットリと落ち着いて歌い上げていくなか、メインボーカルは、シャウトやフェイクを交えながらも、情熱的に歌い上げていく様がカッコいい!この情熱っぷりにやられます。これほどまでに熱く歌えるなんて、滾り吼えまくるボーカルがカッコよすぎます。

08. Sex U

軽めのリズム音にのって、じっくりとそれぞれがソロで歌いつないでいきます!この掛け合い的な面白さが一番味わえる曲で、サビで4人が合わさったときの強力なコーラスが壮大で、凄さが味わえる!それぞれの歌声の微妙な違いが出ていて、本当に4人が全員素晴らしいボーカリストだっていうことを再認識させられます。アルバムの最後に来るような壮大なコーラスが聞きどころ!正統派な一曲です。

09. Uh Oh

濃厚なコーラスワークに胸を打たれる一曲です・・・しっとりと歌い上げていく4人。そのままトロトロな歌世界へと聞き手を引きづりこんで行きます!4人が合わさったサビで、まったりとした感じさせながらも、4人の厚みがあるボーカルが心地よく響きます。包み込まれるような感じがします。

10. PLP (Intro)

ちょっと緩い語りが入っているインタールード。こういうアクセント的な要素も要所要所に入っていてこのアルバムを面白い物へとしています。ここから怒涛の攻めが始まります!

11. Parking Lott Pimpin

二人のリードが交互に歌い上げていく一曲!しっかりとした低音ビートのリズムがサウンドを支えながら、ソロと、コーラスがメリハリよく交互に聞こえてくるのが、心地よい!こういう濃い曲を今できるアーティストってこいつらぐらいかもしれません、本当に!低音の語りっぽいRapがいい味を出していて、この曲のコーラスワークのカッコよさを引き立てています!美しいというよりも、圧倒的な迫力!それを前面に押し出したカッコいいコーラスを聞かせてくれる彼らの真骨頂的な一曲です!

12. Never Be

こういう曲調が彼らは多いのですが、この濃厚なコーラスを聞けると、全然同じようなサウンドでも楽しめます!この曲は、メンバーのファルセットがかなり生き生きと入っているので、面白いですよ。畳み掛けるようなコーラスワークに聞きほれてしまいます。

13. Tell Me UR Name

リズミカルなサウンドで、心地よく聞かせてくれる一曲です、彼らの曲の中では割りと軽い曲ですね!この軽いと、ちょうど普通のアーティストの濃いぐらいで、聞きやすくて、乗りやすい感じがします(笑)ギターのサウンドが爽やかに響き渡り、なんかナンパするような声のかけるフレーズもあったり、これからの季節にぴったりな曲になっています。

14. Yesterday

哀愁漂うコーラスやサウンドにのって切なげに歌い上げる一曲・・・ゆったりとファルセットを交えたりして、静かに聞き入ってしまいます。4人が包み込むように歌い上げるコーラスもたまりません!悲しくも温かみに溢れる曲になっています・・・いやー哀愁ですねー。

15. Evidence

ゆったりと、2リードとコーラスが絡み合い歌っていく一曲。いかにもアルバムの一曲って感じなのですが、それでも飛ばして聞いたりできないのが、コーラスのうまさがあるからでしょうねー。この4人だからこそできる濃厚なサウンドにやられてしまいます!

16. MY KING featuring Tawanna/ Gospel Reprise featuring Roggie Collins & Jamioen Thompson

最後に、サックスがカッコいい一曲が!しかも濃厚なコーラスと壮絶なボーカルのせめぎあいが聞けるのです!これは最高!最近こういうのが物足りなかったんですよねー。しかもTawannaという女性ボーカルがデュエットしていて、彼女も相当パワフルでSOULFUL!もうこの5人での掛け合いは、まさにド迫力という言葉がぴったりです。
そして、途中から、ゴスペルっぽい壮大なバラードへと変化していきます。featuringの二人もバックコーラスでいい味だしながら、その上を自由にフェイクしていくメンバー・・・心地よさそうです!

(Producer)

Written!
Chris Pope:(1),(2),(3),(5),(9),(12),(14),(15),(16)
Lonnie Turner:(6),(7)
Tyrone:(4),(8)
Desmond (Hyde) Davis:(10),(11),(13)

(LINK)

http://www.southernrelative.com/

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