Ledisi / Soulsinger

01. Get Outta My Kitchen
02. Soulsinger
03. Take Time
04. Stop Livin’In Ya Head
05. Coffee
06. You Are My Friend
07. Hotel
08. Dreaming Interlude
09. Free Again
10. Groove On
11. I Want’cha Babe
12. I Want’cha Babe – Interlude
13. Papa Loved To Love Me
14. In My Life
15. My Prayers
16. Good Lovin’
17. Snoring

(概説)

2001年度最高のオーガニックソウルアルバムといえば、このアルバムしかないでしょう!India Arieなんか軽く抜いちゃってます。アルバムとしての完成度も高いし楽曲の完成度も高すぎる・・・
それほどのインパクトをもったアルバムなのですが、JAZZYとSOULが合わさった名作に仕上がっています。
このアルバムで一番肝となっているのは、なんといっても、LEDISIのブルージーな声!特に『You Are My Friends』の最後のかけてのシャウトなんてたまりません。SOULの直球を思いっきり投げられたみたいな感覚に陥ります。聞き入ります!
イビキが入ってたり、好き勝手やりました!感が強いのに、アルバム一枚通して、筋がとおってるところが、素晴らしい。
この方すでに2002年1月に2ndアルバムを発売しているのですが、こちらは、オーガニックソウルというより、JAZZ!彼女の根底には、JAZZが流れているんだな-ということを実感させてくれました。そう思うと、彼女のこの独特な世界観が少しわかってくるような気がします。この濃密なSOUL&JAZZYな世界にどっぷり使ってみるのは、どうですか?
オススメ:(1),(2),(4),(6),(10),(11),(14),(16)

(曲解説)

01.Get Outta My Kitchen

おしゃべりから、いきなりドープなサウンドへといざなってくれます。「You」っていう一つの言葉の歌い方だけで楽しめるんですよー。これぐらい味があるYOUの歌い方があるんですねー。気持ちがいい!歌えるし、ちょっと面白く歌ったりも出来るし、JAZZっぽい即興のノリがたまらない!歌が散りばめられている名曲です。途中で始まる力強いシャウトがJAZZを基本としているということをまざまざと見せ付けてくれる。所狭しとシャウトしまくる最後の方は圧巻です。

02.Soulsinger

このアルバムタイトル!素敵です。こんなタイトルつけられたら期待しないわけ無いじゃないですか!そして、その期待を裏切らない素晴らしい出来であることは、この曲を聴いてもらえれば一聴でわかります。押さえつけつつ、最後まで生き最後で大爆発を起こすこのスタイルは、聴いてるこっちまで気持ちこもっちゃいます。パーカッションの音が気持ちがいい、本当に生音に近い音での録音は気持いいですよね。今年のフィリ-系のムーブメントは、彼女のこの素晴らしいアルバムがでたからこそなのではないかなと今になると思います(この作品は2001年初期)!

03.Take Time

JAZZYでFUNKYな2曲が続いた後は、ちょっとマッタリしたこの曲で一休み。しかーし、絶妙なループを繰り返すサビが気持ちがいいことこの上ない。そして、やっぱり、最後は盛り上がっちゃうのでした・・・それにしても、この変幻自在なシャウトは素晴らしいなー。シャウトの種類が多いというのは、聴き応えがありますよ。

04.Stop Livin’ In Ya Head

これこそ、LEDISIがJAZZ畑出身だというのを決定づける一曲。こんな感じの曲はR&Bではありえませんが、この絶妙なバックコーラスの繰り返しの妙!これぞJAZZY!そして、ちょっと押さえ気味に入るLEDISIの歌声も完全にJAZZの歌唱法になってます。うんうん、JAZZアーティストは、抑えながら歌うつぼを心得ているから、SOULを歌っても味があって大スキです。

05.Coffee

タイトルからは、貴方は何を思い浮かべますか?オープンカフェ?スタバ?ちがーう、もっと薄暗い地下にあって、おじいちゃんが一人やってるような喫茶店ですね、この曲のCoffeeは。それぐらい濃いんですよ。軽快に歌い上げつつも、その濃さが残っちゃっています。この熱い語りがいいですわー、こういうHIPHOPっぽい感じの曲も歌えるのは、すばらしい、歌の幅が本当に広い人です。JAZZYなHIPHOPがあるけど、これは、その逆ですね、HIPHOPっぽいJAZZ。

06.You Are My Friend

本作品最高の名曲がこれ!この心地よい歌声に酔いしれます。スムーズなJAZZYなサウンドの中、LEDISIのちょっと優しげな声が囁きかける。サビでの歌声の優しさの中に潜む芯の強さがこの女性の強さを表している。この人の人生そのものを捧げたような歌い方ですね。最後へ向けての盛り上がり方が、最高です。いやはや、この力強いシャウトの嵐!これこそJAZZでしょう~。気持ちいいです。最高です。とにかく聴け!そういうしかない曲です。こんな曲に出会えるから、R&BとJAZZ聴くのやめられないんだなー。

07.Hotel

Coolなサウンドのなか淡々と歌いすすめる曲。淡くフワフワした空気感がする一曲。Ledisiのドープな声も澄んで聞こえます。

09.Free Again

ギターのサウンドが印象的な一曲。LEDISIの声の重ね具合がマッタリした感じをよく表しています。伸びやかなLEDISIの声とピアノの響きのマッチングが壮大な雰囲気を作り出しています。

10.Groove On

9曲目10曲目と前半の激しいシャウトはなりを潜めて、遅いビートの中を、ゆっくりとけれど重すぎずに、LEDISIの声が音にのって行きます。これほどゆっくりなビートなのに、縦横無尽に歌いきるのは、やっぱりJAZZSINGERだからだろう。普通バラードは、きまった歌い方に陥りがちだが、このシャウトや歌唱法の多さは、JAZZからきているのであろう。

11.I Want’cha Babe

今作の中でも一番のドープな楽曲!深い・・・この一枚深すぎ・・・それを感じさせてくれる一曲。この濃さに耐えられるかどうかが、この一枚をいいと思うか、あわないと思うかの分かれ目だと思う。

12.I Want’cha Babe Interlude

このインタールードがカッコいい!いかにもJAZZっていうLEDISIのタメの聴いた歌い方に思わず体が反応してしまう。これには、やられた。やっぱり、JAZZってカッコいいと思わされてしまう。

13.Papa Loved To Love Me

ちょっと謎な声が最初に入った、変わったビートとメロディーの曲。でも、後半にかけてのメロディー構成がJAZZっぽくなってくるところからのLEDISIの切れ具合が素晴らしい。カッコよい。

14.In My Life

そのまま、JAZZっぽさを追及した曲。というより、この人の本分はJAZZシンガーなのだろう。この曲はその真価がよく発揮されており、Smooth JAZZのようなループのする気持ちよさをもっている。日曜日の朝にフラッと聞きたくなるような曲です。JAZZは日曜日の昼時だなー。終わりの余裕たっぷりな感じも、聴いてて面白い。

15.My Prayers

ら辺は、JAZZで責めてきてますね。この曲は、ドープな歌い方が印象的なJAZZ。基本的にドラムの人の演奏がモロJAZZなんですよねー。生楽器の演奏がカッコいい!こういう感じを続けた一枚もきいてみたい。

16.Good Lovin’

いきなり曲の雰囲気がガラッと変わります。2STEPっぽいリズムの中、うねりまくるLEDISIの歌声。この曲は、今作中、「You Are My Friend」に匹敵するカッコよさを持ってます。それでいて、こちらは、CLUB受けしそうな出来ですね。ピアノの音が緻密で繊細で心地がいいし、ノリもいいので、踊れる一曲です。DJの人も使える曲だと思うなー。

17.Snoring

その名の通り、イビキ・・・すごいです。これが曲に入るなんて・・・うーん、好き勝手やってるなーでもこれだけレベル高いの持ってこられると、文句の付けようが無い!気持ちよくもカッコいい!そんな一枚です。2001年度オーガニックソウルの傑作であり、今後の2001年のオーガニックソウルの方向性を決定付けた一枚です。☆☆☆☆☆☆