Syleena Johnson / Chapter 3: The Fresh

(総評)

Syleena Johnson通算3枚目となるアルバムは、2005年を代表する女性ボーカル物最高峰の一枚！1stアルバムで見せたブルージーでフェンキーでかっこいいR&B歌物の世界と、2ndアルバムで見せた現行HIPHOP, R&Bシーンでもやれるぞという力強いアピールの、ちょうど両方のバランスのとれた、今までの最高傑作と呼ぶに相応しいアルバムがドロップされました。1stアルバムのあの濃い濃すぎるほどのブルージーで味のあるボーカルスタイルというのが、僕は大好きなのですが、それにプラスアルファで、わかりやすいさというのも加わっていて、このアルバムはとても聞きやすいのに、物凄い熱くソウルフルなボーカルという絶妙のバランスで聞くほうを楽しませてくれます。彼女のフェイクは男性のシンガーにも全然引けをとらず、ある意味男性よりもセンスあるし、かっこいいのです！まさに、姉御と呼ばしていただきたいほどに、かっこいい女性です。
そんな彼女を支えるゲストと、プロデューサー陣がこれまた素晴らしい！最近のシカゴ人材の盛り上がりをそのまま持ってきたようなゲスト欄もすごいのですが、プロデューサー陣！これがすごい！R.KELLY筆頭にKay Gee、Jermaine Dupri、Keith Pelzer&Darrren Hensonなど有名どころが揃っているのに加え、ほとんどの曲を別々のプロデューサーが手がけているのです！これ凄いことです！曲はプロデューサーが違えは違うようになるはずなのに、このSyleena Johnsonという素晴らしいアーティストは、それに一本の芯を通してくれるのです。これだけバラバラなプロデューサーが関与していながら、統一感のある一枚へと仕上げているのは圧巻です。R.KELLYも歌でもProduceでもいい仕事していますが、Kay Geeがいい仕事してますね〜。Kanye Westもいいしね〜。あとゲスト陣では、Anthony Hamiltonとのデュエットなんていう、ソウルの・・・熱い魂のぶつかり合い見たいなデュエットもあって素晴らしいし、COMMONが温かみのある絶妙なRapをカニエのトラックの上でかましたり、TWISTAがこれでもかと、Syleenaの情念をかきたてたりと、物凄い一枚になっています。それぞれのゲストが、Syleena Johnsonという女性アーティストに尊敬の念を持って、サポートしているし、彼女も彼女が歌えば、全てが彼女中心に変わるほどに、パワフルで存在感があります！
そして、このアルバムで、目を引くのは、このジャケットのエロっぽいこと！いえいえ、SEXYなことといったら。もう、興奮させられますね。中ジャケも全て、セクシー！胸を手で押さえているところなんてたまりませんね〜。いやーここまで潔くR&Bのエロスな一面を表現されたら、逆にエッチに感じるよりもカッコよく感じます、体、綺麗だしね。そして、そのジャケットを代表するような一曲の8曲目「Phone Sex」がこのアルバムのハイライトといえるでしょう〜。
とにかく、曲もよければ、歌もいい！今年絶対にこの一枚を外して2005年のR&Bを語るなんてできないです！もっていなければ、ならない一枚です！

オススメ:(2),(3),(5),(6),(8),(9),(11),(12),(15)

(曲解説)

01.The Flesh : Interlude

体を揺らすビートに乗っかって、切なげに歌い上げていくInterlude！一曲目はIntroっていうよりは、もう曲になっています。結構しっかり作りこまれてて、かなり聞ける内容になっていますよー！

02.Hypnotic (feat. R. Kelly & Fabolous)

R.KELLYとFabolousという強力な組み合わせを堂々と引き従えて、パワフルに歌い上げるSyleena嬢！お得意のブルージーなシェイクでガンガンどちかというと、R.KELLY調の単調な曲を激ソウルフルにしていきます。FabolousとR.Kellyの影がかすむほどですね。あくまで引き立て役ですわ。このUPでダンサブルなんですが、Syleena嬢が歌うめちゃくちゃフェイク織り交ぜて歌うので、どこかFUNKNESSやブルージーさがそれに加わって、より強力でかっこいいUPナンバーへと変化していきます。

03.He Makes Me Say

力強く歌うINTROから、気持ちよく歌い上げていくSyleenaの歌声に聞き入ってしまします。これほどに存在感があり、熱くブルージーでいてFUNKYな歌声の女性ってそうそういません。Jazz畑では結構歌が迫力ある人はいますが、しっかりとFUNKやSOULなどのBlack Musicを下地としていて、しっかりと迫力もって聞こえてくるんだから凄いですよ、やっぱり。気持ちがよく吼え上げてくれるSyleena Johnsonらしい一曲です！かっこいい〜わ〜姉御。

04.Special Occasion

気持ちがいいR.KELLYらしい楽曲に乗って、ステッパーズっぽい曲が展開していきます。R.KELLYこっちの曲の方が目立ってます（笑）心地よいリズムにのって、踊りながら聞きたくなりますね〜。こういうスマートに歌うこともSyleenaはできるから、素晴らしい。美しくその中に力強さを秘めた歌声で、魅了してくれますよ！最後のね〜ステップを踏むようなR.KELLYの掛け声がツボですね。思わず一緒にいいたくなりますもん。

05.More (feat. Anthony Hamilton)

これは、なんて濃い組み合わせ！どちらも、味のあるSOULFULな歌声の持ち主、Syleena JohnsonとAnthony Hamiltonのデュエット！お互いが自在にフェイクやシャウトをかましていくのですが、それがもう絵になる二人ですよ。どちらも本能の赴くままに吼えてます！っていう感じで、聞いているこちらも、自然とその歌声に体を揺らしてしまいます。メロディーラインの特徴のある曲っていうの、この人たちには必要ないですね、もう声だけでその魅力を存分に引き出してくれています。途中で二人で一緒にシャウトするところなんて悶絶モノの。濃い一曲です。

06.Bulls-Eye (Suddenly) (feat. Common)

美しいメロディーラインのイントロに卒倒しそうになりますね、そこからさりげなくRapでSyleenaを支えるCommon！いい仕事しています。Syleenaもかわいらしく歌い上げていて、美しいメロディーラインが引き立っていますね。そこから雰囲気を崩さない程度に、上手に歌い上げシャウトしていくSyleenaと、しっとりとRapしつづけるCommon!この二人ならではの素晴らしい一曲です。

07.Classic Love Song (feat. Jermaine Dupri)

ゆっくりと優しく包み込むような雰囲気が、ここまでの迫力あるSyleenaの歌をちょっとやわらげてくれています。Jermaine Dupriも前に出すぎずに完全サポート！上手く彼女の包み込むような懐の深い歌い方を、堪能させてくれます。でも、たまに鋭く歌い上げるところが、たまらない！気持ちがいい曲です。

08.Phone Sex (feat. Twista)

もうSEXY！ジャケットからして、SEXY路線真っ只中でしたけど、この曲でそのSEXYさは爆発します！Twistaのどこか無機質なRapが、余計に妖艶なSyleenaの歌声を引き立てて、彼女のエロスをこれでもかと突きつけられます。女性の歌で最近ここまでSEXYでエロくて、かっこいい！曲ってなかったんじゃないかな〜。マジでこれはやばいです。彼女のため息混じりの歌声が、この上ないエロスを醸し出します・・・でもエッチに感じるというよりは、よりSEXYでカッコよく感じるんですよ！これがすごいのです！最後の燃え上がる熱唱には脳に直接刺激が届くようです・・・ようなこの曲なしには、このアルバムは語れません！にして、Phone Sexでこんだけやらしかったら、もうその次はどうしちゃいましょう・・・

09.Slowly

セクシーな曲で盛り上がった後は、スローバラッドで癒してくれます。ちょっとセクシーな歌い方に、どこか切なさも加えつつ、しっとりと場を濡らしていきます。聞いている自分の周りがなんかしっとりと濡れていくようなそんなセクシーで緩やかな癒しをくれる一曲です。う〜ん、こんなの歌われたら、どっぷりSyleenaの世界に落ちちゃいますな・・・

10.Time

ミッドテンポな曲で、徐々に盛り上げていきます。後半のシャウトしまくりの盛り上がり方は、聞いている方が、気持ちよくなるぐらい！全曲のしっとりとした雰囲気も受け継ぎつつ、ちょっとづつ盛り上げていく。この辺が以前よりもアルバム単位での完成度が上がっている点ですね〜。

11.Still Open

きたー！このメロディーはいい！イントロのUh〜っていう歌声だけで、やられそうです。やっぱり、Syleenaは、声にとても魅力があるので、あまり特徴的なメロディーがある曲っていうのを歌わないことが多いのですが、たまにこういう風に素晴らしいメロディーラインでHOOKを歌われちゃうと、ただただ悶絶するしかないですね。いやー、本当に素晴らしいアルバムですよ。かならず２，３曲したら、盛り上げてくれるんですもの。

12.Another Relationship

こういうミッドテンポな曲を歌わせるとどれも彼女は味がある歌を披露してくれます。もう表現力が違うんですよね。歌の一つ一つに、表情をつけてくれます。決してリリックがわからなくても、どういう感情で歌っているのかが、聞いているとわかってくるほどに、彼女は、表現力があるのです。最後にかけての壮絶なシャウトの力強さはたまらないですね。響きます！

13.Leave Me Alone

ゆったりと歌いつないでいくスローバラード。心地よく歌い上げていくのが、魅力的ですね〜そこから、転調していくのも。こういうアルバムにしかはいらなそうな曲でも十分に水準が高いですよ！

14.Apartment For Rent

これでもかと歌いこんでいく、ちょっと暗めな一曲。1stアルバムの雰囲気のちょっと近いかもしれませんね。こういう感じで、どんどん内面をさらけ出すように歌い上げていくときのSyleenaの迫力は凄まじいいです。まさに、姉御！と呼びたくなるほどに、たくましく女っぷりがよくて、かっこいい！たぶん、きっと彼女は女の人でも惚れちゃうんじゃないかな？

15.Only A Woman

最後は、UPテンポに、軽快に締めてくれます！気持ちよ〜く、歌声に乗って聞き手を躍らせてくれますよ！この軽快なビートにのって、歌い上げまくり、吼え上げまくるSyleenaが、本当にかっこいいです！情熱的でもあり、芯の強さを感じさせる、まさにOnly A Womanのタイトルの相応しい女性のための一曲ですね！

16.The Flesh - Outro

1曲目のIntroと同じフレーズでしっとりと聞かせてくれて、フェードアウトしていきます。このねっちょりした感じを女性で出せるなんてやっぱりすごいです。このイントロとアウトロ聞いて気に入ったら絶対買って損はなしです。最後も綺麗に締めてくれます。

(Producer)

Duane Covert:(1)
Daniel Jackson:(1)
Kevin Cannon:(1)
R.KELLY:(2),(4)
Terry Hunter:(3)
Kay Gee:(5),(14),(15)
Kanye West:(6)
Jermaine Dupri:(7)
Keith Pelzer:(8),(9),(11)
Darrren Henson:(8),(9),(11)
Souldiggaz:(10)
Kevin Randolph & Larry "Rock" Campbell:(12)
Rick Robinson(13)

(LINK)

OFFICIAL
レーベル
amazon order